デジカメ Watch

【新製品レビュー】オリンパス E-500 (画質評価編)

〜世界最軽量のデジタル一眼レフ
Reported by 根本 泰人

 掲載した画像は特に注釈のない場合、画素数は最大サイズ約800万画素(3,264×2,448ピクセル)、ISO100固定、49分割デジタルESP測光、画質はSHQ、色空間はsRGB、画像仕上設定はナチュラル。彩度・コントラスト・シャープネスはすべて標準、ホワイトバランスはオートである。またレンズはすべてズイコーデジタル 14-45mm F3.5-5.6 ズームレンズを使用した。


レンズ性能

 最初にレンズキットのズイコーデジタル 14-45mm F3.5-5.6ズの性能を見てみることにする。

●画角変化
 広角端14mmは35mm判28mm相当、望遠端45mmは同じく90mm相当である。広角端が28mm相当から始まる約3倍のズームはかなりの画角変化があり、撮影の自由度が高い。とはいってもいろいろな撮影に使うと、もう少し両端が広いといいのにと思うことがある。


14mm F8 1/200 45mm F8 1/200

●遠景テスト
 14、18、25、35、45mmの各焦点距離で、絞り開放からF11まで絞りを変化させて、遠景の描写を調べた。ここでは開放とF8の作例を掲載する。

 広角端は絞り開放から画面全体に良く像が整っているが、画面左右の端部から四隅がわずかに甘い。F5.6にしぼると四隅までほぼ良くなり、それ以上しぼってもあまり変化しない。また周辺光量の低下はわずかに認められるが気にならない程度であり、F8まで絞ると解消する。

 望遠端では周辺光量の低下が気になる。F11に絞っても四隅がまだ暗くなっていることがわかる。画像は周辺まで良く整っているが、これも絞り開放では画面左右の端部から四隅がすこし甘い。F8以上に絞ると隅もかなり良くなる。


14mm F3.5 14mm F8

18mm F3.8 18mm F8

25mm F4.2 25mm F8

35mm F4.9 35mm F8

45mm F5.6 45mm F8

●近景テスト
 遠景テストと同様に、比較的近距離にある建物を撮影した。こちらの手違いでフードがきちんとはまっていなかったことに気がつかず、広角端でフードが写り込んでしまった。なお描写の傾向は遠景とほとんど同じである。


14mm F3.5 14mm F8

18mm F3.7 18mm F8

25mm F4.2 25mm F8

35mm F4.9 35mm F8

45mm F5.6 45mm F8

●ボケ味
 レンズのボケ味をみるため、望遠端で樹木を撮影した。絞り開放からF11まで絞ってみたが、比較的素直なボケ味である。画面の端のほうでは口径食の影響でボケがすこし崩れるが、大きな影響はなかった。


45mm F5.6 1/250 45mm F8 1/125 45mm F11 1/60

14mm F10 1/320
●逆光
 広角端で画面に太陽を入れて撮影し、ゴースト等の発生があるか調べてみた。その結果、作例のようなゴーストが現れた。しかし画面全体はすっきりとしている。

 逆光気味の撮影で撮影した画像も、ほとんどがすっきり描写されていた。実はE-300とこのズームの組み合わせを使用している複数の人から、逆光気味ではひどいフレアが出るという話を聞いていたのだが、今回使用したカメラとレンズの組み合わせでは大きな問題を感じなかった。先ほどのボケ味をみた作例で絞りがF5.6のものは画面に少しフレアが乗っているが、この程度である。だぶんこのレンズは改良されているのではないだろうか。


●歪曲収差
 2mほどの距離の壁面を撮影した。広角端では樽型の歪曲がやや目立つが、望遠端ではほとんど歪曲はないと言ってよいようだ。これはさきほどの建物の実写テストでも、同じことがわかる。


14mm F5.6 1/100 45mm F5.6 1/100

 このレンズは開放から画面全体に像が良く整っていて、望遠側での周辺光量の低下が気になるほかには大きな破綻はない。総合的な画質性能は、800万画素のボディ性能に十分適合したレンズと言えるだろう。


画質(圧縮率)変化

 オリンパスはSHQ、HQ、SQと分けていて、それぞれで設定できる圧縮率が異なるが、要はJPEGは1/2.7、1/4、1/8、1/12の4段階の圧縮率を設定可能ということである。ここでは最大画素3,264×2,448で1/2.7、1/4、1/8、1/12で撮影した画像を掲載する。このうち1/2.7の時がSHQといい、残りはHQとなるわけである。さらに最大画素以外の画質モードが、圧縮率にかかわらずすべてSQである。あらかじめメニューの中でHQは圧縮率を、SQは圧縮率と解像度を設定しておき、撮影時にはこれを呼び出すことで設定する。

 ここでは最大解像度3,264×2,448ピクセルで圧縮率の異なる画像を掲載した。やはり画角は14mmで、F9、1/200で撮影している。

 これらの画像の違いをモニター上で観察したが、私にはピクセル等倍から200%程度の拡大率では差がわからなかった。


3,264×2,448 1/2.7(SHQ) 3,264×2,448 1/4(HQ)

3,264×2,448 1/8(HQ) 3,264×2,448 1/12(HQ)

ISO感度

 感度はISO100から400までが通常使用範囲(AUTOにするとこの範囲内)で、拡張設定すると1600まで可能である。拡張時にはノイズフィルターの使用も設定できる。今回は昼間と夜景と2つのシーンでISO感度を変更して撮影した。なお拡張時のノイズフィルターはオフである。

 ISO100〜200の画像は、昼間の景色も夜景もノイズはほとんどわからない。ISO400になると昼間の景色では空などでわずかにノイズが現れる。夜景では背景の空などでやや明るい部分で少しノイズがわかる。

 拡張設定のISO800ではノイズがはっきりとわかってくるが、それでも比較的目立たない。ISO1600になるとさすがに昼間の景色でもノイズの影響で細部が失われるようになり、また夜景では赤いノイズで画面全体がざらざらしてしまう。

 以上の結果からはISO100〜400の間ではノイズの影響を心配せずに、きれいな画像を得ることができると言えるだろう。また拡張設定時にはノイズフィルターを使用するようにするとノイズが軽減する。

【お詫びと訂正】記事初出時、ノイズフィルター使用時に撮影時間が倍になり、その間撮影ができなくなるとの記述がありましたが、誤っておりました。お詫びして訂正させていただきます。

●昼間


ISO100 F8.0 1/250 14mm
ISO200 F8.0 1/250 14mm

ISO400 F11.0 1/500 14mm
ISO800 F11.0 1/1000 14mm

ISO1600 F11.0 1/2000 14mm

●夜間


ISO100 17mm F3.6 1/1.3 ISO200 17mm F3.6 1/2.5

ISO400 17mm F3.6 1/5
ISO800 17mm F3.6 1/10

ISO1600 17mm F3.6 1/20

画質調整

 E-500では、撮影の際に、シャープ、コントラスト、彩度の設定を簡単にした5種類の仕上がりモードを設定できる。色鮮やかなビビッド、自然な色合いのナチュラル、画像処理しやすいフラット、そしてモノトーンとセピアである。「モノトーン」には赤、橙、黄、緑のフィルター効果、「セピア」にはセピア、青、紫、緑の調色機能が加わっているのが特徴となっている。なお、レンズの周辺光量落ちを補正する、「シェーディング補正」という機能もある。


ビビッド 14mm 1/250 F8
ナチュラル 14mm 1/250 F8

フラット 14mm 1/250 F8
モノクロ 14mm 1/250 F8

セピア 14mm 1/250 F8

 仕上がりモードとは別に、カラー画像では彩度、シャープネス、コントラストを5段階調整できる。なおモノクロには4種のフィルター効果、セピアには4種の調色が可能である。

 そのほかに階調の設定モードがあり、標準に対してハイキー、ローキーを設定できる。撮影したデータを内部処理しているからか、画像の明るさは異なるが撮影データは同じである。


ホワイトバランス

 ホワイトバランスのマニュアル設定は太陽光、曇天、日陰、電球、白色蛍光灯、昼白色蛍光灯、昼光色蛍光灯の7種類が設定可能である。さらに補正はブルー/レッドとマゼンタ/グリーンの2軸それぞれで±7段階が可能と範囲が広い。また、ワンタッチホワイトバランスやカスタムホワイトバランス、ホワイトバランスブラケットも可能である。

 最初の作例は晴天時の午後1時半頃屋外で撮影したものである。オートは晴天よりむしろ曇天に近い色再現となっているが、不自然ではない。


オート 14mm F8 1/250秒 晴天 14mm F8 1/250秒 曇天 14mm F8 1/250秒

日陰 14mm F8 1/250秒 白熱灯 14mm F8 1/250秒

昼白色蛍光灯 14mm F8 1/250秒 昼光色蛍光灯 14mm F8 1/250秒

 続いて室内の蛍光灯下での撮影結果を示す。照明はナショナルのパルック昼光色蛍光灯である。蛍光灯を覆う白色ディフューザーの影響で色温度が偏っている可能性もある。今回もモデルはロシアカメラ研究家ゾルキー内田氏にお願いし、手にしているカメラは発売されたばかりのツァイス・イコンカメラである。

 いつもの条件下で3種類の蛍光灯の設定とオートで撮影してみたが、白色蛍光灯の設定ではやや赤みが強く、昼白色の設定では自然な感じだから緑色のかぶりが感じられ、昼光色の設定では黄色みがやや強く出る。結局オートで撮影したときが白色が一番白に近く表現されて、もっとも好ましいように思う。


オート 27mm F5 1/5秒 冷白色蛍光灯 27mm F5 1/5秒

昼白色蛍光灯 27mm F5 1/5秒
昼光色蛍光灯 27mm F5 1/6秒

 以上、様々なシーンで撮影した結果として、一般的な撮影シーンではオートがもっとも無難な結果を示すようだ。


測光モード

 49分割デジタルESP測光、中央部重的平均測光、スポット測光のそれぞれで撮影した結果はを示す。このような画面にあまり明暗差がないシーンでも、かなり撮影された画像の明るさが異なることがわかる。それなのに画像データに記録されている露出データが、3つとも同一であるのは不思議である。

 露出のわずかの過不足でも問題になる場合には、ブラケット撮影を活用したり、RAWで撮影して後で補正するという手段を検討すべきだろう。


49分割デジタルESP測光 14mm 1/250 F8
中央部重的平均測光 14mm 1/250 F8
スポット測光 14mm 1/250 F8

連写

 連写速度とAF動作を調べるため、電車のホームへの進入時の様子を撮影してみた。焦点距離は45mm、スポーツモードである(AF-C、連写モード)。露出はF5.6、1/500。

 結果は、最初の5コマまでは高速に切れたが、内蔵バッファがいっぱいになったため6コマ目は連続してはシャッターが切れなかった。またすべてのコマでピンぼけになってしまった。高速移動する被写体を撮影するのは、このカメラでは難しいのだろうか。




作例

14mm F8 1/200
小岩駅前。このカメラの画像はハイライト(白)が飛び気味になる。画像の鮮鋭さが少し足りないのは、手ブレのせいか?
14mm F9 1/200
おなじみ神谷バー。この画像はシャープ。ただしやはり白い部分は白一色になってしまう

19mm F9 1/125
雷門の大提灯もほぼ毎日見ていると、天気で表情が違う。ハイライトが飛び気味な分、シャドー部がわかる
14mm F5 1/80
11月3日は浅草時代祭。サンバカーニバルのようなカメラの放列は見られない

14mm F8 1/160
10月中旬から11月中旬は浅草寺境内で菊花展が開かれている。このカメラで撮ると白い菊はすべて真っ白くとんでしまい、微妙な質感をとらえることができなかった。こういう時にはスポット測光ハイライトコントロールを使うと良いのかもしれないが
45mm F7.1 1/160
黄色い菊もハイライトが飛んでしまう

14mm F7.1 1/160
小岩善養寺の菊花展も浅草寺に劣らず実に見事。発色はきれいだが、黄色や白の菊はディテールがわからない
18mm F7.1 1/160
小岩善養寺の菊花展にて

45mm F5.6 1/250
ほぼ最短距離での近接撮影。ピントは良く合っている
14mm F9 1/250
青い空がきれいだが、白い壁はほんとうはもっと汚れている

37mm F5.1 1/80
私を見ると餌としか思わない早田カメラ店のマスコット犬。ポートレートモードで。撮影はややアンダー気味になる
14mm F3.5 1/30
ストロボ撮影。光は周辺まで良く回っているが、露出がすこしアンダー気味

プリント時画質評価

 E-500とレンズキット付属の14-45mmで撮影したJPEG画像を、毎回評価に使用しているエプソンのA4機PX-G900とA3ノビ対応のPX-G5000を使用してプリントしてみた。撮影した画像を加工することなくそのまま印刷している。

 まずA4サイズ以下のプリントについては、文句なく鮮明なプリントが得られた。どの焦点距離でも細部までよく解像して見える。ただしよく観察すると、例えば空と建物の境界が強調された感じとなったり、ハイライトが飛んでしまうため、貼り絵のような感じになりいわゆる「デジタル臭さ」を感じてしまうプリントもあった。

 G-5000でA3ノビに印刷した場合であるが、これもまあまあきれいなプリントである。ただし全般に細部の締まりがやや甘い。これはアンシャープマスクをかけるなど、後処理することで改善はできる。また屋外で撮影した写真は階調再現があまりなめらかでないためか、やはり先ほど述べたデジタル写真っぽさを感じてしまう。800万画素ということなら、もう一段高品位なプリントが欲しいと思う。階調再現がもっとなめらかになり、ハイライトとシャードのバランスがとれた描写になると、高品位になるのではないだろうか。

 ファミリーユースの一般的な撮影で、A4サイズ程度までのプリントは特に手をかけなくても鮮明なプリントが得られるカメラということになろう。



URL
  製品情報
  http://www.olympus-esystem.jp/products/e500/

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根本 泰人
(ねもと やすひと)クラシックカメラの収集が高じて有限会社ハヤタ・カメララボを設立。天体写真の冷却CCD撮影とデジタル画像処理は約10年前から、デジカメはニコンE2/E900から。趣味は写真撮影、天体観測、ラン栽培、オーディオ(アンプ作り)等。著書「メシエ天体アルバム」アストロアーツ刊ほか。カメラ雑誌、オーディオ雑誌等に寄稿中。 http://www.otomen.net
http://www.hayatacamera.co.jp

2005/12/21 01:08
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