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iPod Photoにデジカメを接続する「Camera Connector」を試す

Reported by 編集部

デジカメと接続したiPod Photo。iPod Photoの下部の小さな箱がCamera Connector
 いまやHDDデジタル音楽プレーヤーの代名詞となったiPodに、カラー液晶モニターとフォトビューア機能を搭載したのが「iPod Photo」だ。iPod PhotoはPCから転送された画像の表示に特化されたフォトビューアだ。だから、いわゆる「フォトストレージ」と呼ばれる製品のように、出先でデジタルカメラから画像を吸い上げて、保存する機能は持っていない。

 そんなiPod Photoにフォトストレージ機能を追加してくれるオプション「Camera Connector」が、3月下旬に発売された。ここではその使い勝手などをレポートしてみたい。なお、同社直販価格は3,400円である。


高速ブラウズが快適なiPod

iPod Photo
 iPod Photoの詳細は以前にもレポートしているが、ここでもざっとおさらいしておく。

 iPod Photoは、220×176ドット、65,000色表示可能なLEDバックライト付き2型カラー液晶とフォトビューア機能を搭載したiPodのバリエーションだ。TV出力端子を持ち、TVに画像を表示することもできる。現在発売されているのは、HDD容量30GBと60GBのモデルで、30GBモデルは本体の厚さが16.1mm、60GBモデルは19.1mmとなっている。また、以前は厚み19.1mmの40GBモデルも用意されていた。今回は60GBモデルを試用した。

 iPod Photoの最大の特徴は、iPod Photo上での画像のブラウズが非常に高速で、快適なことだ。iPodで「クリックホイール」を操作して選曲するのと同様に、写真もブラウズできる。クリックホイールをまわすことで、アルバム内の画像が次々に表示される。選択した写真数枚に任意の音楽をつけて、スライドショーに仕立てることもできる。

 iPod Photo自身にはメモリカードスロットは無いし、USBホスト機能もないので、フォトビューア機能を利用するには、PCにインストールされた「iTunes 4.7以降」でPC内の画像をiPod Photoに転送する必要がある。


iTunesの「編集」−「設定」−「iPod」−「写真」で、「フル解像度の写真を含める」をチェックしないと、元の大きさの画像は転送されない。デフォルトではチェックされていない
 デフォルトの設定では、PC内の画像そのものは転送されない。iPod Photoの液晶モニター用と、TV表示用にリサイズした画像だけが転送されるのだ。これにより、iPod Photo上での高速な画像表示と、転送時間の短縮、iPod PhotoのHDD使用領域の節約が図られている。

 ただし、快適な操作性の代償として、iPod Photo上では画像の拡大などができない。iPod Photoの液晶モニター用に解像度を落とした画像しか転送されていないからだ。

 なお、転送時に指定すれば、リサイズ前の元画像も転送することができる。こちらは外出先でプリントアウトをしたいとか、画像のバックアップをiPod Photoに入れておきたいというときに使う。


フォトストレージ機能を追加するCamera Connector

Camera Connector(中)。左のSDメモリーカードと右のCFと比べると、その小ささがわかる
 「Camera Connector」は、デジタルカメラからiPod Photoに直接、画像を転送するための製品だ。出先でiPod PhotoとデジタルカメラをUSBケーブルで接続すれば、デジタルカメラ内の画像をiPod Photo内に転送できる。

 30/40/60GBいずれのiPod Photoにも対応するが、ファームウェアがバージョン1.1である必要がある。これ以前のファームウェアを1.1にするためのアップデータが、アップルコンピュータのサイトで公開されている。

 同様の機器が以前から、iPod用に販売されていたが、iPod並みの大きさがあってかさばり、転送速度も遅いため、あまり実用的ではなかった。Camera Connectorは、サイズに関しては、30×37×10mm程度と、むしろ失くすのが心配になるほど小さい。スイッチやディスプレイの類はまったく無く、一方にiPod PhotoのDockコネクタに挿す端子と、反対側にUSB端子があるだけだ。なお、iPodのアクセサリ全般に言えることだが、デザイン優先でツルツルの表面処理になっていることが災いして指でしっかりつまみにくく、抜き挿しがしにくい。

 対応するデジタルカメラは米Appleのサイトに掲載されているが、USBマスストレージクラスに対応していれば、ここに掲載されている以外の機種でも使えるようだ。なお「USBマスストレージクラス対応」とは、その機器をPCにUSBで接続すると、PCからは外付けHDDなどのように見え、エクスプローラやFinderで、他のフォルダと同様に操作できる機器のことを言う。

 実際、今回のテストで使用したニコンのCOOPIX5200とD2Xはリストに掲載されていないが、問題なく動作した。また、バッファローのUSB 2.0対応メモリカードリーダー「MCR-8U/U2」をiPod Photoに接続して、CF内のデータを転送することもできた。マスストレージクラスに対応していないデジカメのユーザーでも、小型のメモリカードリーダー経由でiPod Photoに画像を転送できるということになる。

 ただし、保証の限りではないので、対応機種以外については各自の責任で試してほしい


シンプルな操作

 ではCamera Connectorでデジカメ内の画像を吸い上げてみよう。使い方は簡単。Camera ConnectorをiPod PhotoのDockコネクタに接続し、Camera ConnectorとデジカメをUSBケーブルで接続するだけだ。

 USBケーブルはCamera Connectorには付属しないからカメラに付属しているUSBケーブルを用意する必要がある。カメラ側のコネクタ形状には違いがあり、独自形状のコネクタを持つものもあるから、カメラ付属のケーブルを使うというのは合理的な発想だろう。

 すべてが接続されると、iPod Photoのディスプレイには「読み込み」メニューと、デジカメ内にある写真の枚数、合計容量が表示される。あとは「読み込み」を選択して、選択ボタンをクリックするだけで、転送が開始される。


接続すると読み込みメニューが表示される 転送中の画面

 このとき、デジカメ内の任意の画像だけ転送することはできない。デジカメ内の画像がすべて、一気に転送される。したがって、転送後にデジカメ内の画像を消去しなければ、同じ画像が何度も転送されることになる。

 取り込んだ一連の画像は「ロール」と呼ばれるアルバムになる。取り込んだ順に「ロール#1」、「ロール#2」などと番号が振られていく。ロールは、PCから取り込んだアルバムとは別に、「写真の読み込み」メニュー内に分類されている。


Camera Connectorを接続したり写真を取り込むと、「写真の読み込み」メニューが表示される デジカメから直接取り込んだ一連の写真は「ロール」という名前になる ロールを選択すれば、ほかの写真と同様にサムネールが表示され、写真を選べる

転送速度は遅めだが、iPodでの表示は速い

 気になる転送速度をストップウォッチで計測してみた。

 まず、コンパクトデジカメの代表として、編集部にあったCOOLPIX5200を接続。「3M FINE」で撮影した99枚、合計100MBの画像を転送してみたところ、約4分35秒を要した。

 デジタル一眼レフカメラ代表としては、やはり編集部にあった600万画素のニコンD70を使用。Large Fineで撮影した41枚、100MBの画像の転送には、約3分40秒かかった。

 ちなみにどちらもUSB 1.1のみ対応のデジカメなので、ためしにUSB 2.0(High-Speed)に対応したニコンD2Xと、バッファローのUSB 2.0対応メモリカードリーダー「MCR-8U/U2」でD70と同じ画像を転送してみたところ、かかる時間は同じだった。転送時間に関しては、他のフォトストレージ製品と比較すると遅いと言わざるを得ない。

 が、どうやらこれは、PCからの転送時と同じく、iPod Photoの液晶モニターに最適化した画像を生成しながら転送しているためのようだ。取り込んだ画像を表示してみると、PCから転送した画像とまったく同様、非常に軽快にブラウズできるのだ。表示する際に、元の画像からリサイズしているようなタイムラグは感じられない。iPod Photoの軽快さが見事に生かされている。

 ただし、TVに出力しようとすると、デジカメから読み込んだ写真はTVには表示できない旨が表示される。TVに表示したければ、いったんPCに転送して、再度iTunesでiPod Photoに転送しなければならない。つまりデジカメから直接取り込む時は、iPod Photoのモニタ用画像だけ生成し、生成した画像と元の画像をiPod Photo内に転送しているらしい。

 ちなみに、iPod Photo内に転送された画像は「DCIM」フォルダに格納されており、PCに取り込むときはエクスプローラやFinderで、PC内にコピーすればよい。

 また、PCから転送した画像と同様に、拡大縮小もできない。元の画像をそのまま表示することはできないようだ。


PCに接続したiPodにエクスプローラでアクセスしたところ。「DCIM」フォルダができている DCIMフォルダ内にロールごとにフォルダができ、その中に画像が格納される

iPodの使い道を広げる一品

 iPod Photoは、音楽とデジタル画像を同じように快適に楽しむための製品だ。液晶モニタやTVに最適化した小さな画像しか転送しない割り切りも、そう考えれば合点がいく。

 筆者は、Camera Connectの詳細な仕様が不明だった頃、デジカメから転送した画像はiPod Photo上では一切表示せず、単にデジカメ画像を出先でバックアップしておくだけのオプションではないかと想像していた。デジカメから大きな画像を転送し、それをノロノロと表示しているようではiPod Photoのコンセプトは崩れてしまう。小さな外観からは、iPod Photo用の小さな画像を生成する機能はなさそうに見えた。

 だが実際には、iPod Photoの美点を殺さないように、画像の表示もこなせる製品に仕上がっていた。TVに出力できないのは残念なところだが、iPod Photoの用途を大きく広げてくれる製品といえるだろう。



URL
  製品情報
  http://www.apple.com/jp/ipodphoto/

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編集部

2005/04/04 14:50
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