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【新製品レビュー】コニカミノルタ DiMAGE Z5

〜レンズ一体型の真骨頂、幅広い焦点距離を楽しむ
Reported by 小山 伸也

 コニカミノルタから、光学12倍・デジタル4倍ズームとCCDシフト方式の手ブレ補正機構を搭載した500万画素デジタルカメラ、「コニカミノルタ DiMAGE(ディマージュ) Z5」が発売になった。話題がデジタル一眼レフカメラになびくなか、コストパフォーマンスの高いこのDiMAGE Z5とは、どんなカメラだろうか。


概要

 コニカミノルタのDiMAGE Zシリーズは、高倍率ズームレンズと高画素の撮像素子を搭載したレンズ一体型デジタルカメラで、2003年10月に発売されたZ1からはじまり、Z5は4代目にあたる。

 DiMAGE Z5は、光学12倍ズームレンズ+デジタル4倍ズームで最大48倍(35mm判換算で35〜1,680mm相当)の「メガズーム」を搭載して超望遠撮影を可能にし、また最短1cmのマクロ撮影にも対応している。そして、撮像素子にシリーズ最高の約500万画素CCDを採用しているのが特徴だ。そして、この高倍率ズームを安定して撮影できるように、コニカミノルタ独自のCCDシフト方式の手ブレ補正機構「Anti-Shake」を搭載している。

 最近のコンパクトデジタルカメラと比較すると、このDiMAGE Z5はけっして小型/軽量とはいえない。しかし高倍率ズーム搭載と近接撮影性能により撮影領域が広く、手ブレ補正機能も搭載しているので、誰でもがオールラウンドに使えるデジタルカメラといえる。もちろん、動体予測機能を備えたAFや高速連写、2型液晶モニター、動画撮影機能、多彩な露出モードなど、コンパクト機にはない性能と機能を持っている。記録メディアにはSDメモリーカード、電源には単3電池4本を使う。





12倍ズームレンズ

 このDiMAGE Z5の最大の魅力は、光学12倍ズームレンズを搭載していることだ。光学ズームの焦点距離は35〜420mm(35mm判換算)で、十二分に広い撮影範囲を持つ。フィルムカメラではもちろんのこと、デジタルカメラでもなかなか手に入らない焦点距離だ。

 少し昔のレンズでは、AFでもMFでもピントを合わせる時には、鏡胴全体が動いてしまい持ちにくかったりしたが、最近のレンズはインナーフォーカス方式が採用されており、鏡胴が動くことは少ない。このDiMAGE Z5のズームレンズではAF動作時も、ズーミングの時も鏡胴が動かず持ちやすい。

 しかし問題は、この小さなレンズでどの程度の画質を見せてくれるのかだ。35mm判一眼レフカメラでも10倍超の高倍率ズームは、今や標準ズームレンズとして多くの人が使っているが、このZ5のレンズと大きさを比べると数倍はある。搭載されているCCDが1/2.5型なので、デジタル一眼レフカメラ用のAPS-Cサイズの撮像素子やフィルムの1コマと比べると小さく、開放F値は確保されているが、いろいろな収差が気になるところだ。

 結果は、広角側での歪みが大きかった。本来、広角側は室内での撮影などを考えると少なくとも28mm程度まではほしいところ。ズーム倍率とレンズ性能を両立させるために35mmと無理のないところを選んだと思っていたが、35mm側で大きく樽型の歪みがでていた。街中のビル群や鉄道車両などを広角側で撮影するのには無理があるかもしれない。

※キャプション内の撮影データは、画像解像度(ピクセル)/露出モード/ISO感度/露出時間/絞り/露出補正値/ホワイトバランス/35mm判換算焦点距離です。


西武池袋線富士見台駅に停車中の6000系電車。撮影しているのは、1駅池袋寄りの中村橋駅のホームからで、被写体までの距離はおおよそ700mあり、デジタルズームを4倍にするとここまで大きく写すことができる。若干ノイズも出ているが、天気も小雨状態で、とりあえず写ったという感じだ
2,560×1,920 / 絞り優先AE / 100 /1/50(秒)/ 4.5 / 0 / オート /1,680mm相当
同じ電車を2倍のデジタルズームにして撮影したもの。迫力は弱くなるが、画質はグッと良くなった
2,560×1,920 / 絞り優先AE / 100 /1/60(秒)/ 4.5 / 0 / オート / 840mm相当

さらに同じ電車をデジタルズームではなく光学12倍ズームの最望遠側で撮影したもの。ノイズも見られず安心して見ることができる
2,560×1,920 / 絞り優先AE / 100 /1/50(秒)/ 4.5 / 0 / オート / 420mm
またまた同じ電車(右側)を200mmくらいで撮影したもの。コンパクトタイプのデジタルカメラでは、このくらいの大きさが限界だ。ここまでくると焦点距離1,680mmがいかにすごいのかがわかる
2,560×1,920 / 絞り優先AE / 100 /1/80(秒)/ 4.5 / 0 / オート / 200mm

最後に同じ電車を最広角側の35mmくらいで撮影したもの。すでに先ほどの電車は富士見台駅を出発している。前照灯が点灯していなければ、電車がいることさえわからない
2,560×1,920 / 絞り優先AE / 100 /1/125(秒)/ 4.5 / 0 / オート / 35mm
こちらは東海道本線の熱海駅。本当は梅を撮影しにきたのだが、ご覧のような雨模様で断念。特急「踊り子」号に活躍する185系は、10両+5両の15両編成で、その連結部を35mm側で撮影したのだが、ご覧のような歪みが出てしまった。ホームがカーブしているわけではないので念のため
2,560×1,920 / 絞り優先AE / 100 /1/30(秒)/ 7.1 / 0 / オート / 35mm

4倍デジタルズーム

 今回、最も楽しみにしていたのが4倍デジタルズームを使って1,680mmの世界を楽しむことだった。このデジタルズームを使うと画素数は減少するが、DiMAGE Z5は500万画素機であることと、補間処理がなされるので、ある程度の画質は得られると思っていた。結果は35万画素だった10年前のデジタルカメラと比べれば良い画質だと思うが、やはり500万画素の画像を見慣れた目にはつらいかもしれない。

 それよりもまして、焦点距離1,680mmの画角は約1.5度と狭いため、ちょっとしたブレが画質に影響し、手ブレ補正をかけていても苦しかった。デジタルズームも2倍程度であれば十分に楽しめる画像になる。2倍の800mmでも、そう簡単に手に入る焦点距離ではないので、これは素直に喜ぶべきだろう。

 レンズ一体型の真骨頂はこのあたりにあるのではないだろうか。デジタル一眼レフカメラでももちろんデジタルズームを機能として組み込むことは可能だろうし、PCに取り込んでからの作業でも可能だ。しかしワンタッチでこんな超望遠の世界に入り込めるのはやはりレンズ一体型ならではだと思う。


やっと晴れました。埼京線板橋駅から池袋方を向いて4倍デジタルズームを使い、約500m先の新宿行き電車を後ろから撮影した。前々日の画像とやや違って、車体の直線がガタガタになってしまった。陽炎が出ていたとは思えないのだが……。
2,560×1,920 / 絞り優先AE / 100 /1/400(秒)/ 4.5 /-0.3 / オート / 1,680mm相当
前の写真ですれ違っている川越行きの電車を約400mの距離で撮影したもので、2倍のデジタルズームにすると画質はかなり良くなってくる。デジタルズームが実用的なのはこの2倍程度と感じたのがこの画像だ
2,560×1,920 / 絞り優先AE / 100 /1/250(秒)/ 4.5 /-0.3 / オート / 840mm相当

マクロとスーパーマクロ

 今年の冬は少し長めのようだが、もうすぐ春がやってくる。春といえば花、花にはマクロレンズだ。このDiMAGE Z5には、広角側でレンズ先端から0.1〜1m、同じく望遠側で1.2〜2.5mの被写体にピントが合わせるマクロと、ズームレンズを63mm程度の焦点距離に固定して、最短1cmまで被写体に近づけるスーパーマクロが搭載されている。最大で3.1×2.3cmの範囲を撮影でき、その撮影倍率は約1.2倍(35mm判換算)と、35mm判フィルムを使う一眼レフカメラのマクロレンズよりも、大きく撮影できるので大変魅力的だ。

 ここまで被写体を大きく撮影しようとすると、ちょっとした手ブレや被写体ブレでも画像に影響する。被写体ブレはやむを得ないが、手ブレを抑える補正機構も十分に効果を発揮できないようで、シャッター速度を1/30秒以下では三脚を使ったほうがよさそうだ。

 マクロ撮影時、スペック上は望遠420mm側で1.2〜2.5mの範囲でピント合わせ可能となっているが、被写界深度を加味してある数字のようで、もう少し長いように感じた。スーパーマクロは確かに「寄れる」感じではあるが、前述したように被写体を大きくすれば、手ブレの影響も大きくなるので三脚使用が前提となり、実用性は薄いかもしれない。


花の名前はわからないが、花の大きさは7〜8cm程度ある。窓から差し込んでくる自然光と電球色の照明にあたっているが、コニカミノルタらしい柔らかさを感じた1枚だ。距離3mくらいで最広角側35mmを使って撮影。もちろん手ブレ補正ONで、手持ち撮影
2,560×1,920 / 絞り優先AE / 100 /1/8(秒)/ 4.5 /-0.3 / オート / 35mm
今度は最望遠側420mmにして同じく距離3mくらいで撮影したもの。12倍ズームだとマクロの必要性を感じないくらいだ。420mm側で、もちろん手ブレ補正ONの手持ち撮影
2,560×1,920 / 絞り優先AE / 100 /1/13(秒)/ 4.5 /-0.3 / オート / 420mm

マクロにして、距離30cmくらいで撮影したもの。マクロではズームが効くので100mmくらいにして撮影したもの。手ブレ補正ONの手持ち撮影をしたが、少しブレてしまった
2,560×1,920 / 絞り優先AE / 100 /1/15(秒)/ 4.5 /-0.3 / オート / 100mm
スーパーマクロにして距離15cmくらいで撮影したもの。スーパーマクロにおいてはAFでもピント合わせは厳しい。DiMAGE Z5に限らず一眼レフカメラでも、マクロ撮影(スーパーマクロも)をする時は、絞り込んで撮影してもそれほど被写界深度は深くならないのでピント合わせは難しい。真ん中のメシベに合わせたつもりだったが、結果は後ピンになってしまった。EVFでは残念ながらピントの確認が難しく、AFを使ったマクロ撮影をEVFで行なう場合は、手持ち撮影でフォーカスロックをして体を前後させてフォーカスのブラケティングをしたほうがよいだろう
2,560×1,920 / 絞り優先AE / 100 /1/6(秒)/ 4.5 /-0.3 / オート / 63mm

ストロボ撮影

 ストロボ連動範囲(ストロボ光が有効となる距離)は、仕様によると35mmワイド端で0.2〜3.6m、420mmテレ端で1.2〜2.2mとなっている。これはISOオート時(つまり50〜320まで自動的に変化する)の数値なので厳密な計算はできないが、ISO100としてもガイドナンバーはおおよそ10前後(ISO100)となる。コンパクトタイプのカメラとしては、けっして弱いストロボではないが、装着されているレンズの焦点距離が35〜420mmなので話は変わる。

 35mm側で3.6m離れれば10畳間くらいでの撮影で少し多い家族の集合写真も可能だが、パーティ会場などで挨拶する人を撮影すると、少し小さく写ってしまう。バストアップの撮影をしようとするならば1mくらいまで近寄らなければならず、挨拶をする人や他の人に迷惑がかかる。望遠側にすると4m程度でバストアップが可能になるのだが、今度はストロボが有効にならない。ISO感度を320まで上げて撮影すると可能なのだが、画像が少し荒れてしまう。やはりストロボはもう少し強めがよいだろう。


昨年からはじまったフォトマスター検定の「フォトマスターEX合格者の集い」で挨拶をする有名な写真家のN先生。N先生の話の邪魔をしてはいけないと思い、距離7mくらいを最望遠420mm側でストロボ撮影したもの。残念、うまく写りませんでした。別売りの外部ストロボ2500(21,000円)を使えば、計算上ではきれいに撮影できるはずだが……
2,560×1,920 / 絞り優先AE / 100 /1/100(秒)/ 4.5 /-0.3 / オート / 420mm
先生のお話を熱心に聴いている方々には悪いと思いつつ、1.5mくらいまで近づいて最広角側の35mmで撮影した。何とか撮影できたが、少しノイズが気になった。N先生、ご協力ありがとうございました
2,560×1,920 / 絞り優先AE / 100 /1/40(秒)/ 4.5 /-0.3 / オート / 35mm

その他

 ストロボ撮影は少し非力だが、デジタルカメラが少し苦手とする夜空の撮影では、ノイズリダクションが効いて比較的にきれいな画像が得られた。ISO感度100はもちろんのことISO感度を320まで上げて撮影しても、ノイズが抑え込まれているのがよくわかった。

 バッテリーは専用の充電池ではなく単3形を4本使う。アルカリ乾電池のほかに充電式のニッケル水素電池が使用可能だが、マンガン電池などは使えない。今回の撮影ではアルカリ電池を使い100ショットぐらいの撮影ができた。気温が2〜5度と低い時が多かったことや、液晶モニターで撮影した画像の確認が多いので、この程度の撮影が可能ならばよいのではないだろうか。

 若干気になったのが電池の重さで、4本も入れると90gぐらいになってしまう。カメラだけの重さが340gなので、電池の割合が重すぎるようにも思える。


朝5時に起きて、ISO100、200、320の順番で撮影した。このような状況での撮影なので、ノイズは覚悟の上だったが、ISO100、200、320大きな差はなかった。ノイズリダクションがうまく効いているようだ
2,560×1,920 / 絞り優先AE / 100 /4(秒)/ 8.0 /-0.3 / オート / 420mm
2,560×1,920 / 絞り優先AE / 200 /3.2(秒)/ 8.0 /-0.3 / オート / 420mm

2,560×1,920 / 絞り優先AE / 320 /2(秒)/ 8.0 /-0.3 / オート / 420mm グリップ部はそっくり電池室。電池を入れると重くはなるが、重心がグリップ側に寄って持ちやすくなる。単3電池は手に入りやすい代わりにオペレーションコストが割高になるので、ニッケル水素充電池を使うとよいだろう


URL
  コニカミノルタ
  http://konicaminolta.jp/
  製品情報
  http://konicaminolta.jp/products/consumer/digital_camera/dimage-z5/

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コニカミノルタ、手ブレ補正付き高倍率ズーム機「DiMAGE Z5」(2005/02/02)



小山 伸也
中央大学理工学部卒業後、オーディオメーカー、カメラメーカーを経て2002年春にフリーになる。カメラ雑誌で写真やカメラの解説、鉄道や航空雑誌で車両や航空機の解説など幅広く活躍している。カメラメーカー勤務時には日本カメラショーなで講師を務めていた。1955年生まれ東京都出身。

2005/03/09 00:00
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