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パナソニックLUMIX DMC-L10【第1回】
価値あるフリーアングル液晶モニター

Reported by 安孫子 卓郎


LUMIX DMC-L10とキットレンズのLeica D Vario-Elmar 14-50mm F3.8-5.6 ASPH. MEGA O.I.S.
 これからのデジタル一眼レフカメラに求められるトレンドとは何でしょうか。まずはダスト対策であり、さらに手ブレ補正です。その効果のほどは各社さまざまですが、主なメーカーは、何らかの形で対応するようになりました。

 さらに、最近注目を集めているのがライブビュー機能です。コンパクトデジタルカメラでは当たり前の機能が、デジタル一眼レフカメラでやっと実現しました。ある意味、逆転現象とも言えますが、とても大きな前進です。今後、デジタルならではの様々な画像処理機能が加わるものと思いますが、撮影時における便利さという点では、ライブビューとフリーアングル液晶モニターの進化が重視されることでしょう。

 筆者の主な被写体は、犬や猫、花などです。これらの撮影には、ライブビューとフリーアングル液晶モニターはきわめて大きなポイントです。ほかの機能が劣っていても、カメラ選びの中で優先させて考えるくらいです。

 もちろん、スポーツやポートレート撮影では、これらは「あれば便利」という程度のウェイトで、カメラを選ぶときの主たる要素にはならないでしょう。また、商品撮影や三脚に乗せての風景撮影ではライブビューだけでよく、フリーアングル液晶モニターは特に必要でないという方もいます。このようにダスト対策や手ブレ補正機構と違い、ニーズや価値判断の分かれる部分といえます。すべての機種に搭載されるとは思いませんが、デジタル一眼レフカメラでの撮影を大きく進化させる機能として、今後広がりを見せることは間違いないと考えています。


2.5型のフリーアングル液晶モニターを採用。筆者にはきわめて大きなカメラ選びのポイントだ
 現在、ライブビューとフリーアングル液晶を実現している機種は、オリンパスの「E-3」と、パナソニックの「LUMIX DMC-L10」の2機種しかありません。性能的にはフラッグシップを標榜するE-3が上ですが、例えば女性がペットを気軽に撮りたいと思うとき、値段も張る上、重さもあるので現実的な選択とはいえないでしょう。DMC-L10ならボディのみ10万円前後、キットレンズ付きで15万円前後。重量は約480g。「ボディが軽くてフリーアングル液晶モニター、購入金額もそこそこに抑えたい」となると、DMC-L10は今のところ唯一の選択肢、といってもよいのです。E-330からライブビュー付きカメラを使い続けている筆者も、フリーアングル液晶モニターを目当てに早速購入して使っています。

 DMC-L10は、フォーサーズ規格に準拠した有効1,010万画素機。ボディ価格が10万円弱ということもあり、機能的には不足する部分もありますが、値段からすれば納得のいく仕様ではないかと思います。画素数の1,010万画素は必要にして十分過ぎるものがあり、個人的にはまったく不満はありません。ただし犬や猫を撮る場合、3枚/秒の連写性能に不安を覚えますが、クラス的にはやむをえないところでしょう。

 また、3点しかないAF測距点は今どきのデジタル一眼レフカメラとしては少なく、見劣りを感じるところでしょう。しかしフォーサーズは被写界深度が深いため、フォーカスロックでカバーしても、コサイン誤差の影響は少なくて済みます。いまのところ使えるレンズが2本に限定されるとはいえ、デジタル一眼レフカメラではまだ珍しい、ライブビューでのコントラスト検出式のAFにも対応しています。DMC-L10以外、ニコンのD3とD300にしか装備されていないコントラストAFですが、その使い勝手もいずれレポートしたいと考えています。

 デジタル一眼レフカメラも進化し、何を撮りたいのかによって価値判断が変わる時代になりました。筆者にとってDMC-L10は、使って便利で楽しいカメラとなっています。これから本連載では、キットレンズ「Leica D Vario-Elmar 14-50mm F3.8-5.6 ASPH. MEGA O.I.S.」の手ブレ補正効果を検証する意味も含め、ほとんどの撮影をISOオート、手ブレ補正ON、手持ちで行なう予定です。

  • 作例のリンク先のファイルは、JPEGで撮影した画像をコピーおよびリネームしたものです。
  • 作例下の撮影データは、記録解像度(ピクセル)/露出時間/絞り値/露出補正値/ISO感度/ホワイトバランス/実焦点距離を表します。
  • 強調のため一部の項目を1行目に抜粋した場合もあります。
  • 使用レンズはLeica D Vario-Elmar 14-50mm F3.8-5.6 ASPH. MEGA O.I.S.です。


3,648×2,736 / 1/30秒 / F5.6 / -0.33EV / ISO250 / WB:曇り / 17mm
3,648×2,736 / 1/30秒 / F5.6 / -0.66EV / ISO400 / WB:曇り / 50mm

3,648×2,736 / 1/30秒 / F5.6 / -1EV / ISO160 / WB:曇り / 50mm
3,648×2,736 / 1/30秒 / F5.6 / -1EV / ISO160 / WB:曇り / 50mm

3,648×2,736 / 1/30秒 / F5.6 / -1EV / ISO160 / WB:曇り / 33mm
3,648×2,736 / 1/30秒 / F5.6 / -1EV / ISO160 / WB:曇り / 32mm

3,648×2,736 / 1/30秒 / F5.6 / -1EV / ISO250 / WB:曇り / 50mm
3,648×2,736 / 1/30秒 / F5.6 / EV-1.66 / ISO400 / WB:曇り / 50mm

3,648×2,736 / 1/20秒 / F5.6 / -1.33EV / ISO400 / WB:曇り / 14mm
3,648×2,736 / 1/20秒 / F5.6 / -1.33EV / ISO400 / WB:曇り / 14mm

3,648×2,736 / 1/30秒 / F5.6 / 0EV / ISO125 / WB:曇り / 50mm
3,648×2,736 / 1/2,000秒 / F3.8 / 0EV / ISO100 / WB:晴れ / 14mm

3,648×2,736 / 1/60秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:晴れ / 50mm 3,648×2,736 / 1/250秒 / F5.6 / -0.33EV / ISO100 / WB:晴れ / 14mm

3,648×2,736 / 1/40秒 / F5.6 / 0EV / ISO100 / WB:晴れ / 50mm



安孫子 卓郎
(あびこたくお) きわめて頻繁に「我孫子」と誤変換されるので、「我孫子ではなく安孫子です」がキャッチフレーズ(^^;。大学を卒業後、医薬品会社に就職。医薬品営業からパソコンシステムの営業を経て脱サラ。デジタルカメラオンリーのカメラマンを目指す。写真展「デジタルカメラの世界」など開催。現在パソコン誌、写真誌等で執筆中。

2007/12/05 00:14
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