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パナソニック LUMIX DMC-TZ3【第1回】
使う気になる世界最小10倍ズーム

Reported by 奥川 浩彦


 DMC-TZ3は、約1年前に発売された「DMC-TZ1」の後継機で、28mmからの10倍光学ズームレンズを搭載している。ほかに大きく違うのは、サイズが幅で7mm、奥行きで3.5mmと一回り小さくなったにも関わらず、液晶モニターが2.5型から3型と大きくなったこと。また、ブレの防止に役立つ「動き認識」が加わったことだろう。筆者的にはレンズキャップがなくなった点と、マルチアスペクトと呼ばれる縦横比の考え方を変えたことが気になっている。

 コンパクトデジカメに広角28mmのトレンドを持ち込んだのは、パナソニックの功績といっていいだろう。従来からのカメラメーカーのインタビューコメントなどを読むと「売るためには広角よりも望遠」といった風潮がある中、積極的に広角をアピール。圧倒的な宣伝力もあり、広角28mmはかなり定着してきたように思える。筆者はこの傾向を大いに歓迎している。広角28mmと手ブレ補正は、コンパクトデジカメの必須機能と思うからだ。

 従来のTZ1が35〜350mmの10倍ズームだったのに対し、28〜280mmと広角に振った10倍ズームは、われわれが思う以上に英断が必要だった気がする。筆者は富士フイルム「FinePix S9000」の28〜300mmの10.7倍ズームについて、極めて良心的な仕様だと思ったことがある。ユーザーにとってメリットのある広角28mmと営業面で譲れない300mmという大台の両立は、おそらくせめぎ合いの結果だと想像していた。

 TZ3の28〜280mmという仕様も実用的にはいい落としどころだ。CCDの高解像度化の恩恵で、EXズームを使い、15倍ズームとして使用することも可能だ。その点も考えれば望遠端は280mmでも充分だといえよう。ズームのステップは30以上と細かく、ほぼシームレスに画角を選ぶことができる。

 レンズはLeica DC Vario-Elmar。9群11枚のストレートな沈胴式となっている。TZ1が屈曲式と沈胴式を併用した特殊なレンズだったのに対し、今回はごく普通の沈胴式で、ボディは3.5mm薄くなった。TZ3の宣伝では、天狗の鼻のようにレンズが伸びるイメージを示しているが、実際の繰り出し量は広角端から望遠端で14mmとなっている。

 ボディサイズは105×36.7×59.2mm(幅×奥行き×高さ)。薄型スタイリッシュ系の製品と比較すると一回り大きいが、TZ1と比べれば小さくなっているし、10倍ズームを搭載していることを考えれば我慢できる範囲だろう。重さもバッテリー込みで257gとそこそこの重量だが、このデジカメのメリットを考えれば納得できる。


3型液晶は大きくて見やすい。4方向ボタン上の露出補正ボタン、下のレビューボタンも使いやすい
電源スイッチのスライドは押しボタンより安心感あり。マクロはモードダイヤルで選択する

三脚穴は下面の左端にある。使用するとやや違和感がある
バッテリーとSDメモリーカードの両スロットも下面に設置。バッテリーはTZ1と同じで互換性あり

DMC-FX9(左)と比較すると一回り大きい
TZ1より薄くなったが、FX9と比較するとそれなりに厚い

電源OFF 広角端 望遠端

アスペクト比切り替えの図。細い実線がCCD。4:3は左右をカットし16:9は上下をカットしている 純正交換バッテリー、プリンストン製のSDHCメモリーカード、対応カードリーダーを用意した

 TZ3の特徴のひとつがマルチアスペクトだ。多くのデジカメがアスペクト比4:3のCCDを採用し、16:9で撮影するときは上下をカットしている。

 一方TZ3で横方向の最大記録解像度を確認すると、4:3で3,072ドット、16:9で3,328ドットと、16:9の方が長い。おそらくCCDの記録面はおよそ13:9の縦横比を持つのだろう。16:9や3:2でトリミングされる面積が通常の4:3CCDより狭いのがメリットだ。これまで16:9モードは使う気があまり起きなかったが、TZ3からは積極的に使いたいと考えている。フルHD液晶テレビへの表示も試してみたい。

 使い始めて気になったのはバッテリー寿命だ。CIPA規格では撮影枚数は270枚となっている。まだ使い始めだが初日176枚、2日目196枚でバッテリー切れとなった。やや寒い日の撮影だったのと、撮影枚数が比較的多いとはいえ、ストロボなしだと考えると、少々物足りない結果だ。そんな訳でTZ3を使い始めてすぐに用意したのは予備のバッテリーだ。枚数を撮る方や長旅をする方には必要だろう。


 もうひとつ用意したのは、4GBのSDHCメモリーカードとそれに対応したカードリーダーだ。SDメモリーカードは512MBと1GBが手元にあるが、たまに1GBを撮りきってしまうことがある。動画にいたっては8分程度しか録画できなかった。それほど速度を求めている訳ではないがそろそろSDHCを持っていてもいいかなと思い購入してみた。

 4GBのSDHCを挿入すると4:3、画素数7M、画質ファインで撮影枚数は1,114枚と表示される。動画は1ファイル2GBの制約により16:9、30fps(848×480ピクセル)で19分21秒(2回撮影すれば約39分)となっている。4GBあれば動画はともかく、静止画はしばらく安心して撮影できそうだ。

 コンパクトデジタルカメラなので、デジタル一眼レフカメラと比べれば限界は低いのは致し方ないだろう。しかし、昨年担当したIXY DIGITAL 800 IS/900 ISと比較すると、10倍ズームにより撮影範囲が広がりそうだ。


作例

  • 作例のリンク先のファイルは、JPEGで撮影した画像をコピーおよびリネームしたものです。
  • 作例下の撮影データは、記録解像度(ピクセル)/露出時間/絞り値/露出補正値/ISO感度/ホワイトバランス/35mm判換算での焦点距離を表します。
  • 強調のため一部の項目を1行目に抜粋した場合もあります。


●アスペクト比や焦点距離による画角の変化


同じ位置でアスペクトを比較。4:3で撮影
3,072×2,304 / 1/500秒 / F9 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 36mm
3:2で撮影。写る範囲が左右に広がっている
3,216×2,144 / 1/400秒 / F9 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 36mm

16:9で撮影。さらに写る範囲が広がる
3,328×1,872 / 1/400秒 / F9 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 36mm

広角端
3,072×2,304 / 1/250秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 28mm
84mm相当までズーム
3,072×2,304 / 1/800秒 / F4.7 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 84mm
望遠端
3,072×2,304 / 1/800秒 / F4.9 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 280mm

●そのほか


名古屋港トリトンを渡って反対側から順光で撮影
3,072×2,304 / 1/1,300秒 / F4.2 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 50mm
オートブラケットで撮影。白トビしたので-2/3EVを採用
3,072×2,304 / 1/800秒 / F4.8 / -0.66EV / ISO100 / WB:オート / 199mm

望遠端。開放F4.9なので背景のボケ具合はこの程度だろう
3,072×2,304 / 1/250秒 / F4.9 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 280mm
解像度を3Mに落としEXズーム15倍で撮影
2,048×1,536 / 1/800秒 / F4.9 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 420mm

16:9で撮りたいと思う被写体
3,328×1,872 / 1/640秒 / F4.7 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 103mm

名古屋港に広がる藤前干潟。ゴミ埋立予定地だったが、資源ゴミの分別収集開始により回避された
3,328×1,872 / 1/400秒 / F11 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 158mm


URL
  パナソニック
  http://panasonic.jp/
  製品情報
  http://panasonic.jp/dc/tz3/
  気になるデジカメ長期リアルタイムレポートバックナンバー
  http://dc.watch.impress.co.jp/static/backno/longterm.htm

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パナソニック、28mmからの10倍ズームモデル「LUMIX DMC-TZ3」(2007/01/31)


( 奥川 浩彦 )
2007/03/28 01:30
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