EX-Z1000の長期レポートも今回が最終回。最後に花火を撮ったので、その模様と、本機に関する感想を述べて終わりにしたい。
EX-Z1000では、シーンモードは「ベストショット機能」と呼ばれる。多数あるモードの中で「花火」を選ぶと、ISO50、シャッタースピード2秒、ピント無限遠、ホワイトバランスは太陽光に固定される。つまり、三脚を立てて撮影することが前提となっている。
今回は、ビルの屋上から撮影したのだが、混み合っていたことと、足場が悪いこともあって、なかなか安定した写真が撮れなかった。
また、2秒という時間を把握するのは難しくて、タイミングを逸した写真も多かった。どちらかといえば、少し早めにシャッターを押した方が良い結果となるようだ。
また、花火の打ち上げは比較的近くだったのだが、それでも、もうすこしテレ側が欲しいと感じた。
花火の翌日は関東地方は梅雨明けとなり、快晴だった。EX-Z1000を使い始めてから、こんなにきれいに晴れたのは初めてなので、隅田川界隈を撮り歩いてみた。
ISO50で撮ったビルは、等倍で見てもきちんと解像しており、好感が持てる。1,000万画素の実力発揮というところだ。
■ 持っていて楽しいコンパクト
コンパクトカメラを2カ月ぐらい使っていると、悪いところが目に付いてきて、いやになる機種もあるのだが、EX-Z1000には好感を持ち続けている。
気に入っているところを箇条書きにすると、次のようになる。
- シンプルで質感の高いデザイン
- 持ち歩くのに手頃な大きさのボディ
- 細かい指定がしやすいインターフェイス
- ほぼ存在を忘れて良いほど持つバッテリ
- 多少の曇天も明るく撮れる空
逆に気になっているところは、次の2つだ。
- ISO感度を上げると増大するノイズ
- なんとなく黄緑に寄ってしまう緑色
全体に軽快なカメラという印象で、持ち歩いて苦にならず、操作も楽しい。
処理速度でも、1,000万画素だからという重さを感じることはなかった。ただ、個人的には、このカメラが800万画素や600万画素であっても魅力は減じない。
ちょっと残念なのは、光学手ブレ補正機能を搭載していないことだ。これによって、比較的ISO感度を高く設定して撮ることが多くなってしまう。EX-Z1000のISO800画像はノイズが多めで、非常用に近い。
画像処理エンジンによるノイズリダクションも重要だが、低いISO感度で撮れるように、なんらかの光学手ブレ補正があれば、より良いカメラになると思う。
※作例のリンク先ファイルは、JPEGで撮影した画像をコピーおよびリネームしたものです。
※写真下の作例データは、記録解像度(ピクセル)/露出時間/絞り値/露出補正値/ISO感度/ホワイトバランス/実焦点距離を表します。
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隅田川花火大会の第1会場方面。これでテレ端。もうすこしだけ望遠側がほしい
3,648×2,736 / 2秒 / F5.4 / 0EV / ISO50 / WB:昼光 / 114mm(花火モード)
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花火モードのシャッター速度は2秒固定なので、複数の花火が重なって見える
3,648×2,736 / 2秒 / F5.4 / 0EV / ISO50 / WB:昼光 / 114mm(花火モード)
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こちらは第2会場方面。ネオンの反射と、花火の煙でぼんやりと明るくなっている(花火モード)
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言問橋から川下を見る。手前に見えている橋は東武線
3,648×2,736 / 1/640秒 / F5.6 / 0EV / ISO50 / WB:オート / 38mm
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隅田公園。実際はもうちょっと木立の中という雰囲気なのだが、明るい感じになっている
3,648×2,736 / 1/80秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 38mm
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牛島神社。天気が良すぎてやや明るくなってしまった。1/3EVほど調整するべきだったか
3,648×2,736 / 1/250秒 / F3.4 / 0EV / ISO50 / WB:オート / 55mm
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境内の包丁塚
3,648×2,736 / 1/80秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 38mm
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源森橋方面の水路には屋形船がもやわれている
3,648×2,736 / 1/250秒 / F5.6 / 0EV / ISO50 / WB:オート / 38mm
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吾妻橋たもとの高層ビル群。壁面の描写に破綻がない。ワイド端
3,648×2,736 / 1/320秒 / F5.6 / 0EV / ISO50 / WB:オート / 38mm
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■ URL
カシオ
http://www.casio.co.jp/
製品情報
http://dc.casio.jp/product/exilim/ex_z1000/
■ 関連記事
・ 【新製品レビュー】カシオ EXILIM ZOOM EX-Z1000(2006/06/15)
( 本誌:伊達 浩二 )
2006/08/03 01:21
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