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富士フイルム FinePix F30【第6回】
ネコに遊ばれた日

Reported by 本誌:折本 幸治


 今週の予定は、知り合いの家で飼い猫を1時間ほど撮り、ペット撮影について考察するというユルい内容のはずだった。しかし、互いの都合が付かずボツ。さらにネコ系アミューズメント施設へのアポも間に合わず、急遽ノラネコを追うことになった。

 実は前モデル「FinePix F11」の頃から、ノラネコをよく撮っていた。従来のコンパクトデジタルカメラだと難しかった、路地や日陰のネコも結構簡単に捉えられたからだ。沈胴レンズにしては比較的速い起動、ISO800までの自動増感、安心して使える高感度画質など、場所を選ばない撮影こそFinePix F11の強み。当然FinePix F30でもそうした美点が受け継がれ、さらにISOオートがISO1600までになったことで、よりチャンスに強くなっている。高感度時の画質も全般的に向上しているので、画質面でも期待できる。

 今回の設定は、撮影モードが「M(マニュアル)」、AFが「センター固定」、感度が「ISOオート(1600)」。M(マニュアル)といってもFinePix F30の場合、絞り値とシャッター速度を設定できるわけではなく、いわゆるプログラムオートになる。完全なお任せモードの「オート」に比べて、ホワイトバランスやISO感度を自分で設定できるというだけだ。ネコを撮るならシャッター速度優先AEという手もあり、その場合はISO固定となる。

 私が撮れるのは、基本的に動かないネコに限られる。なので、ネコに近づければそんなに難しくない。ネコに近づくテクニックは、以前掲載した安孫子卓郎氏のレポートに詳しいので、興味のある方はご参照いただきたい。

 動かないネコといっても、寝ているネコと、起きているけど動かないネコの2種類がある。前者は起こさなければ成功。目線欲しさに声をかけたりして無理矢理起こす人をよく見るが、ちょっと可哀想に思う。もっとも、起こさずに近づくのも難しいが。

 難しいのは後者の起きているネコ。こちらの動向を窺いつつ、一定距離まで近づくと逃げるタイプだ。逃げる距離はネコによって違うが、FinePix F30の望遠端(約108mm相当)で、ネコの全身を画面いっぱいに捉えるのは難しい。背景と組み合わせるなど工夫が必要だろう。ちなみに、3:2モードにすると約37〜111mm相当となり、わずかに望遠側がのびる。本当にわずかだが。

※作例のリンク先ファイルは、JPEGで撮影した画像をコピーおよびリネームしたものです。
※写真下の作例データは、記録解像度(ピクセル)/露出時間/絞り値/露出補正値/ISO感度/ホワイトバランス/実焦点距離を表します。


2,848×2,136 / 1/160秒 / F4.9 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 22.1mm 2,848×2,136 / 1/280秒 / F5 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 24mm

2,848×2,136 / 1/210秒 / F5 / -1EV / ISO800 / WB:オート / 24mm 2,848×2,136 / 1/300秒 / F5 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 24mm

2,848×2,136 / 1/320秒 / F3.4 / 0EV / ISO100 / WB:日陰 / 12.2mm 2,848×2,136 / 1/140秒 / F5 / 0EV / ISO400 / WB:オート / 24mm

 逆に、こちらに近寄るネコもたまにいる。私の場合、こちらが座り込むとまとわりつかれる。この手のネコは撮影者の太ももなどにすりよってから周りをぐるぐるしたり、伸びをしたり、転がったりと落ち着かない。ある意味チャンスだが、相手が動くだけに結構やっかいだ。ネコの習性に不案内な私としては、同じネコと何回か一緒に遊ばないと動きが読めない。光のある場所に誘導しようとしたり、こちらを向かせようと四苦八苦することになるが、主導権はネコ側にあり、遊ばれているのはこちら、という状況になる。ネコとしては餌をもらおうと必死なのかもしれないが……

 レスポンスを上げるには、セットアップの「撮影画像表示」を「画像拡大チェック」にしないことだ。これは、画像の記録後にフォーカス部分を自動的に拡大表示する新機能。スローシャッターで心配なときなど、普段は大活躍するが、撮影状態への復帰は通常の「1.5秒」や「3秒」の方が速い。

 本当は「クイックショット」を使いたいところだが、最短撮影距離が1mになるので、すり寄るネコには無理。むしろ、通常よりAFの遅いマクロモードにする必要がある。なお、AF補助光はOFFにした方がベターだろう。ONだと顔を背けられたり、逃げられることが多い。AFは遅くなるが仕方がない。

 FinePix F30を含め、最近のコンパクトデジタルカメラなら、動くものを撮らない限りレスポンスに不満を感じることはない。しかし、気まぐれなネコは難敵だ。こういうネコに捕まったら撮影をあきらめ、ひとしきり遊ばれる方が幸福な時間の過ごし方かもしれない。


2,848×2,136 / 1/180秒 / F5 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 24mm 2,848×2,136 / 1/140秒 / F4 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 16.1mm

2,848×2,136 / 1/280秒 / F4 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 16.1mm 2,848×2,136 / 1/250秒 / F5 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 24mm

【7月10日】FinePix F30のデジタルズームが最大画素数から設定画素数を切り出す、いわゆる「ハニカムズーム」に相当する恐れがあるため、デジタルズームに関する記述を削除しました。正式な回答を富士フイルムに取材中です。



URL
  富士フイルム
  http://www.fujifilm.co.jp/
  製品情報
  http://fujifilm.jp/personal/digitalcamera/finepixf30/
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  http://dc.watch.impress.co.jp/static/backno/longterm.htm

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( 本誌:折本 幸治 )
2006/07/10 00:04
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