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キヤノン IXY DIGITAL 800 IS【第6回】
剣道で再び玉砕、でも「食」の撮影には最適

Reported by 奥川 浩彦


 水族館で動く魚に玉砕し、前回は無難な花を撮影したが、今回は性懲りもなく室内スポーツを撮ることにした。筆者の自宅の目の前には世界的なミシン、事務機メーカーの体育館があり様々なスポーツが行われている。たまたま剣道の大会が開催されていたので撮影してみることにした。

 自分の子どもがスポーツをしている親としては、その活躍を写真に残したいものだ。はたしてIXY DIGITAL 800 ISでどれくらいの絵が撮れるのか試してみたい。

 この日は快晴でそこそこの明かりが窓から入っていた。場所により明るさに差があるが室内としては比較的明るい方だと思われた。当然撮影する施設によって明るさは異なるが、照明のみの撮影よりは条件としては悪くない環境だった。

 筆者にとって剣道の動きは速すぎて、技が決まったか否かが分からない。それはテレビ中継でも目の前で見ても同じで、「面~」と旗が揚がっても「どっち?」なんてことは珍しくない。瞬間の動きは極めて速く、相当なシャッター速度が切れないと撮影は難しそうだ。

 撮影条件は体育館の場所でも異なる。南側は比較的明るく条件はよくなるが北側はやや暗くなり厳しい条件だ。いざ撮影を始めたところ、あっさり白旗を揚げるはめに。ISO800に設定して撮影を始めたがそれでもシャッター速度は満足できる速度まで上がらない。当然ノイズは多く、いっそISO400にしてブレによる動きを表現する方がましかと考えた。竹刀を打ち込む瞬間は到底無理、両者が近付いて比較的静止しているときはいいがそこから動き始めるとほとんど絵にならない。100枚ほど撮って何とか見れらるのは数枚程度だった。

 オートフォーカスも追従できないので1点フォーカスに切り替え、どちらか一方の剣士に合わせて動いた瞬間にシャッターを押さないと動きに追従することは難しい。動きを撮し止めることは不可能なのでいっそ手ブレ補正を切って流し取り風に撮ってみたり試行錯誤の撮影となった。

 試しにデジタル一眼レフカメラで撮ってみようと自宅からEOS 20Dを持ってきて撮影してみた。使用したレンズはEF 50mm F1.8。1万円以下で買える単焦点レンズだがお気に入りの一品で、2005年のEOS 20Dの長期レポートにおいてもジャズライブの撮影で活躍してくれた。ISO400でシャッター速度1/500秒で切ることができ、快調に撮影が進む。やはりスポーツ系には一眼レフの威力は絶大だと再認識した。運動会やお子様のスポーツを撮るならやはり一眼レフということで参考に1枚掲載しておこう。

【お詫びと訂正】記事初出時、剣道の試合の作例が掲載されておりましたが、被写体になった方の申し入れにより削除させていただきます。ご迷惑をおかけした皆様にお詫び申し上げます。

※作例のリンク先ファイルは、JPEGで撮影した画像をコピーおよびリネームしたものです。
※写真下の作例データは、記録解像度(ピクセル)/露出時間/絞り値/露出補正値/ISO感度/ホワイトバランス/実焦点距離を表します。


 剣道だけだとお見せできる作例が少ないので、IXY DIGITAL 800 ISを購入してから時々撮り貯めていた「食」の写真も紹介しよう。作例として掲載したのはお馴染み「ガスト」、恵比寿の和食屋さん、名古屋の押切の「米都」、我が家の近所でもっとも行列のできる店「あつた蓬来軒」。照明の色、明るさはそれぞれ異なり、座る席によっても差がある。しかし食べ物の撮影はほぼ共通して暗い場所が多く、IXY DIGITAL 800 ISの手ブレ補正は強力な武器となる。

 美味しそうに見せるにはホワイトバランスの設定による色の再現性が重要となる。筆者は以前からIXY DIGITALシリーズのオートホワイトバランスに高い信頼を寄せている。結論からいうと、電球色の照明下でもオートか太陽光に設定した方が美味しそうに写せるケースが多い。実際の色は電球色に設定した方が正しいかもしれないが、食事は店の雰囲気も含めて楽しむものと考えると、暖色系の照明をはじめ、その場の雰囲気も取り入れた方がいいだろう。

 IXY DIGITAL 800 ISは手ブレ補正もあるので、そのままオートで撮影すればそこそこ満足できる絵が撮れ、食の撮影には最適のデジカメだといえよう。食の撮影はご馳走を目の前に撮影するのでしばしお預け状態となる。これが意外と辛い。いい絵が撮りたければそこをグッと我慢して撮ることがポイントかもしれない。


恵比寿の和食屋さんのランチ。窓際の席だったので自然光と電球色照明がミックスになっている。ホワイトバランスはオートで撮影
2,816×2,112 / 1/15秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 5.8mm
ホワイトバランスを太陽光に設定して撮影。醤油の色がもっとも美味しそうに見える
2,816×2,112 / 1/15秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光 / 5.8mm
ホワイトバランスを電球に設定して撮影。イマイチ美味しさが伝わらない
2,816×2,112 / 1/13秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / WB:電球 / 5.8mm

名古屋市西区の自然食ダイニング「米都」のランチ。ホワイトバランスをオートに設定して撮影。実際の雰囲気に一番近い
2,816×2,112 / 1/8秒 / F2.8 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 5.8mm
ホワイトバランスを太陽光に設定して撮影
2,816×2,112 / 1/8秒 / F2.8 / 0EV / ISO200 / WB:太陽光 / 5.8mm
ホワイトバランスを電球に設定して撮影。やはり美味しさが伝わらない
2,816×2,112 / 1/6秒 / F2.8 / 0EV / ISO200 / WB:電球 / 5.8mm

ガストの彩り丼。ホワイトバランスはオートで撮影。店の雰囲気を考慮するとこの色の方がいいだろう
2,816×2,112 / 1/15秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 5.8mm
ホワイトバランスを電球に設定して撮影。本来は正しい色だと思われるがややチープな感じに見える
2,816×2,112 / 1/10秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / WB:電球 / 5.8mm

有名な「あつた蓬来軒」のひつまぶし。手ブレ補正を切にしたまま気付かずに撮影。滅多に行けない店なので悔しいから掲載
2,816×2,112 / 1/6秒 / F2.8 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 5.8mm


URL
  キヤノン
  http://canon.jp/
  製品情報
  http://cweb.canon.jp/camera/ixyd/800is/
  気になるデジカメ長期リアルタイムレポートバックナンバー
  http://dc.watch.impress.co.jp/static/backno/longterm.htm

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( 奥川 浩彦 )
2006/06/15 01:03
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