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キヤノン IXY DIGITAL 800 IS【第2回】
従来機より改善された高感度ノイズ

Reported by 奥川 浩彦


 筆者はこのクラスのデジカメについて、昼間の屋外撮影で性能差はそれほどないと思っている。何も考えずにAUTOで普通に撮ればそこそこ撮れるものだ。差が出るのは暗いシーンだろう。

 夜間や室内での撮影ではISO感度によりノイズに差が出る。例えば筆者は展示会などの撮影ではノイズを覚悟してISO感度を上げ、ストロボOFFで撮影するが、これは展示製品が写っていれば多少のノイズは問題にならないことと、場の雰囲気に配慮してあまりパシッパシッと発光したくないためだ。

 目的により使い分けは可能だが、自分のデジカメの実力を把握しておくことは大切だと思う。フィルムの時代から変わらないが、逃したシャッターチャンスは取り戻せない。せっかくの力作も「もう少しノイズが少なければ……」と後悔しないためにも、最初にテスト撮影を行なってみた。

 今回もIXY DIGITAL 55、同700、同800 ISの3機種を比較する。ノイズの差が出るのは明るい被写体よりも暗い被写体であろう。また実際の撮影でも高感度を要求されるのは室内や夜間の暗いシーンだと思う。筆者がいつもISO感度のチェックで撮影している名古屋の中心、栄にあるオアシス21を撮ってみた。

 IXY DIGITAL 55および同700で設定できるISO感度は、ISO50/100/200/400、IXY DIGITAL 800 ISはISO80/100/200/400/800となっている。

 ISO100以下ではどの機種も問題ない。細かく見ればIXY DIGITAL 55、700のISO50と100は差があるが、IXY DIGITAL 800 ISのISO80と100の差は少ない。ISO200になるとIXY DIGITAL 55はノイズが目立ち始める。ISO400ではIXY DIGITAL 700よりCCDのサイズが小さくなり本来不利なはずのIXY DIGITAL 800 ISの方がノイズが少ない。この辺りはスペックに現れないが改善ポイントだと思われる。

 IXY DIGITAL 800 ISで新たに設定可能となったISO800はさすがにノイズが目立つが、IXY DIGITAL 55のISO400と比べれば若干劣る程度なので、用途によっては使い道はありそうだ。とはいえ前回も記したように、ノイズだけでなく表現力にも差が出る。メモ画像なら問題ないが、作例として撮影する場合は注意が必要だ。

 IXY DIGITAL 700だけ色が違うのはこの場所はライトアップの照明が刻々と変化するのが最大の理由だが、3台撮り比べると700だけ若干ホワイトバランスが違う感じがしたので両方の理由だと思われる。肉眼に近いイメージなのは55と800 ISだった。

※作例のリンク先ファイルは、JPEGで撮影した画像をコピーおよびリネームしたものです。
※写真下の作例データは、使用カメラ/記録解像度(ピクセル)/露出時間/絞り値/露出補正値/ISO感度/ホワイトバランス/実焦点距離を表します。


ISO 50/80

IXY DIGITAL 800 IS / 2,816×2,112 / 5秒 / F2.8 / 0EV / ISO80 / WB:オート / 5.8mm IXY DIGITAL 700 / 3,072×2,304 / 5秒 / F2.8 / 0EV / ISO50 / WB:オート / 7.7mm IXY DIGITAL 55 / 2,592×1,944 / 5秒 / F2.8 / 0EV / ISO50 / WB:オート / 5.8mm

ISO100

IXY DIGITAL 800 IS / 2,816×2,112 / 0.4秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 5.8mm IXY DIGITAL 700 / 3,072×2,304 / 1/4秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 7.7mm IXY DIGITAL 55 / 2,592×1,944 / 1/4秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 5.8mm

ISO200

IXY DIGITAL 800 IS / 2,816×2,112 / 1/5秒 / F2.8 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 5.8mm IXY DIGITAL 700 / 3,072×2,304 / 1/8秒 / F2.8 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 7.7mm IXY DIGITAL 55 / 2,592×1,944 / 1/8秒 / F2.8 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 5.8mm

ISO400

IXY DIGITAL 800 IS / 2,816×2,112 / 1/10秒 / F2.8 / 0EV / ISO400 / WB:オート / 5.8mm IXY DIGITAL 700 / 3,072×2,304 / 1/15秒 / F2.8 / 0EV / ISO400 / WB:オート / 7.7mm IXY DIGITAL 55 / 2,592×1,944 / 1/15秒 / F2.8 / 0EV / ISO400 / WB:オート / 5.8mm

ISO800

IXY DIGITAL 800 IS / 2,816×2,112 / 1/20秒 / F2.8 / 0EV / ISO800 / WB:オート / 5.8mm

 ISO400に関しては画質の設定をファインでも撮影してみた(そのほかすべての作例はスーパーファイン)。2枚並べれば若干スーパーファインの方が優れているが、単独で見れば気付かない程度の差だ。

 ファイルサイズはスーパーファインが3.3MB、ファインが2MB、手持ちのSDメモリーカードの容量や長旅などで残量が気になる場合はファインで撮影してもいいであろう。満足できるレベルには達していないが、全体的には従来機より高感度ノイズは改善されている。


IXY DIGITAL 800 IS(スーパーファイン) / 2,816×2,112 / 1/10秒 / F2.8 / 0EV / ISO800 / WB:オート / 5.8mm IXY DIGITAL 800 IS(ファイン) / 2,816×2,112 / 1/10秒 / F2.8 / 0EV / ISO400 / WB:オート / 5.8mm

 これらの画質の差はあくまでPCのディスプレイ上に等倍に拡大して見たときの差だ。最終的な目的がLサイズのプリントであれば、実際にプリントして確認したい。その結果納得できるなら、ブレやすいシーンでは積極的に高感度を使った方が失敗は少なくなる。IXY DIGITAL 800 ISには手ブレ補正機構が搭載されたが、被写体ブレにはなんの効果もない。

 なお、ISO感度をオートに設定するとISO80〜200、高感度オートに設定するとISO80〜800の間でカメラ側が自動的に感度選択をする。ISO200のノイズはIXY DIGITAL 700と同様にかなり抑えられている。オートは安心して使えそうだ。

 話がややそれるが、IXY DIGITALシリーズはExif情報としてISO感度が表示されない。筆者は撮影した画像のチェックにキヤノンイメージングシステムテクノロジーズの「MuseViewer Pro」を使用しているが、同じキヤノングループなのにISO感度が表示されない。これはソフトというよりIXY DIGITAL本体の問題だと思われる。製品に添付されたZoomBrowser EXを使用するとISO感度の表示が可能だが、それでもISOオートの場合はオートとしか表示されない。特に表示しないことにメリットがないのなら、今後は変更してもらいたいところだ。

 ISO感度の比較撮影をした後、名古屋栄の夜景を全て手持ちで撮影してみた。ノイズの許容範囲はユーザーにより異なると思うが、筆者としてはISO200で撮れれば充分と判断した。手ブレ補正を利用すれば広角端でシャッター速度1/8秒辺りならそこそこ撮れそうだ。何枚か撮れば1/3や1/4秒でも撮れてしまうことはあるが確率は低くなる。

 実際に夜景を撮ろうとISO200にセットすると、1/8秒以下のシャッター速度が表示されることは多い。筆者の場合ここでISO感度を上げるのではなく露出補正をマイナスに補正している。ネオンなど自発光している被写体は露出の許容範囲は広い。加えて夜景などを撮影すると、カメラの自動露出が明るく撮ろうとプラス目の露出を提示することも多い。

 結果がすぐに確認できるデジカメなので実際に-1EV、-1 2/3EVなどと変化させ、液晶モニターで確認することをお奨めしたい。それも面倒と思う方はISO200、露出補正-1EVにする。その設定でシャッター速度が1/8秒より速ければ、IXY DIGITAL 800 ISはそこそこの夜景を撮ってくれるだろう。

 さらに、自宅近所の公園でも撮ってみた。夕刻に加え天気は曇り空でイマイチ。こちらもISO200まで感度を上げて撮影した。鳩の作例は望遠端(35mm換算で140mm相当)で撮っているが、手ブレ補正がなければシャッター速度1/60秒では大きくブレしまった可能性は高い。


オアシス21の屋根の上で。水面ギリギリに構えて撮影
IXY DIGITAL 800 IS / 2,816×2,112 / 1/8秒 / F2.8 / -1.3EV / ISO200 / WB:オート / 5.8mm
屋根から降りてオアシス21を右側に入れてみた
IXY DIGITAL 800 IS / 2,816×2,112 / 1/8秒 / F2.8 / -0.7EV / ISO200 / WB:オート / 5.8mm


手前に植え込みを入れてストロボを使用。夜景をバックに人物撮影をする場合は人物にピントを合わせると背景の夜景はこんな感じで撮影できる
IXY DIGITAL 800 IS / 2,816×2,112 / 1/6秒 / F2.8 / -0.3EV / ISO200 / WB:オート / 5.8mm
名古屋の中心に出来た観覧車。明るめの施設だったので1/25秒で撮影できた。左の青い照明看板が白くならないように-1 1/3EVに補正
IXY DIGITAL 800 IS / 2,816×2,112 / 1/25秒 / F2.8 / -1.3EV / ISO200 / WB:オート / 5.8mm

4倍ズームの望遠端で撮影。この手の撮影で4倍ズームはもの足りない。逃げられないように近付いたがこの距離が限界だった。手ブレ補正がなければ大きくブレた可能性が高い
IXY DIGITAL 800 IS / 2,816×2,112 / 1/60秒 / F5.5 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 23.2mm
曲がった道がいい感じだったので撮ってみた。全体に細かなディテールが多いため、ファイルサイズは4.2MBになっている
IXY DIGITAL 800 IS / 2,816×2,112 / 1/80秒 / F3.5 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 9.97mm

地面に座り込んで銅像を撮影。広角端では右の街路灯がかなり歪曲したが、86mm相当では許容範囲か
IXY DIGITAL 800 IS / 2,816×2,112 / 1/100秒 / F4 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 14.33mm
公園の隅の花壇を撮影。この手の撮影は得意ではない。こんな感じで撮れるという一例までに
IXY DIGITAL 800 IS / 2,816×2,112 / 1/160秒 / F5 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 18.63mm

露出補正なしでバランスよく撮れている。白い壁の後ろの電力設備が邪魔だが、撮影ポジションを右へ移動するとトイレが写ってしまう
IXY DIGITAL 800 IS / 2,816×2,112 / 1/80秒 / F5 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 18.63mm


URL
  キヤノン
  http://canon.jp/
  製品情報
  http://cweb.canon.jp/camera/ixyd/800is/
  気になるデジカメ長期リアルタイムレポートバックナンバー
  http://dc.watch.impress.co.jp/static/backno/longterm.htm

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( 奥川 浩彦 )
2006/05/18 01:09
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