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ペンタックス「DA 17-70mm F4 AL [IF] SDM」

交換レンズ実写ギャラリー
Reported by 大浦タケシ

K20D / 4,672×3,104 / シャッター優先 / 1/500秒 / F4.5 / +0.3EV / ISO200 / WB:オート / 17mm




K20Dに装着。発売は7月30日。実勢価格は6万5,000円前後の見込み
 「DA 16-45mm F4 ED AL」の後継となるレンズだ。テレ側を70mmまで伸ばし、新たに超音波モーター「SDM」機構をAF駆動に採用する。量販店などにおける実勢価格は6万5,000円前後の見込みとなる。

 35mm判に換算して、焦点距離26~107mmでの画角に相当する。26~69mm相当のDA 16-45mm F4 ED ALでは、テレ側に少々物足りなさを感じてしまうことが多々あったので、標準ズームとして使い勝手は格段に良くなった。ズーム倍率を4.1倍としながらも従来同様の大きさに仕上がっているのもうれしいところだ。

 レンズ構成は12群17枚となる。2枚の非球面レンズを採用するとともに、最前面部のレンズには先行する同社のほかのレンズにならい、汚れや油脂の付着に強いSP(Super Protect)コーティングが施される。また、フォーカシング時にレンズが繰り出さないインナーフォーカスを採用する。

 AF駆動はSDM機構のみの搭載。ペンタックスのラインナップとして初めての試みになる。これまでSDM機構を採用するレンズは、同機構のほかにボディ内モーターによるAF駆動にも対応していた。そのため、*ist Dをはじめとするすべてのデジタル一眼レフカメラでAFが可能となっていた。しかしながら、本レンズはK20D、K10D、K200D、K100D SuperのみAFが機能し、それ以外のペンタックスデジタル一眼レフに装着した場合はMFでの使用のみとなるため、使用には留意しておきたい。なお、鏡銅の銘板およびレンズ前面部には赤色の「SDM」の文字が記されているが、今後SDM機構専用レンズでは同様の表記になるということだ。

 合焦までの測距スピードは速くなったと明らかに実感するまでは至らないものの、超音波モーターらしい静かでスムースなものだ。もちろん、AF合焦後シームレスにMFに切り換わるクイックシフト・フォーカスシステムも採用されており、ピント位置の微調整も大変しやすい。惜しむべくは、AF駆動中にフォーカスリングがフリーにならないこと。一般的なボディ内モーターのレンズ同様、本レンズはAFに合わせて回転してしまうのである。左手をフォーカスリングに添えてカメラを構える場合、お世辞にもホールドしやすいとはいいがたい。超音波モーターの採用でDA 16-45mm F4 ED ALよりもグレードがワンランクアップしたように感じられただけに、非常に悔やまれるところだ。

 描写は、デジタルに最適化されたレンズ設計とコーティングによって、クリアで大変ヌケが良く感じるものだ。コントラストおよびシャープネスも良好。ワイド側でのディストーションはわずかに見受けられるものの、そのほかの際立った諸収差の発生は皆無で、描写に大きな不満のないレンズといえる。最短撮影距離は28cm。絞り羽根は7枚とやや少ないながら、ボケ味は比較的柔らかい。開放絞りF4という明るさがちょっと気になるかもしれないが、それゆえにコンパクトで良好な描写の得られるレンズに仕上がっているといえるだろう。

  • 作例のリンク先のファイルは、JPEGで撮影した画像をコピーおよびリネームしたものです。
  • 作例下の撮影データは、使用ボディ/記録解像度(ピクセル)/露出モード/露出時間/絞り値/露出補正値/ISO感度/ホワイトバランス/実焦点距離を表します。





K20D / 4,672×3,104 / ハイパープログラム / 1/125秒 / F6.3 / +0.3EV / ISO100 / WB:オート / 17mm K20D / 4,672×3,104 / ハイパープログラム / 1/320秒 / F7.1 / +1EV / ISO200 / WB:オート / 21mm

K20D / 4,672×3,104 / ハイパープログラム / 1/320秒 / F7.1 / -0.3EV / ISO200 / WB:オート / 19mm K20D / 3,104×4,672 / ハイパープログラム / 1/60秒 / F5 / -0.3EV / ISO100 / WB:オート / 19mm

K20D / 3,104×4,672 / ハイパープログラム / 1/125秒 / F4.5 / +0.3EV / ISO100 / WB:オート / 70mm K20D / 3,104×4,672 / ハイパープログラム / 1/250秒 / F7.1 / +1EV / ISO200 / WB:オート / 63mm

K20D / 3,104×4,672 / ハイパープログラム / 1/250秒 / F7.1 / +0.3EV / ISO200 / WB:オート / 23mm K20D / 3,104×4,672 / 絞り優先 / 1/400秒 / F5 / +0.3EV / ISO200 / WB:オート / 33mm

K20D / 3,104×4,672 / ハイパープログラム / 1/320秒 / F7.1 / -0.3EV / ISO100 / WB:オート / 17mm K20D / 4,672×3,104 / 絞り優先 / 1/1,000秒 / F5 / +0.3EV / ISO200 / WB:オート / 33mm

K20D / 3,104×4,672 / ハイパープログラム / 1/250秒 / F7.1 / +0.3EV / ISO200 / WB:オート / 17mm K20D / 3,104×4,672 / ハイパープログラム / 1/250秒 / F7.1 / +0.3EV / ISO200 / WB:オート / 36mm

K20D / 3,104×4,672 / ハイパープログラム / 1/80秒 / F4 / -0.3EV / ISO100 / WB:オート / 70mm K20D / 3,104×4,672 / ハイパープログラム / 1/250秒 / F7.1 / +0.7EV / ISO100 / WB:オート / 17mm

K20D / 3,104×4,672 / 絞り優先 / 1/250秒 / F6.3 / +0.7EV / ISO200 / WB:オート / 70mm K20D / 4,672×3,104 / ハイパープログラム / 1/400秒 / F7.1 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 17mm

K20D / 4,672×3,104 / ハイパープログラム / 1/100秒 / F4 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 70mm K20D / 4,672×3,104 / パイパープログラム / 1/400秒 / F8 / +0.3EV / ISO200 / WB:オート / 70mm




K20D / 3,104×4,672 / 絞り優先 / 1/800秒 / F5 / +0.3EV / ISO200 / WB:オート / 43mm





URL
  ペンタックス
  http://www.pentax.co.jp/
  製品情報
  http://www.pentax.jp/japan/imaging/digital/lens/index35_normalzoom.html#13

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大浦タケシ
(おおうら・たけし)1965年宮崎県生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業後、二輪雑誌編集部、デザイン企画会社を経てフリーに。コマーシャル撮影の現場でデジタルカメラに接した経験を活かし主に写真雑誌等の記事を執筆する。プライベートでは写真を見ることも好きでギャラリー巡りは大切な日課となっている。カメラグランプリ選考委員。

2008/07/18 11:51
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