デジカメ Watch

シグマ「18-125mm F3.8-5.6 DC OS HSM」

交換レンズ実写ギャラリー
Reported by 野下義光

EOS Kiss X2 / 4,272×2,848 / プログラムオート / 1/3秒 / F5 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 46mm




インナーフォーカスを採用しているのでフォーカシングで前玉は回転しません。そのため付属のフードもより遮光効果が高い花形。前玉非回転はPLフィルター使用時も便利です。価格は5万1,450円
 かつて35mm判フィルム一眼レフカメラで人気を博した高倍率ズームレンズ、28~200mmのAPS-C専用版といったレンズです。この焦点距離域でレンズ内手ブレ補正と超音波モーターによるAFを搭載したレンズとしては、現在唯一の存在です。焦点距離域の両端とも、超広角、超望遠に分類される画角に達していないので、ファインダーを覗いて圧倒されることもなく、視覚を超えた強烈なパースペクティブが現れることもありません。筆者にとってあまり馴染みのないタイプのレンズでしたが、なるほど、使いやすいものだと感じました。

 ひとことで特徴を表すとすれば、「十徳ナイフ」みたいなレンズです。広角から望遠までをカバーし、最短撮影距離は35cm。最大撮影倍率は1:3.8なのでマクロ撮影もけっこうこなせる。しかも手ブレ補正も内蔵。これ1本あればもう十分という感じです。

 ズーム比を考えれば、外観は十分コンパクトだと思いました。重さは490gです。ただし軽量級のキヤノンEOS Kiss X2に装着すると、ボディが軽いゆえにレンズの重さが気になりました。欲を言えばもう少し軽くなってほしいものです。

 さて肝心の画質ですが、用途を考えれば十分に実用的でしょう。エントリーモデルでも1,000万画素を超えている現在、ピクセル等倍でPCのモニターを間近で見ると粗が見えてしまうものの、全画面で表示したり、プリントして適正な距離で観賞すれば全く問題ないレベルだと思います。

 ほかの多くのレンズがそうであるように、絞り開放ではやや甘い描写となりますが、絞り込むと改善されます。バックのボケ味にもあからさまに不快な印象はありません。ピントを合わせたポイントから徐々にボケていく描写についてはなかなかのもので、被写体の立体感を醸し出します。マクロレンズを除き、どのレンズでも最短撮影距離付近はレンズにとって辛い条件でしょう。このレンズも例外ではありませんが、徐々にボケていく描写が優れているので、開放での近接撮影も味のある結果を出してくれました。

 荷物は減らしたいのでレンズは1本で済ませたい。あるいはレンズ交換の手間を省きシャッターチャンスを逃したくない。でも、あれもこれもいっぱい撮って楽しみたい。さらに手ブレも補正もあれば……そんな人に応えられるレンズといえます。

  • 作例のリンク先のファイルは、JPEGで撮影した画像をコピーおよびリネームしたものです。
  • 作例下の撮影データは、使用ボディ/記録解像度(ピクセル)/露出モード/露出時間/絞り値/露出補正値/ISO感度/ホワイトバランス/実焦点距離を表します。





EOS Kiss X2 / 4,272×2,848 / プログラムオート / 1/80秒 / F7.1 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 28mm EOS Kiss X2 / 2,848×4,272 / プログラムオート / 1/125秒 / F5.6 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 25mm

EOS Kiss X2 / 2,848×4,272 / 絞り優先AE / 1/20秒 / F5.6 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 110mm EOS Kiss X2 / 4,272×2,848 / 絞り優先AE / 1/2秒 / F5 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光 / 46mm

EOS Kiss X2 / 4,272×2,848 / 絞り優先AE / 1/6秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 54mm EOS Kiss X2 / 4,272×2,848 / 絞り優先AE / 1/30秒 / F5.6 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 125mm

EOS Kiss X2 / 4,272×2,848 / 絞り優先AE / 1/6秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 125mm EOS Kiss X2 / 2,848×4,272 / 絞り優先AE / 1/4秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 73mm

EOS Kiss X2 / 4,272×2,848 / 絞り優先AE / 1/20秒 / F5.6 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光 / 22mm EOS Kiss X2 / 4,272×2,848 / 絞り優先AE / 1/80秒 / F5.6 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 85mm

EOS Kiss X2 / 4,272×2,848 / 絞り優先AE / 1/200秒 / F5.6 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光 / 125mm EOS Kiss X2 / 4,272×2,848 / 絞り優先AE / 1/100秒 / F5.6 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 125mm





EOS Kiss X2 / 4,272×2,848 / 絞り優先AE / 10秒 / F16 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 18mm






URL
  シグマ
  http://www.sigma-photo.co.jp/
  製品情報
  http://www.sigma-photo.co.jp/lens/digital/18_125_38_56_os.htm

関連記事
シグマ、ニコン用「18-125mm F3.8-5.6 DC OS HSM」の発売日を決定(2008/06/20)
シグマ、「18-125mm F3.8-5.6 DC OS HSM」の価格と発売日を決定(2008/05/16)
シグマ、手ブレ補正搭載レンズ3機種を発表(2008/02/01)



野下義光
(のしたよしみつ)熊本県生まれ、千葉県育ち。国立木更津工業高等専門学校機械工学科卒業後、エンジニアとして大手コンピューター会社に5年勤務。その後、夢を捨てきれず写真界へ身を投じる。現在ジュニアアイドルを中心にWeb、DVDジャケ写などで活躍中。フルデジタルの写真集も多数手がけている。趣味はネットオークション(笑)

2008/06/26 00:00
デジカメ Watch ホームページ
・記事の情報は執筆時または掲載時のものであり、現状では異なる可能性があります。
・記事の内容につき、個別にご回答することはいたしかねます。
・記事、写真、図表などの著作権は著作者に帰属します。無断転用・転載は著作権法違反となります。必要な場合はこのページ自身にリンクをお張りください。業務関係でご利用の場合は別途お問い合わせください。

Copyright (c) 2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.