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キヤノン「EF-S 55-250mm F4-5.6 IS」

交換レンズ実写ギャラリー
Reported by 大浦タケシ

EOS 40D / 2,592×3,888 / プログラムAE / 1/250秒 / F8 / -0.3EV / ISO100 / WB:オート / 74mm




EOS 40Dに装着したところ
 2007年12月の交換レンズ実写ギャラリーで紹介した「EF-S 18-55mm F3.5-5.6 IS」とレンズキットではペアを組むデジタル専用望遠ズームだ。手ブレ補正機能IS(IMAGE STABILIZER)を搭載する。定価は4万7,250円。量販店などにおける実勢価格は3万7,800円前後となる。

 EOSデジタルシリーズの対応するカメラに装着した場合の画角は、35mm判換算で88mmから400mmに相当する。ファミリーユースがこのレンズのメインの用途であることを考えるとテレ端は十分過ぎるほどの画角だ。もちろん手ブレ補正あってのこの焦点距離であることはいうまでもない。

 約4.5倍のズーム倍率と手ブレ補正機能を搭載しているにもかかわらず望遠ズームとしてはスマートでコンパクト。ズームおよびフォーカシングリングのラバーはEF-S 18-55mm F3.5-5.6 ISと同様に上位クラスに準じたものが奢られている。大きさ・重さは70×108mm、390gとなる。

 手ブレ補正機能もEF-S 18-55mm F3.5-5.6 ISに搭載と同じもの。新開発の小型軽量なアクチュエーターユニットが採用されている。補正効果はメーカー発表値でシャッター速度の約4段に相当。手ブレ補正モードは通常撮影と流し撮りを自動的に判別して切り替わるのも同じだ。ちなみに掲載する作例写真はすべて手持ちで撮影している(ボケ味の比較写真を除く)。

 USMの呼称がネーミングに見当たらないように、フォーカシング駆動には超音波モーターではなくDCモーターが採用される。駆動音は当然するものの耳障りな感じはせず、比較的静かな方。フォーカシングスピードも劣るようには感じられない。超音波モーターとの引き換えに手ブレ補正機能を搭載したわけだが、こちらのほうが画角やユーザー、使い勝手を考えたときに正解といえるだろう。

 得られる描写はというと、クラスを考えれば概ね良好で十分満足できるレベルだ。リーズナブルなズームレンズでは解像度が気になることが多いが、やや線の太い描写ながらコントラストの高さにも助けられシャープな画像を結ぶ。光線の状態など撮影条件が整ったなかで撮影すると、時としてワンランク上の画質を得ることができるといっても過言ではない。ヌケのよい描写が得られることも特徴のひとつ。このレンズのターゲットとするユーザーからクレームが付くようなことは、まずないといえる描写である。

 プラマウントなど一部簡素化されているところも見受けられるが、手ブレ補正の入ったコンパクトな望遠ズームとして完成度の高いレンズに思われる。

  • 作例のリンク先のファイルは、JPEGで撮影した画像をコピーおよびリネームしたものです。
  • 作例下の撮影データは、使用ボディ/記録解像度(ピクセル)/露出モード/露出時間/絞り値/露出補正値/ISO感度/ホワイトバランス/実焦点距離を表します。
  • 強調のため一部の項目を1行目に抜粋した場合もあります。





EOS 40D / 3,888×2,592 / プログラムAE / 1/320秒 / F9 / +0.3EV / ISO100 / WB:オート / 55mm EOS 40D / 3,888×2,592 / プログラムAE / 1/500秒 / F11 / +1EV / ISO200 / WB:オート / 84mm

EOS 40D / 3,888×2,592 / プログラムAE / 1/250秒 / F5.6 / -0.3EV / ISO1600 / WB:オート / 214mm EOS 40D / 3,888×2,592 / プログラムAE / 1/320秒 / F6.3 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 250mm

EOS 40D / 3,888×2,592 / プログラムAE / 1/250秒 / F5.6 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 250mm EOS 40D / 3,888×2,592 / プログラムAE / 1/500秒 / F8 / 0EV / ISO400 / WB:オート / 250mm

EOS 40D / 3,888×2,592 / 絞り優先AE / 1/1,000秒 / F6.3 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 163mm EOS 40D / 3,888×2,592 / プログラムAE / 1/500秒 / F10 / 0EV / ISO400 / WB:オート / 194mm


EOS 40D / 3,888×2,592 / プログラムAE / 1/500秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 250mm

EOS 40D / 3,888×2,592 / プログラムAE / 1/200秒 / F7.1 / +0.3EV / ISO200 / WB:オート / 100mm


EOS 40D / 3,888×2,592 / プログラムAE / 1/320秒 / F6.3 / +0.3EV / ISO100 / WB:オート / 250mm

EOS 40D / 3,888×2,592 / プログラムAE / 1/500秒 / F10 / 0EV / ISO400 / WB:オート / 200mm





EOS 40D / 3,888×2,592 / プログラムAE / 1/320秒 / F6.3 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 250mm





F5.6
EOS 40D / 3,888×2,592 / 絞り優先AE / 1/40秒 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光 / 250mm
F8
EOS 40D / 3,888×2,592 / 絞り優先AE / 1/20秒 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光 / 250mm
F11
EOS 40D / 3,888×2,592 / 絞り優先AE / 1/10秒 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光 / 250mm

F16
EOS 40D / 3,888×2,592 / 絞り優先AE / 1/5秒 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光 / 250mm
F22
EOS 40D / 3,888×2,592 / 絞り優先AE / 1/2.5秒 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光 / 250mm
F32
EOS 40D / 3,888×2,592 / 絞り優先AE / 1/1.2秒 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光 / 250mm





URL
  キヤノン
  http://canon.jp/
  製品情報
  http://cweb.canon.jp/ef/lineup/ef-s/ef-s55-250-f4-56is/

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大浦タケシ
(おおうら・たけし)1965年宮崎県生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業後、二輪雑誌編集部、デザイン企画会社を経てフリーに。コマーシャル撮影の現場でデジタルカメラに接した経験を活かし主に写真雑誌等の記事を執筆する。プライベートでは写真を見ることも好きでギャラリー巡りは大切な日課となっている。カメラグランプリ選考委員。

2008/03/11 00:17
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