例えば、ぼくが普段使っているリコー「GR DIGITAL II」のレンズの広角端は「ライカ判換算28mm相当」の画角だが、実焦点距離は5.9mmである。そして28÷5.9=4.7(小数点第2位以下は四捨五入、以下同じ)となる。つまり、28mmレンズ搭載のフィルムカメラの名機リコー「GR1」を1/1スケール(実物大)だとすると、GR DIGITAL IIはその1/4.7スケールのミニチュアカメラと言うことになる。両機はボディの大きさにさほど違いは無いものの、「カメラ部分」を比較するとそれだけスケールの差があるのだ。
ところで、フィルムカメラのGR1の最短撮影距離は30cmだが、その数値をGR DIGITAL IIの1/4.7スケールに換算すると、6.4cmとなる。GR DIGITAL IIはレンズ前1cm(実質)からピントが合うが、CCDからの距離はまさに6cmくらいである。レンズがミニチュア化されたコンパクトデジタルカメラは、最短撮影距離もミニチュア化され、必然的にマクロに強くなるわけだ(もちろんメーカなりの工夫はあるだろうけれど)。
GR DIGITAL IIに、0.75倍の専用ワイドコンバージョンレンズ「GW-1」を装着すると、21mm相当の超広角になる。しかしこのワイコンは、カメラ本体から大きく突出するため、GR DIGITAL II用に製作したディフューザーでは効果がほとんど無く、マクロ撮影では画面が大きくけられてしまう、そこで、ワイコン専用にまた別のディフューザーを作ることとなった。