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[2009/02/20]

【第7回】ジャンクカメラで作るレンズバリア内蔵キャップ
[2009/01/26]


2008年

【第4回】E-420+パンケーキレンズを準標準レンズにする


ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8を装着したE-420。デジタル一眼レフならではの機能と画質を、最小限の大きさで実現するシステムだ
 先ごろ、オリンパスからカメラファン待望のパンケーキレンズ「ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8」が発売された。

 パンケーキレンズとは連載第1回目でも解説したが、パンケーキ(ホットケーキ)のような薄型交換レンズの呼称である。パンケーキレンズは1980年頃を中心に各社から発売され、オリンパスからも銀塩のOMシステム用に「ZUIKO 40mm F2」が発売されていた。このZUIKO 40mm F2は発売当時はさほど売れなかったようで、早々に生産中止になってしまったが、数年後に人気が出て、中古価格が定価の数倍にまで高騰した経緯を持つ。

 ZUIKO 40mm F2に限らず、パンケーキレンズは「中古で高値が付いても、新製品で出しても売れない」という妙なジンクスが信じられていたようで、デジタル一眼レフ用のAFパンケーキレンズは、ペンタックスからDA 40mm F2.8 LimitedとDA 21mm F3.2 AL Limitedが発売されているのみだった。

 しかし昨年、オリンパスから往年のOM一眼レフとほぼ同じサイズの小型軽量デジタル一眼レフE-410が発売されるとともに、再びカメラファンの間から「Eシステムにもパンケーキレンズを」と望む声がネットを中心に広がった。そしてついに、E-410の後継機であるE-420とともに、フォーサーズシステムのパンケーキレンズであるZUIKO DIGITAL 25mm F2.8の発売となったのである。

 ぼくも当然待望していた1人だが、幸いと言ってはなんだがZUIKO DIGITAL 25mm F2.8は発売直後に注文殺到で品薄状態になり、おかげで発売日からちょっと遅れてようやく購入することができた。

 このZUIKO DIGITAL 25mm F2.8をE-420(およびE-410)に装着すれば、「デジタル一眼レフならではの機能と画質を、最小限の大きさで実現するシステム」となるわけだ。

 しかしパンケーキレンズが望まれるのは、実のところ実用よりも趣味の要素が大きいだろうと思う。フォーザーズシステムには14-42mmはじめとする高性能な標準ズームが揃っていて、実用上はそちらを使ったほうが便利だろう。また携行性を重視ししてカメラを選ぶなら、ポケットに入るサイズのコンパクトデジカメがいくらでもある。

 しかしカメラやレンズというものは、食べ物に例えると酒やタバコなどの「嗜好品」のような性質を持つのだ。コンパクトな一眼レフに薄型のパンケーキレンズの組み合わせは、実用性以上に、その独自のカッコ良さに思わず惚れ込んでしまう魅力がある。また「単焦点レンズ1本だけで何でも撮ってやろう」とする意気込みは、刀1本だけで戦い抜く武士のようで、そんな自分にも思わず酔っ払ってしまうのだ(笑)

 そんなわけで、ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8をE-420に装着してみると、精密メカがギュッと凝縮した感じでなかなかカッコイイ。ここは、このようなシステムを発売してくれたメーカーに、素直に感謝したい。


標準レンズとは?

 しかし人間贅沢を言えばキリがない。実は、ぼくとしてはZUIKO DIGITAL 25mm F2.8の「50mm相当」という焦点距離にちょっと不満がある。これは誠に特殊事情で恐縮なのだが、ぼくはこの「50mm」という焦点距離のレンズに個人的な恨みがあるのだ(笑)

 ぼくがカメラに興味を持った約30年前の中学時代、35mm判フィルムカメラの標準レンズは「50mm」と相場が決まっていた。それで50mm F1.4付きのニコンFMを買ってもらい、写真部に入ったのだ。しかしどうも、この50mmという焦点距離のレンズで何を撮っていいのか分からず、結局そのあと大学卒業まで、カメラや写真から遠ざかってしまった。まさに50mmレンズのおかげで写真が嫌いになってしまったといって良いだろう。

 それが大学を卒業した直後、ふと40mm F1.8付きのオリンパス「35DC」というコンパクトカメラを買ってみたら、この画角が実に自分にフィットしたのだった。それからしばらくの間、ぼくは40mm前後のレンズの付いたフィルムコンパクトカメラを愛用することになり、それがぼくの「標準レンズ」となった。

 一般的に、標準レンズ=焦点距離50mm(相当)とされていた理由は、「その画角が人間の視界と一致するから」だとされている。しかし改めて考えて、その理屈には何の科学的根拠もないことに気付いたのだ。

 例えば、人間の視界には写真のような「四角いフレーム」は存在しないし、また人間は絶えず目を動かして視覚認識するから、写真のような「静止画」とは大きく異なる。だからこの両方の「画角」を比較して「標準」を決めるのは、どうも理屈に合わないのだ。

 結局、「標準レンズ」の画角はその人のセンスによって、または撮る対象によって異なると考えるほうが、妥当ではないだろうか。ぼくの場合も作品のコンセプトによって「標準レンズ」が異なり、場合によっては連載第2回目で紹介したとおり、画角180度の円周魚眼が標準レンズになることだってあるのだ。

 まぁしかし、何事にも基準は必要だから50mm(相当)を標準と定め、50mm以上を望遠、50mm以下を広角と定めれば分類上は便利である。だからと言って「50mm標準レンズ」が「自分にとっての標準レンズ」とは限らないわけだ。

 そんなわけで、ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8はパンケーキレンズとしては非常に魅力的なのだが、個人的に「50mm相当」という焦点距離だけがどうにも惜しいのだ。

 さて、前置きが長くなって恐縮だが、ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8の焦点距離を自分好みの「40mm相当レンズ」にする切り貼り=ブリコラージュを考えてみたので、以下紹介していこう。前回( http://dc.watch.impress.co.jp/cda/labo/2008/06/20/8702.html )は「ものすごく高度な工作」だったのに対し、今回は誰でもできるごく簡単な方法なので安心して欲しい(笑)

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ちょっと広角の「準標準レンズ」の作り方

 35mm判フィルムカメラでは、50mmよりちょっと広角の45mm〜38mm程度のレンズは「準標準レンズ」と呼ばれ、パンケーキレンズやコンパクトデジカメに多く採用されていた。今回紹介するのはZUIKO DIGITAL 25mm F2.8を「準標準レンズ」に作り変える方法である。

 レンズの画角を広くする方法としては、先端のフィルターネジにワイコン(ワイドコンバージョンレンズ)を装着するのが一般的だ。ワイコンは各メーカーからさまざまな製品が発売されているが、一眼レフ用レンズに装着できるワイコンはどれも口径が大きく、重量がある。

 それら大柄なワイコンはもちろんZUIKO DIGITAL 25mm F2.8にも使用可能だろうが、それはもともとのレンズの美点であったコンパクトさをスポイルすることになり、本末転倒になってしまう。

 そこでコンパクトなレンズにはコンパクトなワイコンということで、コンパクトデジカメ用のワイコンを物色することにした。実はZUIKO DIGITAL 25mm F2.8は、一眼レフ用レンズとしては異例に口径が小さく、だから口径の小さなワイコンを装着しても、ケラレがなく実用に耐えうる可能性があるのだ。

 さいわいな事に、ぼくはリコーのCaplio GX8の専用ワイコン「DW-4」と、同じくリコーのGR DIGITAL専用ワイコン「GW-1」を持っていたので、それを試すことにした。両方ともコンパクトなので、ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8にもマッチするだろう。

 ワイコンDW-4とGW-1の取り付けネジはどちらも37mm径で、それに対しZUIKO DIGITAL 25mm F2.8のフィルター取り付けネジは43mmだ。だからこれらを合体させるには43mm→37mmのステップダウンリングが必要だ。この43mm→37mmのステップダウンリングがお店でなかなか売っていないのがネックで、ぼくはネットで検索し、レイノックス製のものを通販で購入した。

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用意したパーツ一式。Caplio GX8専用ワイコンDW-4(左)、GR DIGITAL専用ワイコンGW-1(右)、43mm→37mmステップダウンリング(手前) まずは、ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8に、43mm→37mmステップダウンリングを装着する。これで37mm径のレンズやフィルターの装着が可能になる
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Caplio GX8専用ワイコンDW-4を装着するとこんな感じに。DW-4はワイコンとしては非常に小さく、装着した姿はパンケーキとはいえないものの、十分コンパクトだ。倍率は0.8倍で、合成焦点距離20mm(40mm相当)になる GR DIGITAL専用ワイコンGW-1は、右のDW-4よりちょっと大きくて重い。その代わり倍率は0.75倍で、合成焦点距離18.75mm(37.5mm相当)とより広角になる

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同じ焦点域のレンズとして、マウントアダプタを介してオリンパスOMシステムのZUIKO 21mm F3.5を装着してみた。もちろんAFも自動絞りも効かないから、不便な撮影を強いられる。フォーサーズで使用すると42mm相当の画角になるが、元は35mm判フルサイズ用の超広角レンズで、それを考えると異例のコンパクトさだ。そんなレンズがフォーサーズシステムにぜひ欲しいと思ってしまう。それにしても、コンパクトなE-420には古いOMレンズが良く似合ってカッコイイ 比較のため、メーカーが本来推奨するZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6も装着してみた。標準ズームとしては非常にコンパクトだが、単焦点レンズよりは大柄だ。また、実用性が高い反面、マニアックな「モノ」としての存在感に乏しい
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ワイコンDW-4を装着したZUIKO DIGITAL 25mm F2.8と、ZUIKO 21mm F3.5を並べてみた。全長と最大径はほぼ同じだが、DW-4+ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8は先がくびれているうえに、ずいぶんと軽量だ。パンケーキとまでは行かないが、許せる範囲のコンパクトさの「準標準レンズ」と言えるだろう ワイコンGW-1を装着したZUIKO DIGITAL 25mm F2.8は、ZUIKO 21mm F3.5と比べ全長が少し長くなる。しかし、合成焦点距離18.75mm(37.5mm相当)と広角寄りになることを考慮すれば、これも許せる範囲のコンパクトさだ


実写テスト

 さて、以上のようになかなかカッコイイ「準標準レンズ」が2通りできたわけだが、肝心の写りが悪くては話にならない。そこでいつものように「金網チャート」でテスト撮影し、ほかのレンズとも比較することにした。ピントは遠景の家並みに合わせてあるので、家並みで各種の収差を確認し、歪曲収差のみ手前の金網で確認する。

 なお、このテスト時にはE-420のボディが入手できず、やむを得ず前機種のE-410を使用している。E-420はE-410より画質も改良されているそうだが、今回のテストの性質上その違いはあまり問題にならないだろうと思われる。

 露出モードは絞り優先でAEロックし、絞りを変えながら撮影している。E-410はAEロックしたまま絞りを変えると、露出レベルを維持したままシャッター速度が自動で変化するので、この種のテスト撮影には便利だ。

●ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8
 まずは素の状態のZUIKO DIGITAL 25mm F2.8の描写を見てみる。絞り開放は周辺光量が落ちてちょっとピントが甘い感じ。この欠点は絞るに従い改善し、F5.6〜8あたりが画質のピークだろうか。それ以上絞ると回折現象のためか全体にピントが甘くなる。

 樽型の歪曲収差が少しあるが、コンパクトさを優先した性能であることを考慮すれば、まったく気にならないレベルだ。

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F2.8 F4
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F5.6 F8
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F11 F16
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F22  


●ZUIKO DIGITAL 25mm+0.8倍ワイコン(リコー DW-4) 合成焦点距離20mm(40mm相当)
 まず驚いたのが歪曲収差の少なさで、ワイコンを未装着の状態と比べほとんど変化がない。ピントも十分シャープで、絞り開放からワイコンを装着したことによる画質劣化がほとんど確認できない。ワイコンDW-4は2枚構成のシンプルなレンズだが、Caplio GX8の28-80mm相当のズーム全域で高性能を発揮していたから、そのような設計が功を奏したのかもしれない。

 ただし後の実写で判明したことだが、絞り開放で2mくらいの撮影時に画面周辺がボケるようだ。そうしたクセを把握すれば、十分実用になる組み合わせだろう。

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F2.8 F4
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F5.6 F8
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F11 F16
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F22  


●ZUIKO DIGITAL 25mm+0.75倍ワイコン(リコー GW-1) 合成焦点距離18.75mm(37.5mm相当)
 歪曲収差は少ないが、絞り開放ではモヤが掛かったようなソフトフォーカスになる。しかし、F4に絞るとシャープになる。ワイコンGW-1は3枚構成の贅沢なレンズだが、GR DIGITALの28mm相当の画角に特化しているため、このような結果になったのかもしれない。開放の描写は残念だが、少し絞れば十分実用になるだろう。

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F2.8 F4
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F5.6 F8
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F11 F16
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F22  


●ZUIKO DIGITAL 14-42mm(25mm域、50mm相当)
 14-42mmの25mm域での比較撮影もしてみた。ここでも驚くのが歪曲収差で、ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8より少ない。「ズームはゆがむ」は完全に過去の常識となったようだ。開放絞りはF4.5と暗いが、ピントはシャープだ。普通に考えればこのズームがあればパンケーキレンズは不必要だが、それで満足できないのが「嗜好品としてのカメラ」の世界である。

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F4.5 F5.6
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F8 F11
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F16 F22


●OM ZUIKO 21mm F3.5(42mm相当)
 歪曲収差も少なく、開放から使えるレンズと言う印象だが、これは35mm判フルサイズ用に設計された超広角レンズの中心部のみ使っているわけだから、当たり前だと言えるかもしれない。このレンズはフォーザーズ規格の一眼レフでは、AFはもちろん自動絞りも作動しない。だからこのレンズを使う場合は、まったくの「嗜好品の世界」に限られるだろう。

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F3.5 F5.6
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F8 F11
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F16  


「2コマ写真」による実写作例

 上記のテストの結果、まずはワイコンDW-4+ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8の組み合わせがすっかり気に入ってしまった。40mm相当の画角はぼくの原点となった「標準レンズ」で、やはり使いやすい。以下の実写撮影ではE-420とのセットで使用したが、ワイコンつきでも十分小型軽量で手になじむ。

 GW-1+ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8の組み合わせの37.5mm相当の画角は、フィルム用の35mm広角レンズの感覚で使える。ワイコンを外すと元の50mm相当の画角になるから、被写体がちょっと遠かったり、暗くて画質が落ちそうな時はワイコンを外すと良い。そうやって使い分けると「2焦点レンズ」のようで、これまた楽しいのだ。

 撮影は、金沢21世紀美術館デザインギャラリーで開催中の個展「金沢をブリコラージュする。糸崎公朗写真展」のために訪れた石川県金沢市とその周辺都市で行ない、作品は全て「2コマ写真」の技法で表現した。「2コマ写真」はひとつの物件を2コマの写真+コメントで表現する手法で、フォトジャーナリズムの最もミニマムな形態である。またこの技法は、「写真は1枚で完結すべし」と言う思想に対する、アンチテーゼでもある。

●DW-4+ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8(40mm相当)

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なんだかカッコイイ感じのバスターミナル デザインは派手なのに、どことなくさびしい雰囲気があるところに味がある
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古い民家の軒先にぶら下がっていたナゾのプレート。風にプラプラ吹かれている 反対側から見ても、ナゾは深まるばかり
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用水路脇のブロック塀の上に、なにやら白いものが……? 貝殻が埋め込んであるのだった。地味ながら執拗な工作、というところが楽しい
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こんなところに犬が? と思ったらセメントの置物だった よく見ると一方の足が破損して白骨化……ではなく鉄骨化している
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工事現場の「立ち入り禁止」の看板に、なぜかパンダの写真が なぜパンダが? と、パンダ自身が考えているかは不明
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犬の置物とともに、ヤカンや植木鉢が置いてある。なんだかいろいろ祭ってある「祠」という雰囲気だ 周りの雰囲気はこんな感じ。ブルーシートでくるんであるのは、エアコンの室外機だろう
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昔の少女マンガチックなタッチが味わい深い看板。右下の文字は消えかかってナゾの外国語に見える こんなところに掲示してあったが、春の海岸付近は寒々しくさびしい雰囲気だ
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仰いで見ると大きな牛の像に見えるが…… こんなに小さい。実はこれ、1988年ツクダオリジナルから発売された「ミルクモウモウ」と言う玩具で、なぜこんなところに置いてあるのかは不明だ
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「犬のフンをさせるな」はありがちな看板だが…… 見えづらい裏にも同じことが書いてあるのがミソ
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子どもの「飛び出し看板」はよく見かけるが、「おじいさん」バージョンは初めて見た 裏は「おばあさん」がビックリ!
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味わい深い文化会館の建物の入り口 それにしても気になるのは奥の貼り紙の「ハッポースチロール」の表記だ


●GW-1+ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8(37.5mm相当)

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なんだか怖いプー太郎 こちらのプー太郎はさらに怖い……
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よく見かけるタイプの、子どもの「飛び出し看板」。しかし様子がちょっとヘン……? 事故で悲惨なことに……飛び出しがいかに危ないか、身をもって表現しているようだ


●ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8単体(50mm相当)

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幼稚園の畑に植えられたのは……きょとり?? どうも「う」の字を逆に覚えてしまったようだ こちらは「と」が反対
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「あらよっ!」と華麗な宙返りで車を避ける、飛び出し看板の女の子 しかし反対側は悲惨なことに……やはり無理はしてはいけないという教訓だろう


オマケその1「レンズキャップを考える」

 カメラ機材の工夫を考えていると、「考えの連鎖」が起きていろいろなアイデアが生じることがある。まずは、レンズキャップについて考えてみた。

 ワイコンDW-4には、軟質樹脂製のリアキャップが付属し、37mm径の取り付けネジにすっぽり被せることができる。

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ワイコンDW-4には、軟質樹脂製のリアキャップが付属し、37mm径の取り付けネジにすっぽり被せることができる 右はDW-4にレイノックス製43mm→37mmステップダウンリングを装着したもの。これにDW-4用のリアキャップははまらない、と思っていたのだが……
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何の違和感もなくはまってしまった! DW-4用リアキャップの外径と、ステップダウンリングの内径が、偶然にもピタリと一致していたのだ ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8には金属製のねじ込みキャップが付属するが、これは着脱に時間がかかりもどかしい。そこでUN製の43mm径キャップを買ってみた。しかし着脱つまみが「外爪式」なので操作性はイマイチ。ここはぜひ、メーカー純正の「内爪式」つまみのレンズキャップを用意してもらいたいところだ


オマケその2「リサイクルレンズで高倍率マクロ撮影」

 ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8の先端にワイコン以外に付けるものとして、クローズアップレンズを考えてみた。しかし市販品をただつけても面白くない。

 そこで目に止まったのが、前回の連載で切除した「Caplio R7の前玉ユニット」だ。これをZUIKO DIGITAL 25mm F2.8のレンズ先端に当ててファインダーをのぞくと、かなりの高倍率マクロになる。そこで、装着法を考えてみた。

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用意したのは、前回の連載で切除したCaplio R7の前玉ユニット(左)と、37mmのプロテクトフィルターのガラスを外した枠(右)。Caplio R7の前玉ユニットの直径はちょうど37mmで、だから37mm径のフィルター枠にぴったりはまるのだ 接着には、失敗してもやり直しが効くよう両面テープを使う。まずは写真のように前玉ユニットを裏返し、周囲に5mm幅の両面テープを貼る
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裏紙を外しながら、両面テープを内側に折り込んでゆく 最後にフィルター枠にギュッと押し当てると、しっかり接着できる
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ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8に装着するとこんな感じ。先細りのスタイルが、OM時代の高倍率マクロ専用レンズZUIKO MACRO 38mm F2.8を髣髴とさせる  


 さっそく試写してみた。

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とりあえず10円玉を写してみたが、なかなかにシャープな描写で驚いてしまった。倍率もなかなかのものだ 比較としてZUIKO DIGITAL 35mm F3.5マクロの最大倍率で撮影してみたが、今回の改造マクロレンズがほぼ同じ倍率であることがわかる
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高倍率マクロの実写撮影は、前回でも取り上げた小諸市の海野和男さんのアトリエ近くで行なった。これはユニークな姿のイタヤハマキチョッキリ ヒメジョオンの花粉を夢中で食べる、コアオハナムグリ
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前足を舐めるナナホシテントウ。なかなかカワイイポーズだ。レンズ前玉が小さいので、小さな虫が驚いて逃げたりしないのがよい アマガエルの目にピントを合わせたつもりが、ちょっと外して残念……E-420のファインダーはちょっとMFがしづらく、改善の要望箇所のひとつだ


まとめとE-420の使用感

 今回は、小型軽量一眼レフに小型単焦点レンズの組み合わせで、まことに楽しい撮影ができた。これは、個人的には銀塩のオリンパスOMシステムを使って以来の、久々の感覚だといえる。ぼくは個人的な好みからワイコンを使用したが、50mm相当の画角に慣れた人なら、ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8とE-420の組み合わせでよりコンパクトなシステムとして楽しめるだろう。

 実用を超えた「嗜好品」としてのカメラは、昔ながらのカメラのあり方を守る「保守的要素」と、新技術導入などの「革新的要素」のバランスが大切だとぼくは思う。その意味でE-420のコンパクトなボディは「昔のコンパクトな一眼レフと同じ」という、まことに心地良い保守的要素が込められている。またE-420のシャッター音はシャキシャキと歯切れがよく、まことに「カメラらしい」と言え、これも良い意味での保守的要素だろう。

 さらにE-420は、オリンパスの革新的要素であるところの「手ブレ補正機能」を搭載しなかったのも素晴らしい。いや、手ブレ補正機能はあるに越した事はないが、それを搭載せずコンパクトさを最優先した保守的姿勢こそが、素晴らしいのだ。

 もちろん、E-420にはダストリダクションやライブビュー機能など、デジタル時代ならではの革新機能にもあふれている。そのように、E-420は保守的要素と革新的要素のバランスが実に見事で、ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8の登場で、そのコンセプトがより生かされるのではないかと思う。

 そんなE-420にも少なからず不満点はある。例えばE-420のグリップは、E-410からちょっとだけ突出したデザインになったが、個人的にはちょっと残念だ。E-410は「昔のカメラと同じように、ちょっと持ちづらい」ところが実に良かったのだが、その保守的要素が中途半端になった気がする。ファインダー倍率の低さとか、ライブビュー時のシャッタータイムラグなどの不満もあるが、そのような技術的問題点は世代を重ねるごとに改善されてゆくだろう。

 それよりぼくが問題にしているのは、カメラとしてのインターフェイスである。デジタルカメラはフィルムカメラに比べ、ISO感度やWBなどの設定項目が格段に多い。だからこれらの選択項目をいかに整理して使いやすくするかのインターフェイスを考えることが、デジタル時代の革新的要素のひとつになっている。


 この点、最近のオリンパスのデジタル一眼レフはどれも「スーパーコンパネ」という優れたインターフェイスを採用しており、これは実に使いやすい。ところが、このスーパーコンパネの設定項目以外の操作をしようとすると、オリンパスのデジカメはなぜか非常に操作がしづらくなってしまう。たとえば「WBの手動設定」はスーパーコンパネから設定できないから、かなり回りくどい手順でその設定画面にたどり着かなくてはならない。また、ライブビュー撮影時のAFやMFの設定方法もかなり煩雑でわかりづらい。

 操作性についてはほかにも改善要望はあるけれど、現時点でのオリンパスの一眼レフに共通してるのは、「あれもできる、これもできる」という機能は満載なのだが、その使い勝手については(スーパーコンパネを除いて)ほとんど考慮されていないように思える点だ。

 かつてのオリンパスのOM一眼レフシステムは、ご自身も写真撮影を趣味とする技術者、米谷美久氏による「徹底的に撮る側の立場で考えた設計」が革新的で、多くの写真愛好者の支持を得た。その「徹底的に撮る側の立場で考えた」というかつての革新的要素が、今のオリンパスのデジカメからいまひとつ感じられないのだ。

 まぁ、いろいろ不満はあるけれど、オリンパスEシステムは「非常に優秀」であることに違いなく、今回のZUIKO DIGITAL 25mm F2.8を含めぼくの作品作りに欠かせない機材となっている。



URL
  バックナンバー
  http://dc.watch.impress.co.jp/cda/labo_backnumber/
  金沢21世紀美術館
  http://www.kanazawa21.jp/
  糸崎公朗写真展「金沢をブリコーラジュする。」(7月13日まで開催)
  http://www.kanazawa21.jp/designgallery/kimioitozaki.html



糸崎公朗
1965年生まれ。東京造形大学卒業。美術家・写真家。「非人称芸術」というコンセプトのもと、独自の写真技法により作品制作する。主な受賞にキリンアートア ワード1999優秀賞、2000年度コニカ ミノルタフォト・プレミオ大賞、第19回東川賞新人作家賞など。主な著作に「フォトモの街角」「東京昆虫デジワイド」 (共にアートン)など。 ホームページはhttp://www.itozaki.com/

2008/07/04 00:23
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