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ソニー、有効1,210万画素の「α7S III」を10月発売。約45万円

1時間を超える4K60p連続記録 小型なCFexpress"Type A"を新採用

ソニーは、「α7S III」(ILCE-7SM3)を10月9日に発売する。価格はオープン。店頭予想価格は税別41万円前後。

"Sensitivity"のSを冠し、高感度(広ダイナミックレンジ)と動画性能を特徴とするフルサイズミラーレスカメラ「α7S」シリーズの最新モデル。前機種の「α7S II」は2015年10月に発売された。

記録メディアは「CFexpress Type A」に新対応。ソニーはメディアとカードリーダーも同時に発表した。Type Aは"SD相当のコンパクト形状"と表現されている。α7S IIIの記録メディアスロットは、SD系カードとCFexpress Type Aのどちらでも挿入できるスロットが、ダブル構成で備わる。

撮像素子は有効1,210万画素の裏面照射型CMOS「Exmor R」。α7S IIは裏面照射型ではない1,220万画素CMOSセンサーを搭載し、AFもコントラスト検出式のみの対応だった。

α7S IIIでは伝送の速い銅配線やAD変換の高速化により、α7S II比で約2倍のセンサー読み出しを実現。4:2:2 10ビットの4K 120p動画や、ローリングシャッター歪みの低減に寄与しているという。

画像処理エンジンは新開発のBIONZ XRを採用。最高感度は拡張でISO 409600。新たにHEIFフォーマットでも記録できるようになった。

センサーに付着したゴミをふるい落とすアンチダストシステムは、秒7万回以上の超音波振動を利用した機構を新採用。レタッチ作業への影響が大きい動画撮影時にも安心してレンズ交換を行えるとしている。

AF機能は、リアルタイム瞳AF、リアルタイムトラッキングに対応。測距点は位相差が759点に拡張されている(コントラストは425点)。

AF/AE追随連写は最高10コマ/秒(メカ/電子ともに。ライブビュー表示時は最高8コマ)。AF-C連写時はF11まで像面位相差AFが可能。CFexpress Type Aの使用時は、非圧縮RAW+JPGの設定で1,000枚以上の連続撮影が可能としている。

HDMI Type-Aコネクタ、マイクジャック、ヘッドホンジャック、microUSB、USB Type-C(PD/LANアダプター対応)を側面に装備。

動画時の最高設定感度はISO 409600。ダイナミックレンジはS-Log3時に15段としている。4K 120p、16ビットRAW出力(HDMI接続した外部レコーダー使用時。120pには非対応)、10ビットの4:2:2 Intraに対応。HDR対応のピクチャープロファイルとしてはVT.2020カラースペースに対応するHLGを搭載している。

長時間の4K動画記録を実現するために、新開発の放熱構造を採用。画像処理エンジンやイメージセンサーを含むカメラ全体で熱の発生を解析・最適化したことで、バッテリーが切れるまで、1時間を超える4K60p動画の連続記録を可能にしたという。

13時50分追記:記事初出時に「4K60pで最大1時間の連続記録」と記載していましたが、正しくは「バッテリー容量を使い切るまで、1時間を超える4K60p動画が記録可能」だったため、該当部分を修正しました。

録画ボタンは上面のシャッターボタン近くに配置。C1ボタンは背面ファインダーわきに移動した。

手ブレ補正効果は5.5段分としている。動画記録時はα初のアクティブモードも選択可能。同モードでは画角が少し狭くなる代わりに手ブレ補正効果が向上するという。

背面モニターは横開きのバリアングル機構を採用。3.0型・約144万ドットのパネルを採用している。新たにメニュー画面やファンクションメニューでもタッチ操作を可能とした。また、メニュー画面は新たな構成のものを搭載しているという。

カメラ前面には「可視光+IRセンサー」を搭載し、蛍光灯やLEDのような人工光源下でもより正確なホワイトバランスが得られるという。

ファインダーは新開発の0.64型・約944万ドットOLEDを採用。倍率は0.9倍、アイポイントは25mm。倍率切り替えの機能により、メガネ使用時でも覗きやすいという「縮小」モードを選択すると、APS-C相当という視野角33度・アイポイント33mmになるという。

通信機能は5GHz/2.4GHz対応の無線LANと、USB端子経由の有線LAN、Bluetoothに対応。NFCでモバイル端末との連携も可能としている。

α7S IIよりも防塵・防滴に配慮した設計だという。ボディ素材はフルマグネシウム合金とした。

バッテリーはα9から採用されている"Zバッテリー"ことNP-FZ100。撮影可能枚数はEVFで約510枚、背面モニターで約600枚(α7S IIはEVFで310枚だった)。USB充電、USB給電が可能。αシリーズとして初のUSB PDに対応し、対応するACアダプターやモバイルバッテリーから従来比3〜4倍の電力で給電・充電できるという。

外形寸法は128.9×96.9×80.8mm。重量は699g(バッテリー/メディア込み)。

本誌:鈴木誠