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【新製品レビュー】ニコンD90

~動画以外にも見どころの多い中堅機
Reported by 北村智史

 D80(2006年9月発売)の兄貴分。実質的には後継モデルと言っていいと思うが、今のところは併売である。D80と同じユニットの11点測距AFに、DXフォーマットの有効1,230万画素CMOSセンサーを搭載。最新モデルらしく、ピクチャーコントロール、アクティブD-ライティング、ライブビュー、ダスト対策のほか、一眼レフカメラでは世界初となる動画撮影機能「Dムービー」を備えている。

 大手量販店でのWebサイト上の価格は、ボディ単体が11万9,800円。レンズ付きキットは、新発売のAF-S NIKKOR 18-105mm F3.5-5.6 G ED VR付き(16万9,800円)などが用意されている。


基本デザインはD80を踏襲

 基本的なデザインはD80と変わっていないし、サイズも同じ。ペンタ部の意匠がD700、D300と共通のものになっているほか、OKボタンがマルチセレクター(十字キー)の中央に引っ越していたり、Lv(ライブビュー)ボタンやInfo(情報表示)ボタンが新設されていたりなどの違いがある。

 重さは35g増えているが、液晶モニターが大型化されていたりするのを考えれば妥当な線だろう。動画機能用に、左手側前面にマイク、右手側側面にスピーカーが追加されているのも新しいところだ。

 モードダイヤルの内容は、「夜景ポートレート」が消えて、代わりに「発光禁止オート」が加わっている。また、左手側側面にHDMIミニ端子とGPSユニットやリモートコードが接続できるアクセサリーターミナルが装備されている。

 電源は容量1,500mAhのリチウムイオン充電池EN-EL3e。CIPA基準での撮影可能コマ数は850コマ。記録メディアはSDHCメモリーカード、SDメモリーカードが使用できる。





マルチセレクター中央にOKボタンが移動。新しくLv(ライブビュー)ボタン、info(情報表示)ボタンが追加されている 機種名ロゴの上部に設けられたマイク。もちろん、動画用である

グリップ側のカードスロットの下にあるのがスピーカー。グリップを握ったままだと音がよく聞こえなくなるので要注意だ 撮影モードダイヤル。夜景モードが消えて、代わりに発光禁止オートが加わった

ボディ左手側側面の端子カバー。HDMIミニ端子、別売のGPSユニットGP-1などが接続できるアクセサリーターミナルを装備している 電源はおなじみのカマボコ型リチウムイオン充電池EN-EL3e。容量1,500mAh、CIPA基準で850コマの撮影が可能だ

記録メディアはSDHC/SDメモリーカード。サンディスクのExtreme III 30MB/sエディションとの組み合わせが最強らしい

改良されたライブビュー

 背面のLvボタンを押すとライブビュー状態になる。D3、D300で評判の悪かったシャッターボタン全押しスタート式から、D700ではFn(ファンクション)ボタンやAE/AFロックボタンでライブビューをスタートさせられるように改良され、本機ではようやく専用ボタンが追加された格好。とにかく、専用ボタンが装備されて便利になったのは間違いない。

 さて、このライブビュー。大きな改善点がもうひとつある。露出レベルがちゃんと反映されるのである。プラスの露出補正をすれば画面は明るくなってくれるし、マイナス補正をすればしっかり暗くなる。

 オリンパスやキヤノンのユーザーからすれば、「そんなの当り前じゃん。なにを今さら……」と思うようなことかもしれない。が、これまでのニコンのライブビューは、露出レベルをまるっきり無視した映像しか表示してくれなかったのである。

 ライブビュー中の画面とポストビュー(シャッターを切った直後の画像表示)の画面の明るさが、条件によってはかなり違っていたりしてすごく違和感があったし、ライブビュー画面を露出の目安にするという、他社のライブビューでは当り前のことができなかったのだから、これは画期的にうれしい改良なのである。

 ライブビュー時のコントラスト検出AFは、狭い範囲で測距を行なうノーマルエリアAF、より広い範囲のワイドエリアAFのほか、顔認識AFの3種類があり、カスタムメニューで設定する。


ライブビュー中の画面。AFエリアサイズはノーマルの状態 プラス補正すると画面がちゃんと明るくなってくれる

マイナス補正をすれば今度は暗くなる。当り前のことなのに、なんかうれしい カスタムメニューの「ライブビュー時のAF」の画面。AFエリアのサイズをワイドかノーマルまたは顔認識から選べる

ワイドエリアにすると、フレームがかなり大きくなる 顔認識で顔が見つからないと、中央のワイドエリアになる


一眼レフカメラ初の動画記録機能

 ライブビュー中にOKボタンを押すと動画撮影がスタートする。この動画撮影機能は「Dムービー」と名付けられており、すぐあとに発表されたキヤノンEOS 5D Mark IIがフルハイビジョン動画を搭載していたせいで注目されたのはほんの短い期間ではあったが、発表当時では世界初のスペックだったし、本機の大きな特徴でもあった。

 動画のファイル形式はMotion JPEG圧縮のAVI。モノラル音声付き(音声はオフにもできる)。記録画素数は16:9比率の1,280×720ピクセル、3:2比率の640×424ピクセルと320×216ピクセルの3サイズで、いずれもフレームレートは24fps。最長記録時間は1,280×720ピクセル時で約5分、ほかは約20分となっている。


動画撮影中の画面。OKボタンを押すだけで録画スタートというのはいいが、録画がスタートしてから画面上下にグレーのマスクがあらわれる(16:9比率のときだけ) 撮影メニューの動画の記録画素数を決める画面。いずれも24fps。音声はモノラルのみでオン、オフが選択できる

再生時の動画の扱いはこんな感じ(撮影データが空欄) 動画の全画面表示の状態。OKボタンを押せば再生開始となる

 動画撮影モードというのは特になく、なんの切り替え操作もいらないのは便利でいいが、動画撮影中にはAFが使えないことには注意が必要だ(つまり、撮影中に被写体が動くとピンボケになる)。ピントやズームは手動でも可能だが、絞りは難しい。動かせないわけではないが、コマンド(電子)ダイヤルを回す音がかなりハデに入るので、実質上は操作不可なのだ。

 また、手動操作が可能なピントやズームにしても、ビデオカメラのような滑らかさはないため、使い勝手の面でも問題は多い。そのうちに、動画撮影に配慮したMタイプレンズとかが出たりするのかもしれないが、今のところは使用できるシーンはかなりかぎられるのではないかと思う。

 もっとも、コンパクト機でも、多くは動画撮影中はピント固定、ズーム操作不可だったりするので、それほど目くじらを立てることもないのかもしれない。

 画質については、ビデオカメラについては詳しくないので評価が難しいが、コンパクトデジタルカメラの動画と比べると、ディテール再現とか階調の柔らかさとかがずいぶん違うように思う。

 ちょっと気になったのは、16:9比率の1,280×720ピクセルモードのときも、待機状態では3:2比率の画面になっていること。待機状態=ライブビュー状態なので、3:2比率の画面でないと困るのだが、録画をスタートしてはじめて16:9比率の画面に切り替わる(というか、上下にマスクがかかる)。

 まあ、現時点では動画はまだオマケ的機能という位置付けなのかもしれないが、動画撮影時のフレーミングがきちんとやれる工夫が欲しかったところだ。

・動画サンプル

静止画撮影には風は大敵だが、動画には逆にスパイスになったりするのが新鮮だった
1,280×720ピクセル / 約18.4MB / 24fps / AVI(Motion JPEG)

※動画の再生環境に関するお問い合わせは受け付けておりません(編集部)。


D80から着実に進化

 AE/AFロックボタンの機能を変更できるのはD80も同じだが、液晶モニター部分の膨らみが若干大きくなっているようで、ボタンが微妙に押しづらくなっている。“親指AF”を基本にしている筆者にとってはマイナス要因と言わざるをえない。

 ちなみに、情報画面からAE/AFロックボタンやFn(ファンクション)ボタンの機能などが変更できるようになっていて、いちいちメニュー内に入り込まなくてもいい。

 そのほか、AFエリアモードに3D-トラッキングが増えていたり、ISO感度表示と簡易設定という機能が追加されていたりするのも新しいところ。

 3D-トラッキングは、画面内を移動する被写体を、複数の測距点を切り替えながら追いかける機能で、特に動体撮影時に威力を発揮する。51点測距の上位モデルとはかなり差があることはたしかだが、クルマや電車などの撮影には便利だろう。

「ISO感度表示と簡易設定」は、表示パネルの記録可能コマ数の位置に感度を常時表示するかどうか、また、コマンドダイヤルの単独操作で感度を変更できるようにするかを選べるもの。

「感度表示と簡易設定をする」を選択すると、ペンタックスの感度優先AE(SV)よろしく、コマンドダイヤルを回すだけで感度の変更が可能となる(P、S、Aの各AEモード時のみ)。ただし、当然のことながら露出補正簡易設定は強制的にオフになる。ダイヤル単独操作で露出補正ができないと文句をいう筆者のような人間には残念な機能だったりする。


カスタムメニューの「AE/AFロックボタンの機能」の画面。「AF-ON」にすると、シャッターボタン半押しでのAF作動を行なわないようになる。つまり、“親指AF”になるわけ infoボタン押しなどで表示される情報画面からも、AE/AFロックボタン、Fn(ファンクション)ボタンの機能などが変更できる

ただ、液晶モニターがサイズアップした影響か、モニター部分が少し厚みが増えているようで、その分AE/AFロックボタンが遠くなった気がする カスタムメニューの「AFエリアモード」の画面。3D-トラッキングが新しく追加されている

中央の測距点だけだがワイドフレーム化できる。これはD80も同じ Fnボタンの機能もいろいろ変更可能。筆者個人は「AFエリアモード設定」か「スポット測光簡易設定」あたりが便利だと思う

カスタムメニューの「ISO感度表示と簡易設定」の画面。感度表示をオンにすると、表示パネルの撮影可能コマ数のところに感度が常時表示されるようになる。また、簡易設定がオンになると、コマンドダイヤル単独操作で感度の変更が可能になる 当然だが、ISO感度簡易設定と露出補正簡易設定は共存できない。片方をオンにすると、もう片方は強制的にオフにされてしまう。個人的には露出補正簡易設定のほうが重要度は上だが、感度が素早く変えられたほうが便利なシーンもあるので微妙な気分だ

 個人的にものすごく評価したいのが、「コマンドダイヤルの設定」の「再生/メニュー画面で使用」が選べるようになったこと。と書くとなんだかよくわからないので、少し細かく説明してみる。

 D3、D700、D300で、露出補正簡易設定をオン、Aモード(絞り優先AE)の場合、ポストビューが表示された状態で親指側のメインコマンドダイヤルを回すと、露出補正操作となる。で、1枚撮って、露出を変えてもう1枚、なんて撮り方をするわけだ。

 同じことをD80でやろうとすると、うまくいかない。コマンドダイヤルを回しても、露出補正操作とならないのである。というのは、ポストビューが表示されている状態でコマンドダイヤルを回すと、表示されているコマの前後のコマに切り替わるのである。

 なので、1枚撮ったら、一度シャッターボタンを半押しし直して(これでポストビューが消える=再生モードから抜けられる)、コマンドダイヤルを回して露出補正をして、それから再度シャッターボタンを押すという手順が必要だった。

 で、本機はというと、初期設定では「再生/メニュー画面で使用」が「する」になっているのでD80と同じ動作(ポストビュー表示中は露出補正簡易設定操作が不可)になるが、「する(撮影後確認時を除く)」か「しない」にしておけば、ポストビュー表示中でもコマンドダイヤル操作で露出補正が行なえるようになる。おかげで、手動での段階露出撮影が快適になった。


カスタムメニューの「コマンドダイヤルの設定」の画面。ポストビュー表示中のダイヤル操作で画像送りをしてしまうという仕様をなしにできるのがうれしい セットアップメニューの「GPS」の画面。GPSユニットGP-1が借りられなかったので、いまのところ具体的な設定内容は不明

まとめ

 D80からの変更点としてかなり大きいのは、連写スピードが3コマ/秒から4.5コマ/秒にアップしたところだろう。ボディ単体で12万円弱の実勢価格でありながら、オリンパスE-3やソニーα700といった、クラス的には上のモデルに迫る速さは魅力大。

 連写スピードを求めない人にとっても、ピクチャーコントロールやアクティブD-ライティングの追加、GPSユニットへの対応(試してみたかったが、まだ借りられるのがなかった)、動画撮影機能など、見どころの多いカメラに仕上がっている。

 ニコンユーザーにとっては、D60では物足りないがD300は重くて嫌だという人にぴったりのチョイス。ニコンも使ってみたいなと考えている他社のユーザーにとっては、ほどほどの予算でニコンらしさ、ニコンのよさが味わえる、“ファーストニコン”に最適なモデルと言える。


 

●作例

    サムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像を別ウィンドウで表示します。


ピクチャーコントロール

「ポートレート」と「風景」はあとから追加された関係で、モノクロームのほうが先に並んでいる
 D700などでは「スタンダード」、「ニュートラル」、「ビビッド」、「モノクローム」の4種類だけで、「ポートレート」や「風景」はWebサイトからダウンロードしたファイルをインストールするかたちになっていたが、本機では初期設定の状態で6種類が登録されている。

 各ピクチャーコントロールの内容を微調整もできるし、各ピクチャーコントロールをベースにしたオリジナルのピクチャーコントロールを作成することも可能となっている。


ピクチャーコントロール:スタンダード
AF-S NIKKOR 18-105mm F3.5-5.6 G ED VR / 4,288×2,848 / 1/30秒 / F8 / 0EV / ISO200 / WB:晴天 / 26mm
ピクチャーコントロール:ニュートラル
AF-S NIKKOR 18-105mm F3.5-5.6 G ED VR / 4,288×2,848 / 1/30秒 / F8 / 0EV / ISO200 / WB:晴天 / 26mm
ピクチャーコントロール:ビビッド
AF-S NIKKOR 18-105mm F3.5-5.6 G ED VR / 4,288×2,848 / 1/30秒 / F8 / 0EV / ISO200 / WB:晴天 / 26mm

ピクチャーコントロール:モノクローム
AF-S NIKKOR 18-105mm F3.5-5.6 G ED VR / 4,288×2,848 / 1/30秒 / F8 / 0EV / ISO200 / WB:晴天 / 26mm
ピクチャーコントロール:ポートレート
AF-S NIKKOR 18-105mm F3.5-5.6 G ED VR / 4,288×2,848 / 1/30秒 / F8 / 0EV / ISO200 / WB:晴天 / 26mm
ピクチャーコントロール:風景
AF-S NIKKOR 18-105mm F3.5-5.6 G ED VR / 4,288×2,848 / 1/30秒 / F8 / 0EV / ISO200 / WB:晴天 / 26mm

アクティブD-ライティング

新しく「より強め」が加わっている
 すでにおなじみの機能となりつつあるアクティブD-ライティングは、「しない」、「弱め」、「標準」、「強め」、「オート」に「より強め」が追加された。

 また、カスタムメニューの「ブラケティングのセット」に「ADLブラケティング」が加わり、アクティブD-ライティングの「しない」と設定されているレベルの2コマのブラケット撮影が可能になった。


アクティブD-ライティング:しない
AF-S Micro NIKKOR 60mm F2.8 G ED / 4,288×2,848 / 1/100秒 / F11 / -1EV / ISO200 / WB:オート / 60mm
アクティブD-ライティング:オート
AF-S Micro NIKKOR 60mm F2.8 G ED / 4,288×2,848 / 1/100秒 / F11 / -1EV / ISO200 / WB:オート / 60mm
アクティブD-ライティング:より強め
AF-S Micro NIKKOR 60mm F2.8 G ED / 4,288×2,848 / 1/100秒 / F11 / -1EV / ISO200 / WB:オート / 60mm

アクティブD-ライティング:強め
AF-S Micro NIKKOR 60mm F2.8 G ED / 4,288×2,848 / 1/100秒 / F11 / -1EV / ISO200 / WB:オート / 60mm
アクティブD-ライティング:標準
AF-S Micro NIKKOR 60mm F2.8 G ED / 4,288×2,848 / 1/100秒 / F11 / -1EV / ISO200 / WB:オート / 60mm
アクティブD-ライティング:弱め
AF-S Micro NIKKOR 60mm F2.8 G ED / 4,288×2,848 / 1/100秒 / F11 / -1EV / ISO200 / WB:オート / 60mm

感度

上位モデルは1段刻みにも変更できるが、本機は1/3段刻みのみ
 感度設定範囲はISO200からISO3200まで。また、ISO200に対して1段までの減感(ISO100)、ISO3200に対して1段までの増感(ISO6400)が可能だ。

 ISO100はコントラストが高く、ハイライトが早く白トビするので特別な理由がなければ常用はおすすめしない。高感度ノイズ低減「標準」の状態ではISO800からノイズ処理の影響でディテール再現が低下しはじめる。同時に、発色もわずかに渋くなる傾向。ただ、ISO6400以外は見栄えが悪くなることはないので、それなりに実用性の高い高感度性能と言っていい。

 また、高感度ノイズ低減のレベルは「しない」、「弱め」、「標準」、「強め」から選べ、弱くすればディテールの劣化も減らせる(その分ザラツキは目立つことになるが)。このあたりは好みに合わせてチューニングを楽しんでもらいたいところだ。ISO400までの低感度域では高感度ノイズ低減の悪影響は無視できるレベルなので、通常は「標準」に設定しておいていいと思う。

※ピクチャーコントロールはスタンダード、アクティブD-ライティングはオフ、長秒時ノイズ低減はオフ、高感度ノイズ低減は標準で撮影しています。


L 1.0(ISO100)
AF-S NIKKOR 18-105mm F3.5-5.6 G ED VR / 4,288×2,848 / 1/6秒 / F11 / 0EV / WB:晴天 / 105mm
ISO200
AF-S NIKKOR 18-105mm F3.5-5.6 G ED VR / 4,288×2,848 / 1/13秒 / F11 / 0EV / WB:晴天 / 105mm
ISO400
AF-S NIKKOR 18-105mm F3.5-5.6 G ED VR / 4,288×2,848 / 1/25秒 / F11 / 0EV / WB:晴天 / 105mm

ISO800
AF-S NIKKOR 18-105mm F3.5-5.6 G ED VR / 4,288×2,848 / 1/50秒 / F11 / 0EV / WB:晴天 / 105mm
ISO1600
AF-S NIKKOR 18-105mm F3.5-5.6 G ED VR / 4,288×2,848 / 1/100秒 / F11 / 0EV / WB:晴天 / 105mm
ISO3200
AF-S NIKKOR 18-105mm F3.5-5.6 G ED VR / 4,288×2,848 / 1/200秒 / F11 / 0EV / WB:晴天 / 105mm

H 1.0(ISO6400)
AF-S NIKKOR 18-105mm F3.5-5.6 G ED VR / 4,288×2,848 / 1/400秒 / F11 / 0EV / WB:晴天 / 105mm

自由作例

今回使ったレンズたち。左から、10-20mm F4-5.6 EX DC HSM、APO 50-150mm F2.8 II EX DC HSM、AF-S NIKKOR 18-105mm F3.5-5.6 G ED VR、AF-S Micro NIKKOR 60mm F2.8 G ED

新標準ズームのAF-S DX 18-105mmはプラスチックマウントだし、距離目盛も省略されているし、フォーカスリングのタッチもあまりいいとは言えないが、ワイドレンジで手ブレ補正も内蔵。画質も上々だ
AF-S NIKKOR 18-105mm F3.5-5.6 G ED VR / 4,288×2,848 / 1/400秒 / F8 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 85mm
後ボケはそんなでもないけど、前ボケはもうちょっとな感じ
AF-S NIKKOR 18-105mm F3.5-5.6 G ED VR / 4,288×2,848 / 1/400秒 / F8 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 80mm

AF-S DX 18-70mmに比べて最大径で3mm、長さで13.5mmも大きくなっているが、重さは30g増えただけ。なので、案外軽く感じる。本機とのマッチングもいい
AF-S NIKKOR 18-105mm F3.5-5.6 G ED VR / 4,288×2,848 / 1/125秒 / F8 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 18mm
最短撮影距離はズーム全域で0.45m。広角側ではもう少し寄りたい感じがするが、望遠側はまずまず
AF-S NIKKOR 18-105mm F3.5-5.6 G ED VR / 4,288×2,848 / 1/20秒 / F8 / -0.3EV / ISO200 / WB:オート / 105mm

表面の凹凸や細かいキズとかの表現がなかなかいい。シャープだけど、画像処理でエッジをきつくしたシャープさとは違う感じで、個人的には好みだったりする シグマの50-150mmはF2.8固定の大口径ながらデジタル専用にしてスリム化をはかった望遠ズーム。縦位置グリップを付けたほうがバランスがよさそう
APO 50-150mm F2.8 II EX DC HSM / 4,288×2,848 / 1/160秒 / F8 / -0.7EV / ISO200 / WB:オート / 112mm

-1EV補正してこの明るさは不思議。最近のニコンの3D-RGBマルチパターン測光って、腑に落ちない露出になるケースが増えた気がする
APO 50-150mm F2.8 II EX DC HSM / 4,288×2,848 / 1/400秒 / F8 / -1EV / ISO200 / WB:オート / 85mm
シグマの10-20mmは、15mm相当からの超広角ズーム。開放F値が暗いのが難点だが、シャープだし色収差も少なくて、純正のAF-S DX ED12-24mm F4Gよりお買い得だと思う
10-20mm F4-5.6 EX DC HSM / 4,288×2,848 / 1/800秒 / F8 / -1EV / ISO200 / WB:オート / 11.5mm

解像力ならAFマイクロ60mmも負けてはいないが、ボケのきれいさはAF-S 60mmのほうが好み。インナーフォーカス方式+SWM(超音波モーター)の組み合わせの便利さもある
AF-S Micro NIKKOR 60mm F2.8 G ED / 4,288×2,848 / 1/160秒 / F3.8 / -1EV / ISO200 / WB:晴天 / 60mm
以前のモデルは望遠側の至近距離ですごくアマい描写になったが、新作に変わって全域でシャープな描写が得られるようになった
APO 50-150mm F2.8 II EX DC HSM / 4,288×2,848 / 1/250秒 / F5.6 / -1EV / ISO200 / WB:晴天 / 150mm

ニコンのカメラはベース感度がISO200と高めなのを嫌う人もいるが、こういうシーンでブレが抑えやすいメリットは見逃せない。個人的には大歓迎だったりする
APO 50-150mm F2.8 II EX DC HSM / 4,288×2,848 / 1/125秒 / F5.6 / -1.3EV / ISO200 / WB:晴天 / 150mm
フィルム時代なら文句なしでプラス補正をしていたシーンが、今はマイナス補正が必要。ややこしい時代になったものだと思う
AF-S NIKKOR 18-105mm F3.5-5.6 G ED VR / 4,288×2,848 / 1/1,250秒 / F8 / -0.7EV / ISO200 / WB:オート / 18mm

陰の部分の面積がそれなりに広いから、それに露出が引っ張られるのはわからなくはないが、-1.7EV補正でこの明るさというのには首をかしげてしまう
10-20mm F4-5.6 EX DC HSM / 4,288×2,848 / 1/400秒 / F8 / -1.7EV / ISO200 / WB:オート / 10mm
シグマ10-20mmの広角端。近距離の被写体はタル型の歪曲が避けられないが、全体的にはよく補正されているほうだ
10-20mm F4-5.6 EX DC HSM / 4,288×2,848 / 1/15秒 / F4 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 10mm

最近は歪曲収差もソフトで補正できるが、歪曲が大きいと画面の水平がきちんととれているかどうかの判別が難しくなるわけで、だからやっぱり歪曲は少ないほうがいいのだ
10-20mm F4-5.6 EX DC HSM / 4,288×2,848 / 1/30秒 / F4 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 10mm
シャープでありながらボケもきれいというのは両立が難しいらしい。このAF-S 60mmのようなレンズは、レンズ設計技術の進化のたまものだと思う
AF-S Micro NIKKOR 60mm F2.8 G ED / 4,288×2,848 / 1/250秒 / F8 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 60mm

SWM(超音波モーター)駆動なので、AFモードのままマニュアルフォーカスが可能。“親指AF”とのマッチングもよく、AFでおおざっぱに合わせておいて、マニュアルで仕上げるという撮り方がやりやすい
AF-S Micro NIKKOR 60mm F2.8 G ED / 4,288×2,848 / 1/500秒 / F8 / +0.3EV / ISO200 / WB:オート / 60mm


URL
  ニコン
  http://www.nikon.co.jp/
  製品情報
  http://www.nikon-image.com/jpn/products/camera/slr/
  ニコンD90関連記事リンク集
  http://dc.watch.impress.co.jp/cda/dslr/2008/09/18/9154.html



北村智史
(きたむら さとし)1962年、滋賀県生まれ。国立某大学中退後、上京。某カメラ量販店に勤めるもバブル崩壊でリストラ。道端で途方に暮れているところを某カメラ誌の編集長に拾われ、編集業と並行してメカ記事等の執筆に携わる。1997年からはライター専業。最初に買ったデジタルカメラはキヤノンPowerShot S10。 ブログ:http://ketamura08.blog18.fc2.com/

2008/10/16 17:37
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