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【特別企画】「D700スペシャルギャラリー」――鉄道

Reported by 中井精也

AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-200mm F2.8 G (IF) ED / 4,256×2,832 / 1/500秒 / F8 / -1EV / ISO200 / マニュアル露出 / WB:日陰 / 140mm / ピクチャーコントロール:スタンダード / アクティブD-ライティング:しない




 鉄道写真というと鉄道の車両をアップで撮った写真を思い浮かべる人が多いと思うが、僕にとって鉄道写真の被写体は車両だけではない。線路や乗客、駅、そして鉄道のまわりに漂う雰囲気までもが、僕にとっては大切な被写体だ。そんな鉄道にかかわる全てのものを被写体として、毎日鉄道写真を撮影して公開するブログ「1日1鉄!」を4年以上続けている。つまり僕は、毎日カメラを持って歩いているということになる。

 これまで本気撮りではニコンFXフォーマットの高画質を生かした「D3」を、そして「1日1鉄!」用に毎日持ち歩く時には、DXフォーマットの「D300」を、という感じで使い分けてきた。しかしD3と同じイメージセンサーを搭載して、なおかつD300とほぼ同じ大きさを実現した「D700」が登場したことで、選択の幅が増え、ますます楽しく撮影ができそうだ。

 鉄道写真家として1番気になる連写性能は、別売でD300と共用(嬉しい!)のマルチパワーバッテリーパック「MB-D10」を装着すれば、最大で約8枚/秒と速く、かなり快適に連写することができた。広いダイナミックレンジと豊かな階調表現もD3ゆずり。同じく高感度撮影時の画質の良さも群を抜いており、ISO6400でも常用可能なレベルだ。そしてISO6400からさらに2段増感してISO25600で撮影することも可能。作例を見てほしいが、ここまでの超高感度でもキチンと解像感があるのは驚きだ。

 唯一の欠点と思われるのは、ファインダー視野率が95%ということだろう。これはイメージセンサークリーニング機能や、内蔵ストロボの搭載による苦渋の選択だと思われるが、鉄道写真でも車両をアップで撮る時のように、繊細なフレーミングが要求される時に、95%はちょっとツライ。しかし、ご安心を。D700では、“Fn”、“プレビュー”のそれぞれのボタンに割り当てられる機能がD3より拡大したことで、ライブビュー機能を割り当てることができるようになった。つまりフレーミングにストレスを感じたら、すぐにワンプッシュで視野率100%のライブビューを起動させれば、背面モニターを見ながら調整が可能になる。また水準器表示をライブビュー時に表示できるようになったので、画面の隅々まで、しかも水平も調節しながらフレーミングができる。今回の撮影でもほとんどストレスを感じる事なく撮影できたので、このファインダー視野率はもはや欠点とはいえないだろう。

 そのままで使えばD300なみの大きさで持ち運びも簡単。マルチパワーバッテリーパックをつければ、D3のように高速連写の本気撮りもできる。D3とD300のいいトコ取りのD700は、鉄道写真の分野でも幅広く活躍してくれそうだ。

 なにより、あのD3の画質が手の届く価格になったというのは喜ぶべきことだ。DXフォーマットのD300も鉄道写真には捨てがたいカメラだが、このニコンFXフォーマットの描写力は、今までにはない感動を僕に与えてくれた。写真を趣味や仕事としている以上、ぜひ1度は味わっていただきたい高画質といえるだろう。


※サムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像を別ウィンドウで表示します。





AF Zoom-Nikkor ED 14-24mm F2.8 G / 2,832×4,256 / 1/250秒 / F8 / +1EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:雲天 / 16mm / ピクチャーコントロール:ビビッド / アクティブD-ライティング:強め AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-200mm F2.8 G (IF) ED / 4,256×2,832 / 1/500秒 / F5.6 / 0EV / ISO200 / マニュアル露出 / WB:晴天 / 150mm / ピクチャーコントロール:ビビッド / アクティブD-ライティング:しない

AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8 G ED/ 2,832×4,256 / 1/1500秒 / F8 / 0EV / ISO200 / マニュアル露出 / WB:晴天 / 35mm / ピクチャーコントロール:ビビッド / アクティブD-ライティング:強め AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-200mm F2.8 G (IF) ED / 2,832×4,256 / 1/250秒 / F11 / -1EV / ISO200 / マニュアル露出 / WB:晴天 / 200mm / ピクチャーコントロール:スタンダード / アクティブD-ライティング:強め

AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-200mm F2.8 G (IF) ED / 2,832×4,256 / 1/250秒 / F8 / -1EV / ISO200 / マニュアル露出 / WB:晴天 / 116mm / ピクチャーコントロール:モノクロ / アクティブD-ライティング:強め / フィルター効果:レッド、色調:レッド(4) AF-S Nikkor ED 600mm F4 D II/ 4,256×2,832 / 1/500秒 / F8 / -1EV / ISO400 / マニュアル露出 / WB:晴天 / 1200mm / ピクチャーコントロール:ビビッド / アクティブD-ライティング:オート

AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6 G (IF) / 2,832×4,256 / 1/500秒 / F8 / -0.5EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:オート / 300mm / ピクチャーコントロール:スタンダード / アクティブD-ライティング:強め AF-S Zoom-Nikkor ED 14-24mm F2.8 G / 2,832×4,256 / 1/250秒 / F8 / +2EV / ISO400 / 絞り優先AE / WB:オート / 18mm / ピクチャーコントロール:ビビッド / アクティブD-ライティング:強め

AF-S VR Nikkor ED 300mm F2.8 G (IF) / 4,256×2,832 / 1/125秒 / F5.6 / 0EV / ISO25600 / マニュアル露出 / WB:オート / 600mm / ピクチャーコントロール:ビビッド / アクティブD-ライティング:しない AF-S Zoom-Nikkor ED 14-24mm F 2.8 G / 4,256×2,832 / 1/20秒 / F8 / +1EV / ISO400 / 絞り優先AE / WB:オート / 15mm / ピクチャーコントロール:スタンダード / アクティブD-ライティング:しない




AF-S VR Nikkor ED 300mm F2.8 G (IF) / 4,256×2,832 / 1/750秒 / F4 / 0EV / ISO200 / マニュアル露出 / WB:日陰 / 300mm / ピクチャーコントロール:ビビッド / アクティブD-ライティング:しない


URL
  ニコン
  http://www.nikon.co.jp/
  製品情報
  http://www.nikon-image.com/jpn/products/camera/slr/digital/d700/
  D700関連記事リンク集
  http://dc.watch.impress.co.jp/cda/dslr/2008/07/03/8783.html



中井精也
(なかいせいや)1967年、東京生まれ。鉄道写真家。車両だけでなく、線路や乗客など、鉄道にかかわるすべてのものを被写体にして、臨場感のある鉄道写真をライフワークにしている。著書・写真集に「鉄道旅情100景」(クレオ)、「1日1鉄!」(交通新聞社)などがある。毎日1枚必ず鉄道写真を撮影するブログ「1日1鉄!」(http://railman.cocolog-nifty.com/blog/)を連載中。

2008/08/01 00:34
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