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【短期集中連載】4人の写真家と「E-410」――男一人旅

Reported by 大浦タケシ

ED 14-42mm F3.5-5.6 / 3,648×2,736 / 1/1,250秒 / F4 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 18mm




 ライフワークとして生まれ育った九州南部を中心に、人や風景を長年撮影している。人々は大らかで親しみやすく、道端で撮影しているとよく話しかけてくれる。比較的多くの自然が残されていることも、足しげく通う理由のひとつだ。洗練されたフォトジェニックなシーンに出会うことは少ないけれど、この地方の素朴な人々や風光明媚な風景は、僕にとって大のお気に入りとなっている。

 ゴールデンウィークを使った今回の撮影では、いつも使用している機材のほかに、オリンパス「E-410」と「Zuiko Digital ED 14-42mm F3.5-5.6」および「Zuiko Digital ED 40-150mm F4-5.6」の2本のズームレンズを携えた。

 東京から宮崎に到着したその日は、すでに陽が傾きつつあった。急いで車を借りると、被写体を求めて走り回った。機材を入れたバッグは、ちょっと大きめのテンバひとつだけ。いつも使っているカメラや大口径の望遠ズームをはじめとする何本かのレンズを入れているが、「E-410」とそのレンズ2本は、残されたわずかなスペースに収納できた。バッグをあらたに用意する必要がないのは、車であってもありがたい。

  • 作例のリンク先のファイルは、JPEGで撮影した画像をコピーおよびリネームしたものです。
  • 作例下の撮影データは、使用レンズ/記録解像度(ピクセル)/露出時間/絞り値/露出補正値/ISO感度/ホワイトバランス/実焦点距離を表します。





ED 14-42mm F3.5-5.6 / 3,648×2,736 / 1/200秒 / F9 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 14mm ED 40-150mm F4-5.6 / 3,648×2,736 / 1/200秒 / F5.6 / -0.3EV / ISO100 / WB:晴れ / 150mm

ED 14-42mm F3.5-5.6 / 3,648×2,736 / 1/160秒 / F7.1 / 0EV / ISO100 / WB:晴れ / 14mm ED 40-150mm F4-5.6 / 3,648×2,736 / 1/640秒 / F10 / -1.3EV / ISO100 / WB:晴れ / 50mm ED 14-42mm F3.5-5.6 / 3,648×2,736 / 1/200秒 / F8 / +0.7EV / ISO100 / WB:晴れ / 14mm

ED 40-150mm F4-5.6 / 3,648×2,736 / 1/200秒 / F5.6 / +0.7EV / ISO100 / WB:晴れ / 150mm ED 40-150mm F4-5.6 / 3,648×2,736 / 1/320秒 / F7.1 / -0.7EV / ISO400 / WB:晴れ / 150mm




 2日目は鹿児島県の大隅半島の突端、佐多岬を目指した。天気予報では翌日から雨になるとのこと。この地で晴れているうちに撮りたいものがあった。走らせること約4時間半、途中撮影で寄り道を繰り返しながら南大隅ウィンドファームに辿り着いた。ここは山の尾根沿いに、20基の風車がまわる風力発電所。実に雄大で好きな光景だ。すでに大気が水蒸気を多く含んでいたためクリアな写真は得にくい状態であったけど、多くのカットを収めることができ満足。

 ただ、風力発電所となるだけあって、撮影した全域は風が強い。軽量なE-410はその影響をもろに受けることになった。特に望遠ズームレンズを装着し、テレ側で手持ち撮影を行なうと、風にあおられやすくアングルがなかなか定まらない。これには閉口してしまった。





ED 14-42mm F3.5-5.6 / 3,648×2,736 / 1/200秒 / F8 / -0.3EV / ISO100 / WB:オート / 14mm ED 14-42mm F3.5-5.6 / 3,648×2,736 / 1/500秒 / F5.6 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 42mm

ED 14-42mm F3.5-5.6 / 3,648×2,736 / 1/200秒 / F9 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 14mm ED 40-150mm F4-5.6 / 3,648×2,736 / 1/1,000秒 / F5.6 / +0.3EV / ISO100 / WB:オート / 90mm

ED 14-42mm F3.5-5.6 / 3,648×2,736 / 1/200秒 / F9 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 14mm ED 14-42mm F3.5-5.6 / 3,648×2,736 / 1/2,000秒 / F4 / +0.3EV / ISO100 / WB:オート / 14mm

ED 14-42mm F3.5-5.6 / 3,648×2,736 / 1/800秒 / F4.4 / +0.3EV / ISO100 / WB:オート / 21mm ED 14-42mm F3.5-5.6 / 3,648×2,736 / 1/1,250秒 / F5.6 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 14mm




ED 40-150mm F4-5.6 / 3,648×2,736 / 1/800秒 / F10 / +0.7EV / ISO100 / WB:晴れ / 83mm




 3日目は天気予報どおり雨。宮崎県都城市の街をメインに撮影。土地勘のあるところだけにいろいろ撮影したのだが、やはり天気の悪さには敵わない。結果、喫茶店で時間を潰した後、ひとり夜の歓楽街に繰り出した。余談だが、スナックの女の子に「E-410」を見せたところ、コンパクトなところがたいへん気に入った様子。長い爪と細い指が、この小さなデジタル一眼レフによく似合っていた。

 4日目も雨。熊本県の人吉市に向けて車を走らせた。しっとりと雨で濡れた古都をカメラに収めるつもりだからだ。傘をさして人吉城界隈を歩き回わること3時間、前日に引き続き散々な結果。やっぱり写真って光と影だよなぁ、と悪態をつきつつ人吉を後にする。それでも国宝級といわれる青井阿蘇神社の本殿内部が撮影できたことには感動。高ISO感度においてもノイズレベルの低いE-410は、そんなときにも重宝する。

 最終日の5日は雨のち曇り。あちらこちらにと車を走らせたが、やはり天候には勝てない。東京行き最終の飛行機まで粘ってみたもののお手上げ状態であった。それでもこの5日間、E-410で撮影したカット数は約2,000。すべてJPEGで約12GB分となる。今回のような少しでも荷を軽くしたい旅では、そのコンパクトゆえに非常に適していることが実感できた。次の機会には、E-410とそのレンズのみを小さなカメラバッグに入れて、小京都といわれる町にでものんびり出かけてみたいものである。





ED 14-42mm F3.5-5.6 / 3,648×2,736 / 1/160秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:晴れ / 14mm ED 14-42mm F3.5-5.6 / 3,648×2,736 / 1/15秒 / F3.5 / -0.3EV / ISO800 / WB:オート / 14mm

ED 14-42mm F3.5-5.6 / 3,648×2,736 / 1/80秒 / F5.6 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 42mm ED 14-42mm F3.5-5.6 / 3,648×2,736 / 1/80秒 / F5 / +0.3EV / ISO100 / WB:オート / 14mm

ED 14-42mm F3.5-5.6 / 3,648×2,736 / 1/40秒 / F5.3 / 0EV / ISO400 / WB:オート / 35mm ED 14-42mm F3.5-5.6 / 3,648×2,736 / 1/20秒 / F3.5 / +1EV / ISO1600 / WB:オート / 14mm ED 40-150mm F4-5.6 / 3,648×2,736 / 1/200秒 / F5.2 / +0.3EV / ISO400 / WB:オート / 110mm

ED 14-42mm F3.5-5.6 / 3,648×2,736 / 1/100秒 / F5.6 / +0.7EV / ISO400 / WB:オート / 42mm ED 40-150mm F4-5.6 / 3,648×2,736 / 1/250秒 / F5.6 / +0.3EV / ISO400 / WB:オート / 150mm

ED 14-42mm F3.5-5.6 / 3,648×2,736 / 1/80秒 / F5 / 0EV / ISO100 / WB:晴れ / 14mm ED 40-150mm F4-5.6 / 3,648×2,736 / 1/200秒 / F5 / 0EV / ISO400 / WB:オート / 83mm




ED 14-42mm F3.5-5.6 / 3,648×2,736 / 1/30秒 / F3.5 / 0EV / ISO100 / WB:晴れ / 14mm





URL
  オリンパス
  http://www.olympus.co.jp/
  製品情報
  http://olympus-esystem.jp/products/e510/
  レンズ交換式デジタルカメラ機種別記事リンク集(E-410)
  http://dc.watch.impress.co.jp/static/link/dslr.htm#e410
  4人の写真家と「E-410」――ネイチャー
  http://dc.watch.impress.co.jp/cda/review/2007/06/14/6403.html
  4人の写真家と「E-410」――ファミリーフォト
  http://dc.watch.impress.co.jp/cda/review/2007/06/12/6376.html
  4人の写真家と「E-410」――街角写真
  http://dc.watch.impress.co.jp/cda/review/2007/06/11/6382.html



大浦タケシ
(おおうら・たけし)1965年宮崎県生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業後、二輪雑誌編集部、デザイン企画会社を経てフリーに。コマーシャル撮影の現場でデジタルカメラに接した経験を活かし主に写真雑誌等の記事を執筆する。プライベートでは写真を見ることも好きでギャラリー巡りは大切な日課となっている。カメラグランプリ選考委員。

2007/06/13 10:17
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