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【伊達淳一のデジタルでいこう!】ソニー サイバーショット DSC-H7

~広角側にも強い高倍率ズームレンズ搭載機
Reported by 伊達 淳一

サイバーショット DSC-H7
 ソニーサイバーショット DSC-H7(以下H7)は、31~465mm相当の光学15倍ズームと光学式手ブレ補正機能を装備した高倍率ズーム機だ。撮像素子は有効810万画素1/2.5型CCDで、画像処理エンジンBIONZを搭載。

 α100にも採用されている「Dレンジオプティマイザー(シーンに応じて、露出やコントラストを自動補正する機能)」や、コンパクトデジカメのトレンドとなりつつある顔検出機能「顔キメ」、音楽に合わせて撮影した写真が動画のように切り替わるスライドショー「音フォト」を搭載。別売の専用ケーブルを用意して、ハイビジョンテレビのD端子に接続すれば、ハイビジョンのクォリティで「音フォト」を楽しむことができるのが特徴だ。


 従来のサイバーショット DSC-H5に比べ、ズーム倍率がアップしているにもかかわらず、ボディはかなり軽量になっている。というのも、H5の電源は単3電池2本だったのに対し、H7の電源はタイプGのリチウムイオンバッテリーに変わっているからだ。また、背面の液晶モニターも3型から2.5型へとサイズダウン。機能ボタン類も整理され、スッキリとしたレイアウトになった。実際にH7を手に持ってみると見かけよりもずいぶん軽いので、最初は“ちょっと安っぽいな”と感じたが、ボディが軽量になったこととグリップが細身になったことで、従来のH5に比べ、手の小さなボクにはホールディングしやすくなっている。


従来のサイバーショット DSC-H5(右)との前面部比較 背面部比較

 ボディサイズもH7よりも奥行きが小さくなっているが、付属のフードが一眼レフ顔負けの大きさなので、フードを装着すると撮られる側からはカメラが隠れてしまうほど大仰なスタイルになる。懐が深く、しかも花形フードなので遮光効果は高そうだが、携帯性や人目を考えるとフードを外して使いたくなる。


花形フードを装着したH7。ボディに対してかなり巨大なフードだ フードは逆カブセできるので、収納時にはそれほどかさばらない

 ところで、コンパクトデジカメの低価格化は著しく、高倍率ズーム機であってもそれなりに価格が安くなければ売れない時代だ。そのため、コストのかかる機能ボタンは、H5は9個あったのに対し、H7は6個に減っている。

 なくなった機能ボタンは、手ブレ補正、フォーカスモード、撮影(1コマ/連写/ブラケット)モードの3つだ。代わりに、背面の十字キーの周りに電子ダイヤルが追加されていて、撮影時に十字キー中央にあるボタンを押してから電子ダイヤルを回すと、ISO感度、絞りやシャッタースピードの変更(Pモード時はプログラムシフトが可能)、露出補正、フォーカスモード切り換えを選択できる。撮影モードと手ブレ補正は、メニュー内で切り換える仕様だ。


サイバーショット DSC-H7の上面操作部。機能ボタンが少なくなり、スッキリとしている 電源は専用のリチウムイオンバッテリー(タイプG)。メモリースティックデュオもグリップ部に装着する

 また、今春のサイバーショットからメニューのGUIも一新されていて、メディアクロスバー風のデザインが採用されている。画像サイズや測光モード、ホワイトバランスなど撮影機能のパラメータ設定と撮影設定(SETUP)はMENUボタンに、画像再生や印刷、メモリー管理、本体設定といった撮影機能以外はHOMEボタンに割り当てられている。

 サイバーショット DSC-TシリーズやWシリーズでは、HOMEボタンを押して撮影タブで撮影モードを変更する仕様になっているのだが、H7の場合、撮影モードダイヤルを備えているので、HOMEボタンを押して撮影タブが表示されても何も設定することがない。

 他シリーズとの整合性を図るという意図があるのかもしれないが、撮影タブを削除して、再生/印刷/メモリー管理/設定タブだけにしてしまったほうが、この機種に関してはスッキリすると思う。それと、せっかく電子ダイヤルが付いたのだから、できればシャッターボタン後方に露出補正ボタンを設けてくれれば、すごく使いやすくなったと思う。

 H7を使っていて非常に気持ちよかったのは、AFが非常にスムーズに動くことだ。AF動作音が静かで、スッと合焦する。ズーミングのスピードもそこそこ速く、動作音も静かだ。約2秒で起動し、約2秒半でワイド端からテレ端までズーミングできる。つまり、電源を入れてから最速で約4秒半でテレ端が撮影できる。この点は、オリンパスSP-550UZに比べ、遙かに快適だった部分だ。

 オリンパスSP-550UZといえば、ワイド端の画角が28mm相当とワイドなのが魅力だが、H7もワイド端の画角が31mm相当と従来のH5の36mm相当よりもだいぶワイドになっている。やはり、高倍率ズームといえども、ワイドに強いほうがいい。最悪、テレ側はトリミングして逃げることができる(そのための画素数アップとも言える)が、後ろに下がってもワイドで入りきらない被写体はどうしようもないからだ。

 「ワイドコンバージョンレンズが用意してあります」と弁解するメーカーもあるかもしれないが、小型・軽量・低価格なのがコンパクトデジカメの魅力。コンバージョンレンズを否定するわけではないが、せっかくコンパクトなデジカメにあれこれゴテゴテと装着するのは嫌いだ。オリンパスSP-550UZやソニーサイバーショット DSC-H7は、ワイド端の画角もおろそかにしていない点が非常に立派だと思う。


※作例のリンク先のファイルは、JPEGで撮影した画像をコピーおよびリネームしたものです。

※作例下の撮影データは、記録解像度(ピクセル)/絞り値/露出時間/露出モード/露出補正値/ISO感度/ホワイトバランス/実焦点距離を表します。

※強調のため一部の項目を1行目に抜粋した場合もあります。

※プライバシー保護の観点から、画像に一部修正を加えてあります。


画角変化


1倍
3,264×2,448 / F5.6 / 1/640秒 / プログラム / 0EV / ISO80 / WB:オート / 5.2mm
3倍
3,264×2,448 / F5.6 / 1/640秒 / プログラム / 0EV / ISO80 / WB:オート / 15mm
5倍
3,264×2,448 / F5.6 / 1/640秒 / プログラム / 0EV / ISO80 / WB:オート / 26.2mm

8倍
3,264×2,448 / F5.6 / 1/640秒 / プログラム / 0EV / ISO80 / WB:オート / 41.2mm
15倍
3,264×2,448 / F5.6 / 1/640秒 / プログラム / 0EV / ISO80 / WB:オート / 78mm
30倍(デジタルズーム)
3,264×2,448 / F5.6 / 1/800秒 / プログラム / 0EV / ISO80 / WB:オート / 78mm

 サイバーショットといえば、CMでおなじみの音楽付きスライドショウ「音フォト」も売りの機能だが、これまでのサイバーショットは縦位置写真の自動回転表示機能が備わっていなかったので、スライドショウで縦位置写真が横に表示されてしまうのがお間抜けだった。

 しかし、H7を始めとする今春のサイバーショットは縦位置で撮影した写真は縦位置で自動回転表示できるようになったので、スライドショウに縦位置写真が含まれても違和感がなくなっている。

 画質については、1/2.5型CCDということもあってあまり高い画質は期待できず、最低感度のISO80で撮影した写真にも、やや暗いベタ部分にカラーノイズが浮いているのがわかる。ただ、全体に明るめの絵柄でベタ部分があまりない写真であれば、ISO200くらいまでは十分実用範囲。

 ISO400もカラーノイズがボケた感じがちょっと嫌だが(どうせならシャープな粒のカラーノイズの方がマシ)、どうしても被写体ブレ、手ブレが避けられないようならISO400もありだろう。ISO800以上になると、ノイズにシャープネスがかかったような不自然なテクスチャー感が生じ、解像感も低下してしまう。とりあえず、撮れないよりはマシという、画質は度外視した高感度領域だ。


ISO感度別比較

ISO80
3,264×2,448 / F3.2 / 1/1.5秒 / プログラム / 0EV / WB:オート / 14.6mm
ISO100
3,264×2,448 / F3.2 / 1/2秒 / プログラム / 0EV / WB:オート / 14.6mm
ISO200
3,264×2,448 / F3.2 / 1/40秒 / プログラム / 0EV / WB:オート / 14.6mm

ISO400
3,264×2,448 / F3.5 / 1/60秒 / プログラム / 0EV / WB:オート / 14.6mm
ISO800
3,264×2,448 / F4 / 1/125秒 / プログラム / 0EV / WB:オート / 14.6mm
ISO1600
3,264×2,448 / F4 / 1/250秒 / プログラム / 0EV / WB:オート / 14.6mm

ISO3200
3,264×2,448 / F5.6 / 1/250秒 / プログラム / 0EV / WB:オート / 14.6mm

 また、ワイド端では倍率色収差もちょっと目立つ。特に木の枝など輝度差の大きな被写体が画面周辺にあると、紫色と緑色の色ズレが気になってしまうが、まあ、36mm相当の画角に抑えて色ズレが少なくなるよりは、多少色収差があっても31mm相当のワイドな画角からスタートするメリットのほうが大きいのではないだろうか。


 H7、というよりサイバーショットシリーズ全体で不満なのは、動画が相変わらずMPEG-1方式の“MPEGMOVIE VX”のままで大きな進化が見られないことだ。一応、640×480ドットの下の解像度がいきなり160×120ピクセルという仕様は改められ、Eメールやブログ掲載用に適した320×240ピクセルの動画がサポートされたのは小さな一歩だが、MPEG-4やH.264方式の動画デジカメが登場している昨今、MPEG-1方式というのはあまりにお粗末な仕様だ。

 もっともサイバーショット DSC-M1/M2や、サイバーショット DSC-G1には、ちゃんと“MPEGMOVIE4TV”というMPEG-4形式の動画撮影機能が備わっているのだから、技術的にできないというわけではない。デジカメ動画に力が入っていないのは、パナソニックLUMIXも同じで、ビデオカメラの売上に影響するのを懸念してわざと進化を遅らせているのでは? と勘ぐりたくなるほどだ。

 少なくともサイバーショット DSC-TシリーズとDSC-Hシリーズには“MPEGMOVIE4TV”を搭載してほしいと思う。特に高倍率ズームの動画はズーム倍率が高く、撮っていてとても楽しいので、もっと動画機能を活用したくなるのだが、録画時間とファイルサイズを考えると、最低でもMPEG-2方式以上の圧縮記録でないとダメ。せっかく動画撮影中に光学ズームができるのに、未だに“MPEGMOVIE VX”というのはあまりにモッタイナイ話だ。

動画撮影中に光学ズームしてもズーム動作音がほとんどしないのが特徴だ
(MPEG-1、640×480ピクセル、約20MB)


カラーモード比較作例

標準 ビビッド ナチュラル

セピア モノトーン

コントラスト比較作例

標準

一般作例

3,264×2,448 / F4 / 1/125秒 / プログラム / 0EV / ISO125 / WB:オート / 42.4mm
試し撮り代わりに近所のネコをパチリ。仔猫のときは近寄っても逃げなかったが、大きくなってなかなか近くによって撮影させてもらえなくなった。こんなとき望遠に強い高倍率ズームは便利だ
3,264×2,448 / F4.5 / 1/125秒 / プログラム / 0EV / ISO160 / WB:オート / 78mm
桜の花は咲き始めが美しい。撮像素子が1/2.5型と小さくても高倍率ズームのテレ側なら背景をある程度ボカすことができる。樹木の緑が非常に美しいボケになっている

お店の前の植えてあった花を周囲を入れずに切り取ってみた。ピクセル等倍ではそれなりにアラのある描写ではあるが、適正サイズにプリントするのであれば全然気にならない画質だ
3,264×2,448 / F4.5 / 1/200秒 / プログラム / 0EV / ISO100 / WB:オート / 57.6mm
画角はSP-550UZに負けるもののその差はわずか。カワセミを撮るにはどちらも力不足だ。ただ、川の手前に止まってくれれば、なんとかこの大きさで写すことができる
3,264×2,448 / F4.5 / 1/125秒 / プログラム / 0.7EV / ISO100 / WB:オート / 78mm

デジタルズームなんて単なるトリミングなので、画質的にはまったく期待できないが、それでもカワセミをアップで記録できるという誘惑には勝てなかった。液晶モニターで見る分にはデジタルズームもキレイだが、パソコンで見ると画質はこのとおり(デジタルズーム)
3,264×2,448 / F4.5 / 1/125秒 / プログラム / 0.7EV / ISO100 / WB:オート / 78mm
アップでカワセミを写せなくても、背景や周囲の景色がキレイならなんとか絵になる。撮像素子がAPS-Cサイズのデジイチに70-300mmズームを付けて撮ったのと同じくらいの画角で写せるのに、とても軽くてコンパクトなのが魅力だ
3,264×2,448 / F4.5 / 1/125秒 / プログラム / 0.3EV / ISO100 / WB:オート / 78mm

菜の花の黄色が色飽和気味だが、デジイチのなかにも、菜の花の黄色が白飛びしてしまう機種があることを考えれば、高彩度の割に破綻が目立ちにくく、インパクトがある発色が得られる。ボケもキレイ
3,264×2,448 / F4.5 / 1/125秒 / プログラム / 0EV / ISO100 / WB:オート / 75.7mm
ワイドでグッと寄るのは、デジイチよりもコンパクトデジカメのほうが得意。花をアップで見せつつ、樹の状態も見せるにはテレマクロよりもワイドマクロのほうが向いている。さすがに背景の明るさを拾うので大胆にプラス補正をしている
3,264×2,448 / F4 / 1/80秒 / プログラム / 1EV / ISO100 / WB:オート / 5.2mm

道ばたに咲いていたスイセンをローアングルで撮影。液晶モニターは広視野角というほどではないので、上から見ると画面が見づらくなる。海外ではH7の液晶モニターを上下可動式にしたH9が発表されているが、日本でもぜひ発売してほしい
3,264×2,448 / F4 / 1/320秒 / プログラム / -0.3EV / ISO100 / WB:オート / 38.9mm
ねぎ坊主にピントを合わせているが、想像していたよりも被写界深度は浅く、ちょっと下の部分はもうボケ始めている。ISO AUTOに設定しているが、Exifを見るとISO160で撮影されていた。この感度にしては少しカラーノイズが目立つ
3,264×2,448 / F4.5 / 1/125秒 / プログラム / 0EV / ISO160 / WB:オート / 78mm

とあるお店のディスプレイ。去年は立つレッサーパンダ、風太君だった。道路を挟んで歩道の反対側から撮影しているが、高倍率ズームは気になる風景を部分的に切り取って見せるのに便利だ
3,264×2,448 / F4 / 1/125秒 / プログラム / 0EV / ISO100 / WB:オート / 38.9mm
これも散歩の途中で撮影。ISO200に感度アップしているので、そういう目で見ればノイズが気になるかもしれないが、うるさいことを言わなければ1/2.5型のコンパクトデジカメの絵としては十分キレのある描写だ
3,264×2,448 / F4 / 1/125秒 / プログラム / 0EV / ISO200 / WB:オート / 40mm

H7には、絞り優先AEやシャッター優先AE、マニュアル露出など、デジイチばりの露出モードが搭載されているが、ボクはプログラムAEで撮影することがほとんど。それでも、まるでデジイチで撮影したように背景をフワッとボカすことができた
3,264×2,448 / F4.5 / 1/125秒 / プログラム / 0EV / ISO125 / WB:オート / 73.5mm
H7の絞りは、6枚羽根の虹彩絞り。しかし、基本感度がISO80と低いので、かなり明るいシーンでもない限り、絞り開放での撮影となり、6枚羽根絞りの効果が現れることがない。でも、ちゃんと虹彩絞りを搭載しているのは立派だ
3,264×2,448 / F4.5 / 1/125秒 / プログラム / 0EV / ISO200 / WB:オート / 78mm

ちょっと画面周辺で解像力が低下しているのが惜しいが、それでも桜や菜の花の細部がここまでしっかり描写されているのは驚き。空の青さや菜の花の黄色の再現も自然でどぎつくない発色だ
3,264×2,448 / F5.6 / 1/400秒 / プログラム / 0EV / ISO100 / WB:オート / 11.3mm
画面内に太陽を入れて、樹のフォルムをシルエット気味に撮影してみた。樹の枝の1本1本まで描写できているが、周辺部になるほどパープルフリンジが目立つようになる。特に輝度差が大きい部分は盛大にパープルフリンジが出ている
3,264×2,448 / F5.6 / 1/800秒 / プログラム / 0EV / ISO100 / WB:オート / 5.2mm

川の土手の緑とバスの赤、青空の青の色彩コントラストが美しかったので、わざと真横から撮影して、遠近感をなくして平面的に写してみた。歪曲収差が大きいと台無しになってしまうところだが、この画角では歪みがほとんど気にならない
3,264×2,448 / F5.6 / 1/640秒 / プログラム / 0EV / ISO100 / WB:オート / 6.5mm
カワセミ探しをしながら川沿いを歩いているときに見つけてパチリ。青空がキレイだったので、わざわざ橋を渡って対岸まで行って撮影。遠くから望遠で切り取るよりも、見上げるように撮影したほうが青空が深く再現されると思ったからだ
3,264×2,448 / F5.6 / 1/800秒 / プログラム / 0EV / ISO100 / WB:オート / 20.8mm

アップで撮影した後は、少しズームを引いて撮影。紅白の色彩コントラストが美しい。露出アンダーになるかと思ったが、露出補正なしで大丈夫だった。これで鳥でも枝に止まっていればアクセントになるのだが、そこまで粘る根性はなかった
3,264×2,448 / F5.6 / 1/800秒 / プログラム / 0EV / ISO100 / WB:オート / 12.2mm
カメを発見。高倍率ズームなのでもっとアップで写すこともできるが、川面に映った建物の色彩がキレイだったので、この写り込みを活かして引きで撮影してみた。画素数が多いので引きで撮影してもカメがちゃんとわかる
3,264×2,448 / F4 / 1/320秒 / プログラム / 0EV / ISO100 / WB:オート / 19mm

今年の東京の桜は満開になるまでが短かく、開花からアッという間に満開。幸い満開直前の日はよく晴れたので、どこにカメラを向けても非常に美しい桜を撮ることができた。光学3倍ズーム機ではこのように背景をボカした桜を撮るのはむずかしい
3,264×2,448 / F5 / 1/500秒 / プログラム / 0EV / ISO100 / WB:オート / 60.5mm
自宅から徒歩5分もかからない近所の桜並木。桜並木が道路の両側に植わっているので、まるで桜のトンネルみたいだ。H7はワイド端の画角が31mm相当と広いので、広い範囲を写せるのが魅力。空の青さを強調しようと風景モードで撮影してみた
3,264×2,448 / F5.6 / 1/400秒 / 風景モード / 0EV / ISO100 / WB:オート / 5.2mm

画面周辺部ほど描写が悪くなっているが、一眼レフでも桜を細部までクッキリ写すのは至難の業。銀塩時代、これだけの写りをするコンパクトカメラが合っただろうか? そう考えると、デジタル時代になってコンパクトカメラのレンズ性能はずいぶん向上したと思う
3,264×2,448 / F5.6 / 1/500秒 / プログラム / 0.3EV / ISO100 / WB:オート / 5.9mm
ソメイヨシノは、順光よりも逆光気味に撮影したほうが花の白さが引き立つ。背景もできるだけ暗い方が桜が浮き上がって見えるが、そんな好都合な場所はなかなかない。しかし、望遠で部分的に切り取れば、背景が暗い場所はいくつもある
3,264×2,448 / F3.5 / 1/640秒 / プログラム / 0.3EV / ISO100 / WB:オート / 20.8mm

どうしても背景が煩雑になる場合は、桜の花に近づいて望遠でアップで狙ってみるのも手。どこで撮影しても同じような写真になってしまうのが難だが、背景をフワッとボカすことができるので、引きの写真に混ぜればアクセントになる
3,264×2,448 / F4.5 / 1/250秒 / プログラム / 0EV / ISO100 / WB:オート / 71.7mm
絶好のお花見日和。河原にピクニックでも行くのだろうか? ちゃんと整列して横断歩道を渡る子ども達の姿がほほえましい。望遠で遠くから撮影しているので(といってもズームまだまだ中域だが…)桜並木が圧縮効果で密集感が増して見える。プライバシー保護のため加工してあります
3,264×2,448 / F4.5 / 1/500秒 / プログラム / 0EV / ISO100 / WB:オート / 36.8mm

ピントがビシッと合っている部分はそれなりにシャープな描写だが、わずかにピントが甘くなった部分は急にブレたようなうるさい描写になりがち。もっと柔らかなボケを期待していたのだが、ちょっと高望みだったようだ
3,264×2,448 / F4 / 1/400秒 / プログラム / 0EV / ISO100 / WB:オート / 51.8mm
同梱のフードにはコンバージョンレンズ装着用のネジ溝があるので、手持ちのPLフィルターを使って青空を暗く落とそうと試みたものの、77mm径でも72mm径でもなく、なんと74mm径だったので使用を断念。専用アクセサリーにPLフィルターが用意されているものの、汎用のフィルターサイズに合わせてほしいものだ
3,264×2,448 / F5.6 / 1/500秒 / プログラム / 0EV / ISO100 / WB:オート / 5.2mm

菜の花の葉っぱとしては緑が深く濃く出過ぎているが、記憶色的には気持ちがイイ色だ。菜の花の黄色も白トビしてもおかしくないところだが、巧みに色を乗せて白トビに見えないようにしているようだ
3,264×2,448 / F4.5 / 1/500秒 / プログラム / 0EV / ISO100 / WB:オート / 77.7mm
春の花で欠かせないのがチューリップ。チューリップは非常に彩度が高く、赤が色飽和しやすく黄色がトビびしやすい花だが、非常にバランスの取れた仕上がりになった。二線ボケの傾向も少なく、後ろのチューリップの茎もさほどうるさくなっていない
3,264×2,448 / F4 / 1/400秒 / プログラム / 0EV / ISO100 / WB:オート / 34.7mm

チューリップの花を撮影するときに、ボクはよくローアングルから虫の目で撮影することが多いが、H7の液晶モニターは上から見るとライブビューがよく見えなくなる。個人的には可動式液晶モニター搭載のH9が待ち遠しい
3,264×2,448 / F5 / 1/500秒 / プログラム / 0EV / ISO100 / WB:オート / 78mm
昭和記念公園で撮影。もう桜は満開を過ぎて散り始めているが、遠目に見ればまだまだキレイ。ちょうど菜の花畑が手前にあったので、菜の花の黄色と桜の淡いピンク、そして青空の青の色彩コントラストが引き立つよう風景モードで撮影してみたが、特に彩度が高くなるわけではないようだ
3,264×2,448 / F5.6 / 1/640秒 / ランドスケープモード / 0EV / ISO100 / WB:オート / 6.3mm

茎がほとんどなく葉っぱから直接咲いているチューリップの花。葉っぱも地面を這うように伸びていて、チューリップというよりサボテン系のような感じ。なんとなくユーモラスだ
3,264×2,448 / F4 / 1/400秒 / プログラム / 0EV / ISO100 / WB:オート / 31mm
園内を巡回している汽車を撮影。動き始めると結構なスピードで、望遠で狙うとアッという間に画面いっぱいまで近づいてくる。ちょっとピントは甘めになったが、被写界深度が深いこともあってそれほどピンぼけにはなっていない。背景のボケがちょっとうるさくなった
3,264×2,448 / F4 / 1/160秒 / プログラム / 0EV / ISO100 / WB:オート / 42.4mm

機種によっては芝生の緑がもっと褐色がかってしまうものもあるが、サイバーショットは伝統的に緑が鮮やかに再現される。細かい芝目もモワッとせずになんとか解像しているのも見事。色収差はあるが、ちゃんと810万画素CCDの描写力は引き出せているようだ
3,264×2,448 / F4 / 1/320秒 / プログラム / 0EV / ISO100 / WB:オート / 3.3mm
前日の雨と風で、ほとんど桜が散ってしまったかと思いきや、意外としぶとく残っていて、一面の桜のじゅうたんにはなっていなかった。小川をS字型に配置しての奥行き感を表現してみた。被写界深度が深いので、絞り優先AEで絞り込まなくても、手前から奥までしっかりピントが合っている
3,264×2,448 / F4 / 1/250秒 / プログラム / 0EV / ISO100 / WB:オート / 10.7mm

千葉県佐倉市のふるさと広場にある風車リーフデ。オランダから輸入した本物の風車だ。毎年、4月にはさくらチューリップ祭りが開かれ、チューリップと風車の写真を撮影できる。今年は中央の通路がちょっと広すぎて写真的に間延びしてしまうので、この位置しかキレイに撮影できるポイントがなかったのが残念
3,264×2,448 / F5.6 / 1/640秒 / プログラム / 0EV / ISO80 / WB:オート / 12.9mm
画像サイズを16:9に設定して撮影。上下をカットしただけだが不思議と広がり感が出るのでおもしろい。1,920×1,080ピクセルで、フルハイビジョンテレビにドット・バイ・ドットで表示できる画素数だが、もっと画素数が多い16:9モードも欲しいところ
1,920×1,080 / F5 / 1/250秒 / プログラム / 0EV / ISO80 / WB:オート / 57.6mm

ちょっと画角がワイド側になってしまったが、16:9で撮影した位置から通常の画像サイズで撮影したもの。これはこれでキレイな写真だが、16:9で撮影したほうが広がり感がある。後ボケが少し二線ボケ気味になっている
3,264×2,448 / F5 / 1/250秒 / プログラム / 0EV / ISO80 / WB:オート / 48.9mm
佐倉で撮影していると曇ってきたので、ダメ元で千葉県柏市のあけぼの山農業公園に移動。ここもチューリップと風車で有名な場所だ。幸い天気も良く、満開のチューリップをキレイに撮影できた
3,264×2,448 / F5 / 1/250秒 / プログラム / 0EV / ISO80 / WB:オート / 74.3mm

あけぼの山農業公園のチューリップと風車。佐倉の風車は風で動く本物の風車だが、ここの風車は電動風車だ。佐倉からハシゴしてきたので、すでに夕方の光になりかけているが、あまり黄色くなっておらず、適度に夕方の雰囲気が感じられる色合いに調整されている
3,264×2,448 / F5 / 1/320秒 / プログラム / 0EV / ISO80 / WB:オート / 6.3mm
あけぼの山農業公園のチューリップ畑の隣には、広大な菜の花畑も広がっていて、高台から見渡せるようになっている。810万画素とはいえ、これくらい絵柄が細かくなると細部描写が厳しくなるが、1/2.5型のコンパクトデジカメとしては健闘しているほうではないだろうか
3,264×2,448 / F5 / 1/250秒 / 風景モード / 0EV / ISO100 / WB:オート / 11.3mm

電動風車に近寄って撮影。画面下の白い看板の輪郭に色ズレが生じているが、それ以外は非常にシャープでキレが良い描写だ。また、ワイド端の画角も31mmと、一般的なコンパクトデジカメよりも広い範囲が写せるのも気に入った
3,264×2,448 / F5 / 1/320秒 / プログラム / 0EV / ISO80 / WB:オート / 5.2mm
太陽を画面内に入れて撮影。6枚羽根の虹彩絞りということで、太陽から光芒が伸びると思ったが、少し薄雲がかかっている影響もあるのか、光芒は出なかった。Exif情報を見るとコントラストがsoftになっていて、Dレンジオプティマイザーが機能していたのが確認できた
3,264×2,448 / F5.6 / 1/1,600秒 / プログラム / 0EV / ISO80 / WB:オート / 5.2mm


URL
  ソニー
  http://www.sony.co.jp/
  製品情報
  http://www.sony.jp/products/Consumer/DSC/DSC-H7/

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伊達 淳一
1962年生まれ。千葉大学工学部画像工学科卒業。写真、ビデオカメラ、パソコン誌でカメラマンとして活動する一方、その専門知識を活かし、ライターとしても活躍。黎明期からデジタルカメラを専門にし、カメラマンよりもライター業が多くなる。自らも身銭を切ってデジカメを数多く購入しているヒトバシラーだ。

2007/05/16 01:48
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