デジカメ Watch

【伊達淳一のレンズが欲しいっ!】
シグマ 8mm F3.5 EX DG Circular Fisheye

~ニッチだけどなくなっては困るレンズ
Reported by 伊達 淳一

 魚眼レンズには、画面の対角線方向の画角がほぼ180度で通常の四角い画面で写る“対角魚眼”と、上下左右すべての方向で180度の画角が得られ、円形の写真になる“円周(全周)魚眼”がある。今回紹介するシグマの「8mm F3.5 EX DG Circular Fisheye」は、コンバージョンレンズを除けば、現在発売されているAF一眼レフ用交換レンズとしては、唯一の円周魚眼レンズだ。

 ただし、円周魚眼本来の写り(全方位で180度の画角)が得られるのは、あくまで35mm一眼レフやフルサイズのデジイチ(デジタル一眼レフ)に装着したときに限られ、APS-Cサイズのデジイチでは、円形の画面が小判のような形にトリミングされてしまい、まるで四隅がケラれた中途半端な“対角魚眼風”の写りになってしまう。APS-Cサイズ専用の超広角レンズがほとんどなかった頃には、円形魚眼レンズに1.4倍のテレコンバータを装着し、対角魚眼レンズの代わりにするという活用法もあったが、現在はニコン AF DX Fisheye Nikkor ED 10.5mm F2.8G、ペンタックス smc PENTAX DA FISH-EYE 10-17mm F3.5-4.5ED、オリンパスZUIKO DIGITAL ED 8mm F3.5 Fisheye、トキナーAT-X107 DX Fish Eye 10-17mm F3.5-4.5といったデジタル専用の対角魚眼レンズが存在するので、円周魚眼レンズに対して以前ほどのありがたみはなくなっている。


【フルサイズのEOS 5DとAPS-CサイズのEOS Kiss Digital Xの画角の違い】


EOS 5Dで撮影
フルサイズのEOS5Dだと全方位180度の画角の円周魚眼画像が得られる
EOS Kiss Digital Xで撮影
APS-CサイズのEOS Kiss Digital Xでは、四隅が黒くケラレた中途半端な魚眼だ

 円周魚眼レンズの主な用途としては、全天写真(星や雲、オーロラなどの記録)、水中写真、ペットの鼻デカ写真、全周パノラマなど。極めて限られたニッチな用途に使われる“特殊レンズ”だ。なにしろ画角が全方位で180度と広いので、うっかりすると自分の足が写ってしまうし、魚眼特有の強烈な歪みがあるので、超広角レンズの代用としては無理がある。

 取り扱いにも神経を使う。画角が広いのでフードがなく、真横から見ると前玉が盛り上がっているので、レンズ交換時にレンズを下向きに置くことはできないし、レンズ保護フィルターも装着できないので、撮影が終わったらすぐにレンズキャプを締めないと、うっかり前玉を傷つけたり汚したりする危険度が高い。ただ、前述したような用途には欠かせないレンズなので、なくなっては困る存在だ。


真横から見るとレンズ前玉が盛り上がっている。撮影しないときは、速やかにレンズキャップをするのが鉄則。レンズが汚れるとゴーストやフレアも多くなるので、レンズクリーニングキットもできれば撮影時に持参したい
レンズ交換などでレンズを外すときは、必ずレンズキャップを閉めてから。リア部にはゼラチンフィルターを差し込める枠が設けられている

 そんなニッチな特殊レンズにもかかわらず、シグマ 8mm Fisheyeは、2005年10月下旬に従来の8mm F4 Fisheyeのコーティングを強化した“8mm F4 EX DG Circular Fisheye”を発売、それからわずか10カ月で“8mm F3.5 EX DG Fisheeye”に全面リニューアルした。従来の8mm F4 EX DG Circular Fisheyeとの主な違いは、開放F値がF4からF3.5と明るくなり、最短撮影距離も20cmから13.5cmへと短くなっていること。絞り羽根枚数も5枚から6枚に増えているが、ボケを活かせるレンズではないし、むしろ強い光源から伸びる光芒の数は絞り羽根が奇数枚のほうが倍になるので、どちらがいいかは微妙なところだ。また、絞りをレンズ側から操作する絞り環がなくなり、カメラ本体から絞りの制御ができる機種以外は使えなくなっている点が大きな違いだ。

【PTLensで魚眼を超広角イメージに変換】
 魚眼レンズで撮影した写真は、強烈なタル型のディストーション(歪曲収差)で周辺が大きく歪んで写る。そのため、画角は広いものの通常の超広角レンズの代用品としてはキビシイものがある。Nikon Captureには、対角魚眼レンズで撮影した写真の歪曲を補正し、超広角写真に変換する機能が搭載されているが、PTLensというオンラインソフトを使えば、シグマの8mmで撮影した写真も通常の超広角レンズで撮影したような歪みの少ない写真に補正可能だ。

 ただし、周辺部を強引に引き伸ばして歪みを補正するため、画質は大幅に低下してしまう。デジタル専用の超広角ズームが(35mm一眼レフ用超広角ズームに比べれば)手頃な価格で発売されている現在、魚眼レンズをソフト補正してまで超広角イメージを得る必要性はほとんどなくなっている。


Kiss Digital X + シグマ8mm で撮影した写真 PTLensで魚眼レンズの歪曲を補正した写真

PTLensの設定画面。スタンドアローン版とPhotoshopプラグイン版があり、日本語化もされている。http://epaperpress.com/ptlens/でダウンロード購入可能。15ドル

画質

 SLDガラスを使用し、倍率色収差(画面周辺部ほど目立つ赤や緑の色ズレ。絞っても改善されない)を効率的に補正しているということだが、EOS Kiss Digital Xで撮影した写真をピクセル等倍以上でチェックしてみると、やはりそれなりに倍率色収差は発生しているし、高輝度部分の輪郭にはパープルフリンジも生じている。RAWで撮ってSILKYPIX 3.0で倍率色収差を補正してみたが、指定した部分の倍率色収差はほぼ目立たなくすることはできたが、写真の別の部分に発生した倍率色収差は多少残るようだ。ただ、他の対角魚眼レンズもかなり倍率色収差が目立つので、そうしたレンズと比べれば水準以上の描写だと思う。

 画角がとてつもなく広いので、太陽など強い光源が画面に入ってしまうことが多いが、光源の位置によってはやはりそれなりにゴーストやフレアが生じるものの、逆光に弱いという感じはしない。ゴーストが発生したとしてもゴーストがそれほど明るくなく、淡いので、さほど目障りにならない。周辺光量低下も多少あることはあるが、F8まで絞ればほぼ解消するし、どうしても気になるならRAWで撮ってソフトで修正するというデジタルならではの回避法もある。人によって画質の判断基準は違うと思うので、最終的には実写サンプルを見て各自が判断してほしい。

【SILKYPIXで倍率色収差を補正】
 SILKYPIXには、レンズ収差補正機能が備わっていて、周辺光量低下、歪曲収差、倍率色収差の補正が行なえる。Ver.3からは、倍率色収差が生じている部分を範囲指定するだけで、自動的にパラメータが設定されるツールを搭載。また、RAWだけでなくJPEGやTIFFで撮影した写真も修正できるようになった。


倍率色補正ツールで、色ズレが起きている部分を範囲指定する
自動的にパラメータが設定され、赤や緑の色ズレが軽減した

絞りによる画質の変化

 絞り開放からF22まで絞りを変化させ、周辺画質や周辺光量をチェックしてみた。F3.5開放から左右両端を除いてキリリと締まった描写が得られ、F5.6からF8に絞ると周辺部の画質がベストになる。F11あたりから光の回折による小絞りボケが生じ始め、F16になると明らかにシャープネスが低下する。奥行きのある被写体でどうしても被写体深度を稼ぎたい場合でも、F11までにとどめておいたほうがいいだろう。

 また、ダストリダクションを搭載しているEOS Kiss Digital Xで撮影しているにもかかわらず、レインボーブリッジの上あたりにゴミが付着してしまったが、これはEOS Kiss Digital Nとの画質比較のためにレンズを取っ替え引っ替えしていて、レンズ交換時にうっかり電源を入れ直すのを忘れてしまったため。怪我の功名で、絞りを絞り込むにつれ、ゴミの影がハッキリしてくるのがわかる絶好のサンプルとなった。

 F5.6くらいまではよほど大きなゴミや糸くずでもない限り、付着していてもわからない。F8あたりからぼんやりとした影が出始め、F11からF16を過ぎると小さなゴミもその存在がはっきりわかるようになる。F22まで絞ると、微小なゴミがたくさん付いているのがわかるが、通常はここまで絞って撮影することはないし、小絞りボケでせっかくの1,000万画素も活かせなくなる。そういう意味ではF11あたりまで絞ってゴミが気にならないなら、それはそれでダストリダクションの効果があると思う。


F3.5 F4 F5.6

F8 F11 F16

F22

実写サンプル

※サムネールのリンク先は撮影画像です。
※すべてEOS Kiss Digital Xで撮影しました。画像サイズは3,888×2,592ピクセル、圧縮率はファインです。
※画像下のデータは撮影モード / Tv(シャッター速度) / Av(絞り数値) / 測光方式 / 露出補正値 / 感度 / レンズ / ホワイトバランスです。


絞り優先AE / 1/320秒 / F9 / 中央部重点平均測光 / 0EV / ISO100 / 太陽光 絞り優先AE / 1/200秒 / F9 / 中央部重点平均測光 / +1EV / ISO100 / オート

絞り優先AE / 1/250秒 / F9 / 中央部重点平均測光 / +1/3EV / ISO100 / オート 絞り優先AE / 1/100秒 / F11 / 中央部重点平均測光 / -1/3EV / ISO100 / 太陽光 マニュアル露出 / 1/125秒 / F11 / 評価測光 / 0EVEV / ISO100 / 太陽光

絞り優先AE / 1/200秒 / F11 / 中央部重点平均測光 / +1/3EV / ISO100 / 太陽光
絞り優先AE / 1/100秒 / F11 / 中央部重点平均測光 / +1EV / ISO100 / 太陽光

絞り優先AE / 1/320秒 / F8 / 中央部重点平均測光 / +2/3EV / ISO100 / 太陽光
絞り優先AE / 1/160秒 / F11 / 中央部重点平均測光 / +2/3EV / ISO100 / 太陽光

絞り優先AE / 1/500秒 / F8 / 中央部重点平均測光 / +2/3EV / ISO100 / 太陽光
絞り優先AE / 1/250秒 / F9 / 中央部重点平均測光 / +1/3EV / ISO400 / 太陽光

絞り優先AE / 1/125秒 / F9 / 中央部重点平均測光 / +1/3EV / ISO400 / 太陽光
マニュアル露出 / 1/250秒 / F6.3 / 中央部重点平均測光/ 0EV / ISO400 / 太陽光

QTVRパノラマに挑戦

 さて、今回、ボクがこのレンズを取り上げたのは、QuickTime VRのQubic VR(視界360度のくるくるパノラマ)を撮るためだ。これまで全周パノラマに興味がないことはなかったのだが、フィッシュアイコンバータが装着できるニコンの硬派なスイバル機はCOOLPIX4500を最後に途絶えてしまったし、なによりQTVRの世界はMacintoshの独壇場で、Windows環境でCubic VRを作成する方法がなかなか見つからなかったからだ。

 ところが、たまたま“三州展覧絵図( http://www.tenpai.com/QTVR/ )”というホームページを見つけ、QTVRというカテゴリーを見ると、なんとWindows環境でのQTVRパノラマ作成法が書かれているではないか! しかも、祭りで大群衆のまっただ中や崖っぷちなど、いったい撮影者はどこでどうやって撮影したんだ!? と驚くほど、臨場感溢れるパノラマに一目で魅了されてしまった。

 しかも、そうした作品の多くはなんと一脚+手製ブラケットで撮られており、QTVRパノラマはガッチリした三脚と雲台がなければ、キレイにつながらないというボクの勝手な思いこみを覆してくれた。こんな臨場感溢れるパノラマをボクも撮ってみたい、と一念発起して、数少ないショット数で全周パノラマを撮れるシグマ8mm F3.5 EX DG Fisheyeを購入したというわけだ。

 全周パノラマに限らず、パノラマを撮るときの最大のポイントは“回転軸”だ。カメラの三脚穴に雲台を取り付け、そのままグルッと回転したのでは、遠景と近景で視差が生じてしまい、前後の被写体の位置関係が微妙にズレてしまう(片目で交互に見ると、手前と奥のモノの位置関係がズレてしまうのと基本的には同じ理由だ)。このズレを防ぐには、“ノーダルポイント(節点)”と呼ばれるレンズを回転させても視差が生じない点を軸に回転させるしかない。


 レンズによってノーダルポイントの位置は異なるが、だいたいレンズ前玉寄りのレンズ鏡胴のどこかだ。雲台の回転軸とレンズのノーダルポイントを一致させるために、L字ブラケットやプレートを組み合わせてパノラマ雲台を自作するか、市販のパノラマ雲台(マンフロット303SPHなど)を購入し、実際にファインダーを覗きながら前後の被写体の位置関係がずれないレンズ位置(つまりノーダルポイント)を探し出すのが、まず始めにやらなければならない作業だ。

 ボクもいろいろなブラケットやプレートを組み合わせ、試行錯誤を繰り返している最中だったりするが、agno's( http://www.agnos.com/ )の“Ring T”というパノラマ雲台を見て、シグマ8mm F3.5 EX DG Fisyeyeに既存の三脚座がマッチするかも……と、手持ちのレンズの三脚座をあれこれ試してみると、奇しくもシグマ 150mm F2.8 Macroの三脚座がなんとか工夫すれば取り付けられそうなことがわかった。そのままではちょっと径がきついのだが、内側に貼ってあるプラスチックの板を剥がして、別の薄いスペーサーを入れる(ボクはスタジオ用の紙テープで代用)と、フォーカスリング部にピタリとハマる。フォーカスリングを固定する形となるのでピントは固定となるが、勝手にピント位置がズレないのでパノラマ撮影にはむしろ好都合。

 問題はノーダルポイントが三脚ネジ穴と一致するかだが、一般的な撮影ではほとんどズレが生じないレベルで一致した。ただし、フルサイズだと三脚座の先端が画面内に写り込んでしまうが、APS-Cサイズのデジイチなら撮影範囲外なのでノープロブレム。L字型ブラケットに取り付けて縦位置で少し仰角気味に撮影すれば、水平方向に90度ずつ4カット、それに真下を撮影すれば、とりあえず全周パノラマの素材が揃う。


シグマ 150mm F2.8 Macro用の三脚座(TRIPOD SOCKET TS-21)を8mm F3.5 EX DG Fisheyeに装着したところ。三脚座はシグマオンラインショップで購入できる。価格は4,200円(税込)※本記事は、8mm F3.5 Fisheyeへの導入を薦めるものではなく、三脚座の購入、使用はあくまで自己責任でお願いします これが現在の一脚パノラマ撮影装備。一脚はマンフロット 682Bで、必要に応じて石突き部分からスタンドを取り出し、自立させることもできる。これにホームセンターで購入したパイプ用の水準器を取り付け、水平の目安にしている。また、スタンドで自立させているときは正確に90度間隔でパンニングできるよう、雲台部にはやはりマンフロットのパノラマ雲台300Nを装着。指定した角度でクリック感が得られるパノラマ雲台だ。その上に、L字ブラケットを載せ、三脚座を付けた8mmを縦方向に装着。撮影現場で簡単に着脱できるよう、それぞれの接合部にはクィックシューを利用している。三脚を使って撮影する場合には、パノラマ雲台と三脚の間にベルボンのクィックレベラーが加わる

 後は、PTgui( http://www.ptgui.com/ )で水平4方向のスティッチを行ない、Equirectangular(正距円筒図法)の画像を生成し、繋ぎ目のズレをPhotoshopなどで修正。次に、Pano2QTVR( http://www.pano2qtvr.com/ )で6方向のCubicを出力。真下は三脚や一脚、雲台が写り込んでポッカリと穴が開いているので、真下を撮影したカットをPTLens( http://epaperpress.com/ptlens/)で歪みを修整したものを素材に、Photoshopなどで穴を埋める(真上のカットも必要ならばスタンプツール等で継ぎ目をブレンドする)。後はPano2QTVRでQuickTimeムービーとして出力すれば完成だ。

 というわけで、パノラマを初めて数週間たらずの超初心者ながら、なんとか全周パノラマをつなげることができるようになってきた。今回はレンズのレポートも兼ねているので、あえてJPEGで撮影したそのままのカットを素材にパノラマを作ってみたが、実際にはRAWで撮ってSILKYPIXで色や階調を整え、倍率色収差を補正したTIFFファイルでパノラマ合成を行なっている。

 せっかくの全周魚眼レンズなのでフルサイズのキヤノンEOS 5Dでパノラマを撮ろうかとも思ったが、EOS Kiss Digital Xのほうがボディが軽量で、レンズを支えるブラケットに対する負担が少ないし、フルサイズだと150mmマクロから流用した三脚座が写ってしまう。パノラマ合成に使える実質的な画素数もKiss Digital Xのほうが多い(フルサイズの5Dのほうが画素数は多くても黒い部分のムダが多い)。そして、Kiss Digital Xには、完璧とはいかないものの、とりあえずダストリダクションがあるので、ゴミやホコリが付きっぱなしになりにくい、という安心感がある(ただし、レンズを交換したら必ず電源を入れ直してセンサークリーニングを働かせることが大切)。というわけで、ボクのKiss Digital Xは、もっぱらパノラマ撮影専用機となっていたりする。これからクリスマスイルミネーションで街の夜景が華やかになる季節だが、長時間露出でどうやって真下のカットを撮ればいいのか思案中の今日この頃だ。


QTVRパノラマ習作

※パノラマムービーの再生にはQuickTimeが必要です。再生環境に関するお問い合わせは受け付けておりません。


【お台場】
 一脚パノラマに挑戦し始めて2日目に撮影したもの。微妙にふらついているのでPTguiでそのままスティッチしただけでは、繋ぎ目がズレてしまう部分があるが、それでも三脚よりも通行人のジャマにならないし、設置・撤収もすばやくて済むのはありがたい。ただ、晴天だと写真はキレイに写るが、自分の影が地面にクッキリ出てしまうので、これを消すのが一苦労。なるべく影が消しやすい位置を選んで撮影するのが無難だが、パノラマも無難なできになってしまうのが難。このときはまだL字ブラケット+スライディングプレートという構成で撮影。この後、試行錯誤を繰り返し、現在はシグマ 150mm F2.8 Macroの三脚座をL字ブラケットに装着するというスタイルに落ち着いている。

パノラマムービー
(別ウィンドウでフルスクリーンムービーを開きます)


素材


【赤坂見附】
 東京メトロの赤坂見附駅出口付近。夜景パノラマの実験のため撮影したカットで、もちろん三脚を使っている。これはJPEGで撮影したカットをそのまま繋げたものだが、RAWで撮ってSILKYPIXなどで階調を調整すれば、もっと暗部も明るく再現できる。このパノラマのポイントは、長時間露出が必要なシーンで真下の素材用カットを撮れるよう、パノラマ用ブラケットとは別に水平に伸びる真下撮影用ブラケットを用意した点。ただ、それほど堅牢なシロモノではないし、手で支えていないとカメラとレンズの重みで三脚が倒れてしまうので、3秒近くの露出となると、微小なブレは避けられない。それでもなんとか感度を上げずに街の夜景パノラマを撮影できた。さらにブレに強いブラケットを作るべく、ホームセンターを物色中……。

パノラマムービー
(別ウィンドウでフルスクリーンムービーを開きます)


素材



URL
  シグマ
  http://www.sigma-photo.co.jp/
  製品情報
  http://www.sigma-photo.co.jp/lens/wide/8_35.htm



伊達 淳一
1962年生まれ。千葉大学工学部画像工学科卒業。写真、ビデオカメラ、パソコン誌でカメラマンとして活動する一方、その専門知識を活かし、ライターとしても活躍。黎明期からデジタルカメラを専門にし、カメラマンよりもライター業が多くなる。自らも身銭を切ってデジカメを数多く購入しているヒトバシラーだ。

2006/10/27 00:27
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