デジカメ Watch

【西川 和久のポートレート インプレッション】
コダック EasyShare V550で撮ってみました!

Reported by 西川 和久

福原千織アウラ・エージェント
 今回はKodak EasyShare V550。従来のイメージから一新。最近流行の薄型でコンパクトなデジカメとなって登場した。これは日本市場にターゲットを絞ってのことだと思われるが、気になっている人も多いのではないだろうか!?

 掲載した写真は製品版を使い、前半の6枚はISO80、後半6枚はISO100の500万画素モードで撮影した。また全ての写真はロスレス回転させただけのオリジナル画像である。予め、ご了承頂きたい。


Kodak EasyShare V550の仕様

 仕様の詳細はメーカーの製品情報をご覧頂きたいが、大雑把なところでは、有効画素数500万画素の1/2.5型CCD搭載、35mm判換算36-108mm/F2.8-4.8の光学3倍ズームレンズ、ISO感度オート(80~160)/80/100/200/400/800(1.8MPのみ)、ワイド端で約5~70cm、テレ端で約40~70cmまで寄れるマクロ、2.5型液晶ディスプレイ、専用充電式バッテリー、フォトフレームドック2付属、94×19.5×56mm(幅×奥行き×高さ)/143g(電池含まず)のスリムなボディなど、同社としては類を見ないほど今風になっている。

 実はこの仕様の部分、前回のFinePix Z1のものをベースに書き換えているのだが、「屈曲光学式」という言葉以外非常に類似していて少し驚いた。それほど日本国内を意識した仕様での投入だ。

 掲載した写真はカットによって前半6枚はISO80、後半6枚はISO100へ変更した以外、全てオートモード、ホワイトバランスはデイライト、500万画素(JPEGの圧縮率は固定で変更できない)、ナチュラルカラー、シャープネス標準、ストロボオフ、センターAFで撮影している。


ISO80(F3.6 1/320秒)
35mm判換算で約55mm。腕の白飛び近辺が黄色くならずに自然に飛んでいる
ISO80(F2.8 1/320秒)
ワイド端。さすがにこれだけ引くと細部は大雑把な写りになるが、画素数相応だろう

ISO80(F3.6 1/250秒)
35mm判換算で約55mm。コンパクトデジカメはレンズフードが無いので、この手のシーンは苦手
ISO80(F4.8 1/200秒)
テレ端。このクラスとしてはシャープな写りである。ただF4.8と暗いので手ブレに注意

ISO80(F2.8 1/100秒)
ワイド端。背景の赤のグラデーションがいい感じだ。原色が得意な同社ならでは!?
ISO80(F2.8 1/200秒)
ワイド端。ちょっと大雑把な写りであるが、雰囲気は出ている方だろう

使用感は!?

 実際使っての感想であるが、少しボタンやスイッチなどが多いように思う。シャッターボタンのすぐ横にストロボコントロール、その横に電源、動画、シーンセレクト、ポートレート、オートの順に並んでいる。

 特に動画からオートまでは、普通のボタンの形状ではなく、LED付きのタッチパネル式になっており、はじめは単にインジケータかな? と思っていた。更にこの4つのLEDは充電のパーセント表示も兼ね、フル充電になると4つのLEDが点灯する仕掛けになっている。

 リアの左側には、delete、menu、review、share、右側にセンターボタン付きの十字キー、右サイドにはスライド式の撮影/再生(お気に入り)モードの切り替えスイッチがある。また、全て小さく、シャッターボタンも含め硬めである。もう少し整理した方がいいのではないだろうか?

 画質に関しては今回筆者としては珍しく、全てオリジナル画像を掲載している。何故か? 理由は単純であり、何も触る必要がないからだ。

 多くのコンパクトは(筆者からみると)コントラストが浅く、どうしてもトーンカーブを触りたくなってしまうが、このV550はまったくそんな雰囲気を感じさせない絵作り。以前ほどド派手ではなくなっているものの、フィルムメーカーらしい色乗りだ。何時も気にする液晶表示とPCでのモニタ表示との差も全くなく、液晶表示で確認したままの写りがPCでも再現された。

 後半の6枚に関しては曇天になってしまった関係で、感度をISO100へ切り替えた。青空を狙ってみたかっただけに、少し残念である。


ISO100(F2.8 1/200秒) ISO100(F2.8 1/40秒)

ISO100(F2.8 1/160秒) ISO100(F3.8 1/100秒)

ISO100(F2.8 1/160秒) ISO100(F3.2 1/100秒)

 AFは少し遅いような気がするものの、起動時間や書き込み速度などは並。再生や拡大などはテキパキ動く。ズームはあまり速い方ではなく、その分、決めたい位置で固定するのは簡単だった。露出補正に関しては、筆者の好きなワンアクション。十字キーの左右ボタン1発で補正可能だ。また、リアルタイム・ヒストグラム表示ができるのもポイントが高い。

 気になったのは2点。バッテリー駆動時間と、電源をオフにすると設定が全てクリアされることだ。バッテリーはフル充電したにもかかわらず120枚程度撮った段階でインジケーターが半分になった。昼食時間中に再充電したため、半分になってからどれだけ撮れるかは不明であるものの、ここ最近触ったデジカメの中では一番持ちが悪い。加えて初心者でも必ず写るという同社のポリシーだとは思うが、電源オフにすると、ISOオート、WB:オート、ストロボ:オート、マルチAFへ戻ってしまう。筆者の場合、毎回電源オン時に冒頭で書いたような設定に戻さなければならず、面倒だった。


結論

フォトフレームドック2
 写り、ワンアクションでの露出補正、リアルタイム・ヒストグラム表示など、非常に良くできている部分(玄人好み?)がある反面、バッテリー駆動時間や電源オフでの設定リセットなど、マイナス面も目立ち、少しアンバランスなこのV550。

 コダック独特の色に加えスリムなルックスにカラーバリエーションと、この部分に魅力を感じるのであれば、平均的な優等生の多い国産モデルより面白いのではないだろうか。


お知らせ
今月のPhotogenic Weekendは、第二金曜から第五金曜に掲載します。



URL
  コダック
  http://wwwjp.kodak.com/
  製品情報
  http://wwwjp.kodak.com/JP/ja/digital/digitalcamera/stylish/v550/index.shtml

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西川 和久
(にしかわ かずひさ) 1962年11月生まれ。もともとPC系のライター&プログラマーであったが、周辺機としてデジカメを使い出してから8年。気が付くとグラビアカメラマンになっていたと言う特殊な経歴の持ち主。初めて使った一眼レフはCanon EOS DCS 1c。現在、いろメロ待受@DWANGOのグラビアマガジン、着エロ系DVDのジャケ写などで活躍中! http://www.cfc.co.jp/knishika/index.html

2005/07/01 00:02
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