話が少々ずれてしまったので元に戻そう。Paint Shop Pro 9のRAW現像に関しては、専門のソフトのように豊富なパラメータはない。しかし基本として重要な、ホワイトバランスとシャープネスの調整には対応している。このソフトの場合、写真の展開・加工が全てではない、様々な「アートワーク」が特徴であり、このソフトが選択される理由はそこだろう。RAWというデータを渡されても何の問題もなく取り込める、という点がこのパート(写真部)では必要なのだ。
全自動で修整を行なっても良いが、「主張」のある写真を作りたい場合は少々手間でも重要なところは自分で設定しよう。「自動カラーバランス」の中の「色の暖かみ」で行なう設定は、RAW現像で行なう「ホワイトバランス」の設定とかぶる内容だが、Paint Shop Pro 9のRAW現像の場合、ホワイトバランス設定は少々大味な感じがある。というのも、数個の光源別プリセットを選択できるだけだからだ。さらに微調整を望むのならば、「光源の暖かみ」のスライダーを使用すると良い。
もうひとつ、Paint Shop Pro 9の持つ優れた機能として「カメラノイズの除去」がある。少々暗い場面で写真を撮ろうとすると、ストロボを発光させるか、感度の設定を高くするか、いずれかの選択が必要だ。しかしストロボを使用すると撮影時の雰囲気が損なわれてしまうし、感度を上げれば「ザラザラ感=ノイズ」が目立ってしまう。選択肢が2つしかないのなら「雰囲気」が悪くなるより「ノイズ」が多いのも仕方ないだろう。