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【伊達淳一のレンズが欲しいっ!】キヤノンEF70-300mm F4.5-5.6 DO IS USM

Reported by 伊達 淳一

 今回取り上げるレンズは、キヤノン「EF70-300mm F4.5-5.6 DO IS USM」というDO初のズームレンズだ。

 DOというのは、“Diffractive Optics”の頭文字を取ったもので「回折光学素子」という意味。光は波長によって屈折率が異なり、焦点を結ぶ位置が各波長によってズレてしまう。光は赤の波長ほど曲がりにくく、青の波長ほど曲がりやすいので、単純な凸レンズ(屈折光学素子)では青、緑、赤の順に結像する。これが色収差(色にじみ)の原因だ。

 一方、回折光学素子は、ちょうど凸レンズと逆の色収差が発生し、赤、緑、青の順で結像する特性を持っている。そこで、凸レンズと回折光学素子を組み合わせることで色収差を打ち消そう、というのが、キヤノンのDOレンズというわけだ。DOレンズに関しては、キヤノンの「EFレンズスペシャル 第3回」に、その基本原理や開発の苦労が書かれているので、ここではDOについてはこれ以上深く触れないが、要はDOを使うと、望遠レンズもコンパクトに設計でき、しかも色収差も低減できる、ということだ。

 実際、EF70-300mm F4.5-5.6 DO IS USMと、従来のEF75-300mm F4-5.6 IS USMを並べてみるとかなりレンズの全長が違う。ズームワイド端でコンパクトなのはもちろん、ズームテレ側でも3cmほど短い。もっとも見かけと違ってレンズはそれなりの重量があるので、カメラバッグへの収納性は上だが、荷物を軽くするという効果はあまり期待できそうにない。

 また、人気の高倍率ズーム、タムロン「F/3.5-6.3 LD Aspherical」と比べると、タムロンのほうがさらに小型かつ軽量で、価格も数分の1と安い。もっともEF70-300mm F4.5-5.6 DO IS USMには、シャッタースピード約3段分の効果が期待できる“光学式手ブレ補正機構”が搭載されているというアドバンテージがあるので、同列に比較すること自体ナンセンスかもしれないが、実売で15万円前後という高い価格にそれだけの価値を見いだせるか微妙なところである。

 さらに、EF70-300mm F4.5-5.6 DO IS USMのズームリングは、トルクは少々重めで、軽量なカメラと組み合わせるとズーミングするのに結構力が入る。しかも、レンズ鏡胴が短いので、ズームリング操作時にうっかりフォーカスリングに指が触れてしまい、フォーカスがずれてしまうことがあった。テレ側にズームするときは少しだけレンズを下に、反対にワイド端にズームするときは少しだけレンズを向けると、レンズ光学系の自重がかかるのでズーミングのトルクは軽くなる。ズーミング操作の快適さ、という点では従来のEF75-300mm F4-5.6 IS USMに軍配が挙がるだろう。


左手前がEF70-300mm F4.5-5.6 DO IS USM、右手前がタムロン AF28-300mm Ultra Zoom XR。左奥から右へ、EF75-300mm F4-5.6 IS USM、EF100-400mm F4.5-5.6L USM、EF70-200mm F2.8L USM EF70-200mm以外はズームすると鏡胴が伸びる

EF70-300mm F4.5-5.6 DO IS USMの広角端(左)と望遠端 EOS 20Dと同時発売のEF-S17-85mm F4-5.6IS USMに、このEF70-300mm F4.5-5.6 DO IS USMを組み合わせれば、27.2mmから480mm相当の画角をカバーでき、どちらも光学式手ブレ補正が付いているので、悪条件にも強い。旅行やスナップ撮影には最強のダブルズームだ

 では、肝心の写りはどうなのか? 前出の「EFレンズスペシャル」には、EF400mm F4 DO IS USMについて、“解像度は現行のEF300mmF2.8L IS USM などL レンズと同等のものを持っています。色再現性も現行のレンズと同等ですね。光学性能は現行L レンズのすばらしさを踏襲しています”と記されている。と同時に、“通常のレンズで夜景のような長時間露光をしますと、点光源から放射状に尾を引くことがあります。それがこのDO レンズでは点光源の周りにリング状の像が現れる場合があります”というDO特有の現象についても述べられている。そのため、DOレンズは点光源の描写に独特の現象が生じることもあるので、Lに準ずる光学性能は持ってはいるが、「L」の称号は与えられていない、というようにボクは思いこんでいた。

 それだけに、EF70-300mm F4.5-5.6 DO IS USMの写りに、過剰な期待と幻想を抱いて購入したのだが、実写結果を見て少々首をかしげてしまった。従来のEF75-300mm F4-5.6 IS USMのようにズームテレ端で色収差が目立つということはないのだが、絞り開放(といってもF4.5-5.6とかなり暗めだ)では、Lレンズのようなエッジの立ったキレはなく、少なくともF8、できればF11まで絞らないとカリッとした描写は得られない。特に、近接撮影時(距離目盛りがMACROと表示されている2m以下の距離レンジ)では、ハイライトがにじんだフワッとした描写だ。ピントの芯はしっかりあるのに球面収差のようにフレアっぽくなるのだ。DOは逆光でフレアが発生しやすい、とは聞いていたが、近接撮影でにじみが発生するとは思ってもいなかった。


 EF70-200mm F2.8L USMやEF100-400mm F4.5-5.6L USMの描写を見慣れた目には、やはり“Lレンズとは別物”というのが正直な感想だ。事実、EF70-300mm F4.5-5.6 DO IS USMの初撮り結果を見て、速攻でEXTENDER EF1.4×IIを注文してしまったくらいだ。もちろん、手持ちのEF70-200mm F2.8L USMと組み合わせるために、だ。とんだ散財である、トホホ……。

 ただ、実写テストを繰り返していくうちに、だんだんEF70-300mm F4.5-5.6 DO IS USMのクセがわかってきた。近距離域とズームテレ端は、絞り開放ではいささかソフトな描写ながら、ズームワイド端からズーム中域にかけての通常撮影域に関しては、コントラストも高く、絞り開放でもそれなりにキレのいい描写が得られるようだ。

 それと、EF70-300mm F4.5-5.6 DO IS USMで撮影したカットをプリントしてみると、またちょっと評価が変わってきた。モニターではいまひとつキレが足らない描写に見えても、プリントしてみるとこれがなかなか立体感というか、柔らかな質感というか、妙に写真として惹かれるのだ。フィルムからデジタルになって、あまりにも高倍率で鑑賞できるが故に、単純明快に画質の良さがわかるカリカリの描写に毒されてしまいがちだが、本当に大切なのは、いかに立体感が感じられるか、ということではないだろうか? そう考えると、EF70-300mm F4.5-5.6 DO IS USMの描写はカリカリ系ではないものの、実に味わい深いものがある。

 それに、(重さはそれなりとはいえ)このコンパクトさは魅力だ。「今日は動物園でレッサーパンダを撮影するぞ~」といったように、明確に望遠ズームで撮影することが決まっている場合なら、少々重くてもEF100-400mm F4.5-5.6L IS ISMやEF70-200mm F2.8L USM + EXTENDER1.4×IIをカメラバッグに詰め込んでいくものの、特に何を撮るかが決まっていない撮影で「もしかしたら望遠で撮影するかもしれない」といったときには、EF70-300mm F4.5-5.6 DO IS USMのほうがカメラバッグを圧迫しないし、ヘビー級の望遠ズームに比べれば荷物も軽くて済む。


 28-300mmなどの高倍率ズームをプラスαするという選択肢もありだが、やはり手ブレ補正が搭載されているというのは強みだ。暗くなってきたときだけではなく、グッと絞り込んで被写界深度を稼ぎたいときも、手ブレ補正があると有利だ。

 とはいえ、最大の難点はその価格だ。15万円前後という実売価格は、このスペックのレンズとしてはあまりに高すぎる。確かにDOとISというキヤノンの技術の粋を結集して作られたレンズであることは理解できる。しかし、従来のEF75-300mm F4-5.6 IS USMの実売価格が7万円前後、タムロンAF28-300mm F/3.5-6.3 XR Di LD Aspherical [IF] MACROが4万円台半ばであることを考えると、2倍、3倍のお金を支払ってまで買うだけの満足感が得られるかというと、極めて微妙だ。せめて、開放F値があと半段明るいか、実売価格が10万円を切ってくれれば、こうした割高感は感じないのだが……。

 矢継ぎ早に高性能のデジタル一眼レフをリリースするキヤノンだが、デジタル時代を見据えたレンズラインナップの拡充・見直しにももっと力を注いで欲しい。特にEOS650発売時から放置され続けているEF50mm F2.5 COMPACT MACRO(レンズ単体で1/2倍までのマクロ撮影しかできないし、おまけにレンズ駆動もUSMではなくAFD!!)や、最短撮影距離が50cmとモノ足りないEF24-85mm F3.5-4.5 USMあたりを早急になんとかしてもらいたいものだ。


各焦点距離域での絞り開放の描写

70mm 135mm

200mm 300mm

ズームテレ側の色収差をチェック

EF70-300mm F4.5-5.6 DO IS USM EF75-300mm F4-5.6 IS USM

EF70-200mm F2.8L USM + EXTENDER1.4×II EF100-400mm F4.5-5.6L USM

タムロンAF28-300mm F/3.5-6.3 XR LD Aspherical [IF] MACRO

作例

300mm域近距離域での撮影。Lレンズの切れるようなシャープな描写を期待していただけに、最初、この写りを見たときは正直ガッカリしてしまった。しかし、よく見ると決して解像していないわけではないし、プリントしてみるとむしろ猫の毛並みの柔らかさがしっかり出ていて、いい感じの写真に仕上がることに気づいた

EOS-1D MarkII 絞り優先AE F6.3 1/400秒 ISO1000 AWB
AI SERVOモードでカメラまかせでAF。しっかり子猫の目にピントがきていて一安心。直射日光が当たって光っている部分は少々にじんでいるが、子猫の毛並みや服の繊維を見ると細かい部分までしっかり解像していることがわかる。ボケ味もなかなか美しい

EOS-1D MarkII 絞り優先AE F7.0 1/320秒 ISO800 AWB EVUで現像(0.3EVの露出補正を実行)

F4.5-5.6と開放F値は暗めだが、それでもピントが合う範囲は非常に狭い。ピントが合っている部分はキリッとしているが、わずかにピントがズレているとピンぼけというより、にじんだりブレているような写りになる。どうにも写りが悪い、という場合はレンズ性能を疑うよりも、まずピントを疑ったほうがいい

EOS-1D MarkII 絞り優先AE F8 1/1250秒 -0.3EV ISO200 WB:太陽光
100mm域でF8まで絞って撮影しているが、ピントが合う範囲は本当に狭く、被写体のどこにピントを合わせるべきか、神経を使う。あまりカリカリとエッジが立った描写ではないものの、しっかり解像はしているし、輝度差の大きな部分を見ても色収差はほとんど認められない

EOS-1D MarkII 絞り優先AE F8 1/200秒 +0.3EV ISO200 WB:太陽光

背景のボケをよく見ると、ボケの中に渦があるのがわかる。これがDOの影響によるものかは不明だが、ちょっと変わったボケだ。絞り羽根枚数は6枚と少ないものの、ボケの形はさほど角張っておらず、ボケ味も悪くない
EOS-1D MarkII 絞り優先AE F7.1 1/200秒 0.7EV ISO200 WB:太陽光
300mm域絞り開放での撮影。モニター等倍で見るとキレが不足し、直射日光が当たっている羽根や止まり木にはニジミが生じているが、プリントしてみると甘いというよりも、デジタル臭くない写真に見える。確かにエッジが立った描写はモニターで見ていて気持ちがいいが、プリントすると平面的に見える恐れがある。そこに気づけば、このレンズの描写も味として受け止めることができる
EOS-1D MarkII 絞り優先AE F5.6 1/320秒 0.3EV ISO400 AWB

多摩動物公園のコアラ舎で撮影。ISO800まで増感してもシャッタースピードはF5.6で1/20秒という悪条件。しかもレンズの焦点距離は200mmだ。しかし、手ブレ補正の効果とレンズをガラスに押しつけるように撮影したことで、ほとんどブレずに撮影できた。こういうときはやはり手ブレ補正機構のありがたみを実感する
EOS-1D MarkII 絞り優先AE F5.6 1/20秒 -0.3EV ISO800 AWB
泳ぎ回るペリカンをAI SERVOで連写。その中の1カットだ。開放F値が暗く、どこまでピントが追従するか不安だったが、かなりAF合焦率は高く、クィックに被写体の動きに追従してくれるレンズだ。飛び散る水滴がピタッと止まっていて気持ちがいい
EOS-1D MarkII 絞り優先AE F8 1/2000秒 ISO200 AWB

光学式手ブレ補正は、レンズ光学系の一部を動かして手ブレを打ち消している。シャッタースピード3段分の手ブレ補正効果があると言われ、超望遠撮影では心強い存在だが、その一方で、画面周辺が流れたような描写に陥ることもある。これはボクの推論に過ぎないが、ブレ補正を行なう際、レンズが大きく偏芯状態になるか、イメージサークルぎりぎりの部分が使われると、片ボケのような状況に陥るのではないかと疑っている
EOS-1D MarkII 絞り優先AE F8 1/320秒 ISO200 AWB
動物園では、ほとんど檻越しの撮影となるが、このレンズは前玉が58mm径と小さいので、檻の隙間を狙って望遠で撮影すれば、ほとんど檻を消すことができる。ただ、ボケに檻の格子の影響が出てしまい、二線ボケ状態になってしまった。とはいえ、レンズの前玉が小さいと、檻や柵越しの撮影にはなにかと有利だ
EOS-1D MarkII 絞り優先AE F6.3 1/400秒 ISO320 WB:太陽光

300mmの近距離域での撮影なので、F8まで絞ったもののかなりフレアっぽくなってしまった。逆光に限らず、高輝度物が画面内にあると多少フレアっぽくなってしまうのは否めない。シャープでヌケのいい描写を求めるとガッカリするが、これはこれでソフトフォーカスっぽい趣きのある描写だ
EOS-1D MarkII 絞り優先AE F8 1/500秒 ISO100 WB:太陽光
170mm域くらいなら結構キレがよく写ることが多いのだが、このシーンではやはりフレアっぽくなってしまった。とはいえ、ピントを合わせた場所は細部までしっかり解像しているので、決して描写が甘いわけではない。いいのか悪いのか、ちょっと評価がむずかしいレンズだ
EOS-1D MarkII 絞り優先AE F9 1/320秒 ISO100 WB:太陽光

EOS20Dに装着して、新江ノ島水族館のイルカショーを撮影してみた。AI SERVOで連写しまくるという「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる撮法」だが、意外にもピントはバッチリ。レンズのAFスピードもなかなかのものだ
EOS20D シャッター優先AE F7.1 1/1600秒 ISO800 AWB
EOS20Dとの組み合わせでもやはりフレアっぽくなるときはフレアっぽくなる。しかし、35mmカメラ換算で300mm以上の焦点距離で1/50秒でもほとんどブレずに撮れたのは、やはりこのレンズのおかげ。お散歩のお供に最適な望遠ズームだ
EOS20D 絞り優先AE F7.1 1/50秒 ISO400 AWB

シーンによっては驚くほどシャープな描写を見せるときもある。140mm域F8での撮影だが、これくらいキレのある描写が常に得られれば文句なしにお薦めだが、そうでないところが、このレンズの評価をむずかしいものにしている
EOS20D 絞り優先AE F8 1/640秒 ISO400 AWB
前ボケ、後ボケのテスト。開放F値が暗いズームにしては、なかなか穏やかなボケ味だ。光学式手ブレ補正が付いているとはいえ、少しでも高速なシャッタースピードで撮影するのが基本。ノイズが少々増えても、感度を上げて手ブレを防ぎたい
EOS20D 絞り優先AE F6.3 1/160秒 ISO800 AWB

300mm域での近接撮影なので、光が当たった花びらや葉っぱがじわっとにじんだような描写になっている。女性ポートレート撮影には、必要以上に肌荒れを目立たせる心配がないので、いい雰囲気が出せるのではないだろうか?
EOS20D 絞り優先AE F6.3 1/500秒 ISO200 AWB
今が旬の彼岸花。このように奥行きのある被写体は、どこにピントを合わせればいいのかAFまかせでは非常にむずかしい。手前のめしべに確実にピントを合わせるため、ワンショットAF合焦後に、フォーカスリングでピントを微調整している。フォーカスリングの動作は非常にクィックかつスムーズだ
EOS20D 絞り優先AE F7.1 1/250秒 -1.0EV ISO200 AWB

絞り羽根の枚数は6枚とこのクラスのレンズとしては少なめだが、ボケの形はそれほど悪くはなく、自然な丸みが美しい。APS-Cサイズのデジタル一眼レフで使えば、口径食もほとんど気にならない
EOS20D 絞り優先AE F7.1 1/160秒 -0.7EV ISO200 AWB
こうした輝度差の大きな被写体は色収差が目立ちやすいが、輪郭への色づきもなく、実にクリアな描写だ。飛行機の丸みもよく出ている。EOS-1D MarkIIよりもEOS20Dとの組み合わせのほうが何となく写りがいい感じがする
EOS20D 絞り優先AE F8 1/500秒 ISO200 AWB

270mm域での撮影。これくらい距離が離れた撮影では、少し絞るだけでかなりカリッとした描写が得られる。こうしたカットが撮れると、このレンズを買って良かったと素直に思える
EOS20D 絞り優先AE F8 1/640秒 ISO200 AWB
陽炎で機体が揺らめいているが、しっかりピントは合っていて、機体に書かれている文字も読める。安いズームだと機体の輪郭に色収差が目立つことがあるが、このレンズは色収差に関しては非常に優秀だ
EOS20D 絞り優先AE F8 1/800秒 ISO200 AWB

羽田空港の送迎デッキは、完全に金網で囲われてしまい、飛行機の撮影スポットとしてはかなり条件が悪い。デザインなのか、それとも写真撮影を配慮してなのか、金網の一部に穴が空いていて、口径が小さなレンズならその穴にレンズを突っ込んで撮影できる。このカットもその穴を利用して撮影したカットだ
EOS20D 絞り優先AE F8 1/640秒 ISO200 AWB
きらめく機体を撮影してみたが、予想に反してフレアはほとんど発生せず、非常にコントラストのある描写が得られた。ズームワイド端だからだろうか? EOS20Dとのマッチングも良好で、露出補正をしなくてもほぼ狙いどおりの露出で撮影できた
EOS20D 絞り優先AE F8 1/800秒 ISO200 AWB

離陸に向かう飛行機をズームテレ端でパチリ。やはり、金網の穴からの撮影だ。機体の扉に書かれた文字がしっかり読め、操縦席にいるパイロットまでしっかり写っている。1段絞ってF8にすると、かなり像がしまってくる気がする
EOS20D 絞り優先AE F8 1/500秒 ISO200 AWB
EOS20Dでのピントテストを兼ねて撮影したカット。中央の測距点を使えば、かなり精度の高いピント合わせが可能だ。芝生の前ボケ、後ボケの一部にわずかに二線ボケ傾向が見られるが、ズームとしてはまずまずのボケ味ではないだろうか
EOS20D 絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO400 AWB パラメータ1

これもEOS20Dでのピントチェックとボケ味テスト。もう少し後ピンになるかと思っていたが、ほぼ狙った位置にピントが来ている。パラメータ1で撮影していることもあって、かなりシャープな描写だ。後ボケも柔らかで、自然な奥行きが感じられる
EOS20D 絞り優先AE F5.6 1/320秒 0.3EV ISO400 AWB パラメータ1
手ブレ補正機構の効果が実感できるカット。270mm相当の焦点距離で1/50秒のシャッタースピードという悪条件だが、被写体の猫がジッとしていたこともあって、手ブレも被写体ブレも起こさず撮影できている
EOS20D 絞り優先AE F6.3 1/50秒 -0.7EV ISO800 AWB パラメータ1

ここからはいじめのカット。わざと木の葉の間から太陽の光が漏れる位置で撮影してみた。DOが原因かどうかは不明だが、虹色のフレアが伸びている。まるでレインボークロスフィルターをかけたような感じだ
EOS20D 絞り優先AE F5.6 1/400秒 -0.7EV ISO200 AWB パラメータ1
ビルの窓ガラスに反射する夕陽を画面内に入れてみた。期待していた(?)ようなフレアは発生しなかったが、後ろのビルはシャープに写っているのに、太陽が反射している手前のビルはまるでブレたように写ってしまった。光学式手ブレ補正の副作用だろうか? 謎である
EOS20D 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO400 AWB パラメータ1

いじめのために、あえてフレアが出やすい画角、光源の位置を選んで撮影してみた。もはやAFは使い物にならずMFでピントを合わせるしかないくらい、画面がフレアで白っぽくなってしまった。通常は、ここまでひどくはないが、やはり逆光や画面外のすぐ近くに強い光源がある場合にはフレアが出て、コントラストが低下しやすい
EOS20D 絞り優先AE F8.0 1/200秒 ISO400 AWB パラメータ1


URL
  キヤノンのホームページ
  http://canon.jp/
  製品情報
  http://cweb.canon.jp/camera/ef/catalog/category/ef70_300_f45_56_do.html



伊達 淳一
1962年生まれ。千葉大学工学部画像工学科卒業。写真、ビデオカメラ、パソコン誌でカメラマンとして活動する一方、その専門知識を活かし、ライターとしても活躍。黎明期からデジタルカメラを専門にし、カメラマンよりもライター業が多くなる。自らも身銭を切ってデジカメを数多く購入しているヒトバシラーだ。

2004/09/27 09:00
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