パナソニックの一部の機種には、シーンモードにサンドブラストとピンホールという撮影モードが追加されています。サンドブラストはモノクロの粗粒子表現のようなモード。ピンホールはピンホールカメラで撮影したような、周辺光量を落として甘い画像にするモードです。DMC-LX3の場合、どちらも記録画素数が3M（4:3時）、2.5M（3:2時）、2M（16:9時）と少なくなりますが、もともと解像力とは無縁ともいえる撮影モードですから、画素数の少なさも問題はありません。
昨年の暮れに発売されたオリンパスのE-30にも、アートフィルターという特殊効果機能が搭載されており、サンドブラストに似たラフモノクローム、ピンホールに似たトイカメラといった効果が搭載されています。似ているといっても撮影結果はずいぶん違うのですが、これら解像力を無視した表現手段が見直されているのは、うれしい方向です。デジタルに変わってから、「解像力=善」という図式があまりに強すぎました。解像力から表現力にメーカーの方向性が向いてきたのは、好ましい発展に思います。
話をLX3に戻しますが、サンドブラストは画素数が限定されるほか、ISO感度が1600に固定されます。そのため明るい場所では露出オーバーになることもしばしばです。それはそれで面白い結果にもなるのですが、低い感度でオーバーにしないですむ処理があればもっとよかったと思います。
惜しいところもありますが、結論的にはサンドブラストは素晴らしいのひとこと。本当に楽しい写真が撮れて、往年のモノクロ時代を思い出させます。昔はトライXというフイルムを増感し、高温で現像して粗粒子にしたり、カラーの高感度フイルムを通常のモノクロ印画紙にプリントして粗粒子にしたりと、様々な技法にチャレンジしたものです。そんな時代を彷彿とさせて、懐かしく、またわくわくするモードです。フイルムの時は粒子であり、デジタルではノイズですが、ランダムノイズであれば、効果としては粗粒子と変わりません。文句なく楽しいモードだと思います。
- 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像を別ウィンドウで表示します。
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サンドブラスト
DMC-LX3 / 約524K / 1,920×1,080 / 1/1,300秒 / F8 / 0EV / ISO1600 / WB:オート / 5.1mm / 24mm(35mm判換算)
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サンドブラスト
DMC-LX3 / 約499K / 1,920×1,080 / 1/1,600秒 / F8 / 0EV / ISO1600 / WB:オート / 12.8mm / 60mm(35mm判換算)
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サンドブラスト
DMC-LX3 / 約509K / 1080x1920 / 1/1,000秒 / F5 / 0EV / ISO1600 / WB:オート / 12.8mm / 60mm(35mm判換算)
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サンドブラスト
DMC-LX3 / 約498K / 1,920×1,080 / 1/1,000秒 / F8 / 0EV / ISO1600 / WB:オート / 12.8mm / 60mm(35mm判換算)
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サンドブラスト
DMC-LX3 / 約526K / 1,920×1,080 / 1/1,000秒 / F5 / 0EV / ISO1600 / WB:オート / 12.8mm / 60mm(35mm判換算)
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サンドブラスト
DMC-LX3 / 約499K / 1,920×1,080 / 1/2,000秒 / F8 / 0EV / ISO1600 / WB:オート / 12.8mm / 60mm(35mm判換算)
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一方のピンホールは、筆者的には今ひとつです。まだこの程度では、という気がしてしまいますが、もちろん好みの問題ですので、気に入って使われる方も多いことでしょう。
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ピンホール
DMC-LX3 / 約444K / 1,920×1,080 / 1/125秒 / F2.8 / 0EV / ISO125 / WB:オート / 12.8mm / 60mm(35mm判換算)
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ピンホール
DMC-LX3 / 約225K / 1,920×1,080 / 1/200秒 / F2.8 / 0EV / ISO80 / WB:オート / 12.8mm / 60mm(35mm判換算)
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ピンホール
DMC-LX3 / 約444K / 1,920×1,080 / 1/125秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 12.8mm / 60mm(35mm判換算)
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DMC-LX3 / 約447K / 1,536×2,048 / 1/800秒 / F5 / 0EV / ISO80 / WB:オート / 5.1mm / 24mm(35mm判換算)
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通常の設定でサンドブラストと同じ効果は出せないのか、ということで、ISO感度を3200,ノイズリダクションを-2，コントラストとシャープネスを+2に設定してモノクロ撮影してみましたが、やはりサンドブラストとはだいぶ効果が違います。これも好みの問題ですが、筆者的にはサンドブラストの方が好印象ですので、無理にプログラムオートで似せなくても、シーンモードで十分だと思います。
コニカ赤外フイルムで撮影したような、青空を大きく落とすモードですとか、コダック赤外のように大きくハレーションを出すモードなど、今後もモノクロモードを多彩に発展させてほしいところです。
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スタンダード（プログラムオート）
DMC-LX3 / 約2.2MB / 3,968×2,232 / 1/800秒 / F7.1 / 0EV / ISO3200 / WB:オート / 5.1mm / 24mm(35mm判換算)
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サンドブラスト
DMC-LX3 / 約507K / 1,920×1,080 / 1/800秒 / F4.5 / 0EV / ISO1600 / WB:オート / 5.1mm / 24mm(35mm判換算)
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スタンダード（プログラムオート）
DMC-LX3 / 約2.2MB / 3,968×2,232 / 1/800秒 / F4 / 0EV / ISO3200 / WB:オート / 5.1mm / 24mm(35mm判換算)
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サンドブラスト
DMC-LX3 / 約513K / 1,920×1,080 / 1/400秒 / F4 / 0EV / ISO1600 / WB:オート / 5.1mm / 24mm(35mm判換算)
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スタンダード（プログラムオート）
DMC-LX3 / 約2.2MB / 3,968×2,232 / 1/800秒 / F8 / 0EV / ISO3200 / WB:オート / 5.4mm / 26mm(35mm判換算)
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サンドブラスト
DMC-LX3 / 約516K / 1,920×1,080 / 1/1,000秒 / F6.3 / 0EV / ISO1600 / WB:オート / 5.4mm / 26mm(35mm判換算)
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スタンダード（プログラムオート）
DMC-LX3 / 約1.6MB / 3,968×2,232 / 1/2,000秒 / F8 / 0EV / ISO3200 / WB:オート / 5.4mm / 26mm(35mm判換算)
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サンドブラスト
DMC-LX3 / 約518K / 1,920×1,080 / 1/2,000秒 / F8 / 0EV / ISO1600 / WB:オート / 5.4mm / 26mm(35mm判換算)
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スタンダード（プログラムオート）
DMC-LX3 / 約2.2MB / 3,968×2,232 / 1/1,000秒 / F5.6 / 0EV / ISO3200 / WB:オート / 12.8mm / 60mm(35mm判換算)
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サンドブラスト
DMC-LX3 / 約496K / 1,920×1,080 / 1/1,000秒 / F4 / 0EV / ISO1600 / WB:オート / 12.8mm / 60mm(35mm判換算)
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■ ＵＲＬ
パナソニック
http://panasonic.co.jp/
製品情報
http://panasonic.jp/dc/lx3/
気になるデジカメ長期リアルタイムレポート（DMC-LX3）
http://dc.watch.impress.co.jp/static/backno/longterm2008.htm#lx3
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安孫子卓郎
(あびこたくお)
きわめて頻繁に「我孫子」と誤変換されるので、「我孫子ではなく安孫子です」がキャッチフレーズ(^^;。大学を卒業後、医薬品会社に就職。医薬品営業からパソコンシステムの営業を経て脱サラ。デジタルカメラオンリーのカメラマンを目指す。写真展「デジタルカメラの世界」など開催。現在パソコン誌、写真誌等で執筆中。 |
2009/01/27 16:10
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