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オリンパスE-420【第5回】
マクロレンズを選ぶ

Reported by 小山 安博


年内発売予定のZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4-5.6

 前回はE-420に似合う広角レンズを求めて「ZUIKO DIGITAL ED 8mm F3.5 Fisheye」を試用したが、その直後にオリンパスからロードマップ通りの広角ズームレンズ「ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4-5.6」が発表された。

 現時点では価格も発売日も未定で、まだ完動品もないようなのだが、とにかくこれが小さくて軽い。サイズは全長73mm・質量280gで、キットレンズ「ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6」が同61mm・190gだからスペック上は一回りくらい大きいものの、モックに触れた限りでは大きな差も感じず、E-420にもマッチしそう。年内発売の予定がいつになるかは分からないが、期待して待ちたい。

 さて、前回に引き続きまたE-420に合うレンズを探し求めた結果が今回。広角に関しては上記のレンズを待つか、8mm F3.5 Fisheyeかシグマの「10-20mm F4-5.6 EX DC /HSM」を買う、という選択肢に絞られそう。それ以外のレンズを見渡してみるとE-420に似合うレンズは、やはりコンパクトなレンズだ。E-420においては個人的にあまり望遠レンズを重視していないので、そうなると気になるのがマクロレンズ。

 マクロレンズが欲しいというより、オリンパスのZUIKO DIGITALレンズではパンケーキ(ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8)と魚眼(ZUIKO DIGITAL ED 8mm F3.5 Fisheye)をのぞけば単焦点レンズはあとマクロレンズ2本しかないため、コンパクトなレンズを探すと必然的にマクロレンズが候補に入ってしまうのだ。

 さて、そのマクロレンズは「ZUIKO DIGITAL 35mm F3.5 Macro」、「ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2 Macro」の2本。35mm判換算の焦点距離はそれぞれ70mmと100mmになる。「ZUIKO DIGITAL DIGITAL 25mm F2.8」が同50mmとなるからちょうどいい感じではある。


今回試用したZUIKO DIGITAL ED 50mm F2 Macro

こちらはZUIKO DIGITAL 35mm F3.5 Macro


左から50mm、35mm、キットレンズ。コンパクトなのは35mm


 キットレンズやパンケーキは最短撮影距離が20~25cm程度なので、クローズアップ撮影をしようとするとちょっと寄りきれない場面もある。ポートレートなどでも25mm F2.8だと短いということもあるだろう。マクロレンズのいいところは被写体に近づいての接写だけでなく、風景やポートレートにも活用できる懐の深さだ。

 コンパクトという意味では35mm F3.5 Macroはパンケーキレンズに次いで軽くて小さくて、E-420にもよく合う。等倍撮影も可能で、町歩きでふと撮りたいシーンで活躍できるレンズだ。ただ、前回使用したテレコンバーター「EC-14」と25mm F2.8を組み合わせると、ちょうど同じ焦点距離になってしまうのが悩みどころ。EC-14を装着すると開放F値も1.4倍になるので、明るさと被写体に寄れるという点は35mm F3.5 Macroの方が有利だが、画角が同等というのは悩ましい部分。


ZUIKO DIGITAL 35mm F3.5 Macro

ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2 Macro

ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8(参考)

 それに対して50mm F2 Macroならば、25mm F2.8ともキットレンズとも焦点距離がかぶらない。難点は最大撮影倍率が0.52倍という点。ただ、個人的にはE-420との組み合わせではこの点にこだわりがないので特に問題にはならない。ハイグレードに位置づけられるレンズだけに、EDレンズを使用していて写りもシャープ。

 両レンズとも、E-420のライブビューでのハイスピードイメージャAFには非対応。ライブビュー時はコントラストAFでだいたいのピント合わせを行なって最後に位相差AFを使うハイブリッドAFか、ライブビューをいったん解除する位相差AFのいずれかを使うことになる。


それぞれのレンズにEC-14を付けてみたところ。やはりちょっと長くなってしまうのが難点。余裕がある時だけ持ち歩く感じだろう


 気になったのは、被写体に寄れば寄るほど、ハイブリッドAFでのピント合わせに時間がかかる点。鏡胴が一生懸命前後してピント合わせをしている感じで、ハイブリッドAFよりは位相差AFの方がストレスが少ない。ライブビューが使いやすいE-420では、やはりハイスピードイメージャAFに対応してもらいたいところだ。

 両レンズを使ってみての感想は、コンパクトさと値段の安さ、等倍撮影という点では35mm F3.5 Macroの方に軍配が上がるが、写りやほかとかぶらない画角という意味では50mm F2 Macroの方が好印象だった。レンズ単体の評価というよりも、筆者の使い方と目的にかなっているのが50mm F2 Macroという結果でもある。

 前回と今回を合わせて、基本は25mm F2.8で、補助としてキットレンズと50mm F2 Macro、EC-14という組み合わせならE-420のコンパクトさを極力損なわずに幅広いシーンに対応できるレンズシステムが実現できそうに感じた。

  • 作例のリンク先のファイルは、JPEGで撮影した画像をコピーおよびリネームしたものです。
  • 作例下の撮影データは、使用レンズ/記録解像度(ピクセル)/露出モード/露出時間/絞り値/露出補正値/ISO感度/ホワイトバランス/実焦点距離を表します。


画角の違い


ZUIKO DIGITAL 35mm F3.5 Macro / 2,736×3,648 / 絞り優先AE / 1/250秒 / F9 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 35mm

ZUIKO DIGITAL 35mm F3.5 Macro+EC-14 / 2,736×3,648 / 絞り優先AE / 1/200秒 / F9 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 49mm


ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2 Macro / 2,736×3,648 / 絞り優先AE / 1/320秒 / F9 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 50mm

ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2 Macro+EC-14 / 2,736×3,648 / 絞り優先AE / 1/250秒 / F9 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 70mm


一般作例


ZUIKO DIGITAL 35mm F3.5 Macro / 2,736×3,648 / 絞り優先AE / 1/125秒 / F10 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 35mm ZUIKO DIGITAL 35mm F3.5 Macro / 2,736×3,648 / 絞り優先AE / 1/125秒 / F5 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 35mm

ZUIKO DIGITAL 35mm F3.5 Macro / 2,736×3,648 / 絞り優先AE / 1/250秒 / F3.5 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 35mm ZUIKO DIGITAL 35mm F3.5 Macro / 2,736×3,648 / 絞り優先AE / 1/640秒 / F5.6 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 35mm


ZUIKO DIGITAL 35mm F3.5 Macro / 2,736×3,648 / 絞り優先AE / 1/200秒 / F6.3 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 35mm

ZUIKO DIGITAL 35mm F3.5 Macro / 2,736×3,648 / 絞り優先AE / 1/400秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:晴天 / 49mm


ZUIKO DIGITAL 35mm F3.5 Macro / 2,736×3,648 / 絞り優先AE / 1/800秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:晴天 / 49mm

ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2 Macro / 2,736×3,648 / 絞り優先AE / 1/500秒 / F5.6 / +0.3EV / ISO100 / WB:オート / 50mm


ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2 Macro / 2,736×3,648 / 絞り優先AE / 1/320秒 / F5.6 / +0.3EV / ISO100 / WB:オート / 50mm

ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2 Macro+EC-14 / 2,736×3,648 / 絞り優先AE / 1/100秒 / F5.6 / 0EV / ISO400 / WB:オート / 70mm


ZUIKO DIGITAL 35mm F3.5 Macro / 2,736×3,648 / 絞り優先AE / 1/80秒 / F9 / 0EV / ISO400 / WB:オート / 35mm

ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2 Macro+EC-14 / 3,648×2,736 / 絞り優先AE / 1/160秒 / F5.6 / 0EV / ISO400 / WB:オート / 70mm


ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2 Macro+EC-14 / 2,736×3,648 / 絞り優先AE / 1/640秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB: / 70mm

ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2 Macro+EC-14 / 2,736×3,648 / 絞り優先AE / 1/800秒 / F5.6 / 0EV / ISO100 / WB:晴天 / 70mm


ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2 Macro+EC-14 / 2,736×3,648 / 絞り優先AE / 1/250秒 / F5.6 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 70mm

ZUIKO DIGITAL 35mm F3.5 Macro / 2,736×3,648 / 絞り優先AE / 1/320秒 / F9 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 35mm


ZUIKO DIGITAL 35mm F3.5 Macro+EC-14 / 3,648×2,736 / 絞り優先AE / 1/4,000秒 / F6.3 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 49mm

ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2 Macro+EC-14 / 3,648×2,736 / 絞り優先AE / 1/800秒 / F4.5 / +0.7EV / ISO100 / WB:オート / 70mm



URL
  オリンパス
  http://www.olympus.co.jp/
  製品情報
  http://olympus-imaging.jp/product/dslr/e420/
  オリンパスE-420関連記事リンク集
  http://dc.watch.impress.co.jp/cda/dslr/2008/03/14/8123.html
  気になるデジカメ長期リアルタイムレポート(E-420)
  http://dc.watch.impress.co.jp/static/backno/longterm2008.htm#e420

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オリンパス、小型軽量な超広角ズームレンズを年内に発売(2008/05/13)



小山 安博
某インターネット媒体の編集者からライターに転身。無節操な興味に従ってデジカメ、ケータイ、音楽プレーヤー、コンピュータセキュリティなどといったジャンルをつまみ食い。軽くて小さいものにむやみに愛情を感じるタイプ。デジカメ、音楽プレーヤー、PC……たいてい何か新しいものを欲しがっている。

2008/05/16 13:34
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