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オリンパスE-420【第2回】
ISO感度別の画質をチェックする

Reported by 小山 安博


ストラップは純正のもの。やっぱり今回も撮影はZUIKO DIGITAL 25mm F2.8のみ
 E-420を使って1週間ほど。やはりこの軽さはいい。仕事で出る時は仕事用バッグに入れているのだが、本来は常に首にかけておくスタイルがベストなカメラだ。車を運転する時はそうもいかないが、歩いている時や自転車に乗る場合は首からぶら下げるようにしている。

 さて、E-420にはボディ内蔵の手ブレ補正機能は搭載されていない。これは明らかに本体サイズの小型化を優先したからだろう。従来モデルでは、E-410に対してボディ内手ブレ補正を搭載したE-510があったが、グリップをのぞいた厚みを比べてみてもE-410の方が薄かった。

 薄さ・軽さを優先して手ブレ補正を入れなかったのは勇断だと思うし、こういうカメラがあってもいい。確かに、手ブレ補正のない撮影は心もとないと感じる場合も多いが、まあ、以前はこうした状況が普通だったわけで、個人的にはサイズの方が優先順位が高く、手ブレ補正の有無は比較的順位は低かったので問題はない。

 とはいえ、写真のブレは気になってしまうもの。特にデジカメの写真はPCで手軽に等倍表示できるので、わずかなブレも目立つ。ブレないように撮影するにはシャッタースピードを稼げばよく、そのためには感度を上げればいい。感度をボタン一発で変更できるのはデジタルカメラのメリットだが、画質が犠牲になるのも確か。


従来通り背面液晶のスーパーコンパネで主要な設定が行なえる。OKボタンを押してから十字キーでカーソルを移動、再びOKボタンで設定を行なうか、写真の状態でダイヤルを回せば設定が変更が行なえる
 手ブレしないようにがんばって構えて何枚も撮るか、多少の画質劣化は目をつぶって感度を上げて手ブレを防ぐか。この辺りはその時々に応じて柔軟に対応すればいいだろう。いずれにしても被写体ブレを防ぐにはシャッタースピードが必要なので、やはり高感度撮影は避けて通れない。

 前口上が長くなったが、E-420では感度の設定が重要ということ。高感度の画質が良ければ積極的に使えて手ブレ・被写体ブレが防げるようになる。実際に撮影してみるとどうだろうか。

 個人的にはなかなか満足のいく結果。ISO400までは問題なく常用できるレベルで、ISO800もまあ大丈夫だろう。ISO1600になるとノイズが増え、解像感も失われるので常用は難しいが、カラーバランスは大きく崩れず、ずいぶん健闘していると思う。コンパクトデジカメにありがちな嫌な感じのノイズでもないため、現像ソフトで追い込めば印象は良くなるようだ。

 また、E-420には「高感度ノイズ低減」機能を搭載しており、ノイズ低減の強度をOFF/弱/標準/強から選択できる。ノイズ低減OFFは比較的ノイズが残っているがもっとも解像感は高い。高にするとノイズは減るが、解像感も失われてくる。この辺りの傾向は分かりやすく、基本的には低か標準に設定しておくと良さそうな印象だった。


高感度ノイズ低減はメニューの奥にあって頻繁には設定変更しづらい。普段は弱か標準にしておくと良さそう。解像感を重視するならOFFでもいいだろう 連続撮影ボタンにISO感度の割り当てが可能。ボタンは本体左上部にあり、ファインダーをのぞきながら押すのはちょっと難しい気もするが、スーパーコンパネより素早くISO感度を変えられる

 結論としては、ISO800までは積極的に使える印象。ISO1600も個人的には手ブレよりはマシかも、という感じで好印象だったが、多少身びいきもあるかもしれない。ISO3200くらいまで対応しても良かったのではないかとも思った。

  • 作例のリンク先のファイルは、JPEGで撮影した画像をコピーおよびリネームしたものです。
  • 作例下の撮影データは、使用レンズ/記録解像度(ピクセル)/露出モード/露出時間/絞り値/露出補正値/ISO感度/ホワイトバランス/実焦点距離を表します。


感度設定によるブレ防止

 明るい屋内で、目で見ると十分な明るさでもカメラのシャッタースピードは早々に手ブレしそうなスピードになってしまう。ISO100で1/25秒。きちんと構えて撮れば手ブレするスピードではないが、ちょっと油断すると左の写真のように手ブレする。

 そこでISO400に感度を変更(右の写真)。シャッタースピードが1/80秒になれば、手ブレはしにくくなる。拡大してみても、ISO400くらいだったら気軽に利用できそうな画質だ。


ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8 / 2,736×3,648 / 絞り優先AE / 1/25秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 25mm ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8 / 2,736×3,648 / 絞り優先AE / 1/80秒 / F2.8 / 0EV / ISO400 / WB:オート / 25mm

高感度ノイズ低減(ISO800)


高感度ノイズ低減はOFF。ノイズはそれなりだが、解像感もあって嫌な感じではない
ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8 / 3,648×2,736 / 絞り優先AE / 1/30秒 / F5.6 / 0EV / ISO800 / WB:オート / 25mm
高感度ノイズ低減は低。ノイズが減り、解像感も維持されていて好印象
ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8 / 3,648×2,736 / 絞り優先AE / 1/30秒 / F5.6 / 0EV / ISO800 / WB:オート / 25mm

高感度ノイズ低減は標準。さらにノイズは減っているが、布の質感が失われてきている。このシーンでは低の方が良さそう
ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8 / 3,648×2,736 / 絞り優先AE / 1/30秒 / F5.6 / 0EV / ISO800 / WB:オート / 25mm
高感度ノイズ低減は高。ここまでくるとのっぺり感が出てしまっていてちょっと微妙か
ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8 / 3,648×2,736 / 絞り優先AE / 1/30秒 / F5.6 / 0EV / ISO800 / WB:オート / 25mm

高感度ノイズ低減(ISO1600)


高感度ノイズ低減は標準。ISO1600になるとだいぶノイズが増えている
ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8 / 2,736×3,648 / 絞り優先AE / 1/20秒 / F10 / 0EV / ISO1600 / WB:オート / 25mm
高感度ノイズ低減は高。このシーンだと高でも良さそう
ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8 / 2,736×3,648 / 絞り優先AE / 1/25秒 / F10 / 0EV / ISO1600 / WB:オート / 25mm

一般作例


高感度ノイズ低減:高
ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8 / 2,736×3,648 / 絞り優先AE / 1/40秒 / F4.5 / 0EV / ISO400 / WB:オート / 25mm
高感度ノイズ低減:標準
ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8 / 2,736×3,648 / 絞り優先AE / 1/50秒 / F5.6 / 0EV / ISO800 / WB:オート / 25mm

高感度ノイズ低減:標準
ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8 / 3,648×2,736 / 絞り優先AE / 1/40秒 / F8 / 0EV / ISO800 / WB:オート / 25mm
高感度ノイズ低減:標準
ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8 / 2,736×3,648 / 絞り優先AE / 1/125秒 / F2.8 / 0EV / ISO800 / WB:オート / 25mm

高感度ノイズ低減:標準
ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8 / 2,736×3,648 / 絞り優先AE / 1/125秒 / F5.6 / 0EV / ISO800 / WB:オート / 25mm
高感度ノイズ低減:標準
ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8 / 3,648×2,736 / 絞り優先AE / 1/100秒 / F8 / 0EV / ISO400 / WB:オート / 25mm

高感度ノイズ低減:標準
ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8 / 2,736×3,648 / 絞り優先AE / 1/40秒 / F5.6 / -1EV / ISO800 / WB:オート / 25mm
高感度ノイズ低減:高
ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8 / 2,736×3,648 / 絞り優先AE / 1/125秒 / F8 / 0EV / ISO1600 / WB:オート / 25mm


URL
  オリンパス
  http://www.olympus.co.jp/
  製品情報
  http://olympus-imaging.jp/product/dslr/e420/
  オリンパスE-420関連記事リンク集
  http://dc.watch.impress.co.jp/cda/dslr/2008/03/14/8123.html
  気になるデジカメ長期リアルタイムレポート(E-420)
  http://dc.watch.impress.co.jp/static/backno/longterm2008.htm#e420



小山 安博
某インターネット媒体の編集者からライターに転身。無節操な興味に従ってデジカメ、ケータイ、音楽プレーヤー、コンピュータセキュリティなどといったジャンルをつまみ食い。軽くて小さいものにむやみに愛情を感じるタイプ。デジカメ、音楽プレーヤー、PC……たいてい何か新しいものを欲しがっている。

2008/04/25 14:09
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