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オリンパス E-410【第7回】
日野から八王子へ――50mm F2 Macro編

Reported by 安孫子 卓郎


ZUIKO DIGITAL 50mm F2 Macroを装着したE-410
 新宿から八王子に向けて中央線沿線を撮り歩く企画も、今回で日野までたどり着いた。日野といえば日野自動車があり、昔の小西六、現コニカミノルタの工場もある。小西六は「さくらフイルム」だったので、このあたりは「さくら町」という町名がついているが、合併して写真からも撤退してしまい、なぜ「さくら町」なのか、これからはわからない世代も増えてくるのだろう。

 さらにその先、八高線の北八王子駅近くにはオリンパスの技術開発センターがあり、デジタルカメラの開発も行なっている。E-410もここで開発されたのではないかと思われるが、中央線からは離れてしまうので、今回は気持ちのみご挨拶をして、足は線路に沿って豊田へと向かう。

 日野駅の北側を豊田に向かって歩き始めると、女子学生の流れに囲まれてしまった。この先には実践女子大学があり、通学の途上である。立ち止まって花や電車を撮影するのも、女子学生が多いと、何となく気が引けるのである。

 このあたりまで上り坂が続くのだが、女子大を過ぎると線路は南へ下って平野部に降りてゆく。ところが道はここで崖に阻まれてしまう。降りる道がないので仕方なく西へと回り込む。結構な回り道になってしまったのだが、線路の方も西へと向きを変えてカーブしていたため、結果的にはほとんど遠回りせずに済んだ。再び中央線に出会ったので、踏切を渡って南側へ出る。この先は古い住宅街や農家、畑なども点在して、ぐっとのんびりした地域に入る。豊田駅の南側を通過するが、ここはあまり開けておらず、古い町のイメージがそのまま残されていた。

 豊田から八王子までは結構遠い。途中で「西豊田駅の早期実現を」という看板が出ていたが、確かに駅間の真ん中に住んでいる人にとって、現状は不便だろう。長い道のりをてくてく歩いてゆくと、浅川にぶつかる。しまった。浅川の鉄橋も鉄道専用で、人が渡ることができない。多摩川の時はわかっていたのだが、浅川はチェック漏れしていた。

 さて、下流に下るか上流に上るか。いずれにしても結構距離があって遠回りになる。が、ふとみると、川には飛び石が設置してあり、水深も浅くて渡れそうである。この年になって飛び石を渡るとは思わなかったが、遠回りするのも面倒なのでチャレンジしてみた。大またで一歩くらいの幅だが、それほど難しくなく渡り切ることができた。ちょっとした達成感だ。浅川を渡ると八王子も近くなり、16号にぶつかって交通量も多くなってくる。再び街中へと入ってきたのである。

 後から地図を見ると、上流に回って橋を渡っても、線路が上流方向にカーブしているのであまり遠回りではないことがわかった。もし同じコースをたどろうとしている方がおられたら、水量が多いときは無理をせず、上流の橋を回ることをお勧めする。

  • 作例のリンク先のファイルは、JPEGで撮影した画像をコピーおよびリネームしたものです。
  • 作例下の撮影データは、使用レンズ/記録解像度(ピクセル)/露出時間/絞り値/露出補正値/ISO感度/ホワイトバランス/実焦点距離を表します。


ED 14-42mm F3.5-5.6 / 3,648×2,736 / 1/500秒 / F5.6 / 0EV / ISO100 / WB:晴れ / 42mm ED 14-42mm F3.5-5.6 / 3,648×2,736 / 1/200秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:晴れ / 14mm

ED 14-42mm F3.5-5.6 / 3,648×2,736 / 1/250秒 / F9 / 0EV / ISO100 / WB:晴れ / 14mm ED 14-42mm F3.5-5.6 / 3,648×2,736 / 1/200秒 / F9 / 0EV / ISO100 / WB:晴れ / 14mm

ED 14-42mm F3.5-5.6 / 3,648×2,736 / 1/400秒 / F11 / 0EV / ISO100 / WB:晴れ / 14mm ED 14-42mm F3.5-5.6 / 3,648×2,736 / 1/160秒 / F7.1 / 0EV / ISO100 / WB:晴れ / 14mm

 今回、標準ズームに加えて使ったレンズは、ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2 Macroだ。軽量のE-410なら軽量の35mm F3.5 Macroもある。これもよく写るレンズで実用十分だが、1本だけ買うのであれば50mm F2の方がお勧めだ。

 Eシステムとともに一番最初に登場したレンズだが、撮影倍率が1/2倍(換算等倍)ということで、倍率不足とだいぶ文句も言われたようだ。もちろん使用目的によるのだが、筆者が花や昆虫などを撮影している分には、不足は感じない。もともとフイルムのときでも、等倍のレンズでも等倍までよることはほとんど無く、古いタムロン 90mm F2.5という1/2倍のレンズでも十分だったぐりだ。

 ただ時には「もう少し寄りたい」ということもあるので、等倍のレンズに買い替えはしたものの、フォーサーズで1/2倍、換算等倍になれば困ることはほとんど無い。35mm F3.5 Macroなら換算せずに等倍(換算2倍)になるが、ほとんど等倍域を使っていないことを考えても、筆者の場合は50mm F2の撮影倍率に不足はない。逆にF2と明るいので、速いシャッターが切れ、50mmなのでそこそこの被写界深度もかせげる。手持ち撮影派にとっては、扱いやすく、なおかつぼけもF2で面白みもある、楽しめるマクロレンズだ。


ED 50mm F2 Macro / 3,648×2,736 / 1/500秒 / F2 / 0EV / ISO100 / WB:晴れ / 50mm ED 50mm F2 Macro / 3,648×2,736 / 1/160秒 / F5.6 / -0.3EV / ISO400 / WB:晴れ / 50mm

ED 50mm F2 Macro / 3,648×2,736 / 1/640秒 / F2 / +0.7EV / ISO100 / WB:晴れ / 50mm ED 50mm F2 Macro / 3,648×2,736 / 1/250秒 / F2 / 0EV / ISO100 / WB:晴れ / 50mm

ED 50mm F2 Macro / 3,648×2,736 / 1/1,250秒 / F2 / 0EV / ISO100 / WB:晴れ / 50mm ED 50mm F2 Macro / 3,648×2,736 / 1/250秒 / F2 / 0EV / ISO100 / WB:晴れ / 50mm

ED 50mm F2 Macro / 3,648×2,736 / 1/640秒 / F2 / 0EV / ISO100 / WB:晴れ / 50mm ED 50mm F2 Macro / 3,648×2,736 / 1/1,600秒 / F2 / +0.3EV / ISO100 / WB:晴れ / 50mm

ED 50mm F2 Macro / 3,648×2,736 / 1/2,000秒 / F2 / 0EV / ISO100 / WB:晴れ / 50mm ED 50mm F2 Macro / 3,648×2,736 / 1/1,250秒 / F2 / 0EV / ISO100 / WB:晴れ / 50mm




E-410に似合うレンズを探せ(その7)

――smc Pentax FA 28mm F2.8 Soft――



 最終回を前にして、ちょっと変り種のソフトレンズをつけてみた。ソフトといえばペンタックス。故秋山庄太郎先生が盛んに使われていたので、記憶にある方も多いと思う。しかし、秋山先生が使われていたのは6×7用の120mm Softか、85mmのソフトがほとんど。今回はより標準に近いところで28mmを選んでみた。ついこの間まで現行品だったAFレンズである。

 もちろんK100Dなどペンタックスのボディに付けてAFで撮影することもできるのだが、マウントアダプターでオリンパスにもつく。ソフトレンズを買わずにソフトフィルターなどで代用される方もおられるが、28mmのように被写界深度が深いと、フィルターのエンボスがめだってしまう可能性もあるので、この焦点域のソフトレンズはなかなか貴重である。MFで使うと、ソフトレンズはマット面とピントの山がずれる傾向にあり、補正するのが普通であるが、28mmだと被写界深度でカバーされるようで、その意味ではMFでも使いやすいソフトレンズといえる。

 ただし玉そのものは結構クセがあり、暴れるところがある。どちらかといえば、AF 85mmF2.8 Softの方が素直だ。28mmもクセ玉だが、中央部だけを使うフォーサーズだと比較的おとなしいようにも思われる。

 ペンタックスのソフトレンズは、絞りによってソフト量が変わるタイプ。開放だと大きくなり、F8まで絞るとほぼソフトは消えてしまう。銀塩の時代は、ちょっぴり絞ってF5.6くらいで弱くソフトをかけるのが上品だといわれていたが、デジタルになってからは、むしろ思い切って開放などで使う方が、大胆で楽しいのかなと思っている。

 ちなみにソフトフォーカスレンズでは、コントラストの高い画像処理をしているボディだと、トーンジャンプが目立つ場合がある。以前のデジタル一眼レフカメラではそのような機種もあったのだが、E-410は破綻することなく、きれいなグラデーションでソフト表現をしており、階調処理にも優れていることがよくわかる。


FA 28mm F2.8 Soft / 3,648×2,736 / 1/3,200秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / WB:晴れ / 28mm FA 28mm F2.8 Soft / 3,648×2,736 / 1/1,000秒 / F5.6 / 0EV / ISO100 / WB:晴れ / 28mm

FA 28mm F2.8 Soft / 3,648×2,736 / 1/4,000秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / WB:晴れ / 28mm FA 28mm F2.8 Soft / 3,648×2,736 / 1/1,600秒 / F5.6 / 0EV / ISO100 / WB:晴れ / 28mm

FA 28mm F2.8 Soft / 3,648×2,736 / 1/4,000秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / WB:晴れ / 28mm FA 28mm F2.8 Soft / 3,648×2,736 / 1/2,000秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / WB:晴れ / 28mm





URL
  オリンパス
  http://www.olympus.co.jp/
  製品情報(E-410)
  http://olympus-esystem.jp/products/e410/
  製品情報(ED 50mm F2 Macro)
  http://olympus-esystem.jp/products/lens/50-200_28-35/
  気になるデジカメ長期リアルタイムレポートバックナンバー(E-410)
  http://dc.watch.impress.co.jp/static/backno/longterm2007.htm#e_410
  レンズ交換式デジタルカメラ機種別記事リンク集(E-410)
  http://dc.watch.impress.co.jp/static/link/dslr.htm#e410


( 安孫子 卓郎 )
2007/06/20 00:09
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