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オリンパス CAMEDIA SP-550UZ【第6回】
帆船と飛行機

Reported by 本誌:田中 真一郎


 もう2週間ほど前のことになるが、12、13日に、神奈川県横須賀市の浦賀で「咸臨丸フェスティバル」というイベントが開かれ、その一環として「帆船パレード」が行なわれた。これは「日本丸」、「海王丸」らの帆船とヨットが横須賀市沖を連なって行進するもの。

 このパレードは2003年にも行なわれたが、筆者も、買ったばかりのデジタル一眼に借り物の望遠ズームを着けて撮りに行ったものだ。天気がよければ沖合いの帆船は、望遠レンズには絶好の被写体だ。というわけでSP-550UZとテレコン持ってでかけた。


帆船パレードのコースのイメージ。青い点線を往復する
 帆船パレードは、正午に浦賀港を出発し、観音崎沖を経て、猿島(横須賀市沖約1.5kmにある無人島)で折り返して、浦賀に戻る。パレードの行程のすべては陸地から撮影できる。1地点に留まるのもいいが、いろいろな場所でさまざまな状況の帆船を撮ってみたい。車は置き場に困りそうだったので、移動手段にはスクーターを選んだ。

 12時半頃、まずは観音崎に向かい、4月末に開館したばかりの横須賀美術館の向かいの浜辺から、浦賀からやってくる帆船を待つ……つもりだったが、予想より帆船は速く、浜に降りたときにはもう先頭の日本丸の姿が見えていた。

 帆船は意外と速い。レスポンスに不安のあるカメラなので、ゆっくり動きそうな船を選んだというのが正直なところだが、こんなに速く動かれたら……と心配になる。が、目の前にいる船の動きは人や動物などに比べたらのんびりしたもので、やはりSP-550UZには向いた被写体だ。

 この後、馬堀海岸、走水(はしりみず)、観音崎の裏側などに移動して撮影してから、浦賀への入港シーンを狙う。観音崎から移動してきた筆者は、まず浦賀港の東岸で、帰ってくる日本丸を待ったが、この時刻のこの向きは逆光だった。なので、港をぐるっと回って西岸に移動し、続いて帰ってくる海王丸を狙った。

 というわけで、ひたすら移動しながらの撮影でだったが、SP-550UZの取り回しのよさのおかげで、あまりあわただしさは感じなかった。なにしろ、SP-550UZとテレコンをカバンに放り込むだけで移動できるのだから。

※作例のリンク先のファイルは撮影した画像です。クリックすると、等倍の画像を別ウィンドウで開きます。
※作例下の撮影データは、露出時間/絞り/露出モード/感度/露出補正値/ホワイトバランス/実焦点距離/ドライブモードを表します。


1/640秒 / F4.5 / プログラムAE / ISO50 / 0EV / 自動 / 84.24mm / ノーマル
1/640秒 / F4.5 / プログラムAE / ISO50 / -0.7EV / 自動 / 43.11mm / ノーマル
パレードのコースは東京湾の出入口である浦賀水道にあたり、通行量が多い。帆船のみをフレームに入れたつもりが、ほかの船がいつのまにか入り込んでいる。写真は護衛艦とすれ違う日本丸

1/500秒 / F4.3 / プログラムAE / ISO50 / 0EV / 自動 / 25.55mm / ノーマル
海王丸だけ撮れた、と思ったら……
1/500秒 / F4.5 / 絞り優先AE / ISO50 / 0EV / 自動 / 138.5mm / ノーマル
馬堀海岸から、浦賀に帰る海王丸を撮る。馬堀海岸には広い公園が整備されていて、海面も開けているから非常に撮りやすい。対岸の房総半島も写り込まず、海原を行く雰囲気が出た。テレコン使用

1/640秒 / F3.4 / プログラムAE / ISO50 / 0EV / 自動 / 9mm / ノーマル
観音崎の裏側から
1/400秒 / F4.5 / プログラムAE / ISO50 / 0EV / 自動 / 138.5mm / ノーマル
浦賀に入港するために、沖で帆をたたむ海王丸。白トビが残念だが、帆桁の作業員の姿がしっかり写った

1/125秒 / F4.2 / プログラムAE / ISO50 / 0EV / 自動 / 21.48mm / ノーマル
浦賀に入港する日本丸。逆光で画面が白っぽくなった
1/320秒 / F4.5 / プログラムAE / ISO50 / 0EV / 自動 / 138.5mm / ノーマル
入港を待つ海王丸

1/320秒 / F4.5 / プログラムAE / ISO50 / 0EV / 自動 / 84.24mm / ノーマル
1/800秒 / F4.5 / プログラムAE / ISO50 / 0EV / 自動 / 4.68mm / ノーマル
広角28mmの威力で入港する海王丸を間近から。こちら側からは順光だけど、タグボートが手前にくっついているのだった

1/500秒 / F3.3 / プログラムAE / ISO50 / 0EV / 自動 / 7.44mm / ノーマル
浦賀港に停泊する日本丸、海王丸、あこがれ。手前の赤い船は浦賀の東岸と西岸をつなぐ渡し舟。船だが、市道として扱われている

展望デッキの金網の穴
 船がうまく行ったのに味をしめて、今度は空のシップ=旅客機を狙ってみることにした。場所は羽田空港、ターミナルビルの展望デッキである。デッキには転落防止の金網が張ってあるが、随所にレンズを通せる穴が開いていて、撮影しやすい。撮影目的でない見学者もたくさんいるのだけど、場所が広く、余裕がある。

 飛行機といえば速いというイメージがあって、SP-550UZではなかなか撮れないのではないかと思っていた。が、地上はゆっくり移動するし、離陸も長い距離を移動するので、そこそこシャッターチャンスはある。ただ、離陸する飛行機を狙うときは通常のAFが追いつかないので、フルタイムAFにして、動態予測もオンにしておいた。

 ちょっと困ったのは「ズームエラー」だ。金網の穴から飛行機を追っていると、気づかぬうちにレンズの先端が金網にあたっていたりする。このままズーム操作(繰り出し)をしようとすると、レンズがうまく動かない状況をSP-550UZはエラーと判断し、液晶モニターに「ズームエラー」と表示して、動作をとめてしまう。しばらくすると解除されて撮影できるようになるのだが、これに気づかぬうちにはあわててカメラを再起動してしまったりもしたので、何度かチャンスを逃した。コンバージョンレンズアダプタを着けておけばガードになるが、前々回に書いたように、35mm判換算で60mm未満の画角ではケラれてしまうのに注意が必要だ。

 というわけで、海、空の乗り物はSP-550UZで撮影できた。陸の乗り物も作例の最後におまけで付けておいた。どの乗り物も近くから撮るチャンスが少ないから、SP-550UZの望遠ズームと機動性の高さはありがたかった。こうした撮影は、高倍率ズームコンパクトの面目躍如といったところだ。


1/500秒 / F5.6 / マニュアル露出 / ISO50 / 0EV / 自動 / 39.84mm / ノーマル
まずは第2ターミナルのデッキで撮った
1/250秒 / F7.1 / マニュアル露出 / ISO50 / 0EV / 自動 / 46.71mm / ノーマル

1/500秒 / F5.6 / マニュアル露出 / ISO50 / 0EV / 自動 / 84.24mm / ノーマル
1/500秒 / F5.6 / マニュアル露出 / ISO50 / 0EV / 自動 / 84.24mm / ノーマル

1/320秒 / F4.3 / マニュアル露出 / ISO50 / 0EV / 自動 / 22.89mm / 連写 1/160秒 / F5.6 / マニュアル露出 / ISO50 / 0EV / 自動 / 19.79mm / 連写
第1ターミナルに移動

1/320秒 / F4.6 / プログラムAE / ISO80 / -0.7EV / 自動 / 55.01mm / 連写
1/400秒 / F4.5 / プログラムAE / ISO125 / 0EV / 自動 / 84.24mm / 連写

1/320秒 / F4.5 / プログラムAE / ISO125 / 0EV / 自動 / 84.24mm / 連写
飛行機もこうやって窓を拭くのか、とレリーズした
1/1000秒 / F4.5 / プログラムAE / ISO64 / 0EV / 自動 / 84.24mm / 連写
これは羽田空港からモノレールで一駅の「新整備場」で撮影。すぐ目の前を飛行機がタキシングしていくのだが、画面下に写っている金網が邪魔。100mほど離れたところにある陸橋の上から、望遠端で撮った

1/160秒 / F4.5 / プログラムAE / ISO125 / 0EV / 自動 / 44.27mm / 連写
海、空ときたので陸も。というわけで出勤途上で世田谷線を撮る
1/500秒 / F4.5 / プログラムAE / ISO50 / -0.7EV / 自動 / 84.24mm / 連写

1/500秒 / F2.8 / プログラムAE / ISO50 / -0.7EV / 自動 / 4.68mm / 連写
1/500秒 / F3.5 / プログラムAE / ISO50 / -0.7EV / 自動 / 4.68mm / 連写


URL
  オリンパス
  http://www.olympus.co.jp/jp/
  製品情報
  http://olympus-imaging.jp/digitalcamera/sp550uz/

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( 本誌:田中 真一郎 )
2007/05/25 01:58
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