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オリンパス E-410【第2回】
中野から荻窪――FLAT編

Reported by 安孫子 卓郎


ダブルズームキット同梱のZuiko Digital ED 40-150mm F4-5.6を装着。作例はまたの機会に
 新宿から高尾までの中央線沿線スナップも今回が2回目。中野から荻窪のエリアは、筆者が高校生の頃、この近辺に友人が多かったので、懐かしい響きを感じる一帯である。最近では、高円寺で行なわれる阿波踊りを毎年のように撮影しており、今もなじみのある土地である。

 中野区から杉並区に入ってくると、古い住宅街から新しい住宅街へと景色が変わってくる。戦後の焼け野原から、より早く復興した新宿や中野には古さが残り、その後に復興が進んだこのあたりになってくると、区画も整理されて建物も新し目になる。住むには新しい方がよいが、被写体としては新しい住宅街はきれい過ぎて撮りにくい。逆に商店街は作られすぎた感があるので、住宅街を避け、商店街の近くの裏路地を探しながらという、ウロウロしながらの探索行である。

 今回は仕上がり設定を、最も地味なFLATにしてみた。レタッチによる特殊加工ではなく「仕上がり設定」なので、地味目ではあるが色はだいぶ残っている。FLATだという目で見ると地味に見えるが、前提条件なしに見ると、そのまま受け入れてしまいそうだ。


E-410の仕上がり設定
 考えてみれば、この程度が現実世界における色かもしれない。実際の世界は、結構くすんだ色彩が多い。忠実という意味では、FLATが忠実な色再現に近いようにも思えてくる。逆にいえば、人が写真に求めているのは期待色であって、忠実な色再現ではないということだろう。オリンパスに限ることではなく、ほかのメーカーの一眼レフを見ても、デフォルト設定はみな派手目になる。多くの人が、カメラに求めているのが「期待色」なのだろう。

 今回は、現実よりも色の少ない世界を求めていたので、FLATに加えて、さらにシャープネスと彩度を最低の-2に設定しても撮影してみた。コントラストはノーマルのままである。さらには彩度の少ないセピア調を目指して、ホワイトバランスを日陰に設定もしてみたが、やはりレタッチで加工するようなわけには行かなかった。

 E-410には、さらに彩度を下げるオプションがある。撮影後に、カメラ内編集機能で彩度のコントロールができるのだ。JPEGで撮影してから行なうと、再度のJPEG圧縮が行なわれるのでやや画質には影響があるはずだが、1,000万画素もあるので、元をSHQで撮影しておけば、気にするほどの劣化ではない。もちろんこの逆もあり、彩度をプラスにすることもできるので、先週のようにVividで撮影した画像を、さらに派手にすることも可能である。

 「撮影後の編集機能など一眼レフには必要ない」と思っている方もおられるだろうが、案外役に立つ機能もある。その話は、来週の小ネタとしてとっておこう。

  • 作例のリンク先のファイルは、JPEGで撮影した画像をコピーおよびリネームしたものです。
  • 作例下の撮影データは、使用レンズ/記録解像度(ピクセル)/仕上がり設定/彩度/シャープネス/露出時間/絞り値/露出補正値/ISO感度/ホワイトバランス/実焦点距離を表します。


14-42mm F3.5-5.6 / 3,648×2,736 / FLAT / 彩度±0 / シャープネス±0 / 1/200秒 / F8 / ±0EV / ISO100 / WB:晴れ / 42mm 14-42mm F3.5-5.6 / 3,648×2,736 / FLAT / 彩度±0 / シャープネス±0 / 1/60秒 / F5 / ±0EV / ISO100 / WB:晴れ / 14mm

14-42mm F3.5-5.6 / 3,648×2,736 / FLAT / 彩度-2 / シャープネス-2 / 1/125秒 / F7.1 / +0.3EV / ISO100 / WB:晴れ / 15mm 14-42mm F3.5-5.6 / 3,648×2,736 / FLAT / 彩度-2 / シャープネス-2 / 1/160秒 / F6.3 / +0.3EV / ISO100 / 日陰 / 30mm

14-42mm F3.5-5.6 / 3,648×2,736 / FLAT / 彩度±0 / シャープネス±0 / 1/160秒 / F8 / +0.3EV / ISO100 / WB:晴れ / 25mm 14-42mm F3.5-5.6 / 3,648×2,736 / FLAT / 彩度-2 / シャープネス-2 / 1/80秒 / F5 / ±0EV / ISO100 / WB:晴れ / 14mm

14-42mm F3.5-5.6 / 3,648×2,736 / FLAT / 彩度-2 / シャープネス-2 / 1/125秒 / F6.3 / ±0EV / ISO100 / WB:晴れ / 14mm 14-42mm F3.5-5.6 / 3,648×2,736 / FLAT / 彩度-2 / シャープネス-2 / 1/125秒 / F5 / ±0EV / ISO100 / 日陰 / 14mm

14-42mm F3.5-5.6 / 3,648×2,736 / FLAT / 彩度-2 / シャープネス-2 / 1/100秒 / F6.3 / ±0EV / ISO100 / WB:晴れ / 20mm 14-42mm F3.5-5.6 / 3,648×2,736 / FLAT / 彩度-2(カメラ内編集でさらにマイナス) / シャープネス-2 / 1/100秒 / F6.3 / ±0EV / ISO100 / WB:晴れ / 20mm

14-42mm F3.5-5.6 / 3,648×2,736 / FLAT / 彩度-2 / シャープネス-2 / 1/160秒 / F8 / ±0EV / ISO100 / WB:晴れ / 14mm 14-42mm F3.5-5.6 / 3,648×2,736 / FLAT / 彩度-2(カメラ内編集でさらにマイナス) / シャープネス-2 / 1/160秒 / F8 / ±0EV / ISO100 / WB:晴れ / 14mm

14-42mm F3.5-5.6 / 3,648×2,736 / FLAT / 彩度-2 / シャープネス-2 / 1/200秒 / F6.3 / ±0EV / ISO100 / WB:晴れ / 14mm 14-42mm F3.5-5.6 / 3,648×2,736 / FLAT / 彩度-2(カメラ内編集でさらにマイナス) / シャープネス-2 / 1/200秒 / F6.3 / ±0EV / ISO100 / WB:晴れ / 14mm




E-410に似合うレンズを探せ(その2)

 ―コシナWide Angle 20mm F3.8 MC―



 今回組み合わせてみたのは、コシナの「Wide Angle 20mm F3.8 MC」である。先週、24mmレンズは種類が少ないと書いたが、20mmとなるとさらに少ない。それだけに値段も高いが、フォーサーズで40mm相当になると考えると、あまり高いレンズはもったいない気がしてしまう。しかもレンズ本体が結構大きくなるので、必ずしもE-410に似合うとはいいがたい。

 そんな中、本レンズは比較的小さ目であり、かつ低価格で取引されている。開放では結構甘い描写になるが、レトロな雰囲気を出すにはむしろ似合う。セピアやFLATなどの撮影には、ちょうどよい甘さかもしれない。

 実はこのレンズ、フィルター径が62mmである。私がよく使用する組み立て式フードは、49mm、52mm、55mm、58mmの取り付け部があり、その先に13mm、ないし19mmの延長フードをつけて長くできる、マップカメラオリジナルフードである。そこで、62mmを58mmに変換するステップダウンリングを併用して、フードを取り付けている。

 かつての常識では「超広角レンズにステップダウンリング」などはもってのほかである。ところが2倍相当の画角になるフォーサーズなら、ちょっと位のステップダウンはケラレを起こすことなく使用できる。純正フードは格好良いものが多いが、実撮影画角が2倍、あるいは1.5倍などになるデジタル一眼レフカメラでは、さらに長いフードを付けた方が有効性が高まる。マウントアダプターなどでオールドレンズを使う場合、フードは純正よりも長いものを探すのが、ベストというわけだ。


Wide Angle 20mm F3.8 MC / 3,648×2,736 / FLAT / 彩度-2 / シャープネス-2 / 1/500秒 / F3.8 / ±0EV / ISO100 / WB:オート / 20mm Wide Angle 20mm F3.8 MC / 3,648×2,736 / FLAT / 彩度-2 / シャープネス-2 / 1/500秒 / F3.8 / ±0EV / ISO100 / WB:オート / 20mm

Wide Angle 20mm F3.8 MC / 3,648×2,736 / FLAT / 彩度-2 / シャープネス-2 / 1/100秒 / F3.8 / ±0EV / ISO100 / WB:オート / 20mm Wide Angle 20mm F3.8 MC / 3,648×2,736 / FLAT / 彩度-2(カメラ内編集でさらにマイナス) / シャープネス-2 / 1/100秒 / F3.8 / ±0EV / ISO100 / WB:オート / 20mm





URL
  オリンパス
  http://www.olympus.co.jp/
  製品情報
  http://olympus-esystem.jp/products/e410/
  レンズ交換式デジタルカメラ機種別記事リンク集(E-410)
  http://dc.watch.impress.co.jp/static/link/dslr.htm#e410
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( 安孫子 卓郎 )
2007/05/15 01:55
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