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オリンパス CAMEDIA SP-550UZ【第1回】
ウルトラズーム登場

Reported by 本誌:田中 真一郎


 28mmから始まる光学18倍ズーム、という驚異のスペックをひっさげて登場した、オリンパスのCAMEDIA SP-550UZ。光学手ブレ補正(CCDシフト式)や高感度撮影、2.5型の液晶モニターなど、いまどきのデジカメに欠かせないフィーチャーもぬかりなく備え、売れ行きも好調のようである。

 ここまで至れり尽くせりだと「なにかウラがあるのではないか」と勘ぐりたくなる。正直に言えば、鬼面人を驚かすようなスペックは、実際には使い物にならないのではないかとさえ思っていた。しかし、すでに掲載した北村智史さんや伊達淳一さんによるレビュー(この記事の終わりにリンクを貼っておくので、ご参照いただきたい)を見ると、広角側は言うに及ばず、望遠端でも高倍率ズームとしては優秀な画質だし、いくつかの欠点は充実した連写機能などでカバーできそうでもある。

 SP-550UZ(UltraZoom)は、その名に違わず本当に“ウルトラ”なカメラなのかもしれない。というわけで、量販店で購入してみた。価格は5万4,800円で、20%のポイント還元が付いた。同時にオリンパス製の2GBのxDピクチャーカード(8,980円)、三洋電機の単3ニッケル水素充電池「エネループ」4本と充電器のセット(2,980円)も購入した。

 実際に手にとっていじってみて、SP-550UZにはやはりいくつかの問題があることがわかった。たとえば、これは前出のレビューでも触れられていることだが、起動やAFが遅い。また、自然光下ではEVFや液晶モニターにスミアが盛大に発生して、見にくくなったりもする。とはいえこれらは、SP-550UZの価値を全否定しまうほどの問題ともいえない。この長期レポートでは、このカメラのよさを活かしていくために、どのようにこれらの欠点を克服したり、折合いをつけていくかを考えていくことになるだろう。


エネループと充電器のセットを一緒に買った 電池室。SP-550UZに限らず、単3電池や単4電池を採用する機種すべてにいえることだが、電池の向きのインストラクションがわかりにくい。暗いところでの電池交換は困難だ。もうすこしなんとかならないものか

端子むき出しのxDピクチャーカードを頻繁に出し入れするのは怖い。なので画像の転送はUSB経由でやることに。AV出力を兼用するためか、USB端子は採用例の多いminiBではなく、特殊な形。どこでも手に入るケーブルではないので、付属のUSBケーブルを持ち歩くことに ストラップはD環を通すタイプ。D環の一部が切れているが、プラスチックパーツとストラップで塞ぐことになる。一眼レフなどのものよりも華奢だが、ボディが軽いので不安はない

 またこのカメラには、細かいところに面白い工夫が施されているのもわかった。たとえば電源OFFの状態で「DISP.」ボタンを押すと、液晶モニターに時刻とアラームが3秒間表示される。アラームは毎日定時に鳴らすこともできれば、1回だけ設定することもできる。ちょっとした旅行にはうれしい装備だろう。

 レンズキャップにもちょっと感心した。ロック機構がないかぶせ式レンズキャップなので、すぐ外れてしまいそうに見えて不安だったのだが、適度な摩擦力のおかげでそんなことはめったに起きない。

 それにロック機構がないおかげで、レンズキャップをつけたまま電源を入れても、せり出す鏡筒の先端がキャップを押し出して自動的にはずれるようになっているのだ。さらに、レンズキャップの裏は鏡筒を傷つけないようにやわらかい素材が貼り付けてある。うっかりレンズキャップをつけたまま電源を入れると「レンズキャップをはずしてね」というインストラクションが表示されるよりもずっと、親切な仕組みだと思う。


DISP.ボタンを押すと時計が3秒間表示される
カチっとはまるのでなく、摩擦力だけで固定するかぶせ式のキャップ。鏡筒先端と接する部分にはやわらかい素材が貼ってある

本体前面とレンズ鏡筒基部の周囲はゴムのようなやわらかい素材が貼ってあって、独特の雰囲気。こんな色や表面処理の東欧のクラシックカメラがあったような。形状、表面処理ともにホールドしやすいが、ややベタつく感じがして、ホコリがつきやすいのが、人によっては気になるかもしれない
同梱されてきたパナソニックのアルカリ電池

 購入してから2週間、同梱されていたパナソニックのアルカリ乾電池で使用してきたが、330枚ほど撮ったところで残量警告が点灯し、さらに20枚ほど撮ったあたりでカラになり、起動もしなくなった。この機種は仕様表に電池寿命がみあたらないのだが、300枚撮れれば現代のデジカメとしては十分ではないだろうか。

 しかもこの値は、購入直後にさまざまな設定を試したり、ストロボ撮影やひんぱんなズーム操作、EVFでなく背面液晶モニターでのライブビューなど、電池を食いそうな操作を意図的に行なったりした結果だから、実際にはもっと持つのかもしれない。

※作例のリンク先のファイルは撮影した画像です。クリックすると、等倍の画像を別ウィンドウで開きます。
※すべて画像サイズは3,072×2,304ピクセル、プログラムAE、ISO50、露出補正なし、オートホワイトバランスで撮影しています。
※作例下の撮影データは、露出時間/絞り/実焦点距離を表します。


1/500秒 / F3.7 / 11.86mm
1/400秒 / F4.5 / 84.24mm

1/640秒 / F4 / 4.68mm
1/400秒 / F4.6 / 53.53mm

1/500秒 / F4.3 / 23.39mm
1/125秒 / F2.8 / 4.68mm

1/200秒 / F4.4 / 38.81mm 1/320秒 / F4.5 / 84.24mm

1/640秒 / F3.5 / 9.42mm 1/125秒 / F2.8 / 4.68mm


URL
  オリンパス
  http://www.olympus.co.jp/jp/
  製品情報
  http://olympus-imaging.jp/digitalcamera/sp550uz/

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【伊達淳一のデジタルでいこう!】オリンパス CAMEDIA SP-550UZ(2007/04/05)
【新製品レビュー】オリンパス CAMEDIA SP-550UZ(2007/03/29)


( 本誌:田中 真一郎 )
2007/04/13 00:43
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