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キヤノン PowerShot G7【第7回】
顔検出AFをチェックする

Reported by 小山 安博


 最近のコンパクトデジタルカメラでは「顔検出機能」がはやりだ。ニコンやペンタックス、富士フイルム、オリンパス、ソニー、リコーと多くのメーカーが顔検出を製品に投入している。

 キヤノンも映像エンジンDIGIC IIIからハードウェアでの顔検出に対応。PowerShot G7も顔検出機能「フェイスキャッチテクノロジー」を搭載しており、顔を認識してピントを合わせるほか、露出制御も行なってくれる。

 G7でフェイスキャッチテクノロジーを使うには、コントローラーホイール左上に配置されたAF枠選択ボタンを押す。すると顔検出AF、9点AiAF、1点AFの3種類から選択でき、手軽に顔検出AFに変更できる。


コントローラーホイールの左上にある削除マークがあるのがAF枠選択ボタン 「顔優先」を選ぶと顔検出AFになる

 人物の顔の検索スピードは十分高速で、他社にひけはとらない。9人の顔を同時に検出できるので、集合写真でも威力を発揮する。被写体から離れて、顔が小さくなるとなかなか認識しないが、そういった場合でもズーミングしていくとある1点から顔を認識してAF枠が顔の大きさに表示され、顔検出が動作する。


実際に顔を検出したところ。AF枠が顔の大きさに表示される
 検出した顔は追尾してくれるので、被写体が動いていてもピントが合い続ける。顔が横を向いていくと、片目が顔の陰になるあたりで追尾しなくなるので、目がふたつあるのをチェックして顔と判断していると考えていた。

 ところが、試しに正面を向いたまま片目を隠してみると、それでも顔検出は有効だった。ふと思い立って両目を隠した状態でまゆ毛も隠したところ、片側のまゆ毛を隠した時点で顔検出AFが迷いだし、AF枠が消えることもあった。逆にまゆ毛だけを隠したところ、AF枠は消えずに動作を続けていた。

 つまり、フェイスキャッチテクノロジーは、目だけでなくまゆ毛も認識に使用しており、目が認識できなくてもまゆ毛で顔を検出しているというわけだ。

 ちなみに今回のテストは、液晶ディスプレイに表示した画像の顔のアップを認識させ、画像編集ソフトで目や口、鼻を塗りつぶしながらAF枠が消えるかどうかテストした。それで気づいたのは、両目とまゆ毛を白い長方形で塗りつぶすとAF枠が消えるのに、黒く塗りつぶすとAF枠が消えないこと。黒いサングラスをつけても認識するように、チューニングされているのだろうか。

 鼻と口は、単独で塗りつぶしても、両方を塗りつぶしてもAF枠に影響はなかった。やはり両目と両まゆ毛があるかどうかが重要なようだ。

 なお、フェイスキャッチテクノロジーは同時に最大9人の顔まで認識できるが、シャッターボタン半押しまでAF枠は最大3つしか表示されない。シャッターボタンを半押しすると初めて最大9つのAF枠が表示される。はじめは3つしかAF枠が出なくてとまどうが、内部ではきちんと顔を認識しているようだ。

 顔検出機能は、今やコンパクトデジカメの定番機能になった。ピントの中抜けや逆光時の露出失敗といったありがちな失敗を、初心者だけでなく、上級者でも手間なく防げるのがいい。PowerShot G7は顔検出AF・AEのみの対応だが、新モデルのIXY DIGITAL 10/90、PowerShot A570 ISは、顔を中心にフラッシュ調光を行なう「顔優先FE」と、再生時に目の部分を自動認識して赤目補正を行なう機能が追加され、さらにPowerShot TX1は、動画撮影時も顔検出AFが働くなど、機能が追加されている。

 後発のソニーは顔を認識してホワイトバランスを設定したり、美肌になるようにしたり、赤目軽減してくれたりと機能はさらに充実しており、単なる顔検出AF・AEから今後も進化が続きそうだ。

※作例のリンク先のファイルは撮影した画像です。クリックすると、等倍の画像を別ウィンドウで開きます。
※作例下の撮影データは、画像サイズ/露出時間/絞り/感度/露出補正値/ホワイトバランス/実焦点距離を表します。


フォトイメージングエキスポ2007のキヤノンブースで行なわれていた撮影会にて。このぐらいの距離だと顔を認識してくれなかった
3,648×2,736ピクセル / 1/125秒 / F4 / ISOオート / 0EV / WB:オート / 10.7mm
同じ場所からズーミングしたところ、このあたりで顔を認識した。このぐらいが顔を認識する限界の大きさ、というわけでもなさそうだが、画面内における顔の占有率があまり小さいと認識してくれない場合があるのは確かだ
3,648×2,736ピクセル / 1/125秒 / F4 / ISOオート / 0EV / WB:オート / 14.8mm

完璧に顔を認識してAFとAEが設定された
3,648×2,736ピクセル / 1/320秒 / F4.5 / ISOオート / 0EV / WB:オート / 36.8mm
モデルが動いてもAF枠は追従し続ける
3,648×2,736ピクセル / 1/320秒 / F4.5 / ISOオート / 0EV / WB:オート / 36.8mm

顔が横を向いていても、これくらいならば問題なく認識される
3,648×2,736ピクセル / 1/200秒 / F4.8 / ISOオート / 0EV / WB:オート / 44.4mm
さらにどこまで横を向いても認識されるかをチェック。このぐらいであれば大丈夫
3,648×2,736ピクセル / 1/200秒 / F4.8 / ISOオート / 0EV / WB:オート / 44.4mm

さらに横向き。ここまで来るとAF枠は追従してくれなかった。ちなみに顔が認識されない場合、AFは9点AiAFに自動的に変わる
3,648×2,736ピクセル / 1/125秒 / F4.8 / ISOオート / 0EV / WB:オート / 44.4mm
どこまで顔を認識してくれるかをチェック。ここまで顔が端にあっても認識した
3,648×2,736ピクセル / 1/250秒 / F4 / ISOオート / 0EV / WB:オート / 25mm

顔をこれより下げたところAF枠が外れた
3,648×2,736ピクセル / 1/200秒 / F4 / ISOオート / 0EV / WB:オート / 25mm
顔をこれ以上上げるとAF枠は消えた。かなりギリギリまでAF枠は追従してくれるのがわかる
3,648×2,736ピクセル / 1/320秒 / F4.8 / ISOオート / 0EV / WB:オート / 44.4mm

ちょっと離れた2人だが、きちんと2人の顔を認識してくれた。こうした場面でピントがきちんと2人合ってくれるのは助かる
3,648×2,736ピクセル / 1/200秒 / F4 / ISOオート / 0EV / WB:オート / 10.7mm


URL
  キヤノン
  http://canon.jp/
  製品情報
  http://cweb.canon.jp/camera/powershot/g7/
  気になるデジカメ長期リアルタイムレポートバックナンバー
  http://dc.watch.impress.co.jp/static/backno/longterm.htm


( 小山 安博 )
2007/03/26 16:33
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