| 今回はD80でサッカーを撮影した。取材したのは東京都町田市をホームとして、Jリーグ入りを目指している社会人チーム、FC町田ゼルビアだ。この日は関東大学リーグの強豪、法政大学との練習試合である。JFLの上位からJ2の下位くらいの力はあるであろう格上の法政大学との試合で、完敗ではあったが、それなりに得るものはあったようである。
 
 だが、撮影の方は大苦戦。D80をサッカー撮影に投入するのは初めてだったが、結論から言えば厳しいと感じた。以前はD1Xで撮影していたが、その後D2Xに買い換えている。だがD2Xは増感時のノイズが目立つため我慢しきれず、D200に買い換えて今日に至っている。秒5コマで比較する限りはD200で不満を感じない。余談だが、D2Xsは大幅にノイズが低減されており、D200と同等かそれ以上の画質に向上している。D2Xの画質がD2XsくらいならD200に買い換えなかったはずなので、ちょっと悔しい気分である。
 
 それはさておき、D80で撮影していると、D2XやD200と比べてストレスが高まってしまった。もっとも連写速度が秒3コマなので、その原因がAFなのか連写速度なのかははっきりしない。D80も秒5コマなら不満を感じなかった可能性もある。
 
 どちらかといえば、困ったのは操作性の違いである。たとえばAFモードの切替だ。D200はボディ左下に切替レバーがあり、AF-C、AF-S、MFを切替えるが、D80では左下のレバーでAFかMFかを選択し、その上でAF-A/S/Cを右上のAF切替ボタンで設定する。このとき、押すたびにAFモードが切り替わる仕組みだが、液晶パネルでの表示が小さいので、誤操作を認識しづらい。
 
 また連写モードの切替も、D200ではボディ左肩のダイヤルで設定するのに対し、D80はAFボタン隣の連写モードボタンで切り替える。こちらも1回押すだけで切り替わってしまい、セルフタイマーやリモコンモードも含めての切替になる。この表示も小さく、わかりにくい。ホワイトバランスやISO感度の切替や、撮影済み画像の拡大表示も同様だ。
 
 
ここで問題にしたいのは、どちらの操作性が優れているかということではなく、操作性が違うということだ。つまり予備機として併用しにくいのだ。じっくりと設定を確認しながら操作できる撮影なら良い。だが、スポーツ撮影など素早い操作を要求される場合、操作性が違うととまどいも大きくなりがちだ。慎重な人でも数時間撮影しているうちに、うっかり確認を怠たることもあるだろう。| 
 |  | これまでのニコンデジタル一眼になかったAFボタン(右下)を装備 |  
 ニコンでは銀塩時代からクラスごとに操作性が異なるケースが常にあったが、銀塩ならば10年、20年使うことを考え、フラッグシップを2台買うという選択もできた。しかしデジタルはそういかない。銀塩はどのランクの機種で撮影しても中身のフイルムは同じだが、デジタルは画像が違う。さらに世代交代が早く、新しい機種はよりよくなる。
 
 そのため、個人的には去年の機種と今年の機種を2台使い、新型が出たら去年の機種を買い換える、という購入スタイルを取りたいと思っている。しかし、D200とD80のように操作性が異なると、予備機にしたり、あるいは併用する場合に使いにくくなる。
 
 以上はD2XやD200との併用を考えた場合の話だ。ただし、D50と比較すると、D80の操作性はよく似ている。D50は、本体左下のAFモードの切替レバーでAFとMFを切替えるのみで、AFモードの設定はメニューで行なう。ドライブモードもメニューの中で、ホワイトバランスやISO感度は背面のボタンを押しながらモードダイヤルで変更する方式。つまりD50の操作性に対し、AFモードやドライブモードを変更するためのボタンを追加したのが、D80ということになる。
 
 ということは、D50を使っている人がD80を購入すれば、違和感なく使えるわけ。同じDの二桁シリーズということでは、共通の路線ということが言えるのだろう。逆に画素的には、同じ1,000万画素でも、D80とD200では操作性の上で大きな差違があるわけだ。
 
 筆者としてはD200を2台買うのもためらわれるわけで、ましてやD2Xsを買い足すというのはもっと負担が大きい。一般的な撮影で使うには十分な性能のD80だけに、もったいないことである。
 
 ※作例のリンク先ファイルは、JPEGで撮影した画像をコピーおよびリネームしたものです。
 ※写真下の作例データは、使用レンズ/記録解像度(ピクセル)/露出時間/絞り値/露出補正値/ISO感度/ホワイトバランス/実焦点距離を表します。
 
 
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| エースストライカー、お茶目な酒井良選手と、竹中穣コーチ兼任選手 DX VR 18-200mm F3.5-5.6 G / 3,872×2,592 / 1/200秒 / F5.6 / 0EV / ISO100 / WB:晴天 / 135mm
 | チームの要、ボランチ谷川烈選手 シグマ50-500mm F4-6.3 / 3,872×2,592 / 1/640秒 / F11 / -0.67EV / ISO800 / WB:晴天 / 420mm
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| 攻守に活躍するオールラウンダー、高杉亮太選手 DX VR 18-200mm F3.5-5.6 G / 3,872×2,592 / 1/1,250秒 / F5.6 / -0.33EV / ISO800 / WB:晴天 / 200mm
 | 町田生え抜き、ベテラン木町孝選手 DX VR 18-200mm F3.5-5.6 G / 3,872×2,592 / 1/2,500秒 / F5.6 / -0.33EV / ISO800 / WB:晴天 / 170mm
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| 快足FW柏木翔一選手 DX VR 18-200mm F3.5-5.6 G / 3,872×2,592 / 1/2,500秒 / F5.6 / -0.33EV / ISO800 / WB:晴天 / 170mm
 | 冷静沈着中川勇人選手 DX VR 18-200mm F3.5-5.6 G / 3,872×2,592 / 1/1,600秒 / F5.6 / -0.33EV / ISO800 / WB:晴天 / 200mm
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| 守屋監督談:今年は関東リーグの二部で優勝し、来期はJFLをねらえる関東リーグ一部に昇格します。しかしそれに甘んずることなく、10月14日から秋田県で開催される全国社会人大会での優勝をめざします。応援よろしくお願いいたします DX VR 18-200mm F3.5-5.6 G / 3,872×2,592 / 1/200秒 / F7.1 / 0EV / ISO100 / WB:晴天 / 18mm
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 ■ URL
 ニコン
 http://www.nikon.co.jp/
 製品情報
 http://www.nikon-image.com/jpn/products/camera/slr/digital/d80/
 レンズ交換式デジタルカメラ機種別記事リンク集(D80)
 http://dc.watch.impress.co.jp/static/link/dslr.htm#d80
 FC町田ゼルビア
 http://www.machida-zelvia.com/
 
 
 ( 安孫子 卓郎 )
 2006/10/04 03:07
 
  
 
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