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ソニー α100【第6回】
充実のホワイトバランス機能

Reported by 吉住 志穂


 α100発売から46日目……。とうとうCCDにゴミが付きました。下の写真を見てください。青空の真ん中に黒く見えているのがゴミです。デジタル一眼レフの問題点のひとつがこのゴミ問題ですが、α100のゴミ対策は以前にも紹介したとおり、CCDを帯電防止コーティングすることによってゴミが付きにくくし、付いてしまっても電源オフ時にCCDが振動し、ゴミをふるい落とすというものです。その機構を持ってしても落ちなかったようです。

 そんなときはクリーニングモードでCCDの清掃を行ないましょう。メニューからセットアップメニューを表示させます。セットアップメニュー3にクリーニングモードがあります。「実行する」を選べば、短時間振動したあとにミラーが上がり、CCDが現れます。レンズを外し、ブロアーでゴミを吹き飛ばしましょう。この時、CCDを絶対に傷つけないように注意してください。今回はこの操作でゴミが取れました。コーティングが施されているので、ブロアーの風でもゴミが取れやすくなっています。それでも取れないようならば無理に取ろうとせず、サービスセンターへ持っていきましょう。

 このとき、電池の残量が減っていると「電池が少ないので実行できません」と表示されます。バッテリーマークがフルになるまで充電を行ないましょう。


ゴミが付いた写真(3,872×2,592ピクセル、F11) クリーニングモード画面

 では、本題へ。今回は今まで紹介していなかったホワイトバランスブラケット、色温度、カスタムホワイトバランス設定とノイズリダクションの効果についてご紹介します。


デジタルならではのWBブラケット

WBブラケット設定画面
 ドライブボタン内に露出のブラケットがあるのはご紹介しましたが、α100にはホワイトバランスブラケット(WBブラケット)という機能があります。この機能は、現在選ばれているホワイトバランスの設定(オートで得た色温度にしても、太陽光や曇天などの固定されたものでも)を中心に、自動的に補正を行って撮影でするものです。「WB Lo」(WBブラケット弱/10ミレッドずつ変化)と「WB Hi」(WBブラケット強/20ミレッドずつ変化)の2つのモードが選べます。

 露出ブラケットはフィルムカメラの時代からある機能ですが、WBブラケットは、色温度を調整できるデジタルカメラならではの機能といえます。露出ブラケットと違い、1回の撮影で基準値→マイナス側(青)→プラス側(赤)の3カットが同時に記録されます。

 RAWで記録している場合は現像時にホワイトバランスを合わせれば良いので細かく設定する必要はありませんが、JPEGではホワイトバランスの狂いによる色の補正をレタッチで行おうとすると画像が荒れるので、このホワイトバランスブラケットを利用すると便利ですよ。

※作例のリンク先ファイルは、JPEGで撮影した画像をコピーおよびリネームしたものです。
※写真下の作例データは、使用レンズ/記録解像度(ピクセル)/露出時間/絞り値/露出補正値/ISO感度/実焦点距離を表します。


  • WBブラケット例


基準値
75-300mmF4.5-5.6/ 3,872×2,592 / 1/160秒 / F5.6 / 0.7EV / ISO400 / 300mm

マイナス側 プラス側

 ホワイトバランスをブラケットせず、しっかり合わせて撮影したいときは、色温度を数値で設定できます。ファンクションダイヤルをWBに合わせ、「色温度」画面を出します。5,500Kが基本となり、2,500~9,000Kの範囲で100Kごとに細かく設定できます。

 また、設定した色温度を基準に、G(緑)9~M(マゼンタ)9まで、CCフィルターを使ったように色を補正することができます。


色温度の設定 CCフィルター風の色設定も

 余談ですが、コニカミノルタから色温度を測るカラーメーターが発売されていました。スタジオ関係のカメラマンの必需品だったのですが、ソニーからは発売されないようですね。コニカミノルタ撤退のニュースのあと、一気に購入され、市場から消えたそうです。特に、光源がミックス光のときはホワイトバランスの設定が難しいので、被写体の色をきれいに出したい時に便利な道具です。

 そこで、もっとホワイトバランスを細かく設定したい方のために、カスタムホワイトバランス(カスタムWB)という機能があります。白く写したいものが白く写されるよう、カメラが色温度を測り、ホワイトバランスを設定してくれる機能です。上記の色温度設定モードの下にカスタムホワイトバランス設定モードがあり、そこからSETを選んで実行ボタンを押します。すると「シャッターボタンでスポット測光エリア内のデータを取り込みます」という表示が。指示のとおり、スポット測光サークルが白紙などで覆われるようにしてください。その際、ピントを合わせる必要はありません。セットすると撮影情報画面に戻り、最適なホワイトバランス値とCCフィルター値がセットされます。


カスタムWBのSET画面 解説が画面に出ます

セット後の情報表示画面 カスタムWB呼び出し画面

 一度セットしたデータは記憶され、再度セットし直すまでは何度でも呼び戻すことができます。「呼び出し」を選んで実行ボタン押すと、記憶されているカスタム設定値にセットされます。

 注意点は、近距離でストロボを発光させた場合や、鮮やかすぎる、もしくは暗すぎるところでセットすると、エラー起こること(黄色く標示)。おおよその設定がされ、撮影はできますが、正しいホワイトバランスにならないので、設定し直す必要があります。

 下の例ではお皿にWBを合わせてます。AWBでは赤みが出てしまいました。カスタムホワイトバランスで設定すると、被写体の色が正確に再現されます。

  • カスタムWBセットの例


WB:オート
DT 18-70mm F3.5-5.6 / 3,872×2,592 / 1/30秒 / F5.6 / 0.7EV / ISO800 / 40mm
WB:カスタム
DT 18-70mm F3.5-5.6 / 3,872×2,592 / 1/30秒 / F5.6 / 0.7EV / ISO800 / 45mm

長時間露光のときはノイズリダクション

長時間露光時のノイズリダクション設定
 長時間露光時にはノイズが現れます。低感度に設定していても、暗部のデータを取り出す処理の間でノイズが出現してしまうので、ノイズ軽減処理(ノイズリダクション)を行なう必要があります。α100では出荷状態ではシャッタースピードが1秒を超える場合、ノイズリダクションが自動的に行なわれます。ノイズは暗部ほど目立ちやすく、大きく拡大するとノイズリダクションの効果が分かります。

 夜景の撮影ではシャッター速度が遅くなるためノイズが出やすくなります。また暗部が多くなることが多いので、必ずノイズリダクションをかけるようにしています。

 しかし、露光終了後からノイズリダクションが始まり、終了するまで次の撮影をすることができません。シャッター速度が長いほど、ノイズリダクションの処理時間も長くなるので、連写が必要とされるシーンでは不向きと言えます。ノイズリダクションはオフにすることもできるので、被写体や用途に合わせて使い分けましょう。連続撮影時、もしくは連続ブラケット時には、ノイズリダクションをオンにしていてもノイズリダクションが行なわれません。

  • ノイズリダクション設定結果


ノイズリダクションオン
75-300mm F4.5-5.6 / 3,872×2,592 / 2.5秒 / F13 / 0.7EV / ISO100 / 150mm
左の一部を200%に拡大(拡大後TIFで保存、その後JPEGで再圧縮)

ノイズリダクションオフ
75-300mm F4.5-5.6 / 3,872×2,592 / 2.5秒 / F13 / 0.7EV / ISO100 / 150mm
左の一部を200%に拡大(拡大後TIFで保存、その後JPEGで再圧縮)

今週の作品

「ZOO~かわいいおしり~」


シロクマのおしり
DT 18-70mm F3.5-5.6 / 3,872×2,592 / 1/80秒 / F3.5 / 0EV / ISO400 / 18mm
サイのおしり
80-200mm F2.8 / 3,872×2,592 / 1/200秒 / F4 / -0.3EV / ISO400 / 135mm

水鳥のおしり
75-300mm F4.5-5.6 / 3,872×2,592 / 1/320秒 / F5.6 / -0.3EV / ISO100 / 300mm
フラミンゴのおしり
75-300mm F4.5-5.6 / 3,872×2,592 / 1/160秒 / F5.6 / 0.3EV / ISO200 / 300mm

ペリカンのおしり
75-300mm F4.5-5.6 / 3,872×2,592 / 1/250秒 / F5.6 / 0.7EV / ISO200 / 300mm
ペンギンのおまた
80-200mm F2.8 / 3,872×2,592 / 1/125秒 / F4 / 0EV / ISO400 / 120mm


URL
  ソニー
  http://www.sony.co.jp/
  製品情報(α100)
  http://www.sony.jp/products/di-world/alpha/
  レンズ交換式デジタル一眼レフカメラ機種別記事リンク集(α100)
  http://dc.watch.impress.co.jp/static/link/dslr.htm#alpha
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  http://dc.watch.impress.co.jp/static/backno/longterm.htm
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( 吉住 志穂 )
2006/09/04 00:05
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