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ペンタックス K100D【第8回】
往年のマニュアルフォーカスレンズをK100Dで使う

Reported by 伊達 淳一


 ペンタックスには、非常に多くの“レンズ資産”がある。キヤノンとミノルタ(現在は一眼レフ事業をソニーに委譲)は、一眼レフをAF(オートフォーカス)化する際に、思い切ってマウントを変更したため、かつてのマニュアルフォーカス(MF)レンズは、デジタル一眼レフを含め、現在発売されているカメラには使えない。

 一方、ペンタックスも、1975年(昭和50年)にスクリュー式のM42マウント(Sマウント)からバヨネット式のKマウントにマウントを変更しているが、それ以降は、マウント形状は変えずに電子接点の追加のみで、プログラムAEやAF、パワーズームといった最新技術を採り入れてきた。また、Kマウントは、当初、ユニバーサルマウントとして規格が公開されていたので、リコー、チノン、コシナ、シグマ、アグフアなど数多くのメーカーがKマウントを採用した。そのため、中古市場にはペンタックスやレンズメーカー以外のKマウントレンズも数多く存在する。

 このように、ペンタックスには、純正、社外品を含め、膨大な数、種類のMFレンズ資産が存在し、最新のK100Dにもそのまま装着することができ、カスタムメニューで「絞りリングの使用」を許可すればちゃんと撮影もできる。おまけに、こうした古いレンズでも、しっかりボディ内手ブレ補正の恩恵にあずかれるのだ。素直にペンタックスユーザーでよかったと思う瞬間だ。

 ただし、MFレンズはあくまでMFレンズだ。当然ながら、ピントは手動で合わせる必要があるし、電子接点付きのAレンズを除けば、AEや露出計も連動せず、絞りやシャッタースピードは撮影者自身が決める必要がある。シャッターボタンを押せば“写る”カメラに慣れた人にとっては、不便極まりないシロモノだ。たまたま古いKマウントのレンズを持っている、もしくは中古で格安で売っているから、といって、レンズ代を節約する目的でこうしたMFレンズを使おうと思っているのならやめておいたほうが賢明だ。往年のMFレンズを使うなら、マニュアル操作を楽しみながらじっくり写真を撮りたい、最新のレンズにはない味のある描写を楽しみたい、というポジティブさが必要だ。

 もっとも、K100Dには、こうした往年のMFレンズも使いやすくしてくれる便利な機能が備わっているので、ちょっとしたコツや作法を覚えれば、案外簡単にMFレンズを使いこなすことができる(かも)。

 K100Dのファインダーはペンタミラー方式なので、ペンタプリズムの*ist DS2よりもファインダー像が少しだけ小さいものの、それでも他社のデジタル一眼レフに比べると、フォーカシングスクリーンでピントの山を掴みやすいし、ファインダーで被写体の細部までじっくり観察できる。低価格のエントリー機でもファインダー性能をおざなりにしないペンタックスのこだわりと良心に拍手だ。


 それでも、MFでのピント合わせが苦手だという人は、カスタムメニューで「Sレンズ使用時のFI(フォーカスインジケーション)」を「2.利用可能」に設定しておくと、MFでピントを合わせる際、ピントが合った位置で“ピピッ”という合焦音と合焦ランプが点灯する。このFIを頼りにピントの山を探すとずいぶんMFも楽になる。

 露出モードはマニュアル露出が基本だ。絞り優先AEモードで撮影してもAEが連動しているように見えるが、絞りを絞っても実際には開放絞りで撮影されてしまうので、電子接点が付いたAレンズ以外は、マニュアル露出モードで撮影しよう。

 ちなみに、マニュアル露出モードではカメラ内の露出計は動作しないので不便に思うかもしれないが、背面のAE-Lボタンを押し込むと、設定した絞り値まで一瞬絞り込まれ、自動的に最適と思われるシャッタースピードに自動セットされる。いわゆるハイパーマニュアル的な機能が、往年のMFレンズ使用時に利用できるよう配慮されている。もちろん、カメラの決めたシャッタースピードなので、場合によっては多少露出がオーバー気味だったりアンダー気味だったりすることもあるが、それはAEでも同じこと。要は露出計のクセを掴んで、出た目を補正することが肝心だ。


カスタムメニューで「Sレンズ使用時のFI」を許可に設定すると、MFが楽になる
Aレンズ使用時には、MでのAE-Lボタンの動作を「TVシフト」にしておくと、設定した絞り値を保持したまま、最適なシャッタースピードが自動セットできるようになる

 それと、SR(手ブレ補正)を正しく動作させるために、レンズの焦点距離も設定する必要がある。これは電子接点を備えているAレンズも同じだ。手ブレの程度が同じでも、レンズの焦点距離が長くなる(望遠になる)ほど、画面の揺れは大きくなるので、レンズの焦点距離に応じて撮像素子を動かす量を補正する必要があるからだ。撮影メニューのいちばん最後に「手ぶれ補正」という項目があるが、ここで装着したレンズの焦点距離を設定する。社外品のレンズで焦点距離が選択肢にない場合はもっとも近い低めの数値を選ぶといいだろう。

 ズームレンズは、撮影する焦点距離に応じて数値を選択し直すのが理想だが、面倒なら過剰補正を防ぐため、ワイド端の焦点距離を選んでおくといい。なお、MFレンズを装着した状態でカメラの電源を入れると、レンズ焦点距離を選択する画面が表示される。ここで選択した焦点距離情報は、Exifのレンズ情報にも反映されるので、うっかり別のレンズの焦点距離設定のままで撮影してしまうというミスを防ぐためにも、MFレンズを交換したときは、電源を入れ直すクセを付けておいたほうがいいだろう。

 なお作例画像のExifに焦点距離情報が記録されていないものがあるが、これは発売時のファームウェアで撮影したもの。その後のファームウェアアップデートで、記録されるようになった。

 このように、K100Dや*ist DシリーズでMFレンズを使う際には、いくつかのお約束ごとや制約があるが、もっとも制約が少なく使いやすいのは、絞り環にAポジションがあり、マウント部分に電子接点を備えた“Aレンズ”だ。ペンタックススーパーA以降に発売されたMFレンズで、プログラムAEやシャッター優先AEに正攻法で対応させるため、マウント部に絞り情報を伝える電子設定が追加され、絞りの動作精度が高められているのが特徴だ。このAレンズなら、絞り環をAポジションにセットしておけばAE(自動露出)で撮影できるし、マニュアル露出時にもカメラ内露出計が働くので、基準露出に対してどれくらいオーバーかアンダーかがファインダー内に表示される。手ブレ補正のための焦点距離を選択する手間がある以外は、AFレンズでMF撮影するよりも快適だ。


 ボクもスーパーA愛用者だったので、Aレンズをいくつか持っているし、*ist Dが発売されてから中古でAレンズを何本か入手した。中古だから値段が安い、と思われがちだが、すでに製造されていないレンズなので、程度のいいMFレンズはそれなりにいいお値段だったりする。特に、smc PENTAX-A 100mm F2.8MacroやA★ 85mm F1.4、A★ 135mm F1.8の3本のAレンズはかなり希少性が高く、現在の中古市場では当時の価格を遙かに上回るプレミア価格で取引されている。当時憧れだったレンズは今でも高嶺の花というわけだ。

 というわけで、ボクが持っているAレンズはそれほど珍しいレンズではなく、ちょっと探せば中古カメラ店で見つけられるようなものばかりだが、K100Dで使ってみると意外なほどよく写る。ズームではなく単焦点レンズということもあるが、ピントが合った部分はキレがよく、ボケやボケ足(ボケ始めの部分)の描写も実に素直。レンズの作りも良く、適度な粘りとトルク感のあるフォーカスリングの感触は、今のAFレンズでは得られない心地良さがある。惜しむらくは、絞り羽根の枚数が今以上に少なく、角張った形状をしているレンズが多いことだが、ズームレンズよりも明るいのが魅力なので、なるべく絞り込まずに撮影し、大きくボカしてしまえば、ボケの形状もさほど気にならない……、いや、やっぱり少しは気になるけど、それ以上に柔らかな描写が魅力だ。

※リンク先は撮影画像、またはRAWファイルを現像した画像です。

※画面下のデータは、シャッター速度/絞り値/露出モード/ISO感度/露出補正値です。ホワイトバランスはすべてオートです。


smc PENTAX-A 20mm F2.8

 35mmカメラ換算で30.6mm相当の画角が得られるので、スナップ撮影に適したレンズだ。最短撮影距離は25cmでもう一歩寄れるとうれしいが、F2.8の明るさがあるので、グッと寄れば結構背景もボカすことができる。絞り羽根は5枚なので、ボケの形にこだわるなら絞ってもF4までにしておきたい。*ist Dで使ってみたときはちょっとキレが甘いレンズだと思ったが、改めてK100Dで使ってみるとなかなかの描写に驚かされた。ちょっと前のレンズカタログには載っていたレンズだが、ついに在庫が払拭してしまったようだ。


1/250秒 / F8 / 絞り優先 / ISO200 / -0.3EV
1/8秒 / F4 / 絞り優先 / ISO200 / -1EV

1/640秒 / F2.8 / マニュアル / ISO200 / 0EV
1/500秒 / F4 / マニュアル / ISO200 / 0EV

1/640秒 / F4 / マニュアル / ISO200 / 0EV
1/400秒 / F4 / マニュアル / ISO200 / 0EV

1/1,000秒 / F4 / マニュアル / ISO200 / 0EV 1/800秒 / F4 / マニュアル / ISO200 / 0EV

smc PENTAX-A 50mm F1.4

 スーパーAと一緒に買った標準レンズだが、K100Dに装着すると76.5mm相当の中望遠レンズとなる。K100DレンズキットのDA 18-55mmズームのテレ端よりも開放F値が4段も明るいのが魅力だが、絞り開放ではちょっとソフトな描写。もっともFA 50mm F1.4も絞り開放ではソフトな描写なので、むしろこの柔らかさを積極的に活かすことを考えるか、シャープな描写を期待するなら素直に1~2段絞れば済む話だ。最短撮影距離は45cmで、50mmレンズとしてはごく普通のスペック。絞り羽根は8枚絞りで、ペンタックスのレンズとしては整った多角形なのが魅力だが、円形絞りとまではいかないのが残念。


1/1,000秒 / F2 / マニュアル / ISO200 / 0EV 1/2,000秒 / F1.4 / マニュアル / ISO200 / 0EV

1/2,000秒 / F1.4 / マニュアル / ISO200 / 0EV 1/500秒 / F4.5 / マニュアル / ISO800 / 0EV

1/1,000秒 / F2 / マニュアル / ISO400 / 0EV 1/5秒 / F3.5 / 絞り優先 / ISO400 / 0EV

1/3,200秒 / F1.6 / マニュアル / ISO200 / 0EV
※Exifには焦点距離20mmと入力されていますが、撮影時に焦点距離設定をし忘れたためです。撮影したレンズはsmc PENTAX-A 50mm F1.4です。
1/2,500秒 / F1.6 / マニュアル / ISO200 / 0EV
※Exifには焦点距離20mmと入力されていますが、撮影時に焦点距離設定をし忘れたためです。撮影したレンズはsmc PENTAX-A 50mm F1.4です。

smc PENTAX-A★ 200mm F2.8 ED

 ボクが唯一持っている★(スター)レンズ。キヤノンのLレンズのようなものだ。このレンズもちょっと前のレンズカタログに載っていたので、結構、最後まで在庫があったようだが、今のレンズカタログからは落ちている。学生時代に買ったレンズだが、なぜこのレンズを買ったのかよく覚えていないが、それでも学生の身分ではかなり高額な買い物だっただけに、それなりに惚れ込んだ部分があったのだろうと思う。

 実際、K100Dで使ってみても、これが20年前のレンズだとは思えないほどの切れ込む描写で、発色もコントラストもいいし、ボケもキレイだ。最短撮影距離は1.8mと最近のズームと比べるとあまり寄れないレンズで、ピント合わせも前玉が繰り出される方式だが、意外とフォーカスリングはスムーズに動作する。このレンズの前に使っていたM★ 300mm F4がフォーカスリングが重く、描写もかなり甘かったのと好対照なレンズだ。絞り羽根は8枚で、円形絞りとまではいかないが、ペンタックスのレンズの中ではキレイな形状なのも、気に入っている理由のひとつだ。


1/160秒 / F3.5 / 絞り優先 / ISO400 / 0EV
1/80秒 / F2.8 / 絞り優先 / ISO400 / 0EV

1/1,250秒 / F3.2 / 絞り優先 / ISO200 / 0EV 1/500秒 / F3.5 / 絞り優先 / ISO400 / 0EV

1/400秒 / F3.2 / 絞り優先 / ISO400 / 0EV

smc PENTAX-A 50mm F2.8 Macro

 学生時代に使っていたレンズだが、手持ちのレンズを探してもどうしても見つからず、改めて中古で買い直したレンズだ。レンズ単体では1/2倍までの撮影しかできないが、その分、レンズがコンパクトで軽量。中古の実売価格もお手頃なのも魅力だ。それでいて描写性能は見てのとおり、絞り開放からキリキリにシャープ。最短撮影距離は24cmで、フォーカスリングの回転角もクイックで、ピントの山を掴みやすい。絞り羽根は6枚で、絞ると角張った六角形になる。とにかく絞りの各辺がまっすぐなので、角張って見えるのだ。草むらなどボケがうるさくなりやすい背景を避けるか、思いっきりボカしてしまうのが無難だ。


1/200秒 / F4 / 絞り優先 / ISO400 / -0.3EV
1/125秒 / F4 / 絞り優先 / ISO400 / -0.3EV

1/250秒 / F4 / 絞り優先 / ISO400 / -0.3EV
1/640秒 / F4 / 絞り優先 / ISO400 / 0EV

1/2,000秒 / F4 / 絞り優先 / ISO400 / -0.3EV 1/4,000秒 / F4 / 絞り優先 / ISO400 / -0.3EV

1/2,500秒 / F4 / 絞り優先 / ISO400 / -0.3EV 1/1,600秒 / F3.5 / 絞り優先 / ISO400 / 0EV

1/400秒 / F2.8 / 絞り優先 / ISO400 / -0.3EV
1/250秒 / F3.2 / 絞り優先 / ISO400 / 0EV

smc PENTAX-A 100mm F4 Dental Macro

 開放F値がF2.8の100mmマクロは中古で15万円以上の高値が付いているが、このF4のマクロなら3万円前後とお手頃価格で買える。デンタルマクロといってもレンズの光学系自体は普通のF4マクロと同じらしいが、中古で買ったのでなにがどう違っているのかはよく知らない。店頭で試写させてもらって絞り開放から驚くほど切れ込む描写に惚れて、絞り羽根が6枚と少なく、形状が角張っているのにもかかわらず買ってしまったレンズだ。

 レンズ単体では1/2倍までしか撮影できず、最短撮影距離は45cm、レンズ鏡胴には赤と白と黄色の3色でそれぞれ異なる撮影倍率が刻まれているが、赤と黄色の撮影倍率は、オプションのクローズアップレンズ装着時の撮影倍率と思われる。おそらく、この鏡胴の撮影倍率の刻印が、通常の100mmマクロとデンタルマクロの違いだろう。個人的にはF-DA 100mm F2.8 Macroよりも、パープルフリンジの発生も少なく、キレがいいのではないかと感じている。


1/400秒 / F4.5 / 絞り優先 / ISO200 / -0.3EV 1/60秒 / F4 / 絞り優先 / ISO400 / 0.7EV

1/640秒 / F5 / 絞り優先 / ISO400 / 0.3EV 1/1,250秒 / F4.5 / 絞り優先 / ISO200 / 0EV

1/640秒 / F5 / 絞り優先 / ISO200 / 0EV
1/160秒 / F4 / 絞り優先 / ISO200 / 0EV

1/160秒 / F8 / 絞り優先 / ISO200 / 0EV
1/100秒 / F8 / 絞り優先 / ISO200 / 0.7EV

 Aレンズ以外にも何本かのKマウントレンズを持っていたのだが、そのほとんどは処分してしまい、今も手元に残っているのは、トキナーAT-X M90という中望遠マクロと、レンズ側にAFモジュールを搭載したチノン35-70mmズームくらいだ。それと、某カメラ雑誌の編集者がK100Dの長期リアルタイムレポートをするのなら、と送ってくれたリコーの50mmレンズがあるので、この3本で撮影したサンプルもお見せしよう。これらのレンズには、絞り環にAポジションがなく、K100Dで使うときには前述したように、マニュアル露出での撮影となる。また、ボディに絞り情報が伝わらないので、Exif情報にも絞り値は記録されない。そのため、撮影時の絞りデータは不明だが、だいたい絞り開放から2段絞った範囲で撮影している。


トキナーAT-X M90 90mm F2.5

 タムロン90mmマクロと並ぶ、もう1本の伝説のマクロレンズがこれ。元々はビビターブランドで出されていたレンズ光学系を踏襲しているらしいが、最大撮影倍率は1/2倍までで、付属のエクステンションチューブ(単なる中間リングではなく、しっかり光学系を内蔵している)を装着すると、1/2倍から等倍までの撮影が行なえる。カミソリマクロとの異名も持つだけに、ピントが合った部分はキリキリにシャープな描写。ただ、逆光では多少フレアっぽくなり、ボケた背景のコントラストや彩度は少し低めになるが、ボケの彩度やコントラストが低い分、ピントを合わせた主被写体が強調されるので、個人的にはこのフレアっぽさも含めお気に入りのレンズだ。絞り羽根も8枚で、ペンタックスの100mm F4マクロほど形状が角張っていないのも魅力。F5.6くらいまではキレイな絞り形状だ。最短撮影距離は39cmだ。


1/1,000秒 / マニュアル / ISO200 / 0EV 1/320秒 / マニュアル / ISO400 / 0EV

1/500秒 / F-.- / マニュアル / ISO400 / 0EV 1/1250秒 / F-.- / マニュアル / ISO200 / 0EV

1/1,600秒 / マニュアル / ISO200 / 0EV 1/250秒 / マニュアル / ISO200 / 0EV

1/125秒 / マニュアル / ISO200 / 0EV 1/100秒 / マニュアル / ISO200 / 0EV

リコーRIKENON

 某カメラ雑誌の編集者が貸してくれたレンズで、安いレンズにもかかわらず、非常に切れ込みの良いレンズで、その筋では(ってどんな筋だ?)有名なレンズらしい。確かに、チープな外観に似合わず、写りはなかなかのもので、開放F値もF2と無理をしていないので絞り開放でも甘さは感じない。シャープなだけにボケがうるさいかと思ったが、柔らかいとはいえないが、予想していたよりもうるさくないボケだ。鏡胴もエンジニアプラスチック製で非常に軽く、フォーカスリングの動きも軽い。ただ、個人的には、最短撮影距離が60cmなのが不満。絞りも6枚羽根で角張っている。絞りのクリックは1EVステップだ。


1/1,250秒 / マニュアル / ISO200 / 0EV 1/640秒 / マニュアル / ISO200 / 0EV

1/640秒 / マニュアル / ISO200 / 0EV 1/1,250秒 /マニュアル / ISO200 / 0EV

1/640秒 / マニュアル / ISO200 / 0EV 1/200秒 / マニュアル / ISO200 / 0EV

チノンAUTO CHINON ZOOM MC 35-70mm F3.3-4.5

 ペンタックスME-Fが発売された頃に登場したAFレンズで、赤外線によるアクティブAFユニットをレンズに内蔵(というより覆い被さっている?)しているので、レンズ単体でAFが行なえ、真っ暗闇で被写体が見えない状況でもAFが効くのが特徴だ。実際、このレンズで田中角栄氏に対抗して立候補した野坂昭如氏を新潟まで撮影しに行ったこともあり、AFが迷ってシャッターが切れない、なんてことはないので、結構重宝したレンズだ。

 描写性能的には、やや色ニジミがあり、パープルフリンジも盛大に発生するし、カリカリにシャープというわけではないが、色乗りが良く、不思議な魅力のある写りをする。ただ、ズーミングに伴いF値が変動するので、マニュアル露出ではズームするたびにシャッタースピードを微調整しなければならないのがちょっと面倒。ズーム倍率も2倍と低く、画角的にもデジタルではうまみがないので、受け狙いにはピッタリだが、実用的には? なレンズかも。


1/500秒 / マニュアル / ISO400 / 0EV 1/640秒 / マニュアル / ISO400 / 0EV

1/250秒 / マニュアル / ISO400 / 0EV 1/400秒 / マニュアル / ISO400 / 0EV

1/320秒 / マニュアル / ISO400 / 0EV 1/100秒 / マニュアル / ISO800 / 0EV

1/100秒 / マニュアル / ISO800 / 0EV 1/125秒 / マニュアル / ISO800 / 0EV

 とまあ、今回はKマウントのMFレンズをK100Dに装着して楽しんでみたが、前述したように、ペンタックスはかつて“Sレンズ”というスクリューマウント(M42マウント)のレンズも発売していた。このスクリュー式のレンズも、別売の“マウントアダプターK”をK100Dに取り付けることで、ちゃんと手ブレ補正を効かして撮影できるようになる。次回は、こうしたM42マウントのレンズをK100Dで楽しんでみようと思う。



URL
  ペンタックス
  http://www.pentax.co.jp
  製品情報
  http://www.digital.pentax.co.jp/ja/35mm/k100d/

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( 伊達 淳一 )
2006/09/01 01:37
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