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カシオ EXILIM ZOOM EX-Z1000【第7回】 SDHCメモリーカードを試す
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Reported by
本誌:伊達 浩二
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SDHCメモリーカードは、SDメモリーカード規格 Ver.2.0として規定されたもので、従来のSDメモリーカードの上位規格となる。
転送速度の最低保証などもあるが、最大の注目点は大容量化だろう。従来のSDメモリーカードでは2GBが上限となっていたが、SDHCでは最大32GBまで対応できる。一部で、4GBのSDメモリーカードも登場していたが、SDの規格を越えた製品であり、対応機種が少なかったのはご承知の通り。
今回製品化されたのは、パナソニック製の「RP-SDR04G」という型番で、容量は4GBとなる。
ありがたいことに、EX-Z1000は当初の状態でSDHCに対応している。現状では、パナソニックとサンディスクの4GB製品の動作が確認されている。
カシオは、SDHCへの対応に積極的なメーカーだ。EX-Z1000のほか、EX-Z60が出荷状態で対応済み。EX-Z600とEX-Z500、EX-S600には、すでに対応ファームウェアが公開されている。
SD規格の生みの親の1人であるパナソニックが、現時点ではコンパクトタイプでは対応デジカメを出荷していないのを見れば、カシオの気合いの入り方は明らかだ。
■ SDHC 4GBカードを使う
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国内初のSDHCメモリーカード「RP-SDR04GJ1K」
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というわけで、発売されたばかりのパナソニック「RP-SDR04GJ1K」を使ってみた。これは4GB容量のSDHCカードで、購入価格は29,800円だった。
EX-Z1000は、ファームウェアのバージョンアップも必要ないので、通常のSDメモリーカードと同様にスロットに入れるだけで使用できる。
静止画では、10Mの高精細モードで、898枚撮影可能と表示される。これだけ撮影できれば、長めの海外旅行でも予備のメディアやストレージ類を用意しなくても十分だろう。
日常的な使い方であれば、かなり長期間の画像をそのまま入れておくこともできる。EX-Z1000では、再生時にズームレバーをワイド側に2回押すことでカレンダー表示モードにできるので、SDHCと組み合わせると、1年分ぐらいの画像を選びながら表示することもできるだろう。
なお、動画では640×480ピクセルモードで51分46秒撮影できる。これぐらい撮れると、ムービーを撮りすぎて静止画を撮る余裕がないということもなくなるだろう。
ちなみに今回使用したSDHCメモリーカードはClass 2で、書き込みの速度が最低2MB/secは保証されている。連写撮影の場合などでSDメモリーカードとの差が出るかと思って試してみたのだが、EX-Z1000においては、差が分からなかった。あまり、そちらは期待しない方が良いようだ。
ちなみに、付属のクレードルに装着したときも、きちんとSDHCメモリーカードをディスクとして認識できる。
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通常の画像再生画面
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ズームレバーを1回、ワイド側に倒すとサムネイル表示になる
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サムネイル表示の状態からさらにもう一度ワイド側に倒すと、カレンダー表示になる。日付を選んで「SET」ボタンを押すと、その日に撮影した画像を順番に閲覧できる
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動画の再生画面
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カメラ本体にSDHCを挿入し、付属のクレードルに差して、PCからドライブを覗いた。ちゃんと4GBのディスクとして認識されている
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アプリケーションへの画像受け渡しも問題なく行なえる
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付属のクレードル経由で、HDD BENCHをかけてみたが、非常に低速だった
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■ SDHC対応のカードリーダー
EX-Z1000でSDHCメモリーカードを使用するのが簡単だったのに対し、データを読み出すカードリーダーはSDHCに対応した製品を用意する必要がある。
もちろん、EX-Z1000本体からUSB接続する場合は必要ないのだが、複数のメモリカードを使い回す習慣が抜けないので、今回も用意したのだ。
現在、入手できるSDHC対応のカードリーダーは次の5機種だ。なお、この表とテスト結果は、7月24日にPC Watchに載せたものの再掲載だ。
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パナソニック BN-SDDBP3
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パナソニック BN-SDCJP3
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日立マクセル UA20-SDMSXD
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アイ・オー・データ USB2-W12RW
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バッファロー MCR-C12H/U2
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カードリーダ5製品 仕様一覧 |
メーカー名 | 型番 | 略称 | 価格 | 実勢価格 | SDHC | SD | miniSD | メモリースティック系 | xD系 | CF系 | スマートメディア系 |
パナソニック | BN-SDDBP3 | 松下CardBus | オープン | 4,980円 | ○ | ○ | × | × | × | × | × |
パナソニック | BN-SDCJP3 | 松下USB | オープン | 4,980円 | ○ | ○ | ○ | × | × | × | × |
日立マクセル | UA20-SDMSXD | マクセル | オープン | 1,980円 | ○ | ○ | × | ○ | ○ | × | × |
アイ・オー・データ機器 | USB2-W12RW | アイ・オー | 3,170円 | 2,980円 | ○(*1) | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
バッファロー | MCR-C12H/U2 | バッファロー | 2,960円 | 2,780円 | ○(*1) | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
*1:ファームウェアのバージョンアップが必要 *2:SD系はアダプタなし対応を、SD系以外のメディアはスロットの有無を表わしています。対応メディアの詳細については、必ず製品情報でご確認ください |
各製品にSDHCメモリーカードを入れ、HD BENCHで測った結果は次のようになる。参考のため、付属のクレードル経由のデータも加えておく。
パナソニック 4GB SDHC「RP-SDK02GJ1A」テスト結果(Read成績順) |
カードリーダ | Read | Write | Copy |
松下CardBus | 11,219 | 7,933 | 1,180 |
マクセル | 10,847 | 8,577 | 1,369 |
アイ・オー | 8,759 | 7,272 | 1,526 |
松下USB | 8,587 | 6,187 | 1,223 |
バッファロー | 7,904 | 5,743 | 1169 |
付属クレードル | 963 | 903 | 427 |
ご覧のように、高速なSDメモリーカードに比べるとさほど速いほうではない。しかし、SDメモリーカードに比べ、カードリーダによる性能差が出にくくなっており、SDのときほど機種の選択に敏感になる必要はない。
つまり、SDHC対応製品であれば、性能ではなく、使い勝手を優先して選択すれば良いということだ。
付属のクレードルを経由してもSDHCメモリーカードの読み書きは可能だが、カードリーダーと比べると圧倒的に転送速度が遅い。読み書きができればいい、という人はわざわざリーダを用意する必要はないが、大量の画像をやりとりする場合は、カードリーダーを使った方が快適だろう。
今、出ている5機種について、短評をしておくので参考にしてほしい。
1)パナソニック「BN-SDDBP3」
CardBus対応のPCカードスロットアダプタタイプ。最高速だが、Windowsにドライバをインストールする必要がある。ノートPCのPCカードスロットが空いていて、SD/SDHCのみを使うユーザーに向いている。入れっぱなしにしておけばカードリーダーを忘れることがないという利点もある。
2)パナソニック「BN-SDCJP3」
USB接続でSD系専用タイプ。速度は速いほうではなく、価格も高め。ケーブルなしでUSB端子に接続できること以外はあまりメリットを感じない。
3)日立マクセル「UA20-SDMSXD」
小型でSD/MS/xD系に対応した製品。付属のケーブルでPCに接続する。購入した状態でSDHCメモリーカードに対応しており、速度は速い。価格も安めなので、意外とお勧め。
4)アイ・オー・データ「USB2-W12RW」
すでに発売されていた製品だが、ファームウェアのバージョンアップでSDHCメモリーカードに対応。ほとんどのメディアに対応するので、これ1台持っていれば、まず困らない。速度はトップクラス。ただし、ファームウェアのバージョンアップのユーティリティの使い勝手は悪い。一度、ドキュメントを読んでから作業することを強くお勧めする。
5)バッファロー「MCR-C12H/U2」
アイ・オー同様にファームウェアのバージョンアップでSDHCメモリーカードに対応。対応メディアは多く、同じ性格のアイ・オーよりちょっぴり安い。しかも、バージョンアップのユーティリティも使いやすく確実。ただし、SD/SDHCを問わず、読み込み/書き込みとも、この5機種で一番遅い。
CFを併用する可能性がある人はアイ・オー・データかバッファローを買って、ファームウェアのバージョンアップを行なうことをお勧めする。
なお、今後登場するカードリーダーはSDHCにも対応した製品が主流となるとみられる。これは、あくまで現時点での情報とご理解いただきたい。
■ SDHCで広がる可能性
フラッシュメモリの価格は下がり続けているので、現在は3万円近い4GBのSDHCメモリーカードの値段も、手頃な価格になることが予想される。
EX-Z1000は、SDHCメモリーカードに対応したことで、将来的な安心感も高まったといえるだろう。
カメラ本体に比べると予算が少なく、最低限の容量で使われることの多いメモリカードだが、思い切って大容量の製品にすることで、デジカメ自体をアルバムとして持ち歩くという使い方が開けてくる。
もちろん、万が一に備えて、PCへのデータバックアップは忘れないようにしてほしい。
■ URL
カシオ
http://www.casio.co.jp/
製品情報(EXILIM ZOOM EX-Z1000)
http://dc.casio.jp/product/exilim/ex_z1000/
カシオによる他社製SDメモリーカード/MMC動作確認一覧(1)
http://dc.casio.jp/support/b_sdcard_3.html
カシオによる他社製SDメモリーカード/MMC動作確認一覧(2)
http://dc.casio.jp/support/b_sdcard_4.html
パナソニックによる自社製機器のSDHC動作確認一覧
http://panasonic.jp/sd/products/
初登場の4GB SDHCカード ベンチマーク速報(PC Watch)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0724/sdhc.htm
■ 関連記事
・ カシオ、EX-Z1000のSDHC対応を確認(2006/06/28)
・ 【新製品レビュー】カシオ EXILIM ZOOM EX-Z1000(2006/06/15)
( 本誌:伊達 浩二 )
2006/07/27 01:37
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