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ソニー α100【第1回】
お気に入りのデジタル一眼、α Sweet DIGITALとの違いは?

Reported by 吉住 志穂


 7月21日、ソニーα100が発売になりました。ただの新製品とは違い、あのソニー初のデジタル一眼レフカメラの登場ということもあって、非常に注目度の高い機種です。発表は6月6日。写真業界のトップニュースになりました。その直後から大々的なイベントを開催し、実機展示や解説会が行なわれました。また、発売後もさまざまなセミナーが行われる予定です。このことから、いかにソニーがこの1台に力を入れているかがわかります。

 6月末の写真家によるトークショーには私も講師として参加しました。作品を交えてα100の概要を解説したのですが、そこで多かった質問は、コニカミノルタ製レンズの互換性と、ほかのデジタルカメラとの違い。レンズについては、現在持っているαマウントレンズをそのまま使うことができます。その一方で気になるのは、やはりデジタル一眼レフカメラとしてコニカミノルタからどう変わったか、ですね。

 そもそも、コニカミノルタの仕事を始めたのが、2005年の秋から。以前は他社のカメラを使っていたので、コニカミノルタのカメラを使ったことがありませんでした。しかし、「コニカミノルタフォトカレッジ」の講師を始めたのがきっかけで、α-7DIGITALとα Sweet DIGITALを使うようになりました。特にα Sweet DIGITALは色の再現が美しい上、軽量で、操作ボタンがシンプルで使いやすく、私にとって、デジタルのメインボディになりました。

 その上、αレンズの描写がとてもきれいです。花のマクロ撮影では背景をボカすことが多いので、私の作品においてボケの描写は重要です。私の標準レンズといってもいいコニカミノルタの100mmマクロは、芯はシャープでありながら柔らかいボケが得られるのでとても好きなレンズです。

 しかし2006年1月、せっかく納得できるカメラとレンズに出会えたというのに、コニカミノルタがカメラ事業を撤退するというニュースが……。それだけに、その後のソニーからα復活のニュースはとても嬉しいものでした。

 では、そのα Sweet DIGITALとα100の違いはどこにあるのでしょうか。今回は両機種の比較を交えながらα100の機能について解説しましょう。


ダブルズームキットの化粧箱。メタリックな特色塗装は一眼レフでは珍しいかも α100のボディ。マウント周りの「シナバーカラー」に注目

α Sweet DIGITALでWBだけだったダイヤルには、いろいろな機能が加わりました

左からα Sweet DIGITAl、α100


 外見はご覧の通り、とても似た作りになっています。同じ場所にある操作ボタンも多いので、コニカミノルタユーザー、特にα Sweet DIGITALユーザーにとってはすぐに手に馴染むはずです。

 α Sweet DIGITALでいちばんの欠点と感じていたのが背面の液晶モニター。色の再現性はいいのですが、画素数が少ないためざらざらして見にくかったです。そのため、当時発売されていた他社の液晶に比べて劣った感じがしていました。しかし、α100の背面液晶はとてもクリアになり、鮮やかさが増しています。

 ボタンの位置はほぼ変わりないのですが、一部変わった点があります。まず、Fn(ファンクション)ボタンに含まれていたフォーカスフレーム、AFモード、測光モード、調光補正、画像仕上げの選択はすべてFnダイヤルで設定できます。同時にISOボタンもFnダイヤルに加わりました。ボタンの数が減り、その分Fnダイヤルにまとめらているわけです。

 モードダイヤルにはオート撮影、シーンセレクション、P、A、S、Mがありますが、その中のシーンセレクションにマクロモードが加わりました。私はいつもAモードで撮影するのでこのモードは使いませんが、α Sweet DIGITALになかったのが不思議でした。これでようやく納得です。

 ボディの外寸はほぼ変わりないですが、グリップ部がわずかに厚みを増したので、握りやすくなりました。

 画素数は600万画素からいっきに1,020万画素へ。当然、画素数が多い方が細かな再現が可能ですが、α Sweet DIGITALでも全紙サイズに伸ばしたプリントがきれいに出ていたので、α100を大きくプリントするとどうなるか楽しみです。それに、画素数以外にも画像処理関連がかなり変わっているようなので、両者の違いを今後のレポート内でご紹介します。

 手ブレ補正機能もさらに進化しました。名称もアンチシェイクからスーパーステディショットに変わりましたが、CCDシフト方式で従来の方法と同じです。しかし、最大3.5段分の補正が可能になり、補正が難しかったスローなブレにも対応できるようにもなりました。レンズ内で補正する方式とは違い、どのレンズにも有効なのがいいですね。

 デジタルカメラの問題のひとつはゴミ問題。そこで、コニカミノルタのカメラにはなかったアンチダスト機能が搭載されました。手ブレ補正のCCDシフト方式を利用し、CCDをブルブルと動かしてゴミをふるい落とします。また、ゴミが付着する原因である静電気を防止する帯電防止コートがされ、もともとゴミがつきにくくなっています。

 新たに加わった機能として、「Dレンジオプティマイザー」があります。逆光で輝度差(明るさの差)が大きいとき、このDレンジオプティマイザーをオンにするとその差を埋める効果があります。

 「目指したのは、誰もがいい写真を撮れること」。これがα100のキャッチコピーです。その言葉通り、初心者もハイアマチュアからプロまで使えるカメラだと思います。次回からはひとつひとつの機能にスポットを当て、解説していきます。α100での作品も含め、ご期待下さい!


※作例のリンク先ファイルは、JPEGで撮影した画像をコピーおよびリネームしたものです。
※写真下の作例データは、機種名/記録解像度(ピクセル)/露出時間/絞り値/露出補正値/ISO感度/ホワイトバランス/35mm判カメラでの相当する焦点距離を表します。
※使用レンズはすべてコニカミノルタの100mm F2.8 Macroです。
※α100のDレンジオプティマイザー設定はすべてOFFです。


α100 / 3,872×2,592 / 1/80秒 / F2.8 / 0.3EV / ISO100 / WB:曇り / 150mm α100 / 3,872×2,592 / 1/200秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / WB:日陰 / 150mm

α100 / 3,872×2,592 / 1/80秒 / F2.8 / 0.3EV / ISO100 / WB:曇り / 150mm 3,872×2,592 / 1/80秒 / F2.8 / 0.3EV / ISO100 / WB:曇り / 150mm

α100 / 3,872×2,592 / 1/320秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / WB:曇り / 150mm

●α100とα Sweet DIGITALの比較


α100 / 3,872×2,592 / 1/80秒 / F2.8 / 0.3EV / ISO100 / WB:日陰 / 150mm α Sweet DIGITAL / 3,008×2,000 / 1/80秒 / F2.8 / 0.3EV / ISO100 / WB:日陰 / 150mm

α100 / 3,872×2,592 / 1/80秒 / F2.8 / -0.3EV / ISO100 / WB:曇り / 150mm α Sweet DIGITAL / 3,008×2,000 / 1/80秒 / F2.8 / -0.3EV / ISO100 / WB:曇り / 150mm

α100 / 3,872×2,592 / 1/4秒 / F8 / 0.3EV / ISO100 / WB:昼光 / 150mm α Sweet DIGITAL / 3,008×2,000 / 0.4秒 / F8 / 0.3EV / ISO100 / WB:昼光 / 150mm


URL
  ソニー
  http://www.sony.co.jp/
  製品情報
  http://www.sony.jp/products/Consumer/AMC/body/DSLR-A100/
  レンズ交換式デジタル一眼レフカメラ機種別記事リンク集(α100)
  http://dc.watch.impress.co.jp/static/link/dslr.htm#alpha
  ☆吉住志穂のPHOTO BLOG☆
  http://blogs.yahoo.co.jp/shihoyoshizumi/


( 吉住 志穂 )
2006/07/24 00:01
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