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ペンタックス K100D【第1回】
発売日に購入、まずは外観をチェック

Reported by 伊達 淳一


今日入手したK100D
 ピンポ~ン! 宅配便が届く。今日はペンタックスK100Dの発売日だ。

 改めて説明するまでもないが、K100Dは撮像素子シフト方式の手ブレ補正を搭載したデジタル一眼レフだ。ブレを打ち消す方向に撮像素子を高速移動することで、シャッタースピード約2~3.5段分の補正効果が期待できる。K100Dの手ブレ補正機構「SR」は、撮像素子を磁力で駆動しているので、メカニカルなガイド機構がなくパワーロスもないため、俊敏な応答性とスピードを実現している。

 また、背面の液晶モニターも2.5型21万画素と大画面で高精細なだけでなく、視野角が140度と広く、斜めからの視認性も向上しているのが特徴だ。ただ、画素数は610万画素据え置きだし、ファインダーは*ist DL系と同じペンタミラーだ。これまで、ボクは*ist D、*ist DS、*ist DS2とペンタプリズムにこだわって買い換えてきたので、正直、K100Dはスルーして、秋の1,000万画素中級機まで待つつもりだった。

 それに、今年は2年に1度開かれるフォトキナの年だ。おそらく、夏休み後半あたりから沈黙を保っていたメーカーからも、フォトキナに向けた新製品が相次いで発表がされるに違いない。さらに、これは個人的な事情だが、地方税と国民健康保険税の請求がど~ん来ているし、秋には車検も待ちかまえている。ぶっちゃけた話、お金に余裕がないのだ!(悲)。だから、この夏はむやみやたらと散財せず秋の新製品まで資金を温存しておくのが、もっとも賢明な選択だ。

 な~んて、否定的な要素を並べ立てて、なんとか物欲を抑えようとしていたのだが、あいにくボクはガマンが苦手だ。そんな心の内を見透かすように、ペンタックスから「1万円キャッシュバックキャンペーン」(10月15日まで)という甘い囁きが(笑)。

 K100Dボディの実売価格は7万円前後だから、実質6万円前後だ。それで、ペンタックス純正のAFレンズだけでなく、ボクが学生時代に使っていたKマウントのMFレンズでもシャッタースピード約2~3.5段分の手ブレ補正効果が期待できるのだから、コストパフォーマンスは抜群だ。マウントアダプターを介せば、645や67用交換レンズや、往年のM42スクリューマウントレンズも装着でき、それらのレンズでもちゃんと手ブレ補正の恩恵を受けられるというのだから、オールドレンズファンにはたまらない。

 気が付くとボクはK100Dを手にしていた(笑)。ペンタックスの大胆な低価格戦略に見事に乗せられてしまったわけだ。ちなみに、ケータイの待ち受け画面も、K100Dのモバイルサイトで入手したK100Dの壁紙だったりする。あ~、完全に敵の術中にハマってしまったようだ。


ボクのケータイの待ち受け画面。ペンタックスのモバイルサイトからダウンロードしたK100Dの壁紙になっている

 では、K100Dのリアルタイムレポートを始めよう。午前中に配送されることを期待して、久々の青空にもかかわらず、外出せずにじっと到着を待っていたのだが、ピンポ~ンと呼び鈴が鳴ったのはなんと午後4時。待ちくたびれたよ~。しかし、時すでに遅し。なんとか暗雲も晴れて青空が顔を覗かせているものの、今から撮影に出かけていたのでは、発売日速攻レポートに間に合わない。まあ、湿度が高くてジメジメしているので遠くは白っぽく霞んでいるし、これだけムシ暑い中、動き回るのも正直しんどかったりもする。写りに関しては後のお楽しみということで、まずはお約束の外観チェックからレポートしよう。


K100Dレンズキットを注文したのだが、箱を開けるとK100Dボディの箱とDA 18-55mm F3.5-5.6の箱が並んで入っていた。9月30日まで『K100Dデジタル一眼レフ活用ガイドブック』が付属している 『K100Dデジタル一眼レフ活用ガイドブック』はオールカラーA5判で全68ページ。K100Dの基本操作だけでなく、デジタル一眼レフの基本やブレを防ぐテクニックが写真入りでていねいに説明されている

キャッシュバックキャンペーン用の応募封筒は同梱されていなかったが、ペンタックスのホームページから専用応募封筒をPDF形式でダウンロードできる。10,000円キャッシュバックキャンペーンは10月15日まで。応募締め切りは10月31日消印有効だ

 K100Dと*ist DS2と並べてみると、K100Dのほうが男性的なデザインで、ペンタ部やマウント周りが直線的なフォルムになっている。グリップ形状も変更されている。*ist DS2は弧を描くようなグリップで中指や薬指の握りが甘くなりがちだったが、K100Dはグリップが垂直にまっすぐ伸びているので中指にしっかり力を入れてホールドできる。

 一番気になっていたファインダーの視認性は、*ist DS2よりも倍率が低いので視野は小さく見えるものの、AF測距点がしっかり11点あって、測距点が赤く光るスーパーインポーズ表示も備わっているので、ペンタミラーとはいっても*ist DLやDL2とは別物。ファインダーのアイカップも型くずれしにくい形状と素材で、ホコリも付きにくくなっているのがイイ。フォーカシングスクリーンは固定式なので、方眼マットに変更できないのが残念だが、それ以外は*ist DS2と比べても不満のない出来だ。

 AFも速くなっている。レンズを駆動するモーター音がまるで違っていて、K100Dのほうがモーター音が甲高くうるさいが、その分、フォーカシングのスピードが速い。また、低照度やローコントラストシーンでのAFの迷いも少ない気がする。AF精度については、後々比較検証してみたいと思っている。

 操作性は基本的に*ist DS2とほとんど同じだが、細かい部分で改良が加えられている。露出補正ボタンの形状が半球から四角に変更され、シャッターボタンとほぼ同じ高さに揃えられているので、*ist DS2よりも押しやすくなっている。ファインダーを覗いたままでも、露出補正ボタンの位置がハッキリとわかるので快適だ。

 背面の十字ボタンも各方向のボタンがそれぞれ独立したボタンになり、うっかり他の方向にボタン操作してしまうようなことはない。メニューの一部も改良されていて、背面のOKボタンをISO感度確認に設定したり、レックビューと再生の表示方法(ヒストグラムや白飛び警告表示)を個別に設定できるのも便利だ。

 液晶モニターは*ist DS2と同じ2.5型21万画素だが、K100Dの液晶パネルは広視野角タイプなので、斜めから見ても明るさやコントラストが変化しにくいのは魅力。また、*ist DS2の液晶モニターは、明るく高コントラストで非常に見映えのいい液晶モニターだが、うるさいことをいえば色調が少し青っぽかった。この点もK100Dでは改善されていて、デジタルカメラの液晶モニターとしてはかなり自然な色味になっている。


 K100D発表時には手ブレ補正効果の段数は2段とアナウンスされていたが、その後、ファームウェアの改良で2~3.5段になった。取扱説明書の訂正が間に合わなかったため、訂正の紙が1枚入っている 06.JPG 3Vリチウム電池パック2個を使うのがもっとも軽くて撮影枚数も多いが、一次電池なのでランニングコストがかかるのが難。ちょっと重量は重くなるが、単3型ニッケル水素電池4本を使うのがもっとも現実的だろう。単3型アルカリ電池でも動作するが、撮影枚数はそれほど多くない

同梱のストラップ。他社のデジタル一眼レフに付属するストラップに比べ、細めのストラップだが、黒字に赤で“PENTAX”と刺繍されていて、なかなかセンスがイイ K100Dの背面部。モードダイヤルに“SCN”ポジションが加わった。Fnボタン+OKボタンで8つのシーンプログラムを選択可能だ。十字ボタンも4方向のボタンがそれぞれ独立した

内蔵フラッシュをポップアップさせた状態。左がK100D、右が*ist DS2だ。K100Dのほうが発光位置が高く、レンズ光軸から離れているので、それだけ赤目現象が起きにくそうだ K100D、*ist DS2の背面

液晶モニターを見る角度を変えてみた。左がK100D、右が*ist DS2だ。 K100Dの液晶モニターは角度によってさほど見え方が変化しないが、*ist DS2は上から見ると白っぽく、下から見ると暗くなってしまう

*ist DS2(右)は丸かった露出補正ボタンが、K100D(左)では四角い形状に変更されている。シャッターボタンとの段差が少なくなり、ファインダーを覗いた状態からでも露出補正ボタンが押しやすく改良されている こちらは*ist DS2

型番表示の部分は*ist DS2のほうが高級感がある。K100Dはすべてシルク印刷で素っ気ない。その代わり、ボディ側面に乳白色の滑り止め(単なるデザインかもしれない・・・・・・)が設けられている *ist DS2の型番表示

記録メディアはSDメモリーカード。*ist DS2はレバー操作ひとつでパカッとスロットのフタが開いたが、K100Dはフタをスライドさせて開く方式に変わった。個人的には*ist DS2の方が使いやすい

左がK100D、右が*ist DS2のファインダー内表示。こうして並べてみると、やはり*ist DS2のほうが、像が大きく見える。しかしK100Dのファインダーはペンタミラー機としては最上の出来で、クリアで見やすいのが特徴だ 0.95倍で像が大きく見える*ist DS2のファインダー。ただ、フォーカシングスクリーンが多少ザラザラしていて(ピントの山はこのほうがわかりやすいのだが)像も暗めだ

 K100Dで不満な部分は、RAWとJPEGの同時記録ができないこと。K100Dに付属しているデジタル現像ソフト「PENTAX PHOTO Laboratory 3」は、市川ソフトラボラトリーのSILKYPIXエンジンが採用されているので、今まで以上にRAWで撮影したいケースが増えると思うが、RAWだけではピントやブレのチェックがしにくい。撮影した写真をすばやく選別するには、やはりRAWとJPEGの同時記録は不可欠だと思う。

 また、ISOやWBくらいは単独の機能ボタンでダイレクトに操作できるべき。Fnボタン+十字ボタンも決して使いにくくはないが、ファインダーを覗いた状態で感度の変更は無理だ。削除(ゴミ箱)ボタンは、撮影時にはなんの機能も割り当てられていないので、このボタンをカスタムキーにして、ISOやWB、AEB設定などをカスタマイズで割り当てられるようにしてほしいと思う。その際、上部のモノクロ液晶パネルやファインダー内表示にISOやWB、AEB設定が一時的に表示されるのが理想だ。

 それと、レリーズタイムラグは相変わらず遅めで、まるで瞬間絞り込み測光を行っているような感じだ。エントリーモデルだから、といってしまえばそれまでだが、これだけ作画をじっくり楽しむカメラとして良くできているのだから、レリーズタイムラグは100ms未満にしてほしいところだ。まあ、こうした要望は、秋の1,000万画素機でしっかりかなえられることを願いつつ、第1回のリアルタイムレポートはここまで。次回は、K100Dと*ist DS2の画質について検証する予定だ。



URL
  ペンタックス
  http://www.pentax.co.jp/
  製品情報
  http://www.digital.pentax.co.jp/ja/35mm/k100d/

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( 伊達 淳一 )
2006/07/14 21:13
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