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ペンタックス Optio A10【第6回】
風景を撮る

Reported by 中里 和人


 今回のレポートは風景モードに設定して、さまざまな風景撮影にトライしてみた。

 ここのところの天候は走り梅雨のようで、雨がちの日が多い。春から夏へと季節が大きく移り変わる時期には、気持ちが外の景色に向かっていくようだ。そんなに暑くも寒くもないこの時期。デジカメ片手に散歩やドライブするには最適な季節である。

 先日も大気が不安定で、いきなり激しい雷雨に襲われたかと思ったら空一面に大きな虹が現れた。虹全体をカメラの画角に収めることは無理なので、縦の構図に虹のシッポを捉えてみた。肉眼の印象よりは少し薄めであったが、可憐な虹が江戸川区小岩の空で定着された。こんな一瞬の機会を撮るには、デジカメの機動性がありがたい(写真1)。

 虹が視界から消えたころに、西日がビルの谷間を染め出した。突然そのビルの裏から、太陽にライトアップされた雲が顔を出した。孫悟空の金斗雲のようにぽっかりとした雲はかなりのスピードで東南の方に流れていった。雲を透かす日の光の描写は見事に捉えられていた(写真2)。

※作例のリンク先は撮影画像です。
※キャプションのデータは画像サイズ / 露出時間 / 絞り / 露光補正値 / ISO感度 / ホワイトバランスモード / 35mm判換算焦点距離です。


写真1
3,264×2,448ピクセル / 1/200秒 / F5.4 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 114mm
写真2
3,264×2,448ピクセル / 1/160秒 / F5.4 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 114mm

写真3
3,264×2,448ピクセル / 1/80秒 / F3.1 / 0EV / ISO50 / WB:オート / 46mm
 日が変わり、三浦半島にドライブに出かけてみた。半島のいたるところに畑が広がっていて、収穫期を向かえたキャベツや、ビニールの苗床ではスイカのツルが勢い良く延びていた。

 畑の周りの黒潮に洗われた半島は、どこを見渡しても深い木々に覆われ、海に突き出た岬の岩場でも緑の木が潮風に揺れていた。木の葉っぱの柔らかでデリケートな質感が気持ちよく出ていた(写真3)。

 海岸に降りていくと、透明度のある波が打ち寄せていた。彼方には、房総半島のなだらかな丘陵がくっきりと見えていた。波打ち際に、動物の群れのような岩場が隊列をなしていた。夕暮れ迫る時間であったが、水と岩と空の異なった3つの質感がきれいな描写で写されていた(写真4)。

 その浜辺を少し歩いていくと、手作り風の小屋が現れた。建物の部材はどこか黒潮の漂着物でコラージュされたような風合いで、浜辺から生え出してきたような天然の磯小屋のようでもあった。暮れ行くなかで、三浦の黒潮小屋をじーっと見つめていた(写真5)。


写真4
3,264×2,448ピクセル / 1/50秒 / F5.4 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 114mm
写真5
3,264×2,448ピクセル / 1/30秒 / F2.8 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 38mm


( 中里 和人 )
2006/05/26 13:56
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