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ニコン D200【第8回】
旧型純正スピードライトはどのくらい使えるか

Reported by 河田 一規


 ニコンの現行スピードライトであるSB-800、SB-600、SB-R200をD200に組み合わせると、ワイヤレス調光をはじめとするいわゆるクリエイティブライティングを行なえるのがすごく魅力なのだけれど、残念ながらボクはまだいずれのスピードライトも持っていない。

 SB-800は近々購入予定なので、入手した暁にはまたリポートしようと思うのだが、今回はとりあえず手持ちのニコン純正旧型スピードライトでどこまで使えるのかを検証してみたい。

 こんなネタはちょっとマニアックすぎるかなと思ったのだけれど、D200オーナーがすべて最新スピードライトを買っているわけでもないだろうし、「旧型スピードライトでどうにかならんかなぁ」と考えている人もそれなりにいるだろうということで、試してみることにした。

 今回実際に使ったスピードライトは、ボクがニコンD1を使っていたときに購入した1999年当時最新のSB-28DX。D1購入以前にもフィルム一眼のF5と組み合わせるべくSB-28を持っていたのだが、SB-28ではD1でTTL調光が行なえないということで、渋々購入したスピードライトである。


D200に装着したSB-28DX。TTLにセットするとD200のシャッターはロックされて押せない。写真は外光オートにセットしたところ
 で、このSB-28DXをD200と組み合わせた場合、使用可能モードは「外光オート」と「マニュアル発光」のみでTTL調光は行なえない。i-TTL-BL調光といった高度なTTL調光を行なえないのはともかく、スタンダードTTL調光も行なえないのは残念としか言いようがない。ちなみに、SB-28DXよりもひとつ新しいSB-80DXでもTTLは行なえず、外光オート&マニュアル発光のみとなる。

 念のため、外光オートとTTL調光の違いを知らない方へ説明すると、外光オートはストロボ本体に受光センサーを持ち、あらかじめセットした絞り値とISO感度に応じて、被写体からの反射光が適正値に達すると、その時点で発光を停止する方式のこと。

 対するTTLもセンサーで光を受けて適正値になったら発光を停止するのは外光オートと同じだが、センサーがカメラボディ内にあり、撮影レンズを通ってきた(スルー・ザ・レンズ=TTL)光をセンシングするため、外光オートより精度の高い調光が可能になる。


AF 50mm F1.4D / 3872x2592 / F5.6 / 1/8 / ISO100 / WB:オート / RAW
 「今どき外光オートかよ~」と正直思ったけれど、とにかく撮影してみたのがこれ。

 あれ、意外にちゃんと撮れてますね……。外付けスピードライトの長所を生かすべく天井バウンスしてみたが、外光オートでも調光精度はなかなかいい感じである。


AF-S 17-35mm F2.8D / 3872×2592 / F5 / 1/40 / ISO100 / WB:オート / RAW
 次にもうちょっと露出的にむずかしい条件である黒バックで撮影してみたのがこれ。こっちも天井バウンスだが、調光レベルはほとんど問題ない感じ。


AF-S 17-35mm F2.8D / 3872×2592 / F5 / 1/40 / ISO100 / WB:オート / RAW
 ではもっと陰影の出るライティングではどうかなと試したのがこれ。左側に置いた銀レフにスピードライトの光をバウンスさせてみたが、これの調光具合も十分満足行くレベルである。


 TTL調光に慣れすぎていたためか、外光オートなんて……と思っていたけれど、結果を見る限り、十分使えると思う。多少、調光結果が悪くても、その場で確認できるデジタルなら絞り値などを微調整すればすむ。おそらく純正以外のサードパーティ製ストロボでも同様の結果を得られるはずだ。

 ただし、ISO感度や絞り値をスピードライト側にセットしなければならないなど、使い勝手は明らかにTTLに及ばないのも事実だ。かろうじてチャージアップの稲妻マークはファインダー内に表示されるが、まがりなりにも純正ストロボであることを考えると、せめてISO感度くらいは自動セットされてほしかったところ。

 また、今回はポートレートだったので大丈夫だが、撮影距離の極端に短いマクロ撮影ではスピードライト側センサーと撮影画像のパララックスが無視できないほど大きくなるため適正露出を得ることはむずかしくなる。

 というわけで、用途をある程度限定すれば旧型ストロボでもそこそこ使えることはわかった。逆に言うと、マクロには使わず、ワイヤレス調光もしないというのであれば、無理して最新型スピードライトを買うまでもないと言える。背景の明るさを考慮するなど、最小限の知識とマニュアル露出のテクニックがあれば、むしろ外光オートの方が自由がきくと感じる人もいるだろう。


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( 河田 一規 )
2006/03/30 02:29
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