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コダック「プリンタードック3」
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コダックのデジカメの特徴として、カメラ本体を置くだけで印刷できる「プリンタードック」の存在がある。今回は「プリンタードック 3」を使用した。コダックの直販価格は14,800円だ。下位機種の場合はカメラとプリンタの割安なセット商品も用意されているが、今のところV570には用意されていない。
プリンタードック 3は昇華型熱転写式のプリンタで、プリンタ本体の性能はさほど際だったものではない。しかし、このプリンタとV570のセットは、とても使いやすい。
一番の特徴は、カメラ本体の底部にあるImageLinkインターフェイスにより、カメラをプリンタ本体の上に置くだけでプリンタと接続できることだ。V570をはじめとするImageLink対応カメラは、各カメラごとにドックインサート(アダプタ)が付属している。これによってカメラの形状の違いを吸収し、プリンタードックにきちんと固定できる。ケーブルなしで接続できるため、デジタルカメラに慣れていないユーザーでも使いやすい。使用するケーブルはプリンタードック3に接続されるACアダプタだけだ。
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V570をセットした状態
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ImageLink対応機種は本体底面にコネクタを備えている。添付されているドックインサーターによってボディの形の違いを吸収する
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用紙のカートリッジはこのようにはみ出した状態で使用する
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また、プリンタードック3用の用紙とインクリボンもよく考えられている。用紙とインクリボンはセットで販売されており、40枚の用紙と、それを印刷する分のインクリボンが1つの箱に入っている。
用紙はL版とポストカードサイズの2種類があるが、店頭ではL版しか見たことがない。コダックの直販サイトでも今はL版しか扱っていないようだ。用紙の種類も1種類で、フチなしの光沢紙となっている。ちなみに、直販価格は1箱が1,890円、2箱をセットにした限定パックが2,980円だ。1枚当たりのコストは40枚入りで47.25円、パックのほうで37.25円になる。
こう書いてくると、用紙の制限が多く不親切なシステムのように見えるかもしれないが、実はそうではない。L版をフチなしで印刷するという、もっとも使われるパターンに用途を絞り込んでいるために、ユーザーが迷う部分がほとんどないのだ。
用紙は20枚ずつパックされているので、そのままプリンタードックのトレイに収まる。インクリボンは40枚分の印刷が終わると同時に切れるので、トレイ2回分の印刷が終わったら交換すればいい。交換も本体の横を開いて、カートリッジを入れ替えるだけなので簡単だ。インクジェットプリンタのように、どの色のインクが少ないとか、交換用インクを用意するなどの手間がなく、メンテナンスに頭を使わなくてすむのもありがたい。
では、実際に印刷してみよう。プリンタードックがセットアップされていれば、その上にV570を置くだけでいい。V570は自動的に再生モードに入るので、カメラの液晶を見ながら、ドックの左右コントロールボタンで目的の画像を選択する。つぎに中央のプリントボタンを押すと印刷が始まる。これだけで無事に印刷が始まる。
印刷するようすをみていると、用紙は三原色分を1回ずつと、最後に保護用のクリアコートをかけるので、つごう4回往復する。印字時間は取扱説明書には、約75秒、最初の1枚は約25秒プラスされると書かれているが、V570で試したところ、最初の1枚の印刷は約2分はかかる。
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ほとんどの操作をプリンタ中央のボタンだけですむ。リングの左右を押してプリントする画像を選び、中央のボタンを押すと印刷が始まる
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カートリッジ交換は簡単で、本体脇を開くとすぐにできる
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用紙とカートリッジはセットで販売されている。用紙は20枚ずつ2パック入っている
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プリントアウトされた用紙は左右のみミミがついている
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専用用紙は縦方向のみミミがついており、印刷後に1枚ずつミミを切り取ることで四辺ともフチなしとなる。ミミにはミシン目がついているので、一度に出すのが10枚ぐらいまでなら我慢できる。
複数の写真を指定してまとめて印刷するためには、カメラ側で印刷の指定(DPOF)をする必要がある。しかし、いまのところ1枚ずつ確かめながら印刷しているし、家人もそれで苦にならないようだ。たぶん、本当に大量に印刷ときはPCに転送してしまうだろう。
印字品質については厳密な比較ができる自信はないが、不満を感じたことはない。用紙やコートの違いはあるが、ここ数年のインクジェットプリンタの印刷結果と差は感じない。周囲の人々も普通に写真として受け取っており、違和感はないようだ。強いて言えば、パノラマ画像が印刷できないのは残念だ。難しいだろうが、将来的には対応してほしいものだ。
言い忘れていたが、USB端子も備えており、ImageLink対応機種以外でもDPOF対応プリンタとして使用できる。
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C330とC360(左)
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最後に、V570の前にも、C330 ZoomやC360 Zoomとプリンタードック3をセットで使ってきたので、その経験にも触れておこう。C330は400万画素の光学3倍ズーム、C360は500万画素の光学3倍ズームだ。プリンタードック3とのセットで、C330が24,800円、C360が29,800円で直販されている。
C330はコダックのラインナップでは一番下のモデルになる。いかにもコダックらしく写真を撮ることに徹したカメラで、レンズ付きフィルムや、大昔のインスタマチックカメラに近い感触すらある。ただし、写りはちゃんとコダック調で、色調はかなりいい。残念なのはレリーズのタイムラグが大きいことだ。シャッターを押して、もういいだろうと思った頃に切れる感じだ。おかげで慣れるまでは手ブレが多かった。
C360は、C330に比べるとかなりカメラらしいカメラになっている。持った感じもかっちりしており、レリーズのタイムラグもほとんどない。なんとオートブラケット機能まで備えている。欠点といえばオートブラケットを使うとファイル名が特殊なものになってしまい、ファイル名順と撮影順が合わなくなってしまうことと、ときどき露出が明るすぎると感じることだろうか。C330と5,000円の差なら、普通の人には、こちらがお勧めだ。
■ URL
コダック
http://wwwjp.kodak.com/
製品情報
http://wwwjp.kodak.com/JP/ja/digital/digitalcamera/stylish/v570oe/
■ 関連記事
・ 【新製品レビュー】コダック EasyShare V570(2006/01/19)
( 本誌:伊達 浩二 )
2006/03/13 00:47
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