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ニコン D200【第6回】
使い心地を検証してみた

Reported by 河田 一規


 12月16日の発売日当日に入手したD200だが、使い始めて早2カ月が経過しようとしている。間に年末年始があったためか何かすごくあわただしく過ぎ去った2カ月だったけれど、この間、他機種の試用以外はほとんど浮気もせず、D200のみを仕事・私用を問わず使い続けてきた。今回は、2カ月使った時点の感想というか使い心地をレポートしてみたい。

 と、その前に訂正をひとつ。

 本連載の第4回で、D200にCPU非搭載のMFレンズを装着して使用する際、1度に設定しておける「レンズ情報手動設定」が1本分しかないのはツラいという話を書いたけれど、実は「撮影メニューの切り換え」機能を使うことで1度に4本分まで設定しておけることがわかった。ニコンイメージングのD200FAQページを見ていてこの情報を発見したのだが、なるほど確かにこの方法であれば1度に4本までのレンズ情報を設定可能である。自分の研究不足・理解不足をお詫びしたい。

 ただ、この「撮影メニューの切り換え」はユーザーがセットアップした複数のメニューを切り換える機能なので、その設定次第では「レンズ情報手動設定」以外の項目まで同時に切り替わることは理解しておくことが必要である。ボクの場合は、撮影メニューは今のところ1セットしか使っていないので、この「撮影メニューの切り換え」を「レンズ情報手動設定」専用切り換えとして使おうと思う。


満足できるファインダーの見え方

 というわけで、D200の使い心地について。

 まずはファインダーの見え方についてだが、これはおおむね満足できる。APS-Cサイズの撮像素子を搭載するデジタル一眼レフの泣き所であるファインダー像の小ささも、ファインダー倍率を0.94倍と大きくすることでかなり解決しており、D200単独で使う限りはまったくネガティブな印象はない。

 ただし、フィルム一眼レフやフルサイズ機と同時に使った場合は、やはり相対的に小さく感じるのも確かであり、その対策の一助としてファインダー倍率を約1.17倍まで引き上げてくれるマグニファイングアイピースDK-21Mがオプションとして発売されているという話は本連載の第2回にも書いた。

 このあたりの感覚はもちろん、今も変わらないわけだけれど、2カ月使ってみて実感できたのは「D200のファインダーはピントの山がなかなかつかみやすい」ということ。ボクの場合はファインダーの絶対倍率よりも自然な見え方を優先する意味で、せっかく買ったDK-21Mは使っていないのだが、その状態でもピント合わせは非常にやりやすい。

 以前にも書いたとおり、D200にはMFレンズを装着して使うことが多く、現状ではD200で撮影する約30%くらいはMFレンズを使用している。特に先月はコシナからニコンマウントのツアイスZFレンズが2本発表されたのを受け、そのインプレ用にD200と組み合わせて相当大量に撮影したのだが、こういったMFレンズを使うときにもピントに自信を持てるため、安心して撮影できるのがうれしい。

 以前、開発者インタビューでうかがったお話では、D200のファインダースクリーンはF2.8のレンズを想定して設計されているということだったが、ボクがわざわざMFで使おうと思うレンズはF1.2とかF1.4という大口径であり、その意味ではかならずしもスクリーン特性とは完全にマッチングしていないわけだけれど、それでもピンボケのカットは少なく、カット選択時のピントの歩留まりはMF専用機で撮影したときと大差ないほど。このくらいピントがビシバシ決まると、MFで撮影するのが俄然楽しくなる。


信頼感のある液晶モニターの見え方

 次に感心したのは液晶モニターの見え方。広視野角であることはもちろんだが、再生画像の明るさとコントラストが適切なせいか、とにかく露出がつかみやすいのだ。もちろん、露出の正確な確認はヒストグラムを表示させている(ボクの場合はマルチセレクターの中央押しでヒストグラムが表示されるようカスタム設定している)けれど、液晶モニターで見た印象とヒストグラムの結果がほとんどズレないので、室内撮影など、液晶モニターを観察しやすい状況においては、ヒストグラムを確認する機会が目に見えて減ってきているほど。


電池の減りはやはり少し速い……です

 D200の電池の減りが速いように感じている人は多いようだが、確かに、いっぱい撮ってるのに全然減らない感じだったD70あたりに比べると、減りは速いようだ。ミラーをはじめとするメカ部のハイレスポンスでパワフルな作動感がD200の魅力だけあって、電池の減りがやや速めなのも仕方ないと個人的には思っている。

 ただし、異常に減りが速いというわけでは決してないし、1%刻みで残量を把握できる新電池システムにより、充電時期などの電池管理は行ないやすい。

 もちろん予備電池は必要だが、ボクの撮り方では電池は予備も含めて都合2本あれば今のところ余裕で間に合っている。寒冷地でオーロラを撮るといった電池に厳しい条件では当然ながらもっと予備電池が必要であろうが、相当なヘビーユーザーでも3本あればまず間に合うのではないだろうか。


画質や露出について

 画質についてはかなり満足していて、特にこれといった不満はない。件の、縞模様が発生するというケースも今のところ自分のD200では確認できていない。

 ちなみに仕上がり設定については、JPEGで撮影するときは「標準」が9割、「鮮やかに」が1割。RAWの時は現像時に調整するためすべて「標準」で撮影している。「より鮮やかに」も試してはみたが、あまりに彩度が高いので、よほど適切なモチーフでないと不自然さだけが目につきそうだ。

※作例のリンク先は撮影画像をコピーしたものです。


仕上がり設定「標準」
仕上がり設定「鮮やかに」
仕上がり設定「より鮮やかに」

 露出に関しては、発売前に使わせてもらったβ機では明らかにアンダー傾向があったけれど、購入した自分のD200はそんなこともなく、マルチパターン測光の的中率はなかなか高い。

 ホワイトバランスについてはテスト的な意味もあり、よほどのことがない限りは積極的にAWBを多用しているが、こちらもなかなか優秀で、D70あたりに比べると確実にヒット率が高くなっていることが実感できた。

 高感度ノイズについては第3回で実験したとおりで、EOS 20Dに比べると、やや多めであることは否めない感じであり、ISO400以上に設定するときはノイズリダクションの設定をどうするかいつも考えてしまう。個人的には高感度ノイズが増えることよりもリダクションによるディテールの悪化の方が気になってしまう方なので、高感度ノイズ除去は「LOW」に設定することが多く、「HIGH」はほとんど使っていない。

 ただ、D200のいいところは感度設定が1/3段刻みであることで、シャッター速度との折り合いを確認しつつ、必要最低限の感度アップが行なえるのは非常に便利だと感じた。


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( 河田 一規 )
2006/02/15 18:37
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