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ニコン D200【第5回】
nik Color Efex Pro 2.0を使ってみた

Reported by 河田 一規


 ニコンにはnik Color Efex Pro 2.0というソフトがあることをご存じだろうか。

 PictureProjectやNikon Captureと組み合わせて使うプラグインタイプのフィルターソフトで、PictureProjectならVer.1.1以降、Nikon CaptureならVer.4.1で使用することができる。開発はニコンではなく、1995年創業のnik multimediaという会社が行っている。

 このソフトの存在は以前から知っていたのだけど、今までは「よくある特殊効果フィルターを集めたお遊びお気軽ソフトなんでしょ」っていう先入観を持っていたため、あまり関心はなかった。ところが、ある日を境にボクはこのnik Color Efex Pro 2.0に俄然興味を持つようになったのである。

 それは昨年11月。某誌のD200開発者インタビューで、ニコンのS崎さんに「D200のモノクロモードのクオリティはどの程度のモノか?」と質問してみたときのこと。S崎さんは、カメラ内部で処理するモノクロにはいろいろと制限があるとした上で、「もし、D200でもっともハイレベルなモノクロ画像を得たいのであれば、RAWデータで撮影したものをNikon Captureとnik Color Efex Proで生成するのが最高の方法」と答えてくれた。
へ~そうなんだ!

 質問をする前からカメラ内で生成されるモノクロ画像が最高であるとは思ってはいなかったけれど、nik Color Efex Proってそんなに高性能なんだと、この時初めて認識したのである。

 これまで、デジタルで高精度なモノクロ画像を得ようとすると、Photoshop等でチャンネルミキサーや調整レイヤーを駆使して行うの方法がよく知られているが、この方法はそれなりにスキルが必要であり、結構むずかしくもある。

 また、ボクはD200のRAW現像をPhotoshopのCamera Rawではなく、Nikon Captureで現像しているため、できればすべての処理をNikon Captureで完結させたいと考えており、その意味でもnik Color Efex Proで高精度なモノクロ化が可能であるという話しには大いに興味を持ったというわけだ。

 ちなみに、nik Color Efex Pro 2.0にはいくつか種類がある。

 この原稿を書いている現時点でNikon Imaging( http://www.nikon-image.com/jpn/index.htm )のHPから「製品情報」→「ソフトウェア」とたどっていくと、15種類のフィルターがセットされたnik Color Efex Pro 2.0 Express Editionしか紹介されていないが、同じくNikon Imagingから「オンラインショップ」→「アクセサリー」→「ソフトウェア」と進んでいくと、Express Editionの他にも下記のラインナップがあることが分かる。

 nik Color Efex Pro 2.0【Standard Edition】(フィルターは19種類)
 nik Color Efex Pro 2.0【Select Edition】(フィルターは45種類)
 nik Color Efex Pro 2.0【Complete Edition】(フィルターは75種類)


というわけで、セットされるフィルターの数によって、都合4種類のnik Color Efex Pro 2.0が用意されているわけだ。

 当然ながらフィルターの種類は多い方がいろいろと遊べそうだが、どのフィルターがどれくらいの使用頻度があるのか、購入時点ではまったく分からず、買いに出かけた某量販店の店頭で約10分くらい迷ってしまった。結果的に好奇心には勝てず、一番フィルターの数が多いComplete Editionを購入したが、その価格は約17,000円と、プラグインでありながら本体のNikon Captureより高い……。


Nikon Captureからnik Color Efex Pro 2.0を呼び出す方法は簡単で、nik Color Efex Pro 2.0をインストールしたら、Nikon Captureで目的の画像を開き、「ツールパレット2」にある「フィルタ」から「+」ボタンを押し、表示されるプルダウンメニューから目的のフィルターを選ぶだけだ
 さて、高精度なモノクロ画像生成のために購入したnik Color Efex Pro 2.0だけど、もちろん、モノクロ化だけでなく、他にも色々なフィルター効果を得ることができる。例えば、偏光フィルターの効果をシミュレーションして青空等を強調してくれる「ポラリゼーション」とか、ゴールドのレフ板を使ったような効果が得られる「レフレクタ:ソフトゴールド」、輝度ではなく彩度を高くすることで画像を明るくする「サチュレーション トゥ ブライトネス」などなどである。

 今回はモノクロ関係だけに話を絞りたいのですべての効果を説明するわけにはいかないけれど、先に紹介したNikon Imagingのオンラインショップにてnik Color Efex Pro 2.0【Complete Edition】紹介ページを開き、そこにある「全フィルターの効果ご紹介はこちらです。」というリンクをクリックすることで、カラー関係のフィルターの効果を知ることができるので、興味のある人はぜひ。

 てなわけで、nik Color Efex Pro 2.0を使ったD200画像のモノクロ化であるが、さすがにコンプリート・エディションだけあって、モノクロ化フィルターだけでもかなり色々な種類が用意されている。

・B/W コンバージョン
・B/W コンバージョン:トーナル エンハンサー
・B/W コンバージョン:ダイナミック コントラスト


 このあたりが主だったモノクロ化フィルターだが、他にも調色系フィルターもあり、実に多様なモノクロ画像を生成することができる。


例えばB/W コンバージョンフィルターを選択すると、このようなサブウインドウが表示されるので、あとはサブウインドウ上の画像を確認しながら「輝度」「コントラスト」「スペクトル」の各パラメータを調整し、画面右下にある「OK」をクリックすれば、Nikon Capture上の本画面にもそれが反映されるといった仕組みである
表示を「Advanced」に切り替えると、効果適用後のヒストグラムを確認しながら作業できる

 では実際にNikon Capture4.4.0とnik Color Efex Pro 2.0【Complete Edition】で生成したモノクロ画像をご覧いただきたい。

 撮影はもちろんD200、すべてRAWモードで行ない、Nikon Capture4.4.0とnik Color Efex Pro 2.0【Complete Edition】でモノクロ現像後、Nikon Capture4.4.0にてJPEGの「最高画質」で保存した。基本的にパラメータ変更はnik Color Efex Pro上だけで行ない、Nikon Captureでのトーンカーブを含む追加調整は一切行なっていない。


【B/W コンバージョン】
元画像
AF-S ED17-35mmF2.8D / 3872x2592 / F8 / 1/160 / ISO100 / WB:オート / RAW

輝度30%、コントラスト100%、スペクトル71度
輝度100%、コントラスト100%、スペクトル0度

【B/W コンバージョン:ダイナミックコントラスト】
AF-S ED17-35mmF2.8D / 3872x2592 / F8 / 1/350 / ISO100 / WB:オート / RAW
コントラストの強調25%、輝度60%、コントラスト100%、スペクトル71度
【B/W コンバージョン】
Ai35mmF1.4S / 3872x2592 / F2.8 / 1/100 / ISO100 / WB:オート / RAW
輝度51%、コントラスト78%、スペクトル46度

【デュプレックス:モノクローム】
Aiノクトニッコール58mmF1.2S / 3872x2592 / F1.2 / 1/250 / ISO100 / WB:オート / RAW
拡散34%、彩度13%、コントラスト53%
【B/W コンバージョン:トーナル エンハンサー】
Aiノクトニッコール58mmF1.2S / 3872x2592 / F1.2 / 1/250 / ISO100 / WB:オート / RAW
コントラストの効果3、輝度16%、コントラスト100%、スペクトル91度
【B/W コンバージョン:ダイナミックコントラスト+ペーパートナー】
Ai(改)ニッコール20mmF4 / 3872x2592 / F5.6 / 1/2 / ISO100 / WB:オート / RAW
B/W コンバージョン:ダイナミックコントラスト→コントラストの強調25%、輝度60%、コントラスト100%、スペクトル71度
ペーパートナー→印画紙の種類3、適用量48%

 といった感じで、まだまだ使いこなしているとは言い難いが、nik Color Efex Pro 2.0はモノクロ化だけに限ってもかなり面白いソフトである。最後の作例のように複数のフィルターを重ねて適用することも可能なので、可能性は無限ともいえる。これで当分モノクロを楽しめそうだ。


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( 河田 一規 )
2006/02/09 10:41
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