COOLPIX P1は毎日持ち歩いている。余裕のあるときは、ノートPCといっしょだ。
ノートPCを、液晶を閉じてもレジュームに入らないように設定し、カバンの中に入れ、P1の画像を転送しているのだ。
電波が届くエリアは、思っていたよりも広く、見通しのきく公園では30m以上でも大丈夫だった。また、電波状況の良くないオフィス内でも、同フロア内ならパーテーション2枚ぐらいへだてても問題なく通信できた。来週は取材に持って行って試してみようと思っている。
こうして使っていると、いろいろと不満が出てくる。
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撮影&転送モードのメニュー画面。設定項目はこれだけなので、右の十字キーに割り当てられた機能しか変更できない
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まず、「撮影&転送」モードに入ると、「MENU」ボタンを押しても、転送と保存に関する専用のメニューしか表示されない。ここで設定できるのは、転送の際に毎回確認するかどうかと、画像をP1にも保存するかしないか、なのだ。
つまり通常の撮影メニューが表示されないので、解像度を変えようと思うと、モードダイヤルを回して撮影モードなどに切り替え、もう一度、無線LANモードに戻す、という手間が必要になる。
これだけならばいいのだが、実は、無線LANモードに入るたびに、「接続先選択」メニューと、「ワイヤレスメニュー」の選択で、2回もPCとのネゴシエーションを行なう必要がある。周囲の電波環境にもよると思われるが、他にも無線LANを使っている編集部では、解像度の切り替えだけで1分14秒かかってしまうのだ。
PC側から見ていると、カメラ側から見ていると、「ネットワークアドレスを取得中」と表示されている時間が長い。
フラッシュ、露出補正、フォーカスモード、セルフタイマーなどは、十字キーから操作できるとはいえ不便なことは確かで、改善を望みたいところだ。ついでにいうと、フラッシュなどの設定は、毎回初期化され保存されない。
また、撮影時の転送速度も不満だ。前々回も書いたが、8MのFineモードでは転送に10秒以上かかるため、使う気にならない。通常は2MのNormalモードで使用している。ちょっともったいないが、L版への印刷とWeb用途なので、これで困ってはいない。
なお、アドホックモードではIEEE 802.11bの11Mbpsでしかつながらない点は、ニコンから、そういう仕様であるという回答があった。
特定の施設内で使う場合はともかく、ノートPCといっしょに持ち歩くような用途では、ルーターに依存しないアドホックモードで使うしかない。できればアドホックモードでも、IEEE 802.11gで転送可能にしてほしいものだ。また、取扱説明書や外箱にも、もっとわかりやすく書いておいてほしい。
PCへの接続時間と、撮影時の待ち時間については、言葉ではわかりにくいと思うので、動画を撮ってみた。手持ち撮影でピントも怪しいが、時間経過はわかりやすいと思うので参考にしていただきたい。
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無線LANに接続するまでの状況(MPEG-1動画) | 解像度8M、Fineモードでの撮影と転送(MPEG-1動画) | 解像度2M、Normalモードでの撮影と転送(MPEG-1動画) |
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EN-EL8交換用バッテリ。本体に付属しているものとまったく同じだった
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また、バッテリは、意外と持たない。半日ほどの小旅行に行った際は、200枚ほど撮影した状態でバッテリ切れとなってしまった。これは無線LANを使っていない状態なので、常時接続していると、もっと持たないことになる。
取材に使うには不安なので、予備としてEN-EL8を、もう1つ購入した。価格は5,250円だが、ヨドバシカメラの通販では4,179円の10%ポイント還元だった。無線LANを活用しようと思っているユーザーは最初から用意した方がよいだろう。
■ 作例
■ URL
ニコン
http://www.nikon.co.jp/
製品情報(COOLPIX P1)
http://www.nikon-image.com/jpn/products/camera/digital/coolpix/p1/
( 本誌:伊達 浩二 )
2005/10/31 00:06
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