デジカメ Watch
最新ニュース

コニカミノルタ α Sweet DIGITAL【第6回】
使用1カ月間につき中間レポなど

Reported by スタパ齋藤


 先月の8月19日に「α Sweet DIGITAL」(以下α Sweet)を買ってから早1カ月少々。本連載にて報告するということもあり、出かけるときは忘れずに(←古い!?)な心がけで、いつもより余計にα Sweetを持ち歩いて使っている俺である。

 で、良いところも悪いところも見えてきた感じなので、ここで1カ月少々の間わりあいヘビーに使ってきたところからの中間雑感をお伝えしたいと思う。

 改めて思い起こしてみて、そうだやっぱりココだよなと思うのは、液晶モニター。α Sweetには2.5型の液晶モニターが搭載されているが、やはりデジカメにおける大型液晶は快適ですな。各種設定時や撮影後の画像確認時には文句ナシに便利。今となっては小さめの液晶モニターを実装したデジタル一眼と比べちゃったりすると「昔の人は小さい液晶でも満足していたんだなぁ」とかミョーに未来人な気分になったりして。また「近未来の人は3型とか4型とかの超デカ液晶モニターを使うんだろうなぁ」と、とっとと時が過ぎるのを願う気持ちにも。とにかく、大きな液晶モニターは実使用上ヒジョーに有り難い仕様だと痛感している。

 ただ、この液晶、画素数が約11.5万画素と、少々物足りない。画像を閲覧したり各種設定を行なったりする分には十分だとは思うが、一方で、こんなにデカいんならより高精細に!! という気持ちがある。実際、大型・高精細液晶実装のデジカメを見たりすると、α Sweetの液晶がデカいことは確かに有り難いのだが、デカいだけで解像度が低いとワンランク下って気がしてしまう。それほど、液晶の画素数は画像表示の見栄えに差をつけてくれちまいやがるのだ。

 大きくて見やすく、十分実用的な2.5型液晶だが、時々困ったことにも。それは、夕方~夜間に撮影している時だ。普段はイイんですよ。液晶モニター大きくて見やすいし。ファインダー内表示はシンプルだがクッキリ。また、α Sweetの接眼部にはアイセンサーがあり、通常は液晶モニターが点灯して撮影設定等を表示してくれており、接眼するとそれが消えるシクミになっている。非常に便利なギミックだ。


液晶モニターは2.5型
 が、かなり暗い状況である夕景・夜景撮影時は、この見やすい液晶モニターが意外にも撮影の邪魔をしてくれる。接眼~離眼(←とは言わないと思うが便宜上)を繰り返すたびに液晶が点灯・消灯を繰り返すが、要は液晶の明るさによって目が眩む。こういう時には他社のやや上位機種に実装されているモノクロの液晶パネルが羨ましくなる。

 α Sweetでは、アイセンサーの動作をOFFにすること(接眼しようがしまいが液晶ON)もできるし、液晶表示を常時OFFにすることもできる。けれど、何かと便利な液晶表示(撮影設定等の表示)なので、いつもはアイセンサーオンで液晶表示もONにしている。それを夕方になったから設定変えて……てのもメンドいというわけだ。

 ちなみに、レンズ一体型のデジカメっていうか、液晶モニターにライブビュー表示が可能でありかつある程度のゲインアップ表示がなされる機種では、こういう使いにくさはない。要は暗がりであっても、常に明るい液晶を見っぱなしなので、目が眩むって感覚はほとんどナイんですな。

 α Sweetの液晶は非常に見やすく便利だと思うのだが、モノクロの表示パネルがないことは、やっぱりちょっと残念かもしれない。デジタル一眼レフなので、ライブビュー表示を可能にするにはコスト増や機構的デメリットがあるのだろうし、その点はしょーがないと思う。ただ、できるなら、カーナビみたいに外光の明るさに応じて液晶表示の明るさも自動調節……ってそーゆーコトすると高くなっちゃいますよね本体価格。


Anti-Shake化されつつあるユーザー

 もうひとつ、α Sweetは思った以上にずっとホールド性が高いこと。ぶっちゃけ、他の10万円未満のデジタル一眼と比べると、ゴツめでイカツめ、そして少々デカめのα Sweetではある。が、ホールド感のコトを考えると、これが正しいようにも思える。

 単純な話、グリップ部が比較的に大きめなので、かなりしっかりとホールドできる。また、あまり丸みのない本体は、つまり各所が少々角張ってる本体は、指の引っ掛かりとなる部分が多く、これもまたホールド性を高めているように感じる。

 って改めてこんな細かいコトをいうのはですね、実は最近の拙者、ある程度高速なシャッター速度ではAnti-Shakeをオフにしたりしているのだ。実験なんスけどね。やや高速シャッター時は手ブレ補正切ったほーが精細感が出るって話を耳にしたもんで。ちなみに、いろいろやってみたが、高速シャッター時にAnti-ShakeがONでもOFFでも、んー違いがイマイチわからんっス。もしかしたら上の話、都市伝説!? とか思ったりしつつもある最近である。

 さておき、Anti-Shakeを切ったり入れたりして撮影しているので、たまに低速シャッター時にAnti-ShakeをOFFのまま撮影してたりするんですな。で、撮影後に画像を確認していて、手ブレ発見。「おろっ? Anti-Shakeでも手ブレるケースがやっぱあるじゃん。お茶目なAnti-Shakeちゃん」とか思って実は微妙に残念がったりしていたが、あ!! なんだAnti-ShakeがOFFになってんじゃん!! と気づいたりした。

 しかし考えてみれば、Anti-Shakeがオフでも3枚中2枚が手ブレしていないのだ(AEBの3枚連写なので合計3枚)。シャッター速度は1/6秒とか1/15秒だったりする。俺の手ブレ補正テクも大したモン……とかいいたくなるが、これは恐らく、まずはα Sweetのホールド性の高さからくるものだと思う。

 また、Anti-Shake使用時は、光学ファインダー内表示に“現在どの程度手ブレをしているか”を示すインジケーターがある。これはちょいとオモシロくて、要は手がプルプルしているとインジケーターの表示が増える(ケータイの電波強度表示みたいな感じで)。しっかりカメラをホールドしていると、その表示が少なくなる。これを見つつ、カメラ側の揺れやブレが少ない状態で撮影すると、Anti-Shakeの効果をよりよく引き出せるというわけだ。

 この表示、Anti-Shakeをうまく使うための目安となるが、一方でユーザーの撮影スキル向上のためにも役立つ。この表示を見ながらカメラを構えると、例えば「姿勢をこうするとブレなくなる」とか「顔とカメラをこんなふうに付けるとブレが減る」などと学べる。最初はオモシロがってその表示を見ていた俺だが、自然と手ブレを抑える構え方をα Sweetから学んでいたのかもしれない。

 Anti-Shakeあってのα Sweetって気がしていたが、それ以前に、しっかりホールドできて、また適度な質量もあって元々手ブレしにくい外形状のカメラかもしれない。また、手ブレはカメラになんとかしてもらえる、というメリットが魅力のα Sweetではあるが、ユーザーの手ブレ補正意識(!?)を積極化させるα Sweetともいえよう。


メニュー表示について

 コニカミノルタのデジタルカメラは比較的に使い慣れてる拙者である、とか思っているのだが、率直なところ、α Sweetのメニュー表示(DiMAGE A200とかとも超似ている)から若干の違和感がなくなるまでやや時間がかかった。また、再生時の画面表示も同様、慣れるまで時間がかかった。

 俺的嗜好をハッキリいえば、メニューまわりのハードウェア・ソフトウェアインターフェイスは、デジタル一眼でいえばキヤノンのEOS 10Dや20Dのソレが好きである。再生時の操作感には特に強い好みはないが、いわば今時的デジカメが共通して持つアタリマエの操作感は好みだ。

 α Sweetの場合、メニュー表示は一見わかりやすい。メニューのカテゴリーは4つで、撮影メニュー、再生メニュー、カスタムメニュー、セットアップメニューとなり、それらカテゴリー内でさらに複数のページがある、といった感じ。こう書くと煩雑そうに見えるが、各カテゴリーの各ページ内にある項目類は全て一画面上に表示され、例えば上下スクロールの手間が不要な分(1画面上で見えない項目がない分)、一覧性が良いし迷いにくい。カテゴリ数が若干多いような気はしたが、しかし使ってみると、よく整理されたカテゴリ分けだと感じられる。

 だがその印象は、α Sweetに慣れてくると、けっこー変わっちゃってきた。そしてその結論からいえば、もーカテゴリ分けとかしなくていいから大雑把に横並び(実際は縦並びかナ!?)に項目置いちゃってくださいよ~、と。要はキヤノンEOS 10Dや20Dみたいな感じにして欲しいかも~、と。

 結局のところ、カテゴリが4つあり、さらにカテゴリ内がページ分けされている(全カテゴリ合わせて9ページある)と、あの項目はどのページに? という迷いを起こしがちなのだ。

 α Sweetを使い始めてスグは「あの項目はどこに? 」じゃなくて「どーゆー項目をいじればいいのかな? 」状態。まだ項目名なんか覚えていない場合は、カテゴリ・ページ分けで整理されていたほうが使いやすい。

 だが既に何度か項目を設定したりなんかして「あの項目をイジればこうなる」というコトを理解した段階では、カテゴリ分け・ページ分けがちょっとした障壁になる――4方向ボタンと決定(AF)ボタンの押下回数が増えつつイラつき度も高まったりする。図書館で「ふーんこんな本があるのか」と感じるのと、自分の本棚見て「も~っ!! あの本はどこ行った!!」と感じるのとじゃ、まるっきり違うわけですな。

 α Sweetは、決して初心者向けのデジタル一眼ではないと感じる。初心者にも向くと思うが、上級者でも満足できる機能・機構を持ったハイコストパフォーマンスデジタル一眼って気がする。ので、ソフトウェア上で工夫できるメニュー表示系は、できればα Sweet従来の表示と、既に項目名・その機能を把握したユーザー向けの表示を選択できるようにして欲しいとか思ったりした俺だ。


レンズ欲が高まるAnti-Shake

AF DTズーム11-18mm F4.5-5.6(D)
 使っていくごとに細かな点まで見えてくるのは、α Sweetのみならず、どんなハードウェアでも同じですな。前述、α Sweetの使いにくさなども挙げてみたわけだが、しかし、他は非常に快適or慣れれば全然問題ナシである点が多い。

 記事をお読みの方にとってはα Sweetの難点ばかりに目がいくように思うが、ハッキリいってコレはよくできたデジカメだと思う。機会があったらぜひ数日、いじくってみて欲しい。機能的にも操作感的にも、同価格帯におけるライバル機にはない魅力を多々持っている。この価格帯でコレが買えるってのは、大したモンだ。

 最たる魅力は、やはり、Anti-Shakeですな。ボディに実装された手ブレ補正機構であり、手ブレを軽減するシクミなわけだが、デジタル一眼全体で考えたりすると、これは大事級の魅力といえる。だって、どのレンズを付けても全て、手ブレ補正対応ってコトなんすよ!!

 デジタル一眼用っていうか一眼レフ用の手ブレ補正機構実装レンズってのも、ある。なんとかISとか、VRなんとかとか。でも比較的に高価だし、交換用レンズとしてはまだ特殊な部類。その効果はよく知られているものの、交換用レンズとしてはまだ一般的とまではいえないわけですな。

 しかし、α Sweetやα-7 DIGITALの場合、デジカメ本体に手ブレを補正する機構を持っているので、レンズは普通一般のものでかまわない。ほとんどの一般的レンズで、手ブレ補正効果が得られるのだ。激安レンズ付けてもISやVRなんとかみたいな手ブレ補正効果が!! 画質は疑問だが!! ともあれ全レンズが手ブレ補正対応になるのかーッ!! と考えると思わずレンズを買い増したくなるα Sweetなのであり、そこがまたα Sweetの楽しみともいえよう。

 かく言う拙者も買っちゃいました。αレンズ。最初に思わず「AFフィッシュアイ 16mm F2.8」を。α Sweetの場合はレンズ焦点距離を1.5倍したものが35mm換算での焦点距離(画角)となるので、16mmなら24mm!! と思うと同時に魚眼的オモシロ味も少々!? と混乱しつつ衝動買いしたが、結果、そーんなにはおもしろくなかったっス。歪みの多い超広角レンズ、みたいな。できればそのうちサンプル出しますネ。

 それから、「AFマクロ 50mm F2.8(D)」。35mm換算で75mmとなる。90mmくらいのマクロが好きな俺だが、まあその焦点距離にいちばん近そうなのでコレを購入した。まだあんまり使っておりません。雨と風がやんだらちょこちょこ撮ってサンプル出したいとか思っております。

 それと、わりあい最近発売になったデジタル専用レンズの「AF DTズーム11-18mm F4.5-5.6(D)」。35mm換算で16.5~27mm相当の超広角ズームレンズだが、これ、ちょっとなんか、当たり感アリ。いいかもしれない。ていうかイイんじゃないこれ。いいハズだよ。いいよいいぜ!! と俺内部でテンション上がり中だ。


※作例のリンク先は、撮影した画像データそのものです(ファイル名のみ変更してあります)。クリックすると撮影した画像が別ウィンドウで表示されます。

※キャプション内の撮影データは、使用レンズ/画像解像度(ピクセル) / 露出時間 / 絞り値(F) / 露出補正値(EV) / ISO感度 / 焦点距離(35mm判換算、mm)です。


絞り優先オート、スポット測光でAEB撮影。16mm相当のワイド端で撮ったが、ファインダーを覗いている状態でもミョーな歪み感がない。16mm相当の広角という点は、ファインダー内を見ているだけで楽しかったりする。けど写真が平凡ですまんす
AF DTズーム 11-18mm F4.5-5.6(D) / 3,008×2,000 / 1/200秒 / F11 / +0.7EV / ISO100 / 16mm
絞り優先オート、スポット測光でAEB撮影。オレンジ色のパイロンの真ん前から撮影。レンズをもう少し下に向ければ自分の足が入ってしまうほど広角。だが、広角風味が全然ない写真ですまんす。実際の風景とファインダー越しの風景を見比べると、楽しいんですよ!!
AF DTズーム 11-18mm F4.5-5.6(D) / 3,008×2,000 / 1/60秒 / F8 / +0.7EV / ISO100 / 16mm

 つーかですね、このAF DTズーム11-18mm F4.5-5.6(D)というレンズ、「モータードライブが夢!!」だった頃から一眼レフいじくってたヤツからすれば、恐ろしいレンズですよ、ええマジで。11mmて!! しかも11~18mmのズームて!! な~んやソレ!!

 月に1本くらいはリバーサルフィルム!! てな時代・世代から一眼レフカメラいじくってたヤツからしても、驚異のレンズですよコレ、ええホントに。現代的レンズと比べるとどーか知れんが、35mm判換算で16mmとかなのに、歪みも収差も……21世紀って凄い!! とか思ったりしがちなレンズであった。

 まあ、冷静な方からすれば、そーんなに凄いレンズじゃないのかもしれないんスけど、交換レンズ総手ブレ補正機構効果アリなα Sweetユーザーとしては、超弩級広角&手ブレ補正となり、今後撮るのが楽しみな1本である。なんか撮れたらサンプル出しますネ。



URL
  コニカミノルタ
  http://konicaminolta.jp/
  製品情報(α Sweet DIGITAL)
  http://konicaminolta.jp/products/consumer/digital_camera/a_sweet_digital/
  製品情報(AFフィッシュアイ 16mm F2.8)
  http://konicaminolta.jp/products/consumer/a-lens/wide/fisheye16.html
  製品情報(AF DTズーム11-18mm F4.5-5.6D)
  http://konicaminolta.jp/products/consumer/a-lens/dt/11-18.html
  レンズ交換式デジタルカメラ機種別記事リンク集(α Sweet DIGITAL)
  http://dc.watch.impress.co.jp/static/link/dslr.htm#a_sweet
  気になるデジカメ長期リアルタイムレポートバックナンバー
  http://dc.watch.impress.co.jp/static/backno/longterm.htm


( スタパ齋藤 )
2005/09/28 00:13
デジカメ Watch ホームページ
・記事の情報は執筆時または掲載時のものであり、現状では異なる可能性があります。
・記事の内容につき、個別にご回答することはいたしかねます。
・記事、写真、図表などの著作権は著作者に帰属します。無断転用・転載は著作権法違反となります。必要な場合はこのページ自身にリンクをお張りください。業務関係でご利用の場合は別途お問い合わせください。

Copyright (c) 2005 Impress Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.