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コニカミノルタ α Sweet DIGITAL【第5回】
俺とスポット測光とAEB

Reported by スタパ齋藤


 俺の場合、一眼レフで写真を撮るときの測光方式として、スポット測光を好んで使用する。

 今時的デジ一眼の測光方式は多彩・高機能だが、代表的な測光方式としては、中央部重点測光、分割測光、部分測光、スポット測光がある。

 中央部重点測光は、昔から定番の測光方式で、画面の中央を重点的に測光するというもの。分割測光は、画面内を複数に分割し、それぞれの箇所で個別に測光を行なってから、最終的に好ましかろう露出値が決まるというもの。最近では非常にインテリジェントな測光方式となり、逆光か順光かも自動的に判断し、かなり適切な露出が得られる(という)。部分測光は、文字通り画面内の一部分だけを測光するもの。スポット測光は、部分測光よりもさらに狭いピンポイントのみを測光するものだ。

 なぜ拙者がスポット測光を好むかと言えば、コントラスト差を極端に持つ被写体を好み、逆光も大好きで、フツーじゃない露光の仕上がりが好きだから、ではなく、単に長年慣れちゃったからと言えよう。


 何を隠そう初めて買っ(てもらっ)た35mm一眼レフカメラがオリンパスのOMシリーズのOM-2。右も左もわからないド初心カメラ小僧の俺は、OM-2のカタログかなんかにあった“スポット測光”の文字列に惚れた。確か「どのような条件でも的確な露出が得られるスポット測光方式も搭載」みたいなコトが書いてあったのだ。あらゆる条件で!! わーい!!

 というわけでスポット測光し始めたが、中学生の拙者は平均反射率とか18%とかってコトなど全然知らず。結果、スポット測光で失敗写真を連続生産した。が、ド根性で調べたら、ああナルホド。スポット測光というのはそう使うのか、と(数年後に)理解できてから、本格的にハマった。

 あらゆる状況下でも的確な露出値、とまでは行かないが、風景でも超逆光でも夜景でもスポット測光の使い方さえ覚えれば、これほど手間がかからず測光できる方式はナイんじゃなかろうか、と思えた。ただし、反射率が18%(いわゆるグレーカードの明るさ)の被写体をパッと見で発見できるように練習は必要。撮りたいモノをスポット測光するだけでいいんじゃないの? とか思って使うと、中学生時代の拙者のように失敗写真発生率が急上昇する。

 体験上、スポット測光が好きになりかつ常用してしまったので、今もなおスポット測光派である。が、結論から言えば、デジカメにおいては疲れる測光方式ではある。てのは、高度な多分割測光機能を使えば、まあタイテーの被写体において適切と思われる露出が得られまくりだからだ。得られない場合でも、デジカメなら撮影直後の画像確認と露出補正しての再撮影が利く。一方スポット測光は、勘が鈍ると18%な明るさが見えてこず、多分割測光&露出補正撮影より時間がかかる場合が少なくない。


 じゃあオマエも現在の高度な多分割測光方式使えよ、と言われそうなコトはわかっているが、どうも乗り換えにくい。メーカー毎に分割測光の考え方やクセがあるとはいえ、今時的多分割測光はどれも非常に高精度。だが、慣れたスポット測光から、(慣れは要らないけれど露出決定をカメラに支配されるという印象がある)インテリジェントな多分割測光へ変えろというのは、なんつーか、気持ち的に落ち着かない……使っているトイレットペーパーが二重のものから一重のものに変わったような些細な感覚ではあるが。

 ちなみに、スポット測光と同時にAEB(Auto Exposure Bracketing;自動段階露光)を使うのは、スポット測光で失敗写真を量産した経験のトラウマからくる習性。AEBは本来、的確な露出値がわかった上で“押さえ”のために若干露出値をズラして撮るための機構──後でもーちょっと明るめだったり暗めだったりしたほーがOK度が高い可能性があるという場合に好都合だ(と思う)が、読み切れない明るさでスポット測光を行なうとき、失敗を減らすにも便利だと感じる。


スポット測光なんかしてられない

 スポット測光野郎である俺だが、時々、スポット測光じゃダメだぁ~とイラつく時がある。それは、比較的に活発な被写体を撮影している時だ。例えば動物なら、この動物のここいらヘンの体毛が良さそうだとスポット測光している短い時間に、テテテッとどこかに歩いて行ってしまったりする。多分割測光や中央部重点測光慣れしている人なら、シャッターチャンスを逃さないだろう。

 また、AEBを失敗回避のために使うのも結局ダメだぁ~と悲しむこともある。それは、やはり比較的に活発な被写体を撮影している時であり、要は露出が合おうが合わなかろうが、被写体が逃げるときゃぁ逃げるのであり、被写体ブレするときゃぁするのである。

 現在「α Sweet DIGITAL」(以下、α Sweet)を愛用中なわけだが、もちろんα Sweetでもスポット測光&AEBで撮っている。が、スポット測光&AEBで撮っているゆえの失敗がある。例えばこのよーな失敗写真をゲットしてトホホ。


-0.7補正 補正なし +0.7補正

 カーテンの陰からねこが突如出現したと思ったら、大あくびをする構え。あくび中の顔を撮るゼ!! と思って即座にねこの胴体をスポット測光(AEロック)した直後にねこ顔面にフォーカスしてシャッターを切った。が、まず焦りによりAnti-Shakeも効かず手ブレしており、ねこが前に出てきたゆえフォーカスもずれ、しかも撮れたのはねこのあくび後であった。悪作例として非常に優秀な3枚だと言えよう。で、もうひとつ。


-0.7補正 補正なし +0.7補正

 ねこの後ろ頭を撮ろうと、グレーカードのような色のねこをスポット測光。後頭部のハイライトとやや濃いグレーの中間点あたりを測光した。が、このねこの体、いわゆるひとつの低コントラストであり、α Sweetも合焦しにくいらしいが、どうやら合焦。で、シャッターを切ったら、α Sweetの小さくはないシャッター音にねこが反応したのか、3枚目は被写体ブレしてしまった。ねこの毛の色的には、3枚目の露出値が良かったのにぃ~。でも、基本的にかなり後ピンですな>俺。というわけで、これもまた合焦における悪作例として見事な3枚になったと言える。

 要するに、動く被写体を撮るときは、あらかじめ露出値をビシッと掴んでおいてマニュアルで撮るか、高度な今時的カメラに露出とかはお任せしちゃってユーザーはシャッターチャンスに集中するか、である。スポット測光をトロトロ行なってしかもAEBを失敗防止策にしてちゃぁ活発なねこの写真なんざぁ撮れねえぞ>俺!!

 てなわけで、もーいいや、全部カメラ任せで、俺はフレーミングとシャッター押下のみ行なう!! ということに。ついでに被写体ブレもイヤだから、ストロボも使用!! と、狙いをねこ写真ゲットとしてα Sweetを使った。つまりストロボを持ち上げ、撮影モードはAUTOにした。ら、撮りたい写真が撮れた。


オート撮影モードでストロボ使用。うちのねこが、たまに瞬間的に行なう手による挨拶の瞬間が撮れた。「やあ」と手で挨拶する。ウソ!! 毛繕い中に突如こちらを向いた瞬間を撮ったら、このようなミョーな写真が得られた オート撮影モードでストロボ使用。毛繕い中のねこはヘンな顔になるわけだが、そのヘンな顔はAUTO&フラッシュで簡単に撮れることがわかった

オート撮影モードでストロボ使用。うちのこっちのねこは、大あくび中に化けねこのような顔になる。が、ほんの一瞬の出来事。こういう瞬間もAUTO&フラッシュならラクに撮れる オート撮影モードでストロボ使用。化けねこ中を正面から撮ってやろうとトライしたが、若干ピントが後ろにズレてしまった(あくびする瞬間にねこが顔を前に出すため)。でも、AUTO&フラッシュならこういう瞬間をたびたびラクに狙えるので、そのうちジャストピントな化けねこ真正面写真が得られると思う

 あら。AUTO&ストロボでの撮影。えれぇラク。また、α Sweetの内蔵フラッシュは光量も適切ですな。これからねこを撮るときはα SweetのAUTOで撮ろうかしらん、スポットなんとかとかAEなんとかはやめて、とか思ってしまった。


頼れるオートだけど、頼りすぎは危険!?

 α Sweetをオート撮影モードにした場合、撮影時の設定のほとんどをカメラ側が決める。例えばホワイトバランスやISO感度は自動となり、測光方式は分割測光として決まる(デフォルト値・変更可能)。他、細かな撮影・現像機能は使用できなくなるが、露出補正等の基本的な撮影機能は必要に応じて使える。シャッター押すだけで撮れるお手軽簡単モードってわけですな。

 で、結論から言えば、けっこーしっかり撮れちゃうα Sweetのオートモードであった。恐らく多分割測光機構がお利口さんであるため、多くのシーンで的確な露出が得られると感じる。また、わりあい難しめの被写体でもナイスな露出でキメてくれることが多い。例えば夕日入りの写真。


AEB-0.7 AEB±0 AEB+0.7

AUTO 夕景

 絞り優先オート(のスポット測光・AEB)撮影と同時に、オートモードと同時にシーンモードの夕景でも同じ場所から撮影してみた。画角・アングルが若干変わってしまった点はご愛敬。各画像を比べると、太陽が入った被写体にも関わらず、オート撮影でも良好な結果が得られた。夕景モードだとイイ感じに明るめの部分を赤く染めてくれている。なかなか信頼できそーなオートモードですな。

 ということで、最近はちょいちょいオート撮影モードも使っている。が、たまに「あ、頼り過ぎるとアブナい」と思うこともある。具体的には、夕景を撮影している時だ。


オートモードで手持ち撮影。ISO感度が800まで上がり絞り値は解放となる。それでもシャッター速度は1/8秒。普通なら手ブレ必至だが、Anti-Shakeのお陰で手ブレが抑えられている
オートモードで手持ち撮影。これも比較的に暗くて不利な状況だが、まずまずの結果となった

オートモードで手持ち撮影。縦位置で柱に押しつけ(固定して)撮影。かなり暗い状況で、シャッター速度は1秒。Anti-Shakeはオフにしている
こちらは絞り優先オートで台に固定して撮影している。Anti-Shakeはオフ。ISOは100で絞り開放・シャッター速度は4秒だが、ノイズリダクションの効果によりクリアな画像が得られた

 α Sweetには、他のデジカメと同様、手軽なオート撮影モードがある上に、スゲく実用的な手ブレ補正機構のAnti-Shakeが実装されている。ので、フルオートで手軽に撮れる上、手ブレも抑えられるとなると、もー何でもかんでもオートで撮りがちだが、暗いところでオート撮影すると、ISO感度が800までガッと上がっちゃうんですな(ナゼか1600までには上がらないが)。すると一気にノイズが増え、写真全体が粗いようなイメージになる。

 でも、いわゆるコンパクトデジカメのそれよりも、ISO感度を上げた時のノイズは目立たない。し、見方によってはフィルムっぽい粒状感とも感じられるので、まあオート撮影とはあまり関係なくなるが、敢えてISO感度を上げて撮影するという手法もありそうだ。モノクロフィルムの増感現像みたいな結果が期待できるかもしれない。


コレってクセ?

 ところで、オートモードやシーンモード(の夕景)を試してみた結果、よくわからないミョーな現象が起きていることに気づいた。ひとつは露出補正値、もうひとつは測光方式である。

 まずオート撮影の場合。具体的な現象としては、AEB撮影を行った直後に電源を切らずにモードダイヤルを回し、オートモードに切り替えて撮影すると、AEB設定のブラケット順の最初の1枚目の露出補正値が、オートモードに引き継がれてしまうように思える。

 実際に撮影した方法および現象を書くと、まず絞り優先オートモードでAEB撮影とし、AEB露出補正値を-→0→+の順に(連写で)撮影した。次に電源を切らずにモードダイヤルをAUTOに切り替え、一枚撮影。その結果、AEB撮影した結果およびExifデータは正しいが、オートモードではナゼか露出補正値がマイナス(AEB設定の補正値と同じ値)になって撮影されている。また、画像を見たところ、どーもExifデータは間違っておらず、実際にオート撮影時にも露出補正がなされてしまっているようだ。もちろん、オート撮影時に露出補正は行なっていない。てコトで、実際の撮影結果を以下に示す。


AEB-0.7 AEB±0 AEB+0.7

AUTO 夕景

AEB-0.7 AEB±0 AEB+0.7

AUTO 夕景

 あ。撮影結果を示したのは、上の話に疑問を感じる場合はExifデータを直接検証してみてくださいというコトで一応。ともあれ、なーんか電源を入れたまま絞り優先オートのAEB撮影設定からオートモードへ切り替えると、オートモードにAEB撮影設定の露出補正値が引き継がれるというクセ(!?)があるようだ。

 もうひとつ、これはどういう規則性で現象が現れるのかが見えないのだが、絞り優先オート・スポット測光・AEB撮影を行なっていて、そのまま電源を切らずにシーン別撮影モードの夕景にすると、シーン別撮影モードで撮った画像がスポット測光で撮影されてしまうようだ(実際に撮影されているのかExifデータのみそうなのかは不明)。


夕景 AUTO

AEB-0.7 AEB±0 AEB+0.7

 ちなみに、この章の2つの表組みで、表組みの項目順が異なっているが、これは撮影順序をそのまま示すためである。

 さておき、AEB撮影とかスポット測光とかを組み合わせてしていると、ミョーなクセを発揮するっぽいα Sweet。ただ、この現象は、モードダイヤルを回す(モード変更)時、いったん電源を切れば回避できるようだ。ま、AEBとかスポット測光とかって、あんまりやる人いないんで、大した問題ではないかもしれないけど俺的には残念感アリです。



( スタパ齋藤 )
2005/09/21 00:41
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