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ニコン D50【最終回】
普段使いができるデジタル一眼

Reported by 本誌:田中 真一郎


 2カ月間、D50を使ってきた。連写性能や大きな液晶ディスプレイ、改善されたJPEGの画質、使える広角ズームレンズなど、2年前に買ったD100を上回る性能を大いに楽しむことができた。

 一方で、D50はやはりエントリー機なのだと思わせる部分もある。それは絞込みプレビュー機能や、ミラーアップ機構(ニコン デジタル一眼レフでは「低振動モード」と呼ばれてきた)がないこと、ケーブルレリーズが使えないことなどだ。D50では天体撮影なども挑戦してみたのだが、天候不順や筆者の経験不足もあって、うまくいかなかった。ミラーアップやケーブルレリーズがあればもうすこし楽に、ここでお見せできるような作例を撮れたかもしれない。

 もっとも、D50から削られた機能がないと困る局面はごく特殊なものだ。これに不満を感じるようになったのならば、それはD50を卒業して上級機へ移行するタイミングだということになるだろう。


アクセサリあれこれ

 最後になったがD50のために試したアクセサリについて書いておこう。

 D50にはニコン デジタル一眼でおなじみの液晶ディスプレイ保護カバーがない。オプションにも用意されていない、というか、カバーを着けるための溝がない。筆者はD100やD70でもカバーを外してしまっていたので、痛痒を感じないのだけど、ディスプレイ表面に傷がついたりしたらやはり悲しいし、上級機に移行したくなったときにリセールバリューが下がってしまうだろう。

 そこで、ハクバの「デジタルカメラ用液晶保護フィルム Nikon D50専用」(DGF-ND50)を貼り付けた。この手の製品は、うまく貼らないと気泡が入ったり指紋が付いたりする。筆者も不器用なので、これまでうまくいったためしがなかったのだが、この製品はつまみ用のシールが設けられていたりして、比較的楽に、気泡も入れず、指紋も付けずに貼ることができた。

 この製品は面白いことに、D50上面のモノクロサブ液晶ディスプレイ用のフィルムも付属している。どちらも、貼った後の液晶の見え方にもまったく問題がない。


デジタルカメラ用液晶保護フィルム Nikon D50専用
メインディスプレイ用(上)とサブディスプレイ用を同梱。左側に見えるのがつまみシール

 レンズキットの18-55mmレンズにはレンズフードがないので、まずはレンズフードを買ってみた。ニコン純正の「HB-33」というフードが別売で用意されているが、筆者はケンコーが発売している「ホヤ マルチレンズフード 52mm」(量販店で735円)を試してみた。

 HB-33がプラスチック製のバヨネット式なのに対して、マルチレンズフードはゴム製で、ねじ込み式である。ゴム素材を生かして、フードの長さを3段階に伸縮できるのがこの製品の特徴だ。

 結論から言ってしまえば、このレンズにはフードは不要だろう。フレアなどが出そうな状況にでくわすたびに、フードの有無による撮影結果の違いをためしてみたのだが、フードが無くてもとくに弊害はなかったのだ。ゴム製のために、レンズキャップを装着しにくいなどの面もあるため、プラスチック製の純正フードのほうが使い勝手がよさそうだ。


ホヤ マルチレンズフード
望遠用に伸ばすことができる

フード無し。このようなシチュエーションで、わざと逆光で撮影しまくってみたが、フードが無くてもフレアなどは起きなかった

アルティザン・アンド・アーティストのストラップ「ACAM-104」
 D50のためのアクセサリでもっとも満足度が高かったものは、アルティザン・アンド・アーティストのストラップ「ACAM-104」だ。D50にはニコン デジタル一眼でおなじみのストラップが付属する。おまけながら非常にしっかりしたもので、実用に問題はないのだけど、小型軽量なD50にはちょっと太くてゴツすぎるように思われた。

 ACAM-104は「ライカ M5対応ストラップ」となっているが、一眼レフカメラにも問題なく使用できる。細身でD50によく似合ううえに、カメラが取り回しやすい。長さも十分で、中年体系の筆者でも斜めにタスキ掛けができるし、柔らかいからスナップ時に片腕に巻きつけるのも楽だ。色が5種類から選べるものうれしいところで、筆者はネイビーを選択したが、ニコン一眼伝統の赤いアクセントに揃えて、レッドを選択するのも似合いそうだ。

 D50は2カ月の間、プライベートにも、取材にもよく応えてくれた。小型軽量なボディのおかげで、それまで使っていたD100やD70よりも使いやすいと感じることのほうが多かった。18-55mmレンズを着けて、ノートPCとともに通勤カバンに放り込んだままでも、負担に感じることはなかった。

 記録媒体や操作方法の違いはあるものの、上級機ユーザーにも「普段使いのデジタル一眼」としてお勧めできるカメラだ。


作例

※作例のリンク先は、撮影した画像データそのものです(ファイル名のみ変更してあります)。

※すべての作例は、特に記述がない限り、レンズはED 18-55mm F3.5-5.6G、マニュアル露出、ISO400、オートホワイトバランス、露出補正無しで撮影しています。

※キャプション内の撮影データは、画像解像度(ピクセル) / 露出時間(秒) / 絞り値(F) / 焦点距離(35mm判換算、mm)です。


3008×2000 / 1/400 / F5.6 / 30
今回の作例はすべて夏休みの旅行先で撮影したもの
3008×2000 / 1/800 / F4.8 / 52
なるべくシャッタースピードを速くして、水の動きを止めようとしたのだが……

3008×2000 / 1/1000 / F8.0 / 57
3008×2000 / 1/800 / F8.0 / 82

3008×2000 / 1/800 / F8.0 / 82
シングルAFとコンティニュアスAFを自動で切り換える「AF-A」はこんなときに便利
3008×2000 / 1/125 / F8.0 / 78


( 本誌:田中 真一郎 )
2005/08/25 16:56
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