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ニコン D50【第6回】
打ち上げ花火撮影に挑戦

Reported by 本誌:田中 真一郎


 1日に行なわれた神宮外苑花火大会に出かける機会があったので、D50による花火撮影に挑戦してみた。

 筆者は人混みが嫌いなので、花火大会のようなものにはあまり出かけない。神宮外苑に出かけたのは、指定席が確保されていて、場所取りなどの手間が省けて、比較的楽に花火を楽しめそうだったからだ。神宮外苑花火大会は数カ所の会場が用意されているが、筆者が陣取ったのは秩父宮ラグビー場である。

 花火大会に出かけないということは、花火撮影をしたこともないし、どのようにやるのかもよく知らなかったということである。前夜に慌ててインターネット上や雑誌で公開されているノウハウを詰め込だ。まさに一夜漬けのぶっつけ本番。

 花火撮影のノウハウは、極めれば山のようにあるのだが、まったくのビギナーである筆者は、とりあえず次の4点だけ守って撮ることにした。



  • カメラをしっかりした三脚に固定し、シャッター操作はリモコンで
  • 露出モードはマニュアル。絞りはF11、シャッタースピードはバルブにして、手動で時間を調節する
  • 感度はISO200
  • ピントは無限遠


 というわけで愛用の4段三脚ベルボン ネオカルマーニュを担いで秩父宮ラグビー場に出かけた。会場に三脚の持ち込みが許されないかも、と当日になって思い当たったのだが、そんなこともなくバックスタンド南寄りの指定席に無事着席した。

 席の前には50cm程度の余裕がある。三脚を全開にするのは無理だが、1段だけ伸ばして、前の席の背中と自席の前辺に押さえつけるように開く。高さはエレベーターで調節することにしたが、周囲のお客さんの視野を妨げないために、低めに設置した。

 あとは明るいうちに上記の設定をして、打ち上げが始まったら構図を調整しながら、ひたすらシャッターを切りまくった。なお、レンズは18-55mmと55-200mmを持って行ったが、打ち上げの場所からかなり近く、しかも低空に打ち上げられたため、55-200mmの出番はなかった。

 花火対策用の特別装備としては、小型のLEDライト付きキーホルダーをストラップにくっつけておいた程度である。D50の上面液晶パネルにはイルミネーターが無いので、夜間にさまざまな設定を確認しようと思ったら、外部光源が必要になる。


ストラップに着けた小型LEDライト リモコン「ML-L3」を使用。バルブ撮影の場合は1回押してシャッターが開き、2回目で閉まる

 最初は律儀にリモコンで撮影していたのだが、花火の合間に数分間、スポンサーの紹介などがあって、この間にリモコン設定が解除されてしまう。再度設定しないと、シャッターボタンで操作するしかなくなるわけだが、まごまごしていると次の打ち上げが始まってしまう。だから、シャッターボタンで撮影してしまったカットも少なからずある。が、幸い三脚自身と設置がしっかりしていたので、シャッターボタンによるブレはそうひどく影響しなかった。

 結果はご覧のとおり。約250枚撮影して、なんとか使えそうなのが17枚。うち、4枚を厳選した。お恥ずかしい限りだが、「素人でもこのくらいまではなんとかなる」あるいは「一夜漬けではこの程度しかできない」という見本としてご覧いただきたい。


※作例のリンク先は、撮影した画像データそのものです。クリックすると撮影した画像が別ウィンドウで表示されます。

※キャプションの撮影データは、画像解像度(ピクセル)/露出時間(秒)/絞り値(F)/露出補正値(EV)/ISO感度/レンズ焦点距離(35mm判換算、mm)です。


単発の花火がなかったので、いわゆる「大輪の花」のような絵は撮れなかった
3,008×2,000 / 4.2(秒) / 11 / 0 / 200 / 75
フレームからはみ出しているが、なんとなくアートっぽい仕上がりになったので気に入っている1枚
3,008×2,000 / 2.7(秒) / 11 / 0 / 200 / 75

ピントや露光時間の調整次第ではもっとシャープに写るはず
3,008×2,000 / 2.6(秒) / 11 / 0 / 200 / 75
フィナーレの花火。座った席からはどうしても照明塔が入ってしまうが、花火の位置や高さや大きさがよくわかってよい、と自分に言い聞かせる
3,008×2,000 / 2(秒) / 11 / 0 / 200 / 75

 今回は花火までの距離が非常に近かったうえに、複数の花火が同時に、連続して打ち上げられるものばかりだった。だから、バルブで露光時間を調節すると明るすぎてしまうことが多かった。そのつど液晶モニターで確認して、調整するのだけど、バルブよりも1秒とか1/10秒のような遅いシャッタースピードを設定してしまえばよかったかと反省している。

 それと、無限遠ではややピントが外れていたようだ。もっとも、D50 Wズームキットに付属するレンズはどちらも、マニュアルフォーカスリングはあくまで「添え物」。しかもマニュアル時は異常にトルクが軽く(軽いというより、ない)、なにかの拍子に動いてしまうことがあり、マニュアルでピントを固定した撮影は困難だった。違うレンズも用意しておくべきだったかもしれない。



URL
  ニコン
  http://www.nikon.co.jp/
  製品情報
  http://www.nikon-image.com/jpn/products/camera/digital/slr/d50


( 本誌:田中 真一郎 )
2005/08/03 00:30
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