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ニコン D50【第5回】
エントリークラス デジタル一眼のシャッター音

Reported by 本誌:田中 真一郎


 D100/70からの操作系の変更に戸惑うことはあるものの、D50のインターフェイスにはおおむね満足している筆者である。

 とくにいいなと思うのは背面の液晶モニタ。D100の1.8型モニタも小さいながら画像は鮮明で、とても気に入っていたのだけど、これが2型になっただけでこうまで見やすくなるものかと驚いている。なお、D100でもD50でも、筆者は「画面の明るさ」を-1に設定している。これで、筆者が愛用しているThinkPad T42で撮影画像を表示したときと、だいたい同じ明るさに見える。


メニュー画面 ヘルプを表示したところ

 液晶モニタの大型化のおかげで、メニューの表示範囲が広くなったのもうれしい。D50にはエントリークラス向けらしくヘルプ機能も用意されていて、これも大きな液晶を生かした機能といえるだろう。「?」ボタンを押すと、メニュー内の選択した項目についての説明が表示される。デジタル一眼レフの設定項目は多岐にわたるから、初心者でなくてもありがたい機能だ。

 ヘルプは、慣れてくれば不要になる機能でもある。慣れてきたらヘルプでなく、D2Xにあるような「よく使うメニュー」をすぐに呼び出せるように変更できたらいいな、なんて思ったりするのだが、これは贅沢だろうか。

 さて、今回はちょっと趣向を変えて、D50とそのほかのエントリークラス デジタル一眼レフの対決をやってみよう。とはいってもテスターはずぼらな筆者しかいないので、デジタルカメラマガジンなどの雑誌でやっているような、緻密で役に立つ対決にはなりえない。

 筆者が今回注目したのは「シャッター音」だ。一眼レフの場合はミラーなどが動く音もするから、厳密にはシャッター音ではないのだろうが、ここでは便宜上、シャッター音としておく。

 シャッター音は、カメラのアイデンティティーの重要な部分を占める要素だろう。D50のシャッター音は、それを単独で聴くぶんにはなにも問題はない。シャッター幕以外にもいろいろなものが動いている一眼レフらしい感じがして、不満はない。

 が、ちょっとお高いデジタル一眼レフからD50に持ち替えると、少しく安っぽく感じられることがある。高級機では重いものが動いたりぶつかっているような音、無理やりカタカナで表現すれば「ガシャンガシャン」という音がするのに対し、D50ではいかにも軽く、「バサンバサン」と言っているように聴こえる。

 もちろんこれは、高級機と比較するからそう感じるのだ。シャッター音の軽さは、D50の小型軽量で安価という美点を反映していることでもある。

 では、各社のエントリークラスと比べるとどうなのか、ふつふつと興味が沸いてきた。そこで、編集部にあったオリンパス E-300、キヤノン EOS Kiss Digital N、ペンタックス *ist DLのシャッター音を録音して比較してみた。

 全機種とも一応、マニュアルフォーカスにし、絞りF5.8、シャッタースピード1/2,000秒、連写モードに設定し、レンズ鏡胴左側にICレコーダーを配置して録音した。本来ならスタジオ等で録音したいところだが、筆者の性格と時間の都合上、編集部の外の廊下で、雑音が入らないのを見計らって録音した。*ist DLのみ、都合により他の3機種とは違う日に録音した。音声ファイルはいずれもMP3形式である。念のため、あくまで参考程度にとどめておいてほしい。


※各機種のキャプションのファイル名をクリックしてダウンロードして下さい。


【オリンパス E-300】
e300.mp3
【キヤノン EOS Kiss Digital N】
kissn.mp3

【ペンタックス *ist DL】
istdl.mp3
【ニコン D50】
d50.mp3

 いかがだろうか。筆者にとってもっとも印象的だったのがE-300で、ミラーやシャッターの音よりも、モーター音のような高周波音のほうが大きく聴こえる。特異な外観とあいまって、一眼レフカメラというトラディショナルな機械でなく、SFに出てくる武器を操作しているような気分になった。Kiss Digital Nにも似た傾向があるが、こちらはE-300ほど演出過剰でもないように思われる。

 *ist DLの音はぐっと一眼レフらしくなる。軽いのだけど、“金属感”が横溢している。デジタル一眼でもどことなくクラシックな面影を帯びた*ist Dシリーズに、ふさわしい音に思われる。

 翻ってD50はどうか。*ist DLほどではないにしろ、D50も、いろいろなものが動く音が聴こえてくる、トラディショナルなカメラらしい音がするように思う。D50はニコン デジタル一眼シリーズの中ではもっともデジタルカメラっぽい外観だと思うのだけど、それでもメカニカルなカメラの魅力を忘れていないD50らしい、というのはユーザーの贔屓目だろうか。

 なお、β機しかなかったためにここには掲載していないが、同条件でコニカミノルタが発表したばかりのα-Sweet DIGITALのシャッター音も比較してみた。こちらはD50によく似た感じがしたが、製品版ではどうなるのだろうか。楽しみである。


作例

※作例のリンク先は、撮影した画像データそのものです。縦位置のものは、サムネールのみ回転していますが、拡大画像はあえて回転せずに掲載しています。クリックすると撮影した画像が別ウィンドウで表示されます。

※キャプションの撮影データは、画像解像度(ピクセル)/露出時間(秒)/絞り値(F)/露出補正値(EV)/ISO感度/レンズ焦点距離(35mm判換算、mm)です。


今回の作例は写真日記風に「台風一過の朝」。娘を保育園に送る前にまず1枚。プログラムAEでは絞りがF8くらいになったのだが、雲のディテールが出ないものかと、プログラムシフトでもうすこし絞ってみた
3,008×2,000 / 1/320(秒) / 14 / 0 / 400 / 27
保育園のプール
3,008×2,000 / 1/320(秒) / 9 / 0 / 200 / 27

プールに気を取られて、そっぽを向きながら手を振る娘。父親はすでに眼中にない。一応こどもスナップモードにしてみました
3,008×2,000 / 1/200(秒) / 5 / 0 / 400 / 30
子どものころ、台風のたびに堤防の上辺ギリギリまで増水してたのを思い出して、近所の鶴見川に寄ってみた。遊水地が整備されたので、今やドラマチックなことは起きなくなったらしい
3,008×2,000 / 1/250(秒) / 9 / 0 / 200 / 36

家に戻ってみたら雲はなくなっていた
3,008×2,000 / 1/400(秒) / 10 / 0 / 200 / 27


URL
  ニコン
  http://www.nikon.co.jp/
  製品情報
  http://www.nikon-image.com/jpn/products/camera/digital/slr/d50


( 本誌:田中 真一郎 )
2005/07/28 00:12
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