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リコー Caplio GX8【第3回】
ワイコンいらずか? 広角28mmの魅力

Reported by ケニー・オブライエン


Caplio GX8(背面)
 今回の旅は、くやしいことが多かった。旅程が短いこと、天気が悪かったこと、一脚を持っていかなかったこと。だがCaplio GX8のおかげで、ひさしぶりに撮る楽しさを味わえたように思う。こんなに一所懸命に撮ったのは何年ぶりだろう。少なくともデジカメを使うようになってからは初めてだ。

 Caplio GX8を買った第一の理由は、広角端28mm相当(35mm判換算、以下同)のズームレンズ搭載機だからだ。広角レンズはいいかげんに撮るとだだっ広いだけでつまらない写真を量産するので、望遠レンズより難しいと思っている。だが巨大な建物などを撮るときは、本当に便利だ。その上、歩く距離が減るのも旅においては大きい。先月まで使っていたデジカメは広角端が38mm相当だったため、被写体が収まるまで歩き回ったものだった。銀塩一眼レフで広角ズームを使っていたときも楽だった。ただし広角レンズはパースが強調されすぎるのが難点だし、水平も狂いやすい。そのため歩く代わりにしゃがんだり、妙な姿勢で撮る頻度が高くなるのだが……。

 Caplio GX8には「ステップズーム」という機能がある。これをONにすると、焦点距離の移動が無段階でなく、焦点距離28・35・50・85mmの4段階に固定される。私はこのステップズームをONにして使っている。もともと画角を頻繁に変えて撮影することはないし、デジカメを使うようになってからは、ズームレンズの広角端を多用している。Caplio GX8のステップズーム4段階のうち、85mm以外は銀塩一眼レフ用の単焦点レンズを持っているので、画角の予測がつきやすい。


「ステップズーム」のON/OFF設定。ONにすると焦点距離を28・35・50・85mmに固定できる
 案の定、Caplio GX8の場合もほとんど28mm単焦点レンズのように使っていた。望遠端85mmは今回の旅では1回も使っていない。また、50mmで数カット撮ったが、28mmでは大げさに写る被写体も素直な感じに写る。28mmは旅先で便利だが、50mmという焦点距離も見なおそうという気になったのは、ステップズームのおかげだろうか。そうでなければ、ズームレンズで広角端と望遠端以外の焦点距離など意識しないだろう。

 またCaplio GX8には、オプションでワイドコンバージョンレンズが用意されている。装着すると22mm相当という超広角レンズ領域に達するので、かつて20~35mm広角ズームを常用していた者としてはかなり魅力的に思っていた。しかし今回の旅でCaplio GX8を使いはじめて、28mmまでで十分かも、と考えが変わってきた。

 というのも、20~35mmではほとんど35mm端にしており、必要に応じて画角を広く調節するという使いかただった。それもたいてい28mmあたりまで。さらに広く撮っても24mm程度で、20mmなんて年に数回しか使わなかった。24mmでも難しい画角だと思ったのに、Caplio GX8にワイドコンバージョンレンズを付けると22mmか……。

 20mmは、レンズの方向を少しでも変えると世界が劇的に変わる。縦の線は傾き、フレームの中心に来るものは遠くへすっ飛んでいく。写真に演出を施したくても、これではさすがに不自然だ。先月まで使っていたデジカメでは、本体とワイドコンバージョンレンズを同時に買った。だがCaplio GX8では、28mmで足りるかどうか試してからにしようと思う。

 結局、Caplio GX8用のワイドコンバージョンレンズは、買わないかもしれない。私の旅においては28mmという画角がちょうど良い、ということなのだ。

※作例のリンク先は撮影画像をコピー後リネームしたものです。
※作例データのキャプションは、記録解像度(ピクセル)/露出制御モード/露出時間(秒)/レンズF値/露出補正値(EV)/ISO感度/ホワイトバランス/焦点距離です。


九龍・尖沙咀にて。こういうカットは広角で撮る方が好きだ。日曜の午前中のため、九龍一の繁華街もまだ閑散としている。
3,264×2,448 / プログラムAE / 1/217秒 / 4.7 / 0 / 100 / オート / 5.8
これぞ香港、の横組み看板。ここでは広角だと遠近感がつきすぎて散漫になるし、望遠端では看板がくっつく。50mmがもっとも気に入った。
3,264×2,448 / プログラムAE / 1/18秒 / 4.3 / 0 / 100 / オート / 17.4

ちょっと失敗。手ブレが発生した。このレポートが終わったら、こういうカットは撮影サイズをすこし小さくするようにしたい。
3,264×2,448 / プログラムAE / 1/7秒 / 2.5 / 0 / 100 / オート / 5.8
香港のシンボル「中銀大廈」をバックに香港名物二階建てトラムを入れてみた。私は乗りものが大好きだ。撮るよりもまずは乗る。
3,264×2,448 / プログラムAE / 1/34秒 / 2.5 / 0 / 100 / オート / 5.8

手持ち撮影ではこれが限界だった。せっかく雨が上がったのに、すぐに日が暮れてしまった。
3,264×2,448 / プログラムAE / 1/9秒 / 2.5 / 0 / 100 / オート / 5.8
香港の空港にて。関空以降にオープンした空港は、たいてい天井が高くて空間を強調した設計だ。広角レンズなら記憶している空間の広さをあとで思い出せることだろう。
3,264×2,448 / プログラムAE / 1/143秒 / 2.5 / 0 / 100 / オート / 5.8


URL
  リコー
  http://www.ricoh.co.jp/
  製品情報
  http://www.ricoh.co.jp/dc/caplio/gx8/


( ケニー・オブライエン )
2005/06/20 00:03
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