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手ブレ補正モードの切替スイッチは上面右端に配置されている
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FX8の最大の特徴は、コンパクトな筐体に光学手ブレ補正機構が組み込まれているところにある。
FX8には光学ファインダーがなく、大きな液晶をある程度、顔から離した状態で構えることが多い。やばそうなときにはEVFを使って顔と両手で3点ホールドができたFZシリーズに比べて、手ブレしやすいだけに、手ブレ補正機能は有効だ。
LUMIXシリーズの手ブレ補正は、最初は1つのモードしか無かったが、FZ10から2つのモードが用意されている。「モード1」は常時手ブレ補正機能がオンになっており、「モード2」は撮影時のみ手ブレ補正が有効となる。モード1には液晶画面が揺れずフレーミングがしやすいという利点があるが、補正範囲が広がることと、省電力になることを優先して、普段はモード2にしている。
モード2にしているとモード1や手ブレ補正オフに比べ、レリーズボタンが重く、タイムラグも大きくなるような気がしている。まぁ、他のモードに比べて、やることが増えているので動作が重くなる可能性はあるだろう。機会をみて、なんらかの方法で計ってみたいと思っている。
手ブレ補正の威力は絶大だ。手ブレ補正機能のありがたみを一番感じているは、旅先での食事の記録だ。暗い店内でも雰囲気を壊す(かつ注目を集める)ストロボを焚かずに、撮れるのはうれしい。
ちなみに、ISO感度をAUTOに設定していると、FX8はほとんどISO80かISO100、やや暗い場合でもISO200になっていることが多い。絞りは開放値(ワイド端でF2.8、テレ端でF5)で撮影されていることが多いが、日中の室内でもシャッター速度は1/15~1/30秒になってしまう。これでも、手ブレがほとんどわからないのだからやはり大したものだ。シャッター速度にして約3段分の効果があるとされているが、それぐらいの効果は十分に実感できる。
なお、これぐらい遅いシャッター速度だと、人間などは動体ブレも出てくるが、それはそれで絵として面白くて、いいんじゃないと思う方なので、あまり気にしていない。もちろん、CCDがより低ノイズかつ高感度になって、プログラムがより速いシャッター速度を使うようになれば、被写体ブレも起こりにくくなるので、それに越したことはない。このあたりは次の製品への要望というところだろう。
■ 手ブレ補正モードの比較
※作例のリンク先は撮影画像をコピー後、リネームしたものです。
※キャプションの作例データは、記録解像度/露出時間/レンズF値/露出補正値/ISO感度/35mm判換算での焦点距離(mm)です。
※その他、コントラスト=標準、彩度=低、シャープネス=ソフトで統一しています。圧縮率は夜景がファイン、それ以外はスタンダードです。
手持ちで各モードに切替ながら夜景を撮影した。ホテルのネオンを見ると手ブレ補正機能の効果がわかる。
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【手ブレ補正モード1】
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【手ブレ補正モード2】
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【手ブレ補正OFF】
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■ 作例
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雨の中のアジサイ。天気の悪い日でも、気軽に接写できる。
2,560×1,920 / 1/40秒 / 2.8 / 0 / 100 / 35
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小さな花でも、細かいところまでよく写っている
2,560×1,920 / 1/80秒 / 2.8 / 0 / 80 / 35
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暗めの店内のためスローシャッターになっているが、手ブレは感じられない。ISO200に増感されているので、ノイズっぽいのが残念。
2,560×1,920 / 1/8秒 / 2.8 / 0 / 200 / 35
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同じ店の餃子。記録としては十分だが、もうちょっと明るく撮れてほしい。
2,560×1,920 / 1/15秒 / 2.8 / 0 / 200 / 35
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赤坂見附駅通路の天井画。30分置きに星座が輝く。シャッター速度が遅いので、通行人は動体ブレしている。
2,560×1,920 / 1/8秒 / 2.8 / 0 / 200 / 35
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高層ビルからの遠景。あいにくの天気なのでシャッター速度は1/40秒になっている。ガラスの映り込みが残念
2,560×1,920 / 1/40秒 / 2.8 / 0 / 80 / 35
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■ URL
松下電器
http://panasonic.jp/
製品情報
http://panasonic.jp/dc/fx8/
手ブレ補正図解ページ
http://panasonic.jp/dc/megaois_science/illustration.html
( 伊達 浩二 )
2005/06/17 00:22
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